2005年12月31日

2005年12月

1ポイント(1ポイント)05/12/31
マンダレイの女主人 05/12/30
風邪ひいた 05/12/29
アイルズ戦でソールドアウト 05/12/28
バンドワゴン 05/12/27
クリスマスの贈り物 05/12/25
超えられない壁 05/12/24
五輪の話と映画の話 05/12/23
クリスマス・ジャージ 05/12/22
ミラー・タイム・アゲイン 05/12/21
やっぱりホームが一番 05/12/20
ビロン先発13連勝だと 05/12/19
ダラスに勝利 05/12/15
お知らせなどなど 05/12/15
なんだかいろいろ 05/12/14
先発10連勝 05/12/13
王妃デジレのことなど 05/12/12
たまらんな 05/12/10
テレビとラジオ 05/12/9
ソールドアウト 05/12/7
心臓に悪いよ 05/12/6
北海道の思い出 05/12/5
まさかの勝利 05/12/3
500円の試合 05/12/2
終わりよければ 05/12/1


1ポイント 05/12/31

 今日は勝てると思ったのだが……。今日といっても、現地時間12月29日トロントでのリーフス戦のことだが、2対0から2回追いついて3対3になるも、シュートアウトで負けてしまった。ビロンはシュートアウトが苦手で、自分でもそう言っているが(負けてもぬけぬけとしゃべるのがビロン)、ラジオの実況を聞いた感じではセイバーズがずっと押しているように感じたのだけど。でも、リーフス・サイドでは自分たちの方が押していたと思っていたようだから、実際は五分五分だったのかもしれない。
 確かに、どちらも主力を何人も欠いていて、シュート数もほぼ同じ、どちらもPPゴールとSHゴールがあり、ペナも同じくらい。がっぷり四つに組んで、という試合だったのだと思う。特に3ピリ終盤とOTはRJの実況がすさまじく、ラジオを聞いてこんなに興奮し、手に汗握ったのは久しぶりだった。勝っていたら、絶対に録音して保存しただろう。それだけに、シュートアウトがあまりにもあっけなかったのが残念。シュートアウトがなくて引き分けでも録音しただろうに。こういう、本当に引き分けがふさわしい試合の場合、やっぱりシュートアウトが嫌いになってしまう(セイバーズがシュートアウトのおかげで勝ちを拾ったときもあるのだが)。
 ベルフォアはけっこうミスもあったようだが、それにつけこめなかったのが痛い。それに、フェイスオフが4割くらいしか取れなかったのも、いつものセイバーズらしくないところだ。ビロンもディフェンス陣もよかったようだし、PKでのヘヒトの活躍、コノリー、タリンダー、ポミンヴィルがゴールし、コノリーは1G2Aの活躍と、セイバーズのよさも随所に出ていたのだが、これからはこういうしぶとい相手とばかりになるので、真価がわかるのはこれからという気がする(まだどこか信じていないので、カラスがはずせないのだ)。
 それにしても、RJのOTの実況は、激しい攻防をそのまま映し出すようなすさまじいスピードで、とめどなく激しく、しかもリズミカルに流れる声には圧倒された。ネットラジオだけのファンにとって、彼の実況こそプライスレス。


マンダレイの女主人 05/12/30

 風邪は少しはよくなってきたみたいである。昨日までは1日1箱ティッシュペーパーを使っていた。クレインズを応援しているのだから、クリネックスの5箱セットを薬局で298円くらいで買っておけばいいのだが、どうもあの5箱はかさばる。なので、セブンイレブンの猫のティッシュを買っていたのだけど、このところ、毎日、猫のティッシュを買うはめになっていた。ちなみに、ポケットティッシュは何年も前からクリネックスを愛用しています。
 そうそう、釧路にクレインズの試合を見に行ったら、入場者にはもれなくラップを配っていました。

 先日は風邪をおしてラース・フォン・トリアー監督の新作「マンダレイ」を見てきた。この監督の映画は頭がシャキッとしてるときに見ると気が滅入るか頭に来るかである。だから、風邪でボケッとしてるときの方がいいに違いないと思った。
 「マンダレイ」は前作「ドッグヴィル」の続編で、ニコール・キッドマンが演じたグレースを今度はブライス・ダラス・ハワード(ロン・ハワードの娘)が演じる。例によって例の調子の映画であるが、今度は寓意がはっきりしてるので、わりとあっさり見られた。
 それより、タイトルの「マンダレイ」って、ヒッチコックの映画「レベッカ」のお屋敷の名前だよね。ヒロイン(ジョーン・フォンテーン)が妻に先立たれた男(ローレンス・オリヴィエ)と結婚してマンダレイにやってくると、そこは亡き先妻レベッカの影が支配している、という話。レベッカの忠実な召使いだった家政婦がヒロインをねちねちといじめる。映画「マンダレイ」では、農園の女主人(ローレン・バコール)が死んで、残された黒人奴隷たちをグレースが自立させようとするのだけれど、という話。バコールがレベッカ、グレースがフォンテーン演じるヒロインというわけです。

 忘れていたが、12月29日はブログ開設1周年であった。


風邪ひいた 05/12/29

 釧路から帰ってからずっと風邪っぽかったのだが(釧路より東京が寒かった)、クリスマスの週末についに寝込み、その後もあまりよくならない。来週は苫小牧へ行くつもりなのに、大丈夫だろうか。映画評の原稿も2本あるのに……。
 27日に続いて、28日の釧路でのクレインズ対バックスでも、プラントは欠場したようである。まあ、試合はクレインズの圧勝で、プラントがいなくてもノー・プロブレムなのだが。結局、札幌の2日目に出ただけってことは、釧路のコクド戦に行ったのはまさに正解だったのね。苫小牧は出るのかねえ。とりあえず、釧路で撮ったクリスマス・ジャージの写真をもう1枚上げておこう。
 最近、NHL関係の掲示板や記事でプラントの名前を何度か目にした。大物スターが1人もいないのに勝ち続けているセイバーズについて、プラントがいた頃のセイバーズに似ているといった書き込みがあったり、ハシェック抜きで1回戦を勝ち抜いた97年プレーオフのプラントのこととか、あるいは、デビルズのHCに立候補しているテッド・ノーランについての記事で、ノーランの時代のセイバーズはプラントがトップ・スコアラーだったのにそれでも勝てたとか。確かに今のセイバーズには当時のプラントと同じくらいのフォワードが何人もいて、彼らが日替わりで活躍している。
 ところで、プラントの26番を受け継いだヴァネクはこのところ、ゴール数がどんどん増えている。プラントのルーキー・イヤーの成績は56ポイントだったが、ヴァネクにはこれを越えてほしいものだ。


アイルズ戦でソールドアウト 05/12/28

 いやあ、驚いた。12月26日はボクシング・デーで休日とはいえ、バッファローのアイルズ戦でソールドアウトなのだと。しかし、しょっぱな、コタリクのゴールで1点先行したものの、ミラーが止められるはずのシュートを3つも許して3対1。相手ゴーリーはディピエトロではなくスノウだから、すぐに返せると思ったら大間違い。ソールドアウトのはずが場内しーんと静まりかえっている。で、2ピリにやっとアフィノゲノフのゴールで1点返し、そして3ピリでキャンベル、ヴァネク、ドゥルーリーと怒涛のゴール(ドゥルーリーはヴァネクのゴールの11秒後)。最後にヘヒトがエンプティネットにゴールして、6対3で勝利。これでアイルズには今季4戦全勝。アイルズには過去2シーズン、ほとんど勝てず、03/04シーズンには4戦全敗で、プレーオフを逃した最大の原因がアイルズに1つも勝てなかったことだったのだが。この日の試合は、シャターンにはゴールされてしまったが、ジトニクのペナで勝ち越し点ゲット。この2人にアイルズに行かれてしまったショックはとうに過去のものになり、いまや、シャターンと同じくらいの成績の選手はセイバーズには5、6人いるし、ジトニクより遥かに安い年俸のテッポとルドマンがジトニクに劣らぬ働きをしている。
 この試合はセイバーズの方がシュート数がずっと多いし、フェイスオフも一時は7割くらい勝ってたし、ペナはアイルズの方が取られているし、実況聞いててもセイバーズが終始圧倒している感じだったのに、なかなか追いつけない。これで負けたらいやだなあ、と思っていたが、終わってみれば今季のセイバーズとアイルズを象徴するような試合であった。
 1ピリではポカ連発のミラーだったが、先週のディフェンシヴMVPに選ばれている。

 さて、夜は釧路でクレインズ対バックスがあり、クレインズが快勝していたが、プラントはまたもお休み。プレーオフをにらんで休ませているだけならいいのだけど。また、アジアリーグ公式サイトに札幌の試合のダイジェスト・ビデオがアップされている。ここのビデオはNHL公式のビデオより画質がいい感じ。


バンドワゴン 05/12/27

 「勝ち馬に乗る」というのを英語では「バンドワゴンに乗る」というのだが、セイバーズも連勝に次ぐ連勝で、バンドワゴンに乗るファンが増えてきたようだ。私のようにどん底のときにセイバーズを知り、それからチームのことをいろいろ調べて、ほとんど同情からファンになったような人間から見ると、なんだかなあ、という感じがしないでもないが、チケットもずいぶん売れているようなので、チーム的にはいいことである。でも、これで、ふらっとバッファローに行って当日券を買って見るというのはむずかしくなったかなあ。実は、海外1人旅って、いまだ経験ないので、行くには相当勇気が必要。北海道にクレインズの試合を見に行くのさえ、かなりの決心なんだから(年とともに旅行はしづらくなります)。
 クレインズに関しては、私は完全に「バンドワゴンに乗る」ファンなので、弱小だった頃から応援してきたファンのことを思うと、ちょっと引いてしまう。というか、元セイバーズのデレク・プラントが来たから応援するようになったので、正確には「バンドワゴンに乗る」のとは違うんだけど。
 で、24日のバックス戦は欠場したプラント、25日のコクド戦には出場し、3アシストした。てことは元気なのかい?

 気の早いファンがNHLの共通掲示板に「セイバーズはカップが取れるか」というスレッドを立てて物笑いの種になっている。そこにあった面白いレスをご紹介。
「ジム・キャリーはまだ神様の代わりをしているのか?」(セイバーズが優勝する映画「ブルース・オールマイティ」のこと。ゴーリーのジム・キャリーだと思った人が見当違いなレスをつけている。)
「ファイナルはセイバーズ対コヨーテズ。ハルが引退撤回してコヨーテズが優勝」(テッポとブリエアが古巣と対決することになるので、これはなかなかおいしいカード。でも、この組み合わせになる確率はどのくらいだろう。)

 セイバーズの元HC、テッド・ノーランがデビルズのHCになりたがっているらしい。セイバーズ時代には最優秀コーチ賞を受賞するも、マックラーGMやハシェックとぐちゃぐちゃの確執があって、以後、NHLから締め出された格好のノーランだが、どうする、デビルズGM? それにしても、現在のセイバーズにこういうぐちゃぐちゃがないことはひたすら喜ばしい。


クリスマスの贈り物 05/12/25

 日本では24日と25日にアジアリーグの日本の4チームが札幌で試合をしているが、NHLはこの2日間は試合なし。クリスマス休暇前の現地時間12月23日、フロリダ州タンパでセイバーズはライトニングと対戦し、4対1で勝った。1点差でない勝利はほんとに久しぶりのような気がする。やっと厚い氷の上で勝てたっていう感じ。
 トリノ五輪のアメリカ代表に選ばれなかったミラーは、選ばれたグレアムに負けるわけにはいかない。しょっぱな、ソフトなゴールを許したものの、その後はしっかり押さえた。セイバーズはヴァネク、ドゥルーリー、タリンダーがゴールし、最後にこの日が誕生日のコタリク(写真中央)がエンプティ・ネットにゴール。コタリクもチームのゴール王でポイント王なのにチェコ代表に選ばれていない。また、新人パイエがアシストでNHL初ポイントを上げた。
 オタワが勝ったので首位には並べなかったが(五輪代表のディピエトロ、大丈夫かね)、クリスマス前にこんなによい成績は16年ぶりだとかラジオで言っていた。セイバーズ・ファンにとってはこれ以上ない、すばらしいクリスマス・プレゼントだ。

 さて、午前にセイバーズが勝って、午後にクレインズが勝つというパターン、24日も健在。札幌は雪らしいけど、クレインズはバックスに4対2で勝利。ただ、プラントが出場していなかった。バックスもポディーンがお休みのようである(手首骨折で帰国という情報あり)。プラントの方は情報がないので心配。


超えられない壁 05/12/24

 オタワが負けたので、勝てばディヴィジョン首位タイ、カンファレンス首位タイ、そしてリーグ首位タイになる千載一遇のチャンスだったのだが、現地時間12月22日のフロリダ戦、セイバーズは4対1で負けて、そのチャンスを逃してしまった。
 そして、ビロンの先発連勝は13で終わり(14連勝すれば、ペンギンズ時代のバラッソに並んだ)。チームのロード連勝も9で終わり(リーグ記録が10で、セイバーズの記録も10)。超えられない壁というものはあるものなのだ。
 それにしても、1ピリではよかったというビロンが突然、2ピリで炎上してしまったのだが、他の選手もよくなかったらしい。ルオンゴに「今季最高の試合」と言われてしまってるのだから、しかたないのか。これで今季フロリダに2連敗なのだけど。ルオンゴ、なんでセイバーズのときは最高なのよ! まあ、これでビロンがルオンゴよりよかったら、カナダはビロンを選ぶべきだったってことになるのだろうけどね。あと、セイバーズは3点以上リードされると追いつけない感じがする。そこが駒のそろった強豪との違いなのだろうか。


五輪の話と映画の話 05/12/23

 トリノ五輪のアイスホッケーのロースターが発表になった。セイバーズからはアメリカのドゥルーリー、ドイツのヘヒト、フィンランドのテッポとルドマンしか選ばれてない。アメリカはミラーを選ばないで後悔するぞ、と言われてるが、セイバーズの選手は五輪期間はゆっくり休んでください。いつもだったらロシアで選ばれる選手がいるんだけど、ロシアはNHL選手は選べないか何かなのかな。(その後、チーム・ロシアにアフィノゲノフらNHL選手の参加が発表された。)
 相変わらずケガ人多いセイバーズだが、ブリエアのケガが詳細不明で、本人も不安がっている。ロードにも帯同せずにバッファローで検査を受けているらしいんだけど。かわりかどうかは知らないが、二軍からダニエル・パイエが上がってきた。このほか、カリーニンがケガ人リスト入りしてるし、パイアットとデュモンは当分無理。

 食べ物の映画を2本見た。フィンランドで日本食の食堂をやっている女性の話「かもめ食堂」と、甘食命の若い女性が主人公の「転がれ!たま子」。どちらも監督が若い日本女性。「かもめ食堂」はわりと淡々、「転がれ!たま子」は映像的にけっこう強いものがある。「かもめ食堂」はフィンランド・オール・ロケということらしいけど、そんなにフィンランドって感じもしないのだが(行ったことないからわからないけど)。どっちも奇妙な味わいの映画。「かもめ食堂」はカツやショウガ焼きや唐揚げがおいしそう。「転がれ!たま子」は甘食とデニッシュがおいしそうである。


クリスマス・ジャージ 05/12/22

 釧路アイスアリーナのスタンドに最初に入ったときの印象は、暗いな。
 暗いので、どうしても手振れしやすく、ぼけやすい。ぼけてない写真はほとんど撮れなかった。その中で、比較的、クリスマス・ジャージの模様がわかりやすいのはこれ。鶴がスティックを持っているみたいなのだけど……。
 アリーナは新しくて、音響がよくて、見やすかった。よそでは透明のボードのそばで一眼レフを構えている人たちがいるけど、ここはそれができないようになっている。写真を撮っている人自体がほとんどいないようだ。私は試合中は撮らないことにしているので、撮るのはおもに練習中と最初のフェイスオフまで。
 釧路空港に着いてから出発までに時間があったので、売店を見てまわったら、「アイスホッケー・マガジン」を売っていた。さすが、釧路。


ミラー・タイム・アゲイン 05/12/21

 現地時間12月19日のフィラデルフィアでの試合。ゴーリーは親指骨折以来、久々の登場のライアン・ミラーだった。ミラーは1ピリと3ピリで多くのシュートを打たれながらもしっかりと守り、フィリーを1点だけに押さえた。セイバーズはゴースタッドのゴールで追いつき、OTを経てシュートアウトに突入。2巡目でミラーはフォシュベリのゴールを許すも、その直後にコノリーがゴール、そして4巡目でアフィノゲノフがゴールしてセイバーズが勝った。これでセイバーズは7連勝。また、ロードでは9連勝。ビールの宣伝からついたキャッチフレーズ、「イッツ・ミラー・タイム」が戻ってきた。
 この試合の最中に、チームUSAのトリノ五輪代表の発表があったのだが、選ばれたゴーリーはディピエトロとエッシとグレアム。ケガをしていたミラーは選ばれなかった。でもって、ディピエトロはリーフス相手に炎上して途中交代。フィリーのエッシはケガで欠場中なんだが、昨季のAHL優勝ゴーリー、ニイッティマキがミラーに劣らずよかったそうだ。セイバーズの選手で選ばれたのはドゥルーリーのみ。コタリクと並んで現在、チームのトップ・スコアラーになっているコノリーも選ばれなかった。
 それにしても、この試合、ゴーリーがビロンだったら負けてたかも、と思ってしまうような展開だったのだけど、復帰後、いきなりミラーがこんなにいいとは予想もしなかった。13連勝中のビロンとどっちを取るか、頭を悩ませる問題だけど、だめなゴーリーが3人いて、キングギドラとバカにされた時代に比べれば……。おまけに試合終了の時点で、セイバーズはリーグ首位のオタワに1ポイント差に迫った。もちろん、試合数が違うので、実際は1ポイント以上離されているのだが、オタワに3回ボコボコにされて、世間の笑いものにされてからまだ1カ月余りしかたってないってのも不思議。


やっぱりホームが一番 05/12/20

No place like home. やっぱりおうちが一番。(映画「オズの魔法使」より)

 17日と18日、初めてクレインズの試合をホームの釧路アイスアリーナで見てきた。
 これまでは東伏見(西東京市)と新横浜でしか見ていなくて、ここではクレインズはアウェーだから、ゴールしてもブーが鳴らない。勝ってもヒーロー・インタビューもない。でも、ホームではゴールすればブーが鳴り、サイレンが鳴る。まわりはみんなクレインズのファン。選手も自分の家にいるようで、東伏見や新横浜よりリラックスしてる感じ。バッファローでのセイバーズの試合をネットラジオで聞く感覚を、ようやくクレインズでも味わうことができた。
 クレインズはこの2試合から年末までクリスマス・ジャージを着用。クリスマス・ジャージというから、星や雪がキラキラしてるのだろうか、それともサンタクロースみたいなのだろうか、と、いろいろ空想をたくましくしていたのだが、真っ赤なジャージの正面にMerry Christmasの文字とクリスマスらしい絵をあしらったものだった(スタンドからだとよく見えない上、撮った写真はどれもボケボケで、あまりよくわからないのだけど)。
 さて、試合はコクドとの2連戦。これまでコクドには2勝1分で負けなしのクレインズ、他方、コクドは主力をケガで欠いているので、明らかに戦力低下していて、17日は6対3、18日は5対0でクレインズの圧勝。コクドが押していたのは2日目の1ピリだけだったのではないだろうか。以前見た試合では壁のようだった菊地もあまり調子よくなかったように見えた。
 それに対し、クレインズは伊藤キャプテン大活躍、次郎さんはまったくソリッドで、18日は完封。負ける気がしないクレインズだった。プラントは17日はコクド選手の脚の間を抜くパスを決めたり、18日には私の目の前でゴール。年末の高い飛行機代にもめげず、大雪にもめげずに釧路まで来たかいがあったというものです(ありがたや)。
 実は私はコクド戦はすべて見ているけれど、クレインズのジャージ着用で見た4試合は全部勝っている。最初の引き分けのときはまだジャージを買ってなくて、新横浜でバックスに負けたあとジャージを購入。それからコクド戦を4つ、ジャージ着用で見てきたのだ(釧路ではコートの下に着ていた)。コクド戦はもうクリスマスの札幌しかないけど、残念ながらこれは行けません。
 クレインズは昨季、レギュラーシーズンで優勝したのにプレーオフでコクドに負けてしまい、だから地元での2連戦は力が入っていたようだが、17日に続いて18日も楽勝ペースになった頃には、普段は表情の乏しいプラントがニッコニコでベンチに声をかけるし、コワモテのライアンもなんか顔がゆるんでるし、ああ、セイバーズをボコボコにした試合のオタワの選手はきっとこんな感じだったのね、と思うと、ほんの少し、喜びに影がさすのであった(ヒートリーの鼻歌野郎め!)。でも、ホームでファンと選手が一体になってるという感じがよくわかって、なんとも言えない感動がありました。
 17日から18日にかけては日本のあちこちで大雪になり、北海道も大変だったらしいが、釧路地方はまだましで、私は予定どおりに試合を見て飛行機で帰ることができた。ただ、18日の昼過ぎに最寄り駅の新富士からアリーナまで歩いたら、歩道が除雪されてなくて、靴もズボンも雪だらけになってしまった。
 この2試合は釧路地方のみ、NHK教育で放送したのだけど、釧路地方の友人宅は山間部なので地上波が入らず、録画を頼めなかったのがほんとに残念。しかし、噂に聞いたピリオドの合間のアトラクション、シュートでポンにはびっくり仰天! 小さい子供がシュートして男がストリップという趣向なのだ! テレビで流したんだろか。毎回、こんなに過激なのかと思ったら、2日目はまた違う(健全な?)趣向でした。

 それにしても、プラントって、見れば見るほど変なやつと思ってしまうのだけど、選手入場のときにいつも真っ先に走るようにしてリンクに出てくるのだ。普通はゴーリーが先だろ、と思ってたら、釧路のアリーナのベンチにはゴーリーから入ってくるのだが、プラントは途中でベンチの塀を乗り越えて、先にさっさと駆けていってしまうのである。実はセイバーズ時代にも変なやつの面目躍如の逸話があって、ルーキーの年にプレーオフより世界選手権に出たいと言って物議をかもしたのだそうだ。でも、仕事はしっかりやってるからよいか。フェイスオフを最初から足で取っちゃったりするのもすごい。


ビロン先発13連勝だと 05/12/19

 12月17日(土)と18日(日)は、午前中(現地時間では前日夜)にセイバーズ対ペンギンズのホーム・アンド・ホーム、午後には釧路でクレインズ対コクドの2連戦が行なわれることになっていた。普通なら午前はネットラジオでセイバーズを応援、午後はネットでクレインズをチェック、ということになるのだが、一度は釧路で試合を見たかった私は、前からこの2試合には出かけることに決めていた。
 そこで15日(木)は、午前中にダラス戦をネットラジオで聞いたあと、一路釧路へクレインズの応援に。で、泊ったのが釧路地方の山間に住む友人宅で、ここは携帯も圏外、ブロードバンドなどなく、山のせいでテレビの地上波も入らないという場所。んなわけで、東京に帰るまでネットができなかった。セイバーズとビロンの連勝は気になってはいたし、ネットで念を送れないのは心配だったが、東京より釧路の方がバッファローに近い、などという勝手な理屈をつけて、とりあえずはクレインズの応援に専念したのである(その話はまたのちほど……北海道は大雪で大変でした)。
 さて、日曜の夕方に試合が終わり、そのまま空港へ行って最終便で帰京し、ネットにつないでビックリ! 現地時間16日のピッツバーグでの試合は4対3でOT勝ち。そして17日のバッファローでの試合も4対3で連勝。どちらもビロンが先発して(片方ミラーの予想もあったのだが)、これで先発13連勝。10連勝でデトロイトのハシェックに並び、11連勝で2001年のブロデュアに並び、12連勝で8年前のブロデュアに並び、そしてとうとう、13連勝で10年前のオズグッドに並んだのだと……で、セイバーズは6連勝。
 驚いて、あっちこっちのネットの記事を読んだり、ビデオ・ハイライトを見たりしたあげく、Yahooのパワーランキングで3位になってるのを発見。順位もポイントではカンファレンス2位になったことを発見。どうなってんだ? このホーム・アンド・ホーム、1勝1敗で御の字、2敗だけはやめてくれ、とひそかに祈っていたのだが……。(前にも書いたけど、ペンギンズには弱かったの。今季4戦全勝で、やっと、3年間の元が取れました。)
 ただ、相変わらず1点差の薄氷を踏む勝ちばかりだし、3点も4点もリードしておいてじりじり追いつかれるというパターンが気になる。これって、去年の3月のビロンが先発して勝ってた頃のパターンじゃないの! 今のチーム状態ならミラーの方がもっと勝てる、とファンは言っているのだが……わからん、さっぱりわからん。ブリエアがまた下腹部に痛みを感じて、17日の試合は欠場、だそうで、相変わらず万全でないのだけど。
 ところで、以前はバッファローに団体のバス・ツアーで押しかけてくるのはリーフス・ファンだけだったのが、最近はハブス・ファンとペンギンズ・ファン(ピッツバーグではなくカナダだろう)もそうだというので、セイバーズ・ファンの怒りが彼らの方にも向いている。だいたい、バスで来る団体というのは、車の運転がないので、酒飲んでろくなことしないらしい。おかげでいつぞやのハブス戦と今回のペンギンズ戦はソールドアウトになったのだが。。(追記 17日のペンギンズ戦はピッツからも応援団がバスを連ねて来たらしいが、大部分の客はどうもクロズビー目当ての観光客だったようである。)


ダラスに勝利 05/12/15

 しばらく更新できないと書いたばかりなのだが、ダラスに勝ってしまったので、とりあえずご報告。
 現地時間12月14日、バッファローでのダラス戦。以前に書いたように、セイバーズのオーナーの招待でクリントン元大統領が来場しての試合。ダラスは最近、13勝1敗か何かで、セイバーズ以上にホットなチーム。ゴーリーのターコもブロデュア、ルオンゴを押しのけて、チーム・カナダのスターターになりそうだというので、この試合はかなりやばいと思っていた。
 アフィノゲノフ、ロイ、ヴァネクのゴールで3対0となったときは、今日はいけると思ったが、すぐに2点取られる。3ピリに入ってすぐにブリエアが復帰後初ゴールでほっとするも、また1点差に迫られ、なんとか4対3で逃げ切った。またまた薄氷を踏むような勝利。3失点はどれもディフェンスのミス、内2点はオウンゴールだってんだから……。3ピリはダラスに一方的に攻められっぱなしで、ビロンがビッグ・セーブを連発。当然、本日のナンバーワン・スターは先発11連勝のビロン。例年、2月にならないと調子が出ないはずが、今年はどうしたんだ?
 アリーナにはお客さん、たくさん入っていたようである。バッファローはテレビ放送がなく、センターアイスもブラックアウトされていたので、掲示板に集まるファンの多くは私と同じくラジオが頼りだったようだ。ディフェンスのカリーニンが指の骨折でしばらく欠場。ミラーはもう、いつでも戻れるのだが、ゴーリーの使い方がますますむずかしくなりそう。


お知らせなどなど 05/12/15

 これから数日、ブログの更新ができないかもしれません。以上、お知らせ。終わり……ではあまりにつまらんので、先日見た映画の話を。

 ジョニー・デップの新作「リバティーン」というのを見た。このところ、ファミリー向けのヒット作が続いているデップだが、この映画で彼が演じているのは、チャールズ二世の時代(十七世紀)の劇作家で詩人の第二代ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモット。卑猥な詩や劇を書いた不道徳で型破りなこの人物をデップが怪演。最後は梅毒で体がボロボロになって死んでいく。美しいデップが見たい人にはおすすめできないが、メジャーなヒット作に出る前からのファンには見逃せない。特に、しだいに暗転していくラストシーンの表情はデップならではの摩訶不思議でみごとな演技。原作の舞台劇で主役を演じたジョン・マルコヴィッチがチャールズ二世を演じている。
 話も暗いのだが、画面もすごく暗い映画。こういうのを見たあと、クリスマスのイルミネーションがキラキラした街に出ると、そのアンバランスにくらくらしてしまった。

 イルミネーションといえば、今年は鮮やかな青の電飾が目につく。木に豆電球をいっぱい飾ったイルミネーションがよくあるけれど、いつも行くプールの近くにこの青の電球と白の電球がキラキラしている木が数本ある場所があって、なんともいえない眺めである。東京駅から有楽町駅にかけてのイルミネーションもすごい。恒例のミレナリオもそろそろ始まるのかな。ものすごい行列なので、最近は見に行かないけど。


なんだかいろいろ 05/12/14

 月曜と火曜は、中国でクレインズ対ハルビンの2試合が行なわれていた。例によって例のごとし、クレインズ圧勝であったのだが、月曜の試合は夜の予定だったのに、当日、いきなり昼間に変更。こんなのあり? しかも、観客数は100。ぴったり100というのが怪しい。もっとも、普段でも200とか300らしいのだが。で、火曜日もぴったり100である。まあ、怪しいと言えば、NHLの観客数もサバ読んでそうなときあるけど……。火曜日の試合ではプラントはハットトリックをやったようである。

 セイバーズのビロン(写真)が先発10連勝というチーム新記録を達成して以来、またぞろ、ゴーリー論争が再燃している。ビロン、ノロネン、ミラーの3人のゴーリーをどうするか、誰をスターターにするか、誰をトレードするかといった、数年来の論争である。
 今季が始まったばかりの頃は、もうスターターはミラーで決定だ、あとはいつ、どういうふうにビロンとノロネンをトレードするか、という感じでファンの意見もほぼまとまっていた。ところが、ここにきて、ビロンが新記録。チーム全体が調子がいいというツキもあるが、それでも10連勝はツキやまぐれではありえない、と、ビロン・スターター説が浮上してきたのだ。その一方で、10連勝だろうが何だろうが、ビロンはトレード、というビロン・ヘイターたちも相変わらず根強い。その一方で、十分機会を与えられていないノロネンにもチャンスを、というミカ・ヲタ的ファンもいて、ファンの意見はさまざま。ゴーリーのケガが多い今、よほどのいい話がなければチームは3人を温存するだろうけれど……。
 ところで、ビロンの先発10連勝が始まったのは、11月15日のデビルズ戦から。その前の12日のオタワ戦は6対1で敗れたのだが、何点目かを取られたとき、怒りのあまり、ビロンはスティックを投げつけたという。トップDをケガで欠き、ディフェンスはボロボロ、フォワードはアグレッシヴさがなく、こうしたふがいないチームメートに腹を立てたのだとファンは解釈した。そして、そのあとから、セイバーズの躍進とビロンの連勝が始まった。
 ビロンはいいときはすごくいいのに、だめなときは本当にだめだめで、私もまだ信用してないところがあるのだが、彼の精神的な強さと強気の態度はミラーやノロネンに欠けているものだと思う。ミラーやノロネンの方が能力は高いのかもしれないが(そう言う人が多い)、ゴーリーにはこういう精神的な強さが重要なのも事実なのだ。ミラーにスターターを奪われ、バックアップに甘んじたときも文句ひとつ言わず、じっとチャンスを待っていた点も評価すべきだと思う。


先発10連勝 05/12/13

 現地時間12月11日ミネソタでのワイルド戦で、ビロンが先発10連勝を果たし、セイバーズのフランチャイズ新記録を達成した。これは76/77シーズンにGerry Desjardinsが達成した9連勝以来だから、ほぼ30年ぶりの快挙。NHLとしても、10連勝は01/02シーズンのレッドウィングスのハシェック以来だってんだからすごい。ハシェックはセイバーズではこんなに連勝してなかったわけで、なにげにハシェックよりもいい記録を持つビロン……運も実力のうちか。
 試合はミネソタ大学出身のヴァネクが先制ゴール。その後、2点取られたあと、2ピリ終了直前にドゥルーリーが同点ゴール、3ピリ残り3分余りでグリアが決勝ゴール、と、相変わらずの土壇場逆転勝利であった。(写真は左からヘヒト、ドゥルーリー、グリア。)
 ワイルドはゴーリーのロロソンとアシスタント・コーチのマイク・ラムゼイが元セイバーズ。ラムゼイはレイクプラシッド五輪のミラクル・オン・アイスのメンバーでもある。
 この試合ではブリエアが久々に出場。ラジオで名前が聞こえたのはうれしかった(NHLサイトのハイライトにも顔が映っていた)。ブリエアの不在中、1人でキャプテンをしていたドゥルーリーは1G1A。ミラーとブリエアの不在がビロンをブレイクさせ、ドゥルーリーを真のリーダーにしたというのも皮肉(それだけに、2人が戻ってきて和が乱れないかと心配なのだが)。
 二軍で調整中のミラーは9日の試合では4失点だったが、11日の試合では1失点に押さえ、アマークスを勝利に導いた。
 それにしても、毎回、薄氷を踏むような勝利だ。相手の順位なんて関係ない。つうか、オタワが2連敗したせいで、あっちの掲示板には「西カンファレンス>>>>>オタワ>>>>>五輪チーム」なんて書かれているのだ(東は五輪チームより弱い?)。

Biron made 34 saves to post the best winning streak by a Sabres goalie, breaking the mark of nine set by Gerry Desjardins in the 1976-77 season.

The last NHL goalie to win 10 consecutive starts was Detroit's Dominik Hasek in 2001-02.


王妃デジレのことなど 05/12/12

 テレビのバラエティ・クイズ番組で、ナポレオンにまつわる女性たちの話をやっていた。最初の恋人でスウェーデン王妃となるデジレについては、だいぶ昔に「デジレ」という映画を見たことがある。1954年のハリウッド映画で、ナポレオンがマーロン・ブランド、デジレがジーン・シモンズ、デジレと結婚し、のちにスウェーデン国王となるベルナドット将軍がマイケル・レニー、ジョゼフィーヌがマール・オベロン。テレビ放送だったから、吹き替えでカットもされていたけど、けっこう面白かったような気がする。ビデオがあるならまた見たいものだ。ナポレオンを女性の目で見直す、というのは、この半世紀前のハリウッド映画がすでにやっていたのである。
 ナポレオンはイギリスにとっては悪役なので、英米映画ではなかなか主役にならない。トルストイの「戦争と平和」にも重要人物として登場するが、その存在は否定的に見られている。アル・パチーノがまだ若かった頃に、ナポレオンを演じる企画があったと思うが、若き日のパチーノならぴったりだったろうに、残念だ。

 RJことリック・ジャネレットの実況CD、通販は北米だけだそうである。以前、03/04シーズンのセイバーズのダイジェストDVDが出たときも、北米以外はだめだった。やっぱり、北米人は北米だけが世界なのだね。

 わが日本のクレインズは、金曜と土曜に中国でチチハルと2試合して2勝。プラントはポイントとアシストがどちらも2位を大きく引き離しての1位、ゴールも3位タイである。で、PIMも、アンスポ10分×3回が効いて、58とだいぶ多い。数字だけ見たら、プラントは日本で乱闘係をしてると思われてしまうな。さすがに懲りたのか、最近はペナ取られてないみたいです。


たまらんな 05/12/10

 このところ、セイバーズの勝ち試合は、最後の最後まで、もうだめだ、もうだめだ、と思わせておいて、土壇場で勝ってしまうというものばかり。12月1日のハブス戦、4日のアバランチ戦に続いて、8日のマイティダックス戦もこのパターン。こういう試合をネットラジオの生中継で聞いていたら、それだけでおなか一杯になってしまう。こういう試合はいろいろな意味でたまらん。連敗してたときはラジオ聞く気にならなかったが、最近は本来寝ている午前中にラジオ聞いてるので、慢性寝不足。これもたまらん。
 で、現地時間12月8日、バッファローでのダックス戦。しょっぱな、オウンゴールで先制を許し、1点くらいならすぐ追いつける、と思ったら、これが大きな間違い。セイバーズの方がずっとたくさん打ってるのに、ことごとくジゲールに止められる。ったく、バッファローだと調子がいいナボコフ、ジゲールってどうよ。そうこうするうちにあれよあれよと3ピリだ。シャークス戦で完封されてるから、これでホームで5ピリオド連続ゴールなし。オウンゴールで負けるのだけはやめてくれ、と祈るような気持ちでいたら、3ピリ中盤、ヴァネクのペナルティ・ショットで同点! と思ったら、その直後にまた1点取られる。もうだめだ、と思ったとき、残り3分余りでコタリクが同点ゴールし、そのままOTへ。そして、ダックスがこの日、二度目のペナを取られ、パワープレーでアフィノゲノフ(写真)がゴール! たまらんな、もう。
 ブリエアとミラーの復帰にOKが出て、ブリエアはたぶん日曜のミネソタ戦から、ミラーはまず二軍で調整ということでアマークスの試合に出る予定。ビロンは先発9連勝なんだけど、ミラーが帰ってきたらどうするんだろう。ザルとかスイスチーズとか言われてたディフェンスがだいぶよくなったようで、特にマッキーはゴール前で体を張って防いでいるらしい(現在、ブロックト・ショッツのリーグ首位。こういうのはハイライトでは見られないのだ)。無名の選手たちがみんなでがんばって勝つというのは、セイバーズのファンが一番望むチームの姿ではあるけれど、どこかまだ信じられないようなこわいような気がしている。

追記 セイバーズのオーナー、ゴリサノが14日のバッファローでのダラス戦にクリントン元大統領を招待する(記事)。ゴリサノは来年、ニューヨーク州知事選に共和党で立候補する予定。でも、クリントンは民主党。で、ダラスはブッシュ? そして、知事選に民主党からヒラリーが出るかも?


テレビとラジオ 05/12/9

 スポーツ・アイでNHLの放送がいよいよ始まるそうである。公式サイトに12月下旬と書いてあった。しかし、うちはスポアイが見られない! 理由は、まず、うちはBSが受信困難。で、あとはケーブルテレビなのだが、ケーブルテレビは集合住宅では大家さんや管理組合が設備を入れないとだめ、つまり、個人ではだめ。で、うちのアパートはアナログのケーブルテレビはすでに受信OKの状態なのだが、スポアイはデジタルでないと見られないのだ。
 一応、資料請求してみたけど、アナログではたいていのものが見られる。見られないのは人気のないもの。つまり、スポアイって、人気がないのね。もう、早くJスポーツと合併せい!(Jスポーツはもちろん、アナログで見られます。)
 オリンピックのホッケーって、BSでしかやらないのだろか。普通のBSはアナログのケーブルテレビで見られるのだが。あと、スカイAで、昨季まではアジアリーグの中継やってたってんだから。なんで私が興味持つと中継なくなるの?
 スポアイで放送があるといっても、どうせセイバーズの放送はないだろうと思うと、今一つ、気持ちが萎えているのだが、テレビがなくてもそれほど残念じゃなかったのは、ネットでラジオの生中継が聞けるからだ。その昔、プロ野球中継が巨人しかなかった頃は、よく、ラジオで他のチームの中継を聞いていた。それがあるから、ラジオでもけっこう楽しめる。セイバーズの中継はリック・ジャネレット(RJ)という名物アナが実況していて、この人の実況がとても好きだ。声の質がとても聞きやすいし、早口だけど、何とも言えないいいリズム感がある。長年セイバーズの中継をしているRJの名文句には、「ラ、ラ、ラ、ラフォンテーヌ!」や、ブラッド・メイがゴールしたときの「メイデイ、メイデイ」がある。セイバーズ応援放送とはいえ、セイバーズさえよければいいというのではなく、相手チームのよいプレーや選手をほめたたえるあたりも気持ちがいい。
 RJは現在63歳。健康上の理由で引退しようとしたこともあるそうだから、彼の実況がいつまでも聞けるわけではないのだろう。それを思うと余計、あのネットラジオが貴重なものに思えるのだ。
 そうそう、セイバーズの映像をファンが一時的にアップしてくれるサイトが最近、「あなたの地域では見られません」というふうになってしまった。あなたの地域ってアジアのことか? もう、みんなして、私をセイバーズから遠ざけるのね!

追記 RJの実況を集めたチャリティCDが発売されるらしい。通販あるのかな。


ソールドアウト 05/12/7

 12月17日土曜日のバッファローでのペンギンズ戦が、先週の段階ですでにソールドアウトであることがわかった。10月初めのペンギンズ戦が12000人しか入らず、それも水増しじゃないかと言われ、しかも客の半分はペンギンズ・ジャージとカナダ・ジャージだったというのに、何ということだろう。今度はきっと、セイバーズ・ジャージの方が多いに違いない。この日は午後5時からの試合開始なのだけど、これは夜にバッファローでビルズ対ブロンコスの試合があるため。バッファローでのブロンコス戦は人気カードなので、その影響を減らすために時間を繰り上げたのだが、そんな必要はなかったかもしれない。

 ミラーはすでにゴーリーの防具をつけて練習を始めているらしい。ブリエアも近く復帰できるとか。逆にデュモンは木曜に手術をし、その後、2、3カ月は無理とのこと。2試合に出場したソーバーンがまた二軍へ戻された。
 セイバーズ公式サイトにブリエアのトレーニングの様子を紹介したビデオがアップされていた。ブリエアって、顔はかわいいのに、首から下は筋肉ムキムキ。コヨーテズではイマイチだった彼がセイバーズでブレイクしたのは、セイバーズには小柄なセンターの伝統があるからだという説あり。確かに、90年代のラフォンテーヌやプラント、今のブリエア、ドゥルーリー、ロイはみんな、同じくらいの背丈である。

 セイバーズ対アバランチの試合のあと、「バッファロー・ニュース」にはタージョン(写真)の記事が、「デンバー・ポスト」にはドゥルーリーの記事が出た。その後、コロラド方面では、ある動きがさまざまな憶測を呼んでいる。


心臓に悪いよ 05/12/6

 現地時間12月4日、デンバーで行なわれたアバランチ戦。その同じ日に、バッファロー・ビルズは初回に21点取って、21対0とリードしながら、最後に21点取られて23対24で負けるというへたれな試合をしていた。だから、1ピリに4点取って4対1としたときは、ファンは大喜び。ところが……。
 1点返され、また1点返され、これじゃビルズの二の舞いだ、と、バッファロー的にはいやあな悪寒が激しく襲ってきたところへ、スバトスのペナルティ・ショットでついに同点(ああ、もうだめだ)。そのあと、ドゥルーリーのゴールがノー・ゴールにされる(ああ、これでおしまいだ)。おまけにレフはセイバーズばっかりペナを取る(出る杭は打たれるってやつか)。そして、3ピリ残り3分を切ったとき、ようやくアバランチがペナを取られ、セイバーズはこの試合やっと2回目のパワープレー。しかし、これまで、ほとんどの試合でパワープレーをものにしているセイバーズ。すぐに、デレク・ロイが決めて(ヴァネクのアシストがすばらしかったらしい)、決勝点。そのあと、エンプティ・ネットにドゥルーリーが帳尻合わせのゴールをして終了(3秒前のゴールだった)。やれやれ。
 この日は試合前に500ゴール達成したタージョンが、古巣セイバーズの選手たちの前で表彰を受けるというセレモニーがあった(タージョンはリンディ・ラフHCのチームメートでもあった)。他方、元アバランチのドゥルーリーはセイバーズのキャプテンとしてデンバーに里帰り。この日のドゥルーリーは相当ハッスルしてたらしい。
 コノリーが2アスシトして、ついに欠場中のブリエアを抜いてチームの単独トップ・スコアラーに躍り出た。シャークス戦でNHL初登場したクリス・ソーバーンは2試合目で初ポイント(アシスト)。先制点のゴースタッド、3点目のポミンヴィル、1アシストのヴァネク、そして決勝点のロイと、気がついたら活躍してるの、昨季のアマークスの面々ばかり。最近のセイバーズの勝ち方は去年のアマークスによく似ていると思っていたら、ロースターがアマークスっぽくなっているのだった。


北海道の思い出 05/12/5

 12月3日と4日は帯広でクレインズ対カンウォンランドの試合が行なわれていた。例によって、クレインズは大差で2勝。プラントはじめ、何人もの選手がたくさんポイントを稼いだようである(もう、数え切れない)。
 帯広といえば、だいぶ前になるけど、駅から空港までバスに乗ったことがある。帯広というのはだだっ広い平野の中にあって、真っ平らなところをえんえんと長い時間、バスに乗っていくのである。北の方には白い雪を頂く美しい山々があるんだけど、とにかく平ら。駅の周辺はさすがに都会だけど。お昼にとんかつ定食を食べたら、キャベツの千切りがおいしかった。あんなにおいしいキャベツは食べたことがないと思ったほど。あと、帯広はケーキが安いのだよね。
 クレインズは中国遠征のあと、17・18日が本拠地・釧路で試合、そのあとクリスマスに札幌で2試合、そして年末にまたホームで2試合、そして、年明け1月6・7日に苫小牧で試合。この間、ずっと北海道にいたいけど、それは無理だ(ため息)。
 私は釧路地方が大好きで、何度も行ったことがある。なんといっても一番好きなのは釧路湿原。東と西に有名な展望台があって、どちらから見るかでまったく光景が違う。西の方は展望台の建物があり、観光バスが行くのはこっち。東の方は建物は何もなく、ただ、見晴らしのいい場所があるだけ。川が蛇行している有名な風景が見られるのはこの東の方だ。西の方は川は見えず、夏にはまるでサバンナのよう(こちらは木道を歩いていくとすばらしい光景が広がる)。どちらも好きである。
 釧路市内では、マンモスの全身の骨格がある博物館がおすすめ。いろいろな店のあるMOOは、できたばかりの頃の方が面白かった。
 釧路はやはり海産物がおいしい。私はウニとイクラが苦手だったのだけど、釧路地方で食べたウニとイクラは死ぬほどうまかった。それまで食べてたのは何だったんだ、て感じ。今ではサンマの刺し身は東京でも売ってるが、釧路で初めて食べたときはどこでも食べられるものではなかった。
 今流行りのスープカレーも、何年か前に釧路に行ったときに、たまたま入ったレストランでかかっていたラジオで初めて知った。元祖・札幌のスープカレーの店の紹介だった。
 なんか、食い物の話ばかりだが、観光地もいろいろ行っているのである。でも、やっぱり、花より団子ですね。


まさかの勝利 05/12/3

 12月に入り、またまた連敗スタートになるかも、と思っていた現地時間12月1日のモントリオールでのハブス戦。ハブスはコバレフに続いてコイブも欠場、ほかにも諸般の事情で出られない選手がいるとかで、セイバーズ掲示板では楽勝の書き込みが多かった。しかし、負けるときはだいたいそういうとき、と思っていたら案の定、2ピリ途中まで2対0でハブス、リード。こりゃ、今日はだめだな、と思っていると、2ピリにキャンベルがスラップショット、ゴール……と思ったら、ゴール前にいたコノリーがゴールしたことがわかり、しばらくたってから訂正された(NHLサイトの映像とRJの実況ではキャンベルがゴールしたようになってるのはそのためです)。
 で、とりあえず2対1になったものの、その後もどうもよくない。時間はどんどんすぎていく。5オン3のPKをなんとかしのぐのがやっと。そしてついに3ピリ残り5分を切り、ベル・センターではおなじみの「オーレーオレオレオレ」の歓声がこだまする。これが聞こえたらもう終わり、と思ったとたん、ドゥルーリーが同点ゴール!!!(あんたがキャプテン!)しかも、映像で見たら、ゴールの脇からのショット。実はドゥルーリーは悪い角度からのシュートがうまいんだと。そして試合はOTに突入。2ピリのゴールを取り消されたキャンベルが、今度こそ正真正銘のゴール! セイバーズは92年の大晦日から93年の1月10日までに達成した6連勝のとき以来の5連勝。コノリーは3ポイントを上げて、欠場中のブリエアと並び、チームのトップ・スコアラーに(信じられない!)。キャンベルも1G2A、ポミンヴィルは2Aと、コノリー、キャンベル、ドゥルーリー、ポミンヴィルの4人でたたき出した3点だった。(写真はOTゴールのあと喜び合うキャンベルとポミンヴィル)
 しかし、ドゥルーリーが同点ゴールしたら、ベル・センターはしーんとなってしまったように聞こえたが、こういう勝ち方は今季初のような気がする。実況の人たちも「勝てるとは思えなかった」と言っていたけど、私もまったく同感だった。
 この日はハブスは白のヴィンテージ・ジャージを着ていたので、セイバーズはアウェーにもかかわらず、写真のように黒のホームジャージを着ていた。また、腹部の負傷で欠場中のブリエアとデュモンが、ハブスのチーム・ドクターで腹部のケガの専門家の診察を受けたが、ブリエアはさほど重くないのに対し、デュモンは手術が必要かもしれないとのこと。それにしても、この2人がいないかわりにコノリー、コタリク、キャンベルといった思わぬ伏兵が大活躍と、まさかまさかのセイバーズなのであった。ビロンも先発7連勝中。


500円の試合 05/12/2

 遠くのNHLより近場のアジアリーグになりつつある私は、11月30日、例のレディスデー500円のコクド対バイキングス@東伏見に行ってきた。関西でバックスに1勝1分のバイキングスがコクドにどう戦うか、という楽しみもあったが、そうそう勝てまいとも思っていたので、一番のお目当てはスウェーデン人ゴーリー、ペーテル・アンデション。9月に釧路で行なわれたクレインズ戦でさまざまなパフォーマンスを見せたと話題になった人である。
 しかし、この日のアンデションはあまり体調よさそうでなく、パフォーマンスもないどころか、2ピリ途中にシュートを受け、そのあとしばらく倒れたままだった(バイキングスの公式サイトによると、コクドの選手にヒットされて倒れたらしい)。しばらくしてからようやく起き上がり、プレーを続けたものの、2ピリ終了で交代。ところがこの日はバイキングスはゴーリーを1人しか入れていなかったため、急遽、フォワードでアシスタント・キャプテンの選手がゴーリーをつとめた。
 しかし、急にゴーリーになったためか、防具もうまくつけられなかったみたいで、試合途中に手の防具をはずして足のパッドをつけ直し、それがうまくいかないので、ほかの選手が助けに来たりと、見ていてハラハラしてしまった。でも、この急ごしらえの臨時ゴーリーがセーブをすると、コクド・ファンからも拍手が起こったのであった。
 バイキングスは土日に関西で試合、月曜が移動で火水が試合というハード・スケジュール、と思ったら、12月のクレインズが中国で同じような日程。てことは、どこもみんな、異国ではこういうスケジュールなのだろうか。いくら旅費を節約するためとはいえ、もうちょっと何とかならんのだろうか。公式サイトによると、バイキングスの選手たちは腹痛でほとんど寝ていない状態での試合だったらしい。アンデションも途中、代わりたいみたいにベンチに方へ行き、他の選手に説得されてまたゴールネットに戻ったように見えるシーンがあった。だから、倒れる前から体調が悪かったのではないかと思ったのである。(公式サイトにはケガの情報とかはないのだけど、大丈夫なのだろうか。)
 それにしても、クレインズが韓国遠征したときも二瓶ゴーリーが腹痛で出られなかったり、ほかにも体調崩した選手が出たようだが、異国へ遠征して体調崩すというのも何とかならんのか。
 さて、試合が終わって駅へ行くと、なんと、またしても人身事故で電車が停まってしまった! しんしんと冷えるホームで待つこと30分近く。西東京市ってなんでこんなに寒いんだ。アリーナの中の方がよっぽどあったかかったぞ。まるで北海道に来たみたいだった。都心に戻ったらそれほど寒くなかった。
 バイキングスは中国のチームなので、試合前に中国と日本の国歌演奏があったのがちょっとインターナショナル。アナウンスも日本語と英語。先だってのコクド対クレインズでは国歌演奏もなかったのだ。


終わりよければ 05/12/1

 ミラーの親指骨折で始まった悪夢の11月も、終わってみれば8勝5敗1SOL。3対2で負けてばかりいたのがいつのまにかこのスコアで勝つようになり、相変わらず紙一重な勝敗であることがわかる。11月は前半が上位チームとばかり、後半が同等か下のチームなので、それが正直に出ただけの結果ではある。
 11月最後の試合、現地時間で29日のペンギンズ戦は、セイバーズが5年ぶりにピッツバーグで勝利をおさめた。最後にここで勝ったのは2000年12月2日だったとのこと。また、ビロンは95年にこのメロン・アリーナでNHLデビューしたが、どうしてもここで勝てず、やっと今回、初勝利。もともとセイバーズはペンギンズに弱く、04年3月にバッファローで勝つまで3年間勝てなかったとか、無茶苦茶な記録を持っている。
 しかし、今季、ペンギンズと対戦したチームの選手やファンが、ペンギンズを相手にするときはレフも敵だとか言っているのだが、それはある程度本当らしいと感じた。
 セイバーズはトップラインの2人、ブリエアとデュモンを下腹部の負傷で欠いているが、デュモンはスポーツヘルニアの可能性があるという(もしそうなら、1シーズン棒に振ることも)。ブリエアについてはまだ不明だが、下腹部の負傷は長引くことが多いらしい。手首骨折のパイアットは3カ月は無理。かわりのフォワードががんばっているが、これ以上ケガ人が出るとあとが続かない。それでも、ケガ人の数にもめげず、みんなで力を合わせてがんばっている。

 11月30日は例のレディスデー500円のコクド対バイキングス戦を見に行きましたが、いろいろハプニングがあったので、詳しい話はまたのちほど。

2005年11月30日

2005年11月

ゲアの18番のことなど 05/11/30
勝たねば恥 05/11/29
ポディーンの手紙 05/11/28
今季最高のビロン 05/11/27
午前も午後も3対1 05/11/26
感謝祭の贈り物 05/11/26
逆転勝ち 05/11/25
ノロネン負傷 05/11/24
ミカチュー復活! 05/11/21
今日は勝ちました。 05/11/20
がっくし、疲れた。 05/11/20
パイアット、ハットトリック 05/11/19
社会派映画2本 05/11/18
約4年ぶりの勝利 05/11/17
同じよりは変がいい。 05/11/16
土日の話 05/11/14
コノリー! 05/11/13
よもやま話 05/11/12
ヴァネク初ゴール 05/11/10
タージョンの500ゴールのことなど 05/11/9
英国最強のおばちゃんたち 05/11/8
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 05/11/7
振り出しに戻る 05/11/6
悪夢の11月 05/11/3
シューレス・ジョーの映画 05/11/1


ゲアの18番のことなど 05/11/30

 11月22日に行なわれたセイバーズの元キャプテン、ダニー・ゲアの18番の永久欠番セレモニーをセイバーズ公式サイトで見ることができた。ここは多くのページが登録してログインしないと見られないという、何とも排他的なサイトで困るのだが、それでも日本にいてこういうものが見られるのはありがたい。
 セレモニーは名物アナ、RJことリック・ジャネレットの司会で始まり、かつての名選手たちがブルー・アンド・ゴールドのジャージで登場。最後はもちろん、ジルベール・ペロー。それに続き、背広姿のゲアが登場。そして、現在のジャージの上に18番のついたブルー・アンド・ゴールドを着た今の選手たちが登場してゲアにあいさつ。ゲアの家族も見守る中、バナーが掲げられた。
 セレモニーが終わり、赤絨毯の上を下がっていくとき、リンクに出てきたレンジャーズの選手の中からヤーガーがゲアに近寄り、握手を求めたのが印象的だった。
 
 西武とコクドで活躍したクリス・ブライトが、ドイツのフランクフルト・ライオンズでプレーしている。このフランクフルト・ライオンズ、実は、この夏にNHLを引退した元セイバーズのジェームズ・パトリックがいるところなのだ。パトリックは引退後、セイバーズのコーチ陣に加わったものの、友人であるライオンズのコーチに頼まれ、シーズン開幕から参加している。春にはまたセイバーズに戻る予定とか。ブライトは最近、参入したようだけど、ライオンズって名前がぴったりなのでは? この人、ハートフォード・ホエイラーズにドラフトされたものの、NHL入りはできず。でも、アマークスでプレーしてたことがあるのですね。


勝たねば恥 05/11/29

 現地時間11月27日日曜日午後4時にスタートのセイバーズ対キャップス戦(ワシントンにて)。キャップスは前日、午後8時からニューヨークでレンジャーズと試合。これがシュートアウトにまでもつれ込み、各チーム15人ずつ打ってやっと決まった(レンジャーズが勝った)のが午後11時。それからキャップスはワシントンに戻り、17時間後の午後4時に試合という大変なスケジュールだった。だから、セイバーズは勝たねば恥。キャップスのゴーリーは前日出たコルズィグではないと思われたが、さすがに連敗したくないキャップスはこの日もコルズィグを出してきた。
 試合はしょっぱなに二軍から上がったばかりのジェイソン・ポミンヴィルがNHL初ゴール。しかし、2ピリに追いつかれ、ピリオド終了間近にヴァネクが久々のゴールで突き放す。そして、3ピリで、相手のパワープレーにもかかわらず、ヘヒトがゴール(写真)。が、終了直前にまたしてもゴールされ、最後の1分間はキャップス猛攻撃、セイバーズはマッキーがスティックを失いながら必死に防御、オベチキンのシュートがポストに当たって救われる(このシーンはESPNサイトにビデオあり)。疲れているはずのキャップス、やはり怖い存在だ。
 セイバーズはこの日はディフェンシヴな試合をしていたようだ。攻撃では、ポミンヴィルとヴァネクにアシストしたアフィノゲノフとロイ(どちらも2アシスト)がすばらしかったという。ヴァネク、ロイ、ポミンヴィルのラインは非常に息が合っていたというが、彼らは昨季、アマークスでプレーした仲。
 この試合は日本時間では午前6時から8時半。私が一番爆睡している時間なので、ラジオはあとでWGR550のサイトで聞きました。腹部のケガで欠場中のブリエアが、途中で放送席にやってきて、話をしていた。共同キャプテンの1人がいないので、この日はヘヒトがAをつけていた(ドゥルーリーがC、マッキーが常時A)。
 セイバーズはまたまたカリーニンがヘルシー・スクラッチ。ノロネンはバックアップで復帰。NHL公式サイトのハイライト・ビデオは、キャップスのホームの試合だというのにセイバーズのラジオの実況が使われていた。ラジオを聞いたあとに見ると感無量です。


ポディーンの手紙 05/11/28

 アンスポ10分で驚いてはいけない。ESPNのサイトにバックスのショーン・ポディーンのメールが掲載されていた。何でも、レフにぶつかっていって10試合サスペンドを言い渡されたのに、それを3試合にまけてもらったのだそうだ。いったい、いつの試合じゃ? プラントは10分を3分にまけてもらえ! 以下、全文。

Our boy Shjon Podein (100 NHL goals in 699 games) has continued his hockey life's adventure in Japan after spending last winter in Sweden. Here is Shjon's latest e-mail to me:

"Where do I begin? What a culture. I am big into the whole bowing thing. The people are great. Tokyo is huge. Mount Fuji is one cool mountain. I climbed the Great Wall and lived to tell about it. I don't know if the satellites could see me waving. Hockey is a blast.

"I got a 10-game suspension for running into a ref. I talked it down to three. I'm really into the conveyer belt sushi. I like just to watch the sushi go round and round and grab the one you want. It's exhilarating. I ate some blow fish and avoided the poison. Homer would be proud. I saw some NHL highlights on ESPN.com. I don't even dream as fast as the boys are skating! Everyone in southeast Minnesota loves it. I saw my first sumo live. I'm hooked for life! Those big, round guys got some quick feet. Yakitori and noodles instead of hot dogs and popcorn. I hope life is great and keep loving the world's greatest game.

Arigato gozaimasu,
S.W. Podein, Esq.


今季最高のビロン 05/11/27

 現地時間11月25日、バッファローで行なわれたハブス戦、ビロンが40セーブして、セイバーズが3対1で勝った。今月初めのホーム・アンド・ホームでハブスに2連敗したリベンジを果たしたことになる。41本のシュートの中にはむずかしいものがいくつもあったそうで、ビロンは今季最高の出来。この試合ではコタリク、キャンベルのゴールで2対0とし、3ピリに1点返されたあと、今度はコノリーがゴールして勝利を確実にした。コタリクはこれで12ゴールとなり、ブリエアと並んでチームのトップに。コノリーの活躍もすばらしく、ブリエア、デュモンのトップライン2人をケガで欠く中、この2人ががんばっている。
 キャンベルもこのところ大活躍。ロックアウト中はフィンランドで好成績を上げていたのに、ファンにはまったく信用されず、クビにしろの声が大きかったのだけど、今ではルドマン、マッキー、テッポに次ぐ第4のディフェンスに。逆にナンバーワンDとして期待されたカリーニンが不調で、この日はヘルシー・スクラッチだった。テッポはまたアシストのポイントを稼いでいる。マッキーはオフには契約でもめてトレード説まで流れたのに、開けてみたら、実は彼こそがトップDという活躍。Aマークももらって、チームの最古参としてリーダーシップを発揮している。
 キャンベルは掲示板ではスープにちなんでスーピーと呼ばれているのだが、今季、セイバーズのラジオでも名物アナのリック・ジャネレットが時々、スーピーと呼んでいる。この日もキャンベルのゴールのときに「スーピー」と叫び、それがそのまま、NHL公式サイトのビデオに使われていた!
 その一方で、パイアットが手首骨折の重傷。先だってハットトリックを決めて以来、調子を上げてきていたのに……。まさに満身創痍のセイバーズなのである。
 ノロネンが日曜からベンチ入りできることになり、レイトンは一度も出番なく二軍へ。かわりにフォワードのポミンヴィルが上がってくる。ミラーはスケーティングを始めているようだ。ブリエアとデュモンは腹部の痛みということで、今のところ様子見だけど、リーダーのブリエアがいないのはやっぱりつらいと思う。


午前も午後も3対1 05/11/26

 今日はお昼すぎまでセイバーズの試合、午後はクレインズの試合という日であった。そして、どちらも3対1で勝ち。相手はハブス、コクドと強豪なので、どうなるかと思ったが、今日は大満足。セイバーズの方は、バッファローは金曜の試合は午後8時からなので、日本では午前10時から、そして終わるのは12時半くらい。クレインズの方は東伏見で午後2時からだったので、かなりきつい日程だったが、余裕で間に合った(ほっ)。
 今日の東伏見は1試合だけということもあってか、開幕戦や新横浜に比べて人は少なかった。試合もセレモニーもなく、選手が出てきたと思ったらさっさと始まってしまう。1ピリはクレインズが押していたのに、コクドが1点先取。そして、終了と同時にライアンがアンスポーツマンライク・コンダクトで10分のペナ。でもって、2ピリ中盤で、今度はプラントがやはりアンスポーツマンライクで10分間のペナ。もう、プラント、いいかげんでレフに暴言吐くのやめなさい! あんたを見に来てる客がいるんだからねっ! 確かに、負けてるときは仲間を鼓舞しようとするとか、そういうところがあるのは認めるけど。これまでは終了前だったから事実上の退場だったけど、今日は丸まる10分、箱に入って、そして3ピリ始まって数分後、出てきたプラントはそれまで休んでたのを取り返すようにがんばり、クレインズは3点取って逆転勝利したのだった!(注)
 今日撮った写真はピンぼけのものが多くてがっかり。とりあえず、いろいろな人が写っているのを上げておこう。ライアンのド迫力の顔写真も撮れたんだが。試合終了後のプラントの笑顔はピントが合っていなかった(残念)。今日はレフにクレームはつけていませんでした。
 東伏見では、来週火曜と水曜のコクド対バイキングスがレディスデーで、女性は当日自由席500円。どちらかに行って、あのスウェーデン人のゴーリーをぜひ見てみたいと思う。

注 暴言かどうかはわかりません。でも、たぶん……。


感謝祭の贈り物 05/11/26

 11月24日は感謝祭(サンクスギビング・デイ)。日本にいるとピンと来ないけれど、感謝祭の贈り物とでも言いたいビデオがアジアリーグ公式サイトにアップされている。先だっての新横浜シリーズ2日目、バックス対王子、コクド対クレインズの試合の模様。ゴール・シーンのすべてと、それぞれの試合のヒーローのインタビューが見られる。スタンドから見るのとは違う角度で、しかも近くで撮られているので、なかなかに新鮮です。

 もう1つは、SabresFans.comに掲載された感謝祭のコラム。セイバーズの35年間の記憶に残る瞬間を、著者が順不同に並べている。その内のいくつかをご紹介。
1 1970年10月10日……セイバーズのNHLでの最初の試合(ピッツバーグにて)。
3 オードでの最後の試合……試合後、廊下でシーモア・ノックスに会った。彼は記念に自分のチケットを私にくれた。
9 1シーズンずっと、セイバーズの選手は誰もCマークをつけなかった。テッド・ノーランはこう説明した、「パティは我々のリーダーだ。我々のスーパースターだ。誰も彼の代わりはできない」
10 タグナットのそばを通り、ゴールラインに向かっていったプラントのショット。
18 オードに掲げられた11番のバナー。当時はこれが唯一の欠番であり、それが当然のことだった。
23 70セーブ。
26 ドウェイン・ロロソン対クージョ……そしてロロソンが勝った。
 などなど、計75項目。あえて説明はしません。


逆転勝ち 05/11/25

 現地時間11月23日、ロングアイランドで行なわれたセイバーズ対アイランダーズ。ケガで欠場中のデュモンに加え、ブリエアもケガで出場できず、トップラインの2人を欠いての試合となった。
 1ピリは一方的にアイルズに攻められるも1対1。が、2ピリで立て続けに2点取られ(内1点はテッポの不運なミス)、3対1にされたときはもうだめかと思ったが、そのあとすぐに、テッポのスラップショットをヘヒトが押し込んで1点差。そして、3ピリ終了まぎわにコタリクが同点ゴール。OTはセイバーズが攻めて攻めて攻めまくるも得点ならず(ゴースタッドとパイアットがすごかったらしい)。そしてシュートアウト。前日、ノロネンのケガで交代したビロンが1つも止められず、こりゃあ、だめかと思ったら、ビロンは2つ受けて2つとも止めた。その間、セイバーズはコタリクがゴール(写真)、ヴァネクがセーブされ、コノリーがゴール。これで勝負あったので、アイルズの3番手シャターンの出番はなかった。
 セイバーズのファンは負ければ戦犯はビロン、勝っても戦犯はビロン、という感じなのだが、この日のビロンはおおむね、ソリッドであったようである。ゴーリー2人に加えてトップラインの2人まで欠いても勝てるってのがすごいというか、GとFは層が厚いと言うべきか……Dが2人欠けるとどうしようもないけど。トップ・スコアラーのブリエアがケガというのは痛いが、コタリクやコノリーといった新しいスナイパーが台頭している。コタリクは現在、チームのポイント・ランキング2位で、今季ブレイクした選手の1人になりそう。パイロンとか言われたパイアットも評価を上げているし、あとはヴァネクとロイがブレイクしてくれればいいのだが。ちなみに、コノリーとパイアットはペカのトレードでアイルズから来た選手。
 とにかく、この日は勝ったのでほっとしてるというか、5試合連続ポイント獲得は今季初めて。

テッポの記事 デトロイトのフィッシャーの心臓発作に関連して心配されたテッポの健康状態について、また、ブリエアとデュモンの状況について。デュモンは2週間は無理とのこと。
ノロネンの記事 ノロネンのケガは思ったより軽く、1週間以内に復帰できそう。


ノロネン負傷 05/11/24

 現地時間11月22日、バッファローでのレンジャーズ戦。この日は74年の入団以来、長くセイバーズで活躍し、キャプテンもつとめたダニー・ゲアの18番の永久欠番セレモニーが行われたが、試合はセイバーズがシュートアウト負けしてしまった。しかも、3ピリ12分経過頃にノロネンが鼠蹊部の筋肉を痛め、それでもOTまでプレーを続けたが、シュートアウト1巡目のあと、ビロンに交代。レンジャーズは3人すべてがゴール、セイバーズはブリエアとコタリクがゴールするもドゥルーリーがセーブされてしまった。
 試合はドゥルーリーが先制ゴール、ヤーガーが同点ゴール、マッキーが勝ち越しゴール、そして、3ピリ終了前にニーランダーが同点ゴール。ノロネンはこの前のボストン戦に続き、この試合でもハシェックばりのセーブ(NHL公式サイトのビデオで見れる)をするなど、非常によかったらしい。実際、不安定なビロンよりもノロネンがスターターになりそうだったのだ。
 とりあえず、二軍のアマークスからマイケル・レイトンが呼ばれた。レイトンはこのオフ、シカゴからトレードで来たゴーリー。年はミラーと同じくらいで、03/04シーズンにはティボーのケガもあって、30試合以上出場している。
 やっと勝てるようになったと思ったら、またゴーリーがケガなんて、呪われてるとしか思えないが、レイトンを試すチャンスではある。また、シュートアウトでヴァネクのようなスナイパーを出さずにドゥルーリーを出したラフHCに対し、ファンの批判が集まっている。永久欠番の記念すべき試合が、なんとも不幸な結末になってしまった。(ノロネンの記事はこちら。)

 さて、11月23日午後は日光でクレインズ対アイスバックスの試合が行なわれ、クレインズが7対2で圧勝。バックスは春名ゴーリーがお休み。なんでも、週末に関西で2試合あるので休ませたとか(先だっての横浜シリーズは春名がよくて2連勝て感じだったのだが)。プラントは1G2Aで、ポイント・ランキングとアシスト・ランキングの首位を独走中。


ミカチュー復活! 05/11/21

 オープン戦で炎上して以来、控えゴーリーにもなれず、試合中はプレスボックスにいたミカチューことミカ・ノロネン(写真)。ミラーがケガした直後はビロンのリリーフでオタワ戦に出るも、またも炎上。以後、ビロンのバックアップとしてベンチ入りはしても出番のなかったノロネン。その彼にやっとチャンスがめぐってきた。
 現地時間11月19日。ボストンでのブルーインズ戦。数日前から先発を言い渡されていたノロネンはこの試合では終始、ソリッドで、ビッグセーブもいくつかするという活躍。セイバーズは3対2で勝ち、ノロネンの評価が一気に高まった。
 この日はケガで欠場していたディフェンスのマッキーが復帰し、ビロンが出た試合よりディフェンスがよくなっていたのだが、ミラー欠場後のビロンよりもよい出来だったようだ。もっとも、ブルーインズは現在、絶不調で連敗中。セイバーズは今季、これでブルーインズに3連勝と相性もよかったのではあるが。セイバーズはまた、これでデビルズ戦、キャピトルズ戦に続いて今季初の3連勝となった。
 試合はセイバーズが先制しては追いつかれ、また入れては追いつかれ、あと4分ほどで試合終了というときに今までパッとしなかったディフェンスのタリンダーが決勝点をたたきだした。他の2点はコタリクとブリエア。コタリクとタリンダーのゴールは、ヴァネクがうまくレイクロフトの視界をさえぎっていたためのゴール。ヴァネクは影の功労者となった。
 ブルーインズはセイバーズ・キラーと言われたスカッチャードがコヨーテズにトレードされ、かわりに来たタナベがお目見えしていた。
 セイバーズはアフィノゲノフに加えてデュモンもケガで欠場。アフィノゲノフはそろそろ復帰できそうではある。ビロンもノロネンもいいときはいいが悪いときは悪いというのが困りものなのだが、とりあえず、ミラーが復帰するまではこの2人でやっていけそうだ。思えばノロネンは03/04シーズン終盤はまったくダメだったから、ほんとうに久方ぶりの復活である。まあ、次が問題なんだろうけどね。


今日は勝ちました。 05/11/20

 午前中、ネットラジオでセイバーズの3連勝とノロネンの今季初先発初勝利を確認して、さあ、この運気を持って、いざ横浜へ! もちろん、最後まで聞いてからでは第1試合のバックス対王子の開始には間に合わないのだけど、それでも1ピリ最後から見られた。そして、なんと、王子もバックスに負けてしまった。バックス、まじでつよい。セイバーズも2月になったら今のバックスのようにリベンジしてほしい……(セイバーズの試合については、これからハイライト・ビデオを見たり、写真を探したり、記事を読んだりするので、またのちほど)。
 そして、第2試合のクレインズ対コクド。クレインズがプラントのゴールで先制するも、そのあと3点取られ、やっとこ1点返すも2ピリ終了時点で2対3。こりゃあ、今日もやばい……と思ったら、3ピリから怒涛の攻撃で一気に3点取り、最後にエンプティ・ネットに入れて、6対3でクレインズが勝った。今日のクレインズは動きがよかったけれど、なんか、効率が悪くて、イライラがたまっていたけれど、3ピリでそのイライラも吹っ飛びました。やれやれ。
 それにしても、プラントは試合終了後にレフにクレームつけていたのだが、開幕のときもそうだった(バックス戦とコクド戦のどっちだったかは覚えてないが、まるでリプレイを見てるようだった)。試合中も、「Why? Why?」とレフに大声で叫んだり、クレームつけたりして、退場にならないかと心配になった(韓国でアンスポーツマンライク・コンダクトで10分のペナ、事実上の退場を食らっているので)。隣の人が「オフサイトがきびしすぎる」と言っていたけど、うーむ。でも、勝ってみんなが並んでるときにクレームつけるかなあ。で、必ず誰かが出てきてプラントを下がらせ、あとで別の選手がレフと話をするというのも同じパターン。何を話しているのだろう。(注)
 今日は奮発して3階特別指定席にしてみたんだが、ここからだとリンクを見下ろす感じになって、パックや選手の動きがよくわかる。ただ、ほかの座席と隔離されてるので、移動が面倒。あと、手摺りが邪魔だな。全体に新横浜は狭くて見づらい感じ。立ち見の場所も少ないし、トイレも少ない。ただ、音楽がオルガンなのはグー。
 さて、次は土曜日の東伏見へ行く予定。23日の日光もあるのだが、遠いな。

注 オフィシャル・ゲームシートを見たら、終了5分前くらいにアンスポーツマンライクを取られていたことがわかった。最後のどさくさで、よくわかんなかったんだけど、それの文句だったのだね。つまり、今回も事実上の退場処分だったわけですな。


がっくし、疲れた。 05/11/20

 2カ月ぶりのホッケー観戦、アジアリーグの新横浜での第1日(土曜日)に行ってきた。場所を確かめずに行ってしまったので、道に迷い、着いたときにはもう第1試合、お目当てのクレインズ対バックスが始まってしまっていた。その上、クレインズは格下のはずの(失礼)バックスに4対2で負けてしまうというていたらく。そのあとのコクド対王子が息詰まる熱戦で面白かったけれど、どうしたクレインズ、と、がっくしと肩を落としながら家路についたのであった。
 しかし、2カ月でこうも変わってしまうものなのか。9月下旬の開幕戦、あのときはクレインズがバックスを圧倒して力の差を見せつけていたのに、今回はまるでチームが互いに入れ替わったかのようだ。バックスは終始、チームワークがよくとれていて、動きもいいように見えたのに、クレインズはなんだか動きが鈍いというか、バックスの選手がパックをもって1人でクレインズの陣地に攻め込んでくるとき、クレインズの選手はほとんど誰もこっちへ来れないみたいなシーンが何度もあった。それに対し、バックスの選手たちはいつも必ず、自分たちのゴール前に集まって防いでいたように思う。私はホッケーに興味を持つようになってから日が浅いので、専門的なことはわからないけれど、目で見てそういう印象を受けたのだ。実際にはクレインズの方がシュート数は10くらい多かったみたいだから、春名ゴーリーがよかったのかもしれないけど。
 このほか、プラントが前に見たときほどよくなかったような気がする。この2カ月の間の試合をまったく見てないので、何とも言えないが……。中国の2チーム相手に大勝ちしているうちに、チーム全体がおかしくなったのだろうか。
 このあとのコクド対王子は、まるで開幕2日目のコクド対クレインズのようだった。どちらも相譲らずOTに持ち込み、結局、引き分け。開幕のときは王子がコクドにやられていたのに、今回は王子とコクドは力が同等に見えた。ほんと、この日の2試合だけだと、クレインズが一番ダメなチームに見えるよ。まあ、明日(というか日曜)の試合を見てみないとわからないが。
 今日はバックス対クレインズの方はけっこう派手な乱闘があり、コクド対王子はボードが壊れて直すのに時間がかかったりして、終わったら8時近くになっていた。クレインズのジャージを買ったので、日曜はこれを着て行こう。


パイアット、ハットトリック 05/11/19

 11月17日、バッファローでのワシントン戦。セイバーズは8対5で勝ったのだが、2ピリ中盤まで6対1でリードしていたのに、そのあと一気に3点取られ、3ピリに入ってもワシントンに攻められる一方で、セイバーズはほとんどシュートも打てず。やっと打ったのがパイアット(写真中央)のハットトリック達成のゴール。ところがそのあと、また1点取られ、そして、コノリーのゴールでやっと試合が終わった。
 その間、ワシントンのシュートは4本くらいポストに当たってたそうなので、運がよかったとしか言いようがない。このほか、ヴァネクがウィットに襲われたり、ビロンがオベチキンとラフィングしたりしたようである(掲示板にビデオがアップされていたが、クリースを離れていたビロンにオベチキンがぶつかっていったので、そのあと、ビロンが後を追いかけて復讐したのだった)。
 この日の試合では、パイアットのハットトリックに加えて、キャンベルが2ゴール、コノリーが1G2Aの活躍。実はこの3人、開幕前はファンからクビにしろと言われ続けていた選手たち。それでもキャンベルとコノリーはこのところよくて、評価が上がっていたが、パイアットは何の役にも立っていなかった。それが突然、ハットトリックって……前にも1度やったことがあるらしいけど。
 しかし、ビロンはやっぱり不安定のようだな。2ピリ後半から攻められっぱなしというスケーターたちも何だが。ビロンは3ピリだけで18本も受けて1点しか取られなかったんだが。ワシントンはコルズィグがケガで欠場中。オベチキンが1人でがんばってるんだけど、優秀な選手がほとんどいなくてもみんなで必死にプレーしているチームらしい。だから最下位とはいえ、上にしっかりくっついているのだ。まったく、この試合結果見ると、どっちが最下位だかわからんと思う。


社会派映画2本 05/11/18

 実話にもとづく社会派映画を2本見た。どちらも戦争にかかわる話で、アメリカをはじめとする超大国への批判が含まれている。

 1つはニコラス・ケイジが武器商人を演じる「ロード・オブ・ウォー」(12月公開)。「ガタカ」や「シモーヌ」の監督で、「トゥルーマン・ショー」の脚本家アンドリュー・ニコルの最新監督作である。
 ウクライナ出身のアメリカ人である主人公が、ふとしたことから武器商人としての天性に目覚め、相手かまわず武器を売りまくって成功する。弾丸の製造過程からそれが人を殺すまでを描くメインタイトルに始まり、モラルも何もない主人公が危ない橋を渡りながら商売を繰り広げ、最後にアメリカをはじめとする5つの国連常任理事国が一番の武器輸出国であることを告げる結末まで、ニコルらしい社会批判が貫かれた映画だ。
 「ガタカ」や「シモーヌ」、それに脚本を書いた「トゥルーマン・ショー」は、面白いけれど、SFとしては使い古されたネタだと思っていたが、この映画は現実を批判するという点でこれまでと違い、ユニーク。スタイリッシュな映像は相変わらずだし、主人公を追う捜査官役が「ガタカ」のイーサン・ホークだというのもうれしいが、ニコルの社会批判や文明批判へのこだわりが健在なのが何より喜ばしいことである。

 もう1つは1994年のルワンダの内戦を描く「ホテル・ルワンダ」(1月公開)。フツ族がツチ族を虐殺したこの出来事は日本でも大きく報道されたが、この映画はツチ族の妻を持つフツ族の男が、自分が支配人をつとめるホテルに1200人もの難民をかくまい、彼らを救うことに成功したという実話をもとにしている。最初は自分の家族さえ助かればと思っていた主人公が、しだいに他の人々も助けようと思うようになる。しかし、アメリカやイギリスは国連維持軍の撤退を促し、ルワンダは世界から見捨てられてしまう。
 こういう映画を娯楽的に面白いと書くのは不謹慎なのだが、サスペンスフルでドラマチックな感動作に仕上がっている。主人公は決して英雄ではなく、自分の命も危ない弱い人間なのだが、彼が必死に人を救おうとする姿には率直に感動できるだろう。アカデミー賞の主演男優賞、助演女優賞、脚本賞にノミネートされたのもうなずける。
 ルワンダにはフランスが軍事援助していたそうだが、難民を救うためにフランス政府にかけあうホテルのオーナーのベルギー人を演じてるのは、あのフランスのスターですよね(名前は出てないけど)。


約4年ぶりの勝利 05/11/17

 現地時間11月15日のバッファローでのデビルズ戦、セイバーズは4対1で勝った。デビルズに最後に勝ったのは2002年1月だそうだから、ほとんど4年ぶりの勝利。試合前に元キャプテン、Mike Foligno(写真)ら5人の「セイバーズの殿堂」入りセレモニーがあったので、勝って何よりである(記事1記事2)。
 試合はしょっぱなに1点先行されたあと、デュモン、キャンベル、ドゥルーリー、ブリエアがゴール。ブリエアは5試合ポイントなしだったので、ほっとしたことだろう。1点先行されたあとは終始、セイバーズが支配していたようで、特に、この日はディフェンスがすばらしかったらしい。リドマン改めリュドマン(注)がいるとこうも違うのか。フォワードではデレク・ロイ(注)ががんばっていたようだ。
 デビルズはブロデュアが今季は不調の上、モギルニーが脳震盪で欠場。セイバーズの方は親指骨折で12月中旬まで無理のミラーのほかに、現在、マッキーとアフィノゲノフがケガで欠場中。よそのチームも、せっかく復帰したアトランタのダナムがまたケガだとか、タンパのサンルイが指の骨折だとか、ハブスのコバレフが手術とか……。
 この日の他チームの試合のハイライトで印象に残ったのは、同点ゴールとシュートアウトを決めたキャピトルズのオベチキンの同点ゴール。フィギュア・スケートの選手のように飛び上がっている。期待を裏切り続けているセイバーズの新人、ヴァネクに欠けているのはこういうところではないだろうか。

注 リドマンはセイバーズの実況ではルードマンと発音するようになったが、実際はリュドマンが一番近いらしいので、こう表記します。英語ではユーがウーになりやすいですね(ニューヨークがヌーヨークとか。あ、デュモンがドゥモンになってら)。デレク・ロイ(ロワ)は故郷以外ではロイで通しているそうなので、こちらはロイで。ただ、デビルズの放送ではロワになってたらしい。


同じよりは変がいい。 05/11/16

 先日ちょっと紹介した「スパングリッシュ」という映画。ロスの裕福な白人一家の家政婦になったメキシコ人女性とその幼い娘の物語だけれど、プレスシートに書かれたある精神科医の分析が紋切り型の家族論であることが不満だと書いた。
 でも、よく考えたら、この人の論があったから、それはおかしいんじゃないの、と、さらに考えることができたのだと言える。ムカつくなんて言ってはいけなかった。
 この人は、家政婦が母親の愛情に飢えている白人一家の娘に母親のような愛情を注ぎ、その一方で、自分の娘にはきびしいことについて、娘には父親がいないので彼女は父親の役を演じているのだと解釈している。
 でも、そんなに単純なことだろうか。
 白人一家は奥さんが物を与えることでしか愛情を表現できない。また、太ることは罪悪だと思っているので、太りぎみの娘に小さめの服を買い与え、やせなさいと言う。それを見た家政婦が、服を大きくしてやるのだ。
 一方、家政婦が自分の娘に怒るのは、白人一家の主人が、海辺に落ちていたガラス玉を拾った娘に金を与えたとき。この主人は優柔不断なやさしい男性で、家政婦はマッチョばかりのヒスパニッシュの男たちとは違う彼にひかれていく。
 実は、家政婦は自分の娘には怒ってばかりである。たとえば、奥さんが家政婦の娘が奨学金をもらって私立の学校へ行かそうとすると怒る。ほかにも家政婦が怒るシーンがいっぱいあるのだけど、共通しているのは、娘がヒスパニッシュの世界を離れてアメリカ社会に同化してしまいそうなときだ。家政婦はアメリカに来てもヒスパニッシュの多いロスを選び、最初はヒスパニッシュ社会から出ようとしなかった。白人一家の家政婦になっても英語を学ぼうとしない。「アメリカに来た以上、アメリカに同化するのが当然」と日本人は考えるかもしれないが、アメリカに来てもヒスパニッシュの文化を守りたいという姿勢が彼女にはある。しかし、娘は英語がペラペラで、母親の通訳をし、アメリカ人の学校にもなじむ。奥さんが推薦する私立の学校へ入れるかどうか、ご主人と話し合うシーンが印象的だ。
 「その学校へ行ったら、娘は同化するか、まわりから浮いて変になるかだ」と危惧する家政婦。しかし、「同化するよりは変がいい」ということで、彼女とご主人は意見が一致する。
 家政婦が一家の娘に親切にしたのも、やせてみんなに同化するより、太めでも自分らしい方がいいと思ったからではないのか。
 父親や父親らしく、母親は母親らしくしないから白人一家は崩壊している、という論に反発を感じるのは、そういう主張そのものがみんなが同じ方向に行く考え方だからである。それはこの映画の趣旨に反している。ラスト、家政婦の娘のモノローグを聞けば、同化することと自分の文化を守ることの葛藤がわかるはずである。


土日の話 05/11/14

 11月13日はジルベール・ペロー(#11)の55歳の誕生日だったそうです。ハッピー・バースデー!

 現地時間11月12日のNHL、アトランタが連勝中のカロライナを9対0で敗ってしまった。AHLでも並みのゴーリーしかいないと言われて、負けが込んでいたアトランタは、ダナムが復帰してから勝てるようになり、AHLの並みのゴーリーとか言われたバークホール(バーコール?)とかいうルーキーも勝ってる。この日はダナムとバークホールで完封。このバークホールもシカゴからトレードで来たゴーリー。セイバーズもシカゴからもらったレイトンを上げてみたらどうか。アマークスでは勝ったり負けたりだけど、この際、経験を積ませてみるのも悪くないと思うが。

 セイバーズのリドマンが実はルードマンと読むのが正しいとわかり、実況もそう発音するようになった。タリンダーは、前はターリンダーと発音していたが、タリーンダーの方が正しいということで、こっちも変更。日本語ではタリンダーで問題なかろう。

 13日、福岡ではクレインズ対王子の試合が行なわれ、クレインズは2対1で敗れた。ゴールはプラントの1点のみ。どうも王子に弱いなあ。

追記(11月16日)
 先日のオタワ戦で今季初ゴールしたデレク・ロイも、実はロワが正しいことがわかった。関連記事。英語系には同じつづりのロイという姓があるので、ずっと、彼は英語系のロイだと思われていたのだが(出身もオタワだし)、フレンチ・カナディアンだったらしい。
 このほか、ヨッヘン・ヘヒトはヨッキン・ヘシュトと呼ばれているのだが、これも変ですよね(でも、ヘヒトはやっぱりヘシュト? わからん)。また、コタリクはコティリークが正しいとか。本人たちは別にどっちでもいいと言ってるのだけどね。このブログではどうしようか、困った。


コノリー! 05/11/13

 ベテランズ・デイ(11月11日)のバッファローでのリーフス戦、ティム・コノリー(写真)の2ゴールなどでセイバーズが5対2で勝利した。特に決勝点となった2つ目のゴールはアンビリーバボーなすばらしいゴール(ESPNのサイトのビデオでどうぞ)。ほかにドゥルーリー、グリア、ヴァネクがゴール。ヴァネクはエンプティ・ネットのゴールだが、その前にゴールしたのをノー・ゴールにされてしまい、帳尻を合わせた格好になった。また、テッポが3アシストして、なにげにチームのアシスト王に躍り出ている。
 セイバーズはもう2週間、勝ちがなくて、下のチームに次々と抜かれ、いつのまにか下にはワシントンとアトランタしかいなくなり、その2チームもすぐ後ろに迫っているという状態だった。なので、ラジオも聞く気がなくなっていたのだけど、リーフス戦は独特の雰囲気があるのがラジオでもよくわかるので、それを楽しむために聞くか、と思って、2ピリの終わり頃から聞き始めた。おかげで、セイバーズが攻めて攻めて攻めまくるおいしいところだけ聞いてしまったのだけど、それまでは点を取っては取られるという、伝統の一戦にふさわしいシーソーゲームだったらしい。
 そう、セイバーズ対リーフスは伝統の一戦なのですよ。
 実はセイバーズが誕生してから35年間、この対戦はセイバーズが一方的に勝っている。特にホームでは圧倒的に強い。リーフス・ファンの間では、これは「Punch Imlachの呪い」だとさえ言われている。
 Punch Imlachはリーフスを何度も優勝に導いた名コーチ。すでに引退していたところを、新しく誕生したセイバーズのヘッドコーチに招かれたのである。セイバーズが初めてメイプルリーフ・ガーデンズでリーフスと対戦したとき、Imlachはブーイングを避けるために試合が始まるまでアリーナに出なかった。国歌斉唱が終わり、選手が氷上に散ったあと、彼が登場すると、ガーデンズのリーフス・ファンはスタンディング・オベーションで彼を迎えたという。試合は……もちろん、セイバーズが勝ちました。
 セイバーズがこの前、レギュラー・シーズンでリーフスと対戦したのは、04年4月2日。忘れもしない、アイルズとプレーオフを争っていて、この日はアイルズが勝てばアイルズがプレーオフ進出、アイルズが負けてもセイバーズが負ければアイルズが進出という試合だった。バッファローでは金曜の試合は夜8時から。なので、アイルズの試合の方が先に進んでいる。選手たちにアイルズの途中経過を知らせないため、HSBCアリーナの電光掲示板は消されていた。しかし、アリーナの観客は携帯やラジオでアイルズが勝ったことを知っていた。プレーオフめざして連勝を続けていたセイバーズは、それまでは必ず1ピリで点を取り、そのまま逃げ切っていた。しかし、このときは、1ピリではどちらも点が入らず、2ピリでシャターンがゴールしたのだが、ハイスティックを取られてノー・ゴールになり、そして、リーフスに点を取られて負けた。ネットラジオを聞いていた私も、途中でアイルズが勝ったことを知ったのだった。
 あれから1年半がすぎて、シャターンとジトニクはアイルズかよ。ビロン対ベルフォアは同じだが。ジトニクが77番てのがどうにも違和感があるのだが、77はタージョンの番号だったのだね。


よもやま話 05/11/12

 東京フォーラムのチケットぴあで、やっと、今月のクレインズの3試合のチケットを発券してきた。来週末の新横浜と、次の週末の東伏見。開幕戦ではデレク・プラントしか選手を知らなかったけど、あのあと、だいぶ選手の名前覚えたから、応援、リキ入るぞ。
 そのクレインズは、11日は名古屋で王子と試合。公式サイトによると、6対1でクレインズの勝ち。プラントは1G3Aの模様。プラントがゴール近くでパックをもつと、ライアンとかが前に出てくるというので、今度はしっかり見てみよう。

 金曜日は「スパングリッシュ」という映画を見てきた。「恋愛小説家」のジェームズ・L・ブルックス監督の新作で、ロスの裕福な白人一家と、そこに家政婦としてやってきたメキシコ人の母娘の物語。いろいろ考えさせる映画だけど、マスコミ用のプレスシートに掲載されていたシカゴ在住の精神科医という人の文章を読んだら、あまりに紋切り型の家族論で切っているので、正直、ムカついた。父親はこうで母親はこうじゃないといけない、そうでないと家族が崩壊、みたいな乱暴な論理。そんな単純なものじゃないし、もっと深いものがある映画だと思うけど、これはじっくり論じないといけないので、いずれ改めて書こう。


ヴァネク初ゴール 05/11/10

 アシストの数はどんどん増えていて、チームのアシスト王なのだが、いまだゴールなしのトマス・ヴァネクがついに初ゴールした。しかも、そのあとすぐに2つ目のゴール。どちらもNHL公式サイトで見れる。最初のゴールはほんとにゴール・スコアラーのゴールだが、2つ目は最初、別の選手のゴールと思われていた。その後、すぐにヴァネクに訂正。なので、公式サイトのビデオではイマイチわかりづらい。ヴァネクはこの試合では1アシストもして、アシスト数は10に。また、コタリクも1ゴールしたので、チェコ人とチェコ系オーストリア人で3点。
 でも、いい話はこれだけ。ビロンは最悪。リドマンとマッキーがいないとディフェンスはもはやザルでさえなく、底の抜けたナベ。オフェンスは44本も打ってるが、ガーバーよすぎ。
 それにしても、カロライナのコールはこのオフ、オタワのハヴラットとのトレードが噂されていた。オタワは当初、ホッサの年俸が上がるので、ハヴラットをトレードしたがっていたのだ。しかし、これがうまくいかず、そこにヒートリーの話がタナボタのようにして来たというわけ(ハヴラットは先だっての股間キック事件に見られるように、素行に問題ありの選手らしく、そのため、トレード話が絶えなかったという説さえある)。カロライナはコールをキープして正解だっただろう。

 この試合の前に、NHL公式サイトにヴァネクの記事が出た。これの御利益で初ゴールしたのかな。もともと、セイバーズは今季はドラフト全体1位争いをするというのが開幕前の予想だったから、ヴァネクの活躍が唯一の楽しみだったのだ。そこに戻ったと思って、彼の今後に期待しよう。いいニュースとしては、ミラーの手術がことのほかうまくいって、復帰が早まりそうだということ。リドマンとマッキーにもできるだけ早く戻ってもらいたいものだ。というか、最低、この2人が戻らないと、とても勝てそうにない。


タージョンの500ゴールのことなど 05/11/9

 元セイバーズのピエール・タージョンが現地時間11月8日のアバランチ対シャークスで500ゴールを達成した。タージョンはラフォンテーヌと交換でアイルズに行き、ラフォンテーヌはセイバーズで、タージョンはアイルズで活躍。どちらにとってもいいトレードと言われたが、その後、ラフォンテーヌは脳震盪で引退、タージョンはアイルズを出てからあまりふるわなかったようだが、今季、アバランチで復活していた。
 ラフォンテーヌがセイバーズの永久欠番になることが決まったとき、セイバーズのファンの間からは、それならタージョンも、という声も出ていた。ついでにラフォンテーヌとラインを組んでいたモギルニーとアンドレイチャクも……って、まだ引退してないじゃん!

 以下、さまざまな話題。

 元セイバーズといえば、セネターズに移ったヴァラダがアイスタイムを1試合5分にまで減らされてしまい、エージェントを通してマックラーGMに訴えた。トレードを願い出てはいないが、今後、どうなるのか打診したらしい。でも、マレーHCを飛び越えてGMに、っていうのは、もう、トレードしかない? ヴァラダはセイバーズ時代からマックラーとつながりがあるが、例の、マックラーとテッド・ノーランの確執のエピソードの1つに、マックラーがノーランに一言も言わずに二軍からヴァラダを上げてしまい、ノーランが激怒したというのがある。セネターズでも、マルタンはマックラーの思い通りに動かないHCだったようで、マルタンが去るのは時間の問題だったようだ。
 ヴァラダはタフガイ系なので、プロレスもボクシングもキックボクシングもできる選手が何人もいるセネターズでは先が見えてるだろう。しかし、ハヴラットのスケート靴で股間をキック、なんて、想像するだけで恐ろしい。セイバーズもセネターズが相手だと乱闘係を入れないといけないって、ああ、そういうチームだったのですか(知らんかった)。セイバーズはヴァラダはイラネだと思う。もともと、年俸でもめてトレードしたんじゃなかったっけ。

 かつてはもめごとの宝庫だったセイバーズは、ロッカールームのガンと言われたシャターンが去って以来、和気あいあいのチームになったかと思いきや、ビロンとノロネンが二軍で調整するのを断っていたことがわかった。2人とも2ウェイ契約ではないので、強制的に二軍へ行かせることはできないが、本人が了承すればできる。オイラーズのコンクリンのように、不調のゴーリーが下で調整してくるというのはよくあることだという。なのに、ビロンとノロネンは調整に行かず、その結果、先日のセネターズ戦で醜態をさらしてしまった。「ミラーが戻ってきたら、あの2人には出て行ってもらいたい」と、ファンはカンカンである。

 セネターズ戦で6対0で敗れたアイルズのディピエトロは、悔しまぎれに「10点取られたセイバーズよりマシ」と言って、セイバーズの掲示板でたたかれていた。「アイルズはセイバーズとの2試合で12点も取られてるじゃねえか」というわけである。「6対0と10対4なら6点差だから同じ」という意見もあった。セイバーズの10対4の負けはあちらのメディアでは過剰に扱われているが、セイバーズのファンはさほど気にしていない。むしろ、ハブスに僅差で2連敗した方がずっとこたえている。それにしてもハブスは1点差ゲームが多く、しかも勝ちが多い。8日もライトニングに3対2で勝っている。セイバーズも2試合とも3対2で負けたんだが、「かつてセイバーズがハブスにスイープされたとき、スコアがすべて3対2だった」のだそうです(いつの話だ)。
 そのハブス対ライトニングの試合で、ライトニングのレインジャーがアシストしていた。レインジャーはアトランタのボールトン(こいつも元セイバーズ)に頭をひじ鉄されて、脳震盪を起こしていたはずだが、復帰してたのですね。あのときは、ボールトンがその前の試合、リーフス戦でもリンドロスの頭にひじ鉄しようとして、それで大乱闘が始まっていたので、「またか」とか、「ハートリーHCがやらせたのだ」とか言われていた。しかし、試合後、ハートリーはトートレラを訪ね、謝罪したようで、トートレラは「ハートリーがやらせたとは思わない」と発言していた。そして、サスペンドになったボールトンは電話でレインジャーに謝罪。レインジャーも「状況から見てわざとではないと思う」と発言している。

 あこがれのリーフスで、155万ドルという安値でがんばっているリンドロスだが、リーフスと契約する前にセネターズのマックラーがリンドロスの父親に電話をかけ、「リーフスよりもカップの取れるうちの方がいいぞ、150万ドルでどうや」と言ったらしい。父親は「考えてみる」と言ったが、結局、リーフスと契約。マックラーはアリソンもねらってたというから、驚く。
 それはともかく、リンドロスって、いい年こいて、なんで親父が出てくるんやね、と思っていたら、リンドロスをドラフトしたケベック・ノルディクスに行くことに絶対反対だったのは父親の方で、リンドロス本人はそれほどでもなかったらしい。当時はケベックが独立するとか何とか、政治的なことがあったので、そのせいもあったようだが、「あこがれのリーフス」も案外、親父のあこがれ? アバランチはリンドロスのトレードでフォシュベリとその他大勢をもらい、その他の中の1つが後にタンゲイになったというんだから、リンドロスの父ちゃんに足向けて寝られなかっただろう(?)。


英国最強のおばちゃんたち 05/11/8

 ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」を映画化した「プライドと偏見」を見てきました。
 「高慢と偏見」は翻訳によっては「自負と偏見」と訳しているものもあるけれど、高慢も自負も若い人にはピンと来ない日本語でしょう。また、プライドは高慢と訳すと悪い意味になりますが、自負ならいい意味。原作のダーシーのプライドはやはり高慢と訳す方が正しいけれど、そういう二面性のある言葉だということは意識していいと思います。
 「高慢と偏見」は1940年にグリア・ガースンとローレンス・オリヴィエで映画になっていて、これは大変評判がいいのですが、日本未公開。最近ではイギリスでテレビシリーズになったのが日本でも放送されたけれど、私はどっちも見てなかったので、若い頃に原作を読んで以来ということになります。で、ヒロイン、エリザベスの家、ベネット一家がずいぶんと庶民っぽいのでびっくり。確かに同じミドルクラスでもダーシーの家は貴族に近い名家、それに対し、ベネット家は田舎の地主なのですが、一応、ベネット家も貴族の下のミドルクラスで、庶民の労働者階級よりはだいぶ上なのです。
 そんなわけで、ベネット家の5人の娘たちはみな、質素な服を着ていて、家も豪華な調度品などなく、ダーシーたち家柄のよい男たちの家とはまったく対照的。母親と娘たちが基本的に玉の輿ねらいであることを正直に出していて、そこが笑えます(もちろん、愛もだいじだけど)。
 その庶民パワー丸出しの母親を演じるのが、「秘密と嘘」や「ヴェラ・ドレイク」などで、教養のない庶民のおばちゃんを演じさせたら右に出る者がいないブレンダ・ブレッシン。この英国最強の庶民のおばちゃん、ブレッシンが、実は一番目立っているのです。
 そして、英国最強の庶民のおばちゃんに対抗するのが、ジュディ・デンチ扮するダーシーのおばの貴族の令夫人。エリザベス女王とヴィクトリア女王の両方を演じたデンチは、ここではイヤミな貴族のオバサンを演じて、さしずめ、英国最強の貴族のおばちゃんというところ。この貴族の令夫人とエリザベスが対決するクライマックスは胸がすくシーンになっています。
 もちろん、本題のエリザベスとダーシーを中心とする若い男女の恋の行く末も楽しい(おばちゃん対決がメインではなく、こっちがメインですよ、念のため)。主役の2人の建前と本音を上手に描く脚本と演出もみごと。最近のオースティンの小説の映画化、90年代の「エマ」や「いつか晴れた日に」(原作は「分別と多感」)に劣らぬ出来栄えです。
 若い男女の恋のさやあてと英国最強のおばちゃん対決のこの映画、最後をしめくくるのは父親役のドナルド・サザーランド。女たちに押され気味の、でも、言うときはバシッと言う、もののわかったこの父親がラストシーンを締めて映画は終わります。サザーランドって、カナダ人なんですね。最近は息子の方が有名だけど、やっぱり名優。惚れなおしました。
(来年1月14日公開)


「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 05/11/7

 原作を読んでいないので第1作はわけわからず、それで第2作はスルー、第3作で監督が替わったので見てみたら、これはわかりやすかった。そして、第4作「炎のゴブレット」。11月26日公開ですが、某所で見せてもらってしまいました。
 いやもう、楽しかったです。相変わらず原作読んでない人間ですが、今回が一番よくわかるし、面白かった。2時間40分近くあるのにまったくあきない。演出も脚本も編集もとってもスムーズで、まるでゲームのトラップを次々クリアしていくような展開がメリハリがあっていいです。
 それに、何よりもヴィジュアルがすばらしい。冒頭の魔法ワールドカップの、そびえたつ観客席の目もくらむようなすごさ(でも、ワールドカップで何やってんのか、まるでわからず)。竜の卵を奪うエピソードの、竜に追っかけられながらハリーがほうきに乗って空を飛びまわるシーンの飛翔感。これもそびえたつ塔のそばを飛びまわる上下の感覚がジェットコースター気分。全体に、空から見下ろしたり、高いものを下から見上げたりのシーンが快感なのであります。
 前半がこんな具合にスリリングなので、後半の水中に潜るシーンや動く迷路がイマイチに感じられてしまいますが、それでもヴィジュアルはなかなかのもの。話の展開も破綻がなく、原作読んでなくても、ほんとに、楽しめます。
 第1作はハリウッドでヒット作をいくつも作っているクリス・コロンバスだったせいか、ハリウッドの手垢のついたファンタジーという感じでしたが、第3作はメキシコ出身のアルフォンソ・キュアロン監督に替わり、深みと渋さが出ていました(でも、原作ファンには評判悪い?)。そして、今回、初めてイギリス人のマイク・ニューウェル監督になって、英国的なファンタジーの世界の雰囲気とハリウッド的なエンターテインメントがうまくミックスした映画になっています。第2作は見ていないけど、一番完成度は高いかも。主役の3人も今回で卒業とか。


振り出しに戻る 05/11/6

 現地時間、金曜日と土曜日のハブスとの2連戦は、どちらも3対2でセイバーズが敗れた。ミラーが親指の複雑骨折で年末まで無理、おまけにフル・メンバーでもザル・ディフェンスなのに、その中では比較的役に立っていたリドマンとマッキーがケガで欠場(マッキーは土曜日に欠場)、その上、ハブスは今、東カンファレンスのベスト・チームの1つ……なので、僅差で負けたのは弱いわけではないのかどうか。それとも、僅差で負けるチームはやはり弱いのか。
 セイバーズは10月25日のワシントン戦以来、1勝5敗。あっというまに7勝7敗になってしまった。この5敗の内4敗が1点差負け。そして、7敗の内5敗が1点差負けである。2敗はオタワ戦なので、オタワ以外にはすべて1点差で負けているわけ。勝つ方も実は僅差がほとんど。つまり、どっちに転んでもおかしくない状態だったのが、開幕当初はそれがすべてうまい方に転んでいたのだろう。
 しかし、ワシントン戦からチームががらっと変わってしまったのは事実で、それまではスピードを生かして氷上を支配していたのに、それがあの試合からできなくなっている。最近6戦の内の唯一の勝ち星は、アイルズが墓穴を掘ったからだ。
 先日のオワタ戦では、試合の数時間前にミラーがケガというショックのために選手の動揺が大きく、ビロンもノロネンもメタメタだったが、ハブスとの2戦では、ビロンはミラーの穴を埋めるだけの働きをしている。特に金曜の試合では、ビロンはすばらしかったらしい。実際、今のセイバーズの状態では、ゴーリーがミラーでも負けるだろう。
 ミラー、リドマン、グリア、マッキーと、ケガ人が相次いでいるので、二軍のアマークスからロイ、ポミンヴィル、ジルソンが呼ばれたが、今のところ、役立っていない模様。土曜日はグリアが復帰したので、ポミンヴィルは再び二軍へ。ミラーとリドマンはケガ人リスト入りしている。これ以外にも隠れケガ人が何人もいるんじゃないかと思えてしかたないのだが。
 これからはカロライナ、トロント、オタワなので、当分勝てそうにない。そのあとがまた、不振の始まりになったワシントンとニュージャージー。まあ、10月がよすぎたので、最初の予想に戻っただけなんだが……期待させられただけ、がっくし度が大きいのだ。

 金曜夜の釧路でのクレインズ対チチハル戦2戦目、この日もプラントはアシスト点を稼いで、この時点でポイント・ランキングとアシスト・ランキングの両方で1位になってます。今月の関東での3試合のチケット、早く発券に行かねば。


悪夢の11月 05/11/3

 ゴーリーのケガが相次いでいるが、11月2日、午前中、練習中にライアン・ミラーが親指をケガしてしまい、6週間から8週間は絶望ということらしい。その夜、ビロンとノロネンが出場したが、ミラーに比べるとだいぶ劣ることがわかっただけだった。おまけにフォワードのグリアがケガ。これもかなり重いらしい。また、ディフェンスのリドマンがケガでアイルズ戦から欠場している。
 ビロンとノロネンでは、2年前のセイバーズ・マイナス・シャターン&ジトニクになってしまうわけで、結局、ホッケーライターが予想した25位以下になってしまうだろう。それでも、ビロンとノロネンがいるだけまだましなのかどうか。昨年の夏、契約交渉の席で、ビロンは「おれがチームをプレーオフに連れていく」と言ったのだから、高い年俸の分はやってもらいたいものだ(ミラーとノロネンを足したより高い)。

 それにしても、セイバーズが災厄続きの時期を経て、ここまで盛り返してきたのにこんな不運が襲うなんて、「ハシェックの呪い」はまだ終わっていないのだろうか。
 この日のオタワ戦でマックラーGMはプレスボックスで笑っていたというが、8年前のプレーオフで、当時セイバーズのGMだったマックラーは、テッド・ノーランとの確執のためにオフにはやめることが決まっていて、そのために、自分のチーム(セイバーズ)がハシェック抜きでオタワに勝って1回戦突破してしまったとき、プレスボックスで渋い顔をしていたのだそうだ。記者への暴行でサスペンドになっていたハシェックは、それが解けてもケガを理由に2回戦は出場せず、チームは敗退。「ハシェックはマックラーの望みをかなえた」とまで言われた(実際にケガはしてたようだが)。
 あのとき、バックアップだったシールズは先日、アトランタで初勝利をあげた。セイバーズを救う2つのゴールを決めたプラントは今、日本にいる。
 てか、今(午後3時半)、釧路でチチハルと対戦中。2ピリ終わって15対0? またポイントたくさん稼げますね。実力差ありすぎ。
 で、結果(午後4時半)、24対0でクレインズの勝ち。プラント2ゴール、アシストは……スコアすごすぎて数えられない! 公式サイト、速報追いつかず、ファンの掲示板が頼りでした。


シューレス・ジョーの映画 05/11/1

 先日、シカゴ・ホワイトソックスがワールド・シリーズで優勝したとき、「ブラックソックス・スキャンダルの呪いが解けた」という言い方がされたそうである。昨年はボストン・レッドソックスが優勝して、「バンビーノの呪いが解けた」と言われたが、どちらも呪いは何十年も続いていたのだからすごい。
 ブラックソックス・スキャンダルというのは、1919年、ワールド・シリーズでホワイトソックスの選手8人が賭博がらみの八百長をしたという事件である。8人の選手は球界を追放されたが、この中の1人が当時のスター選手、シューレス・ジョー・ジャクソンだった。彼が八百長をしたと知った少年が、「嘘だと言ってよ、ジョー」と叫んだというのはあまりにも有名なエピソード。ただし、作られた伝説だという説もある。シューレス・ジョーというあだ名はマイナー時代、彼が靴をはかずにプレーしたことがあったという話から来ているが、これも伝説らしい。
 シューレス・ジョーが登場する映画が80年代に2本作られている。1つはジョン・セイルズ監督の「エイト・メン・アウト」。ブラックソックス・スキャンダルをリアルに描いた秀作。でも、インディーズ映画なのでひっそりと公開されたから、知ってる人は少ないだろう。この映画でシューレス・ジョー・ジャクソンを演じたのはD・B・スウィーニー。
 もう1つは誰もが知ってる大ヒット作、「フィールド・オブ・ドリームス」。現代のアイオワの農場主(ケヴィン・コスナー)が、シューレス・ジョー(レイ・リオッタ)の幻を見て、球界を追放された天国の選手たちがもう一度プレーできるようにと、トウモロコシ畑をつぶして野球場を作ろうとする。夢の実現と家族愛を描いた感動作だけど、ブラックソックス・スキャンダルのことは、これを見ただけではわからない。でも、ホワイトソックスとシューレス・ジョーへの思いが隠し味になっているのだろうね。

2005年10月30日

2005年10月

とりあえず、ホッ。 05/10/30
数学が好きになる映画 05/10/28
スイープ、スイープ 05/10/27
「イン・ハー・シューズ」 05/10/26
「力道山」に思うこと 05/10/26
この2人は神! 05/10/23
「力道山」を見る 05/10/22
今だけディビジョン首位 05/10/21
新007はダニエル・クレイグ! 05/10/20
セイバーズの16番と18番が欠番に 05/10/18
南部の戦い 05/10/16
シュートアウト初勝利 05/10/14
数学者の映画 05/10/13
祝・横浜Aクラス 05/10/12
セイバーズの覚え書 05/10/12
客が来ない…… 05/10/11
日常の中の寓話 05/10/10
18対1 05/10/9
アンビリーバボー! 05/10/8
NHL開幕 05/10/6
「ティム・バートンのコープスブライド」 05/10/5
デレク・プラントのネタ 05/10/4
オープン戦最終戦ほか 05/10/1


とりあえず、ホッ。 05/10/30

 昨日は午前中にセイバーズがデビルズに負け、午後はクレインズが王子に負けたという、二重にウツな日であった。今日は午前中にセイバーズ対アイルズ、午後はまた釧路でクレインズ対王子がある。クレインズのプラントは昨日は1アシストして、なにげにポイント・ランキング単独1位! ペナ取られ時間数もチーム1位で、チーム2位の選手の2倍くらい取られてるのだが、これは一度に10分取られたのがあるからだろう。ちなみにバックスのポディーンはもっと取られてます(バックスも今日、試合ですね)。
 セイバーズは今日(現地時間では29日)負けたら10連敗も覚悟だったので、とりあえず勝ってほっとしている。これもジトニクが終盤に2回もペナ取られてくれたおかげである(2つのパワープレーで決勝点とダメ押し点が入った)。特に決勝点が入ったときのペナは最近多い「パック・オーバー・グラス」というやつで、客席にパックを入れるとペナ。セイバーズは昨日のデビルズ戦で、これをやって負けた。2ピリまで寝てたかのようなセイバーズが3ピリで突然、目覚め、1分少々の間に立て続けにブリエア、ドゥルーリーの2人のキャプテンがゴール(ブリエアのは相手選手のスケートにあたってのゴールだったらしい)。しかし、その直後にあのペナを取られ、決勝点を入れられたのだ。
 セイバーズはレンジャーズ戦で非常にいい試合をしたあと、キャップスとデビルズにはまったくいいところがなく、負けてしまった。どちらも、それまでの戦い方をしていれば勝てた相手なのに、まるで違うチームになってしまったようだ。あちらの掲示板のコアなファンの書き込みによると、キャップスとデビルズはニュートラル・ゾーンでセイバーズの動きを封じるような作戦を取っていて、これは新手のトラップではないかという指摘がされていたが、セイバーズの動き自体も非常に悪かったようである。
 アイルズ戦は相手のペナに助けられたところが多い。2連敗したミラーは今日はお休み。ビロンが初先発した(相変わらず40本近く打たれている)。ミラーの記録は7勝にとどまり、10月に8勝したルーキー、ベルフォアには並べなかった。
 ブリエア(写真)は今日も1G1Aで、着実にポイントを稼いでいるが、ヴァネクが最近、アシストもないと思っていたら、アイスタイムをかなり減らされているらしい。
 AHLでは、アマークスのデレク・ロイがポイント・ランキング1位、7試合で20ポイントという活躍をしている。そろそろロイを上にあげてほしいものだ。ポミンヴィルも好成績である。


数学が好きになる映画 05/10/28

 原作がベストセラーになった映画「博士の愛した数式」を見た(公開は来年1月)。原作は読んでいないけれど、以前、紹介した数学者が主役のアメリカ映画(10月13日付記事参照)が数学そのものをまるで扱っていなかったのに対し、これは数学そのものが人生の奥深さを語り、宇宙の神秘と秩序を語る手段として使われている。
 主人公は、80分しか記憶がもたない数学博士と、彼の世話をする若い家政婦とその息子。心やさしい3人の交流がとてもいいのだが、なぜか3人とも大の阪神ファン。古くからの阪神ファンにはお楽しみの工夫がされています(江夏より前の阪神ね)。
 博士はさまざまな数字について、それはいい数だ、とか、すばらしい数だ、と言って、その数について説明する。24は4の階乗だとか、220と284の関係とか。それだけでなく、野球場の座席の数字を見て、これはベーブルースのホームランの数だ、とか。
 家政婦の息子は少年野球チームに入っていて、だから野球が重要な要素として出てくる。考えてみたら、野球というのはきわめて数学的な美しさを持ったスポーツだ。多くの球技が左右にエンドがあり、左右対称の閉じた空間であるのに対し、野球のグラウンドは五角形のホームベースがある直角の角から始まり、そこから正方形の内野が広がり、そして、その向こうに外野が広がっている。ファウル・グラウンドとフェア・グラウンドを区切る2本の直線は、観客席がなければ永遠に伸びていくだろう。野球のグラウンドとは、0から始まり、永遠に向かって開いているのだ。
 スポーツでは背番号も重要。最近、私の目には、なぜか、オベチキンの8と今江の8が重なって見える。8は無限大の記号を縦にしたものであり、メビウスの輪でもある(私のパソコンはメビウス……って、関係ないですね)。
 この物語のいいところは、どんな人も自分の好きな数字、自分に関係のある数字に意味を見いだせることだろう。家政婦の息子の誕生日、5月18日は、私の大好きなピアニスト、サンソン・フランソワの誕生日でもある。この日に少年は11歳になるのだが、博士は11もいい数字だと言ってくれた!(村山の背番号だからだけど、このブログのアドレスはblueandgold11)。
 最後にブレイクの詩が出てくるのもうれしい。博士の愛した数式、オイラーの公式に託された深い意味にも心を動かされる。


スイープ、スイープ 05/10/27

 昨夜のロッテ対阪神に続いて、ホワイトソックス対アストロズもスイープで優勝が決まってしまいました。ロッテは31年ぶりだけど、ホワイトソックスはその3倍くらいぶりだから、喜びも3倍でしょう。ロッテは横浜の牛島監督の古巣なので、やっぱりロッテ応援だったが、記念に交流戦のときのまーくんとホッシーの写真を貼っておこう。ロッテはこれからアジア・シリーズがあるのだ。
 NHLではナッシュビルが負けて、これで全勝はなくなった。セイバーズはロチェスターでのワシントン戦だったが、なんとなく負けるような予感がしてたら、やっぱりであった。ロチェスターは二軍のアマークスの本拠地だが、実は現オーナーの地元でもあり、それで前のシーズン(03/04)からここで1度は試合するようになった。でも、ホームなのに実質アウェーということで、2年前も引き分けかなんかで勝っていない。おまけに、2年前はソールドアウトだったのに今年は8500人ほどしか入らず、経営的にもちっともよくない。
 セイバーズはペナが多く、ショッツ・オン・ゴールが少なく、フェイス・オフの勝率も40パーセントほどと、まったくいいとこなしだったみたい(以前のセイバーズに戻ってしまったのだ)。実はこのところ、チームはメディアの注目を浴びていて、NHL公式サイトでブリエアが取り上げられたり、いまだゴールのないヴァネクについてAP通信が記事を配信したり、ミラーの記録が取り沙汰されたり、そして、「スポーツ・イラストレイテッド」のサイトでは、パワーランキングの5位にセイバーズがランクインしたり、と、急にエリート・チームのようになってしまっていたのだ。おまけにワシントンには昨季はかなり勝っていて、オープン戦でも2試合2勝。それで甘く見たわけではないだろうが、ワシントンの方はこれ以上負けられないと必死にやってくるわけで、だから怖いと思っていたのだ。ナッシュビルもコロンバスのようなどん底チームに負けたけど、そういうものである。
 セイバーズは開幕してからずっと2勝1敗ペースで、それもあって負ける番だと思ったんだけど、だいじなのは週末の2試合です。もう、ミラーの記録がどうのなんて言ってられないぞ。


「イン・ハー・シューズ」 05/10/26

 「LAコンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン監督の新作。トニ・コレットとキャメロン・ディアスが姉妹を演じる。姉は勉強ができて弁護士になるがカタブツで不美人、妹は美人だが学校もろくに出てなくて定職にもつかず、というよくあるパターン。
 映画は路上に雪の残る早春のフィラデルフィアから始まり、途中で妹が祖母に会いにフロリダへ行く。寒々としたフィラデルフィアとぽかぽか陽気のフロリダが、カタブツの姉と自由気ままな妹の違いのようで面白い。もっとも、妹は妹で悩みがある。文字を読むのに時間がかかる障害のためにこれまで勉強もできず、仕事も長続きしなかったのだ。
 姉の方は姉で、ボーイフレンドを美人の妹に取られてしまったり、おいしいものが好きなので太りぎみだったり。メガネをかけると柴田理恵みたいなコレットの仏頂面がなんともいえない(ディアスはいつものディアスです)。
 で、結局は姉もフロリダへ旅立ち、そこで妹は姉の苦労や心くばりを知り、姉の恩に報いようとする、というほろっとさせる結末になるのだけど、祖母(シャーリー・マクレーン)が入っている老人ホームのおばあちゃんたちがとてもいい。
 姉は靴をいっぱい持っているのだけど、ほとんどは使っていない。私は靴はあまり持っていないが、それでもほとんどはいていない靴の方が多い。はきごこちのいい靴というものは限られてしまうものだ。
 映画の中ほどで、姉が新しいボーイフレンドとNBAのフィラデルフィア76ersの試合を見に行くシーンがある。ホッケーかと思ったらバスケだったというシーンだが、儲かってるホッケー・チームはみんなバスケと込みなのだね。
 帰りに六本木のドンキホーテの斜向かいのマクドに入ったら、ドンキのてっぺんに建設中の絶叫マシンがよく見えた。駅のそばの書店で「スポーティヴァ」の福藤豊の記事を立ち読みして帰る。


「力道山」に思うこと 05/10/26

 先日、韓国映画の「力道山」について書いたら、その日の訪問者がいつもの2倍から3倍になった。翌日も同じくらいの訪問者があったが、その後はまたもとの数に。さすがは力道山。
 「力道山」は現在、開催中の東京国際映画祭のクロージングに上映されることになっていて、きっと大盛況になると思う。監督や出演者のインタビューがこれからさまざまな媒体に出ると思うと、それも楽しみだ。というのも、この映画、いろいろ考えるところが多くて、力道山と日本の関係を韓国人はどう思っているのか、とか、終戦直後の日本人の心情と韓国人の心情が重なるところがあるのか、とか、力道山がタッグを組むのが柔道家と元横綱だということに象徴性はあるのか、などといったところ。それと、桜がやたら美しく撮られていて、あれは日本人の見る桜とはちょっと違うなあ、と感じた。
 力道山の活躍した時代にはもう生まれていたけれど、力道山のことはあまりよく知らない。というのも、わが家は親がプロレスが嫌いで、テレビでプロレスを見ることがなかったからだ。で、親がプロレスを嫌っていた理由の1つに、あれは八百長だから、というのがあった。「力道山」でも、力道山がプロレスをショーとして演出していたことがばれるシーンがある。タッグを組む柔道家が最初にアメリカ人レスラーにやられ、そのあと、力道山が出てきて敵をやっつける、という演出がされていたのだ。これは今では別に何でもないというか、プロレスというのはそういうものだと誰もが思っているので、びっくりしないのだけど、当時はスポーツにそういう演出があるということにショックを受けた人も多かったらしい。
 映画では、今度は力道山が八百長をばらしてしまう、というシーンもあって、そのあたりから後援会長と力道山の対立が生まれてくる。「負けてください」という妻の言葉も意味深なのだった。


この2人は神! 05/10/23

 ダニエル・ブリエアとライアン・ミラー。この2人がいなかったら、セイバーズは開幕何連敗もしていただろう。10月22日のバッファローでのレンジャーズ戦、ブリエアが1ゴールし、ミラーがスーパーセーブをして、3対1で勝った。他の2点はフィッツパトリックとコタリク。レンジャーズの側に幻のゴールがあったのだけど、入る前に笛が吹かれたということでノーゴールに(でも、疑惑のノーゴールらしい)。
 今日は珍しく1ピリからネットラジオを聞いていたのだけど(実は、あまり聞いてないのだ)、なんかすごく緊迫した試合だった。レンジャーズの新守護神、ランドクヴィストが相変わらずすばらしいらしい。セイバーズと当たるチームのゴーリーて、これまでみんないい。セイバーズのときだけよかった人もいるが……。それでも6勝2敗。開幕6勝2敗は30年ぶり2度目だとか、ホームで4連勝は21年ぶりだとか、ミラーがあと1勝すると、10月に8勝したルーキー・ゴーリーは15年前のベルフォア以来になるとか、記録の話が次々と出ている。知らない人が多いと思うが、ミラーは新人賞の資格があるのだ。まあ、今季はクロズビーとオベチキンがいるから新人賞は無理だと思うが。
 ブリエアはセイバーズに来てから一番よかったそうで、試合中ずっと目立っていたとか。ヴァネクは1アシストで、これで8試合で0G7A。このままだとアシストだけで70ポイントとか行ってしまいそう? ドゥルーリーはポイントは稼げてないのだけど、フェイス・オフの勝率がすごくいいらしい。そんなわけで、選手をバッシングしてばかりのうるさ型のファンも最近はおとなしい。「ヴァネクが派手に活躍していないのはいいチームにいるからだ」と書いたスポーツライターがいて、セイバーズ・ファン(私も含む)は、「いいチームってどこのことだ」と何度も記事を読み直し、どうやらセイバーズのことらしいと思ってとまどっている。セイバーズを「いいチーム」だと書いたスポーツライターは初めて見た。開幕前、ブリエアやテッポが「うちはいいチームだ」と言い続けていたし、ホッケー・ファンの掲示板にはそう書き込む人もいたのだけど。
 米国版YahooのNHLのサイトでは、現在、パワーランキングでセイバーズはリーグ6位になっている。開幕前にはよくて24位、たいていは28位くらいだったのに、他のサイトのランキングでも10位から12位くらいに上がっている。多くの人が、セイバーズは最高の選手を2人も失ったのにろくな補強をしていないから今季はだめだと言い、GMを無能呼ばわりしていたが、少なくともセイバーズのフロントは金の節約だけをしていたのではなかったのだ。
 もちろん、いつまでこの好調が続くのか、という疑問はあるし、いい選手を揃えている他チームがこれから盛り返してくるだろうし、まだ強いチームにそれほど当たっていないとか、運もあるんだけど……。とりあえず、この日の観客数は、土曜ということもあって、16000人を超えた。

追記 本日のTSNのルーキー・ウォッチで、ミラーがルーキー3位に。


「力道山」を見る 05/10/22

 最近の映画で何かおすすめのものがありますか、と聞かれたら、「私の頭の中の消しゴム」と「親切なクムジャさん」と私は答える。どちらも韓国映画である。前者は誰でも感動できるラブストーリー、後者は映画マニア向けの精度の高いドラマだ。
 韓国の映画やドラマにはまっている人は多いが、確かに韓国映画は面白い。日本映画や欧米映画には少ない熱気がある。心に迫るものがある。
 力道山の生涯を映画化した韓国映画「力道山」も面白かった。実話にどの程度忠実なのかわからないが、日本が舞台で台詞のほとんどが日本語、キャストも日本人ばかりなのに、その味わいはやはり韓国映画である。在日コリアンだった力道山を演じるのは韓国人の俳優だが(日本語をマスターして撮影に臨んだそうだ)、こういう役者は日本にはいないと思う。脇役の日本人俳優、中谷美紀、藤竜也、萩原聖人も、日本映画とはまた違った存在感を示している。特に後援会長役の藤竜也は主演のソル・ギョングに負けない存在感で、この2人の絆と対立が見応えのあるドラマになっている。
 横綱をめざしたが、さまざまな差別にあって断念した力道山は、日本で成功したい、日本に受け入れられたいという気持ちが強かったように描かれている。彼がプロレスを始めたのは、敗戦で元気を失っている日本人を勇気づけたいから、ということになっている。彼はコリアンであることに自分のアイデンティティを求めない。彼は自分を世界人だと言う。映画は彼のそうした生き方を全面的に肯定しているが、同時に、彼の人間としての弱点や困った面も赤裸々に描いている。
 それにしても、韓国映画だなあ、と思うのは、力道山と妻のシーン。プロレスの世界を学ぶためにアメリカへ行くことにした力道山が、そのことを妻に語るシーン。「おれは金髪女とうまくやるから、おまえは新しい男を見つけろ」と彼は言う。ちょうど停電になり、妻はロウソクを探す。探しながら涙ぐんでいる妻を、力道山は後ろから力強く抱き締める。「きっとうまくいく」と彼は言う。日本の女性が韓国映画やドラマにぐっと来るのはこういうシーンだろう。
 別のシーンで力道山が語る言葉、「人生は短いのだから、善人ぶっている暇はない」というのは私の好きな台詞だ。
 公開は3月ということで、まだ先だが、もうすぐ開催の東京国際映画祭で上映される。


今だけディビジョン首位 05/10/21

 セイバーズはアウェーでのボストン戦にも4対3で勝って、とりあえず、ディビジョン首位になった……といっても、リーフスも勝って、4チームが首位ですが。
 1ピリはなんだか動きが悪かったようで、こいつら、休養十分(中4日休み)でもだめじゃん、と言われていたが、2ピリから盛り返したようだ。ダメダメだったパワープレーで2点取れたこと、ラインを少し組み替えたあと、コタリク/コノリー/アフィノゲノフのラインで2点取れたことが朗報か。勝っても掲示板はあまり盛り上がってない。ヴァネクが2アシストしてるが、相変わらずゴールがないし、ドゥルーリーとヘヒトが得点できないし。ボストンのアリーナは3人のスターの内2人をヴァネクとドゥルーリーにしたけど、これって皮肉? ドゥルーリーはボストン大学出身なので、その御祝儀か。とりあえず、ミラーの写真貼っとこう(相手ゴーリーはレイクロフトでなく、バックアップだったんだが、それでも苦戦か)。
 よそではオベチキンとヤーガーが大活躍。シャターンもアイルズの掲示板でたたかれたのが効いたのか、2試合連続でゴール。レンジャーズは今日はあの売り出し中の新人ゴーリーではなかったのだね(なにげに東の1位はレンジャーズ……)。ゴーリーといえば、アトランタはゴーリーがいないから点取られるのはしかたないにしても、なんで点が取れないの?(ボールトンがまたけしからんことしたらしい) なんか面白くないのは、絶対勝たせたくないチーム(複数)が勝ちっ放しで、ひそかに応援してるチーム(複数)が負けがこんでるんだよね。クージョもがんばってるのにさ。
 ブリエアはこの試合でもゴールして、トリノに呼ばれそうな雰囲気になるかも。ミラーもUSAで呼ばれる可能性大。

 先だっての韓国でのクレインズとカンウォンランドの試合、同点で3ピリ終了1秒前(!)にプラントがゴールして勝ったことがわかった。やっぱり土壇場に強い男だね(?)。


新007はダニエル・クレイグ! 05/10/20

 「新ジェームズ・ボンドはダニエル・クレイグ」というニュースが伝わってきた。関連記事、日本語。このサイトには、新007の製作を受けて「オースティン・パワーズ」シリーズも始動、というニュースも出ています。
 で、ダニエル・クレイグだ。上の記事に「史上初の金髪のボンド」とか書いてあるが、ロジャー・ムーアが金髪だったんですが……その内、訂正されるかも。
 で、ダニエル・クレイグなんである。うーん、私のお気に入りの俳優なんだけど。でも、ボンドになるとほかの映画にあまり出てくれなくなるというか、これまでのようにいろいろな役をやってくれなくなるじゃないか。そう思うとなんか、いやだな。でも、一応、出世ってことになるのか……。
 私が最初に彼に注目したのは、「愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」という映画である。この映画で彼は、実在の画家フランシス・ベイコンのゲイの愛人ジョージ・ダイアーを演じた。ダイアーも実在の人物なので、クレイグは役のために金髪を黒く染めていた。ダイアーはベイコンの家に泥棒に入ったのだが、ベイコンに見つかり、そのときから二人は恋人同士になる。しかし、知的な芸術家のベイコンと無学なダイアーの間には大きな溝があり、ダイアーはベイコンの所属する世界になじめない。その上、ベイコンはベッドではダイアーに男を求め、人前ではベイコンの方が主人になる。そうしたギャップにしだいに耐えられなくなったダイアーは、やがて、薬と酒に溺れるようになり……という悲劇のストーリー。
 その後、クレイグは本来の金髪に戻り、「トゥームレイダー」や「ロード・トゥ・パーディション」で悪役を演じた。特に「ロード・トゥ・パーディション」のギャングのボスのダメ息子は絶品だったなあ。「10ミニッツ・オールダー」というオムニバスにも出ていた。
 どんなボンドになるのだろう。楽しみよりも不安の方が大きいのだが……。


セイバーズの16番と18番が欠番に 05/10/18

 前にも一度、書いたけれど、セイバーズで活躍したパット・ラフォンテーヌの16番とダニー・ゲアの18番が永久欠番になることが正式に決まった。関連記事。(これから記者会見して発表ということですね。)
 この記事にあるように、セイバーズは90年代にジルベール・ペローの11番、リシャール・マルタンの7番、ルネ・ロベールの14番、ティム・ホートンの2番を永久欠番にしているので、これで6つのバナーが掲げられることになる。で、ラフォンテーヌもゲアも今のジャージではなく、ブルー・アンド・ゴールドのジャージの選手なので、バナーは当然、ブルー・アンド・ゴールドになると思われます。
 一部のファンが予想した、アイルズとの開幕戦でセレモニーというのはさすがになかったが、最近になって、ハブスとかいくつかのチームが永久欠番を新たに発表しているので、そういう時期なのでしょう。16番は最近ではクリス・テイラーが、18番はティム・コノリーがつけていたが、キャンプからどちらも番号が変わっている。
 関係ないけど、セイバーズでは現在、ゴーリーのミラーが30番、期待の新人ヴァネクが26番だけど、アジアリーグのクレインズはゴーリーの二瓶次郎が30番、新外国人デレク・プラントが26番なのだ。なので、ますます、応援に力が入ります。

(写真は、旧アリーナのオードから現在のHSBCアリーナにバナーを移すセレモニーの模様。)

追記 続報はこちら。記者会見の写真つき。
http://www.buffalonews.com/editorial/20051018/2054124.asp?tbd2054124.asp


南部の戦い 05/10/16

 昨日、というか、現地時間の10月14日なのだが、アトランタでのスラッシャーズ対リーフスで相当に派手な乱闘があった。
 この試合、リーフスが9対1で勝つという一方的なものだったので、終盤に乱闘があるのはお約束っちゃあ、お約束なのだが、今季から終盤で乱闘したらサスペンドとか、かなり大きなペナルティがあるはずなんだが。とにかく、乱闘が始まったのは3ピリ9分すぎあたり。その経過は、あちらの掲示板によれば次のとおりらしい。

1 セイバーズの元乱闘係で、オフに戦力外通告でスラッシャーズに行ったボールトンがリーフスのリンドロスの顔面を襲おうとした(リンドロスには過去に何度も脳震盪を起こしている)。
2 それを見たドミがボールトンを襲う。2人が乱闘を始めると、エクセルビーがドミを後ろからつかむ。
3 ベラクがボールトンを捕まえようとするが、できない。ラインズマンがボールトンを押さえようとすると、ボールトンはラインズマンを吹っ飛ばす。
4 リーフスのタッカーがスラッシャーズのベンチに何か言う。
5 スラッシャーズのサットンがタッカーの頭をボードに激突させる。これでタッカーは20針以上縫うケガ。
6 アリソンがサットンを追いかけると、それが気に食わないドヴリースが登場。ドヴリースはホッサのおまけでセンズからスラッシャーズに来た選手。
7 タッカーはケガにもかかわらず、すでにペナ箱に入っていたサットンに向かって行こうとしたが、思いとどまる。その後、タッカーはロッカールームに行ったまま。
8 その間にアントロポフに何かがあったらしく、そのあと、戻って来なかった。
9 危険を感じたスラッシャーズは残り10分間、ホッサとコヴァルチャクをベンチに置いたままにした。
10 試合終了後の記者会見で、リーフスのGMファーガソンがいることに気づかなかったスラッシャーズのHCハートリーは、「リーフスは泣き虫だ」と言ってしまい、それを聞いたファーガソンも悪態一発。リーフス・サイドでは、パット・クインHCとドミがスラッシャーズの暴力を批判。その後、サットンは4試合サスペンドになった。ラインズマンを吹っ飛ばしたボールトンはお咎めなし。

 という内容だったらしいのだが、そもそも、なんでこんな一方的な試合になったかというと、スラッシャーズのゴーリーが次々ケガで、今やNHLの経験のないマイナー・リーガーしかいなくなってしまったのだ。正直、今のスラッシャーズはガタガタボロボロという感じで、翌日のレンジャーズ戦も敗れた(ホッサ兄弟対決だったのだけど、どっちもM・ホッサなのでまぎらわしい)。
 ただ、試合はスラッシャーズがリーフスにぼこぼこにされたのだけど、乱闘はむしろ、リーフスの方が被害者っぽい。で、一番の被害者はタッカーなのだが、自分がやられたのと同じことを過去に何回もやってるタッカーでは、誰も同情してない。おまけに乱闘係のドミが暴力批判なので、なんとも奇妙なリーフスである。
 そのリーフスは翌日、ハブス相手にリンドロスとアリソン大活躍のようで、ケガ持ちがみんな元気ならやっぱりリーフスは強そうだ。クインHCはリンドロスとアリソンまで乱闘したのがお気に召さないようであるが。

 セイバーズは同じ南部のフロリダで、15日にパンサーズと対戦。ブリエアが2ゴールし、ミラーが39セーヴするも、3対2で敗れた。最後の最後にヘヒトがペナを取られ、ミラーが普通なら防げるシュートを防げなかったらしい。こういう負けはあとに響くというか、この3戦、OT勝ち、SO勝ち、そして負けと、だんだん下り坂になってきている。このメンバーでよくやってるとは思うが、そういつまでも続かないだろう。
 スラッシャーズはセイバーズにノロネンを譲ってくれと何度も頼んでいるのだが、セイバーズは今のところ、ゴーリーをトレードに出す気はないと表明している。
 でもって、コヨーテズのハルが引退というニュースが伝わってきた。父親の番号を受け継いだばかりだというのに……。コヨーテズもゴーリー、ケガで困ってるチームなんだが……。
 アジアリーグのクレインズは昨日と今日、韓国でカンウォンランドと対戦。昨日は勝ったが、プラントがアンスポーツマンライクで10分のペナを取られている。二瓶次郎ゴーリーは昨日の試合から復帰。2試合欠場の原因は腹痛って、ほんと?

追記
 本日のクレインズの試合、3対2で勝ちました。昨日は残り8分半くらいで10分のペナ取られた、事実上の退場処分のデレク・プラント、今日は2ゴール、1アシストです! おめでとう! しかし、ペナも2回取られてる。コクド戦もそうだったが、元NHL選手ってことで、チェックきびしいのだろう。しかし、セイバーズ・ファンには、小柄でボディ・コンタクトを嫌う選手として記憶されてるらしいのに、クレンズじゃがんばってるじゃないか、プラント!(まだデレクと呼ぶのは気がひける私……)


シュートアウト初勝利 05/10/14

 タンパで行なわれたセイバーズ対ライトニングの試合、セイバーズがリードされながら、なんとか3ピリで追いつき、OTはタンパがペナ取られまくりで5オン3にまでなったのに得点できず、そして初のシュートアウトに……向こうはサンルイ、リチャーズ、ルカヴァリエのタンパ三羽烏、こっちはブリエア、コノリー、ヴァネク。スケーターはあっちが上だが、シュートアウトの経験豊富なミラーが有利、と思ってたら、ブリエアとヴァネクが成功、サンルイとリチャーズが失敗して、セイバーズがSO勝ちした。これでミラーは4勝1敗。ヴァネク、決勝点、おめでとう、だけど、写真が見つからないので、NHLPAのヴァネクの記事に出てた写真を使わせてもらいます。TSNにインタビューが流れたそうで、これで彼も全国区?
 セイバーズの得点は、ブリエア、ゴースタッド、アフィノゲノフ。アフィノゲノフは4ゴール目。ブリエアは3ゴール目。セイバーズ・ファンの間で人気赤丸急上昇のゴースタッドは2ゴール目。ゴースタッドも昨季はAHLだった新人で、これから注目されるだろう。あだなはグースとかゴースト・ダッドとか呼ばれてます。ヴァネクは今日は2アシスト。
 と、結果はいいのだが、やっぱりディフェンスがだめなようだ。ライトニングはペナ取られまくりで、セイバーズの2に対して10くらい取られてる(トートレラがレフに文句いいそう)。なのに、パワープレーが生かせない。特にOTで5オン3になったときは行けると思ったのに……あ、今季からOTは5人対5人なのだそうです。
 次はルオンゴのいるフロリダなのだが、ルオンゴがボストンにKOされたらしい。何があったのだろう。

 昨夜、韓国で行なわれたクレインズ対ハルラの2戦目。クレインズがOTでなんとか勝ったようである。アジアリーグはOT勝ちはポイントが1少なくなるので、普通の勝ちより不利。やっぱりハルビン戦で2試合で31点も取るからリズムが狂ったのか……あと、次郎さんが2試合欠場。これも気になる。次郎さんの横断幕に寄付したのだ。ミラーと同じ30番だし。でもって、ライバル、コクドのG菊地が39だったりするのだった。


数学者の映画 05/10/13

 「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督とグウィネス・パルトロウ主演の「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」という映画を見た。ちょっと前に「プルーフ・オブ・ライフ」というつまんない映画があったけど、あれとはまったく無関係。原題は「プルーフ(証明)」で、舞台劇の映画化。
 精神を病んだ天才数学者の父(アンソニー・ホプキンス)を看取った娘(パルトロウ)が、誰も解けなかった数学の謎を解いたと主張するが、周囲は大学も中退の娘にそんなことができるわけがない、娘も精神を病んでいるのではないかと思う。さて、真相は、という映画なのだけど、数学者の映画って、どうもピンと来ない。
 天才数学者が精神を病んでしまう映画としては、「ビューティフル・マインド」は面白かった。でも、あれは、数学そのものはあまり関係なくて、夫婦愛の物語。だからよかった。名門大学で清掃員として働く学歴のない貧しい若者が実は数学の天才だったというのは「グッド・ウィル・ハンティング」。これも人間ドラマがよかったけれど、数学の天才というのがどうもイマイチ。数学の天才というものがどうも実感としてわからないので、それが前面に出てくると引いてしまう。(それに、学校時代、数学にはいい思い出がないしなあ。)
 この2作はどちらもアカデミー賞がからんで、好意的に受け入れられたが、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」はどうだろうか。日本ではこれから東京国際映画祭で上映されたあと、来年1月14日から公開予定。


祝・横浜Aクラス! 05/10/12

 横浜ベイスターズ、今夜勝って、最終戦を前に今季Aクラス、3位を確保! 最下位4連覇を免れただけでもうれしいのに、Aクラスとは……。(広島、すまん。)
 しかも、なにげにセリーグ東日本1位でないの。プレーオフはないのかねえ。
 一方、アジアリーグでは、クレインズが韓国でアニャンハルラと対戦して2対1で敗れた。今季初黒星。アニャンハルラはチェコ人選手が何人かいて、ネドベドという選手が2人いるのだが、その2人がアシストしてる。つうか、決勝点はコクドを解雇されてハルラに入った瀬高選手じゃないの。
 アジアリーグ公式サイトには、先だってのハルビン戦でハットトリックを決めたデレク・プラントの談話が載っている。写真も多分、プラント。


セイバーズの覚え書 05/10/12

 開幕からちょうど1週間がたったNHL。優勝候補のフィリーとフレームズが苦戦と、意外な展開になっているが、まだどこも3、4試合しかやってないのだからわからん。ベルフォアがシュートアウトに祟られていたようなリーフスは、バックアップのテルクヴィストでやっと1勝した。これでノロネンいらないね(って、ディビジョン・ライバルにゴーリーやるわけないけど)。
 そのノロネンは、セイバーズのロッカールームにもはや自分の場所もないようで、完全にトレード待ちのようだ。今季、セイバーズは今のところ、ミラー先発、ビロン、バックアップで通している。
 開幕直前に、セイバーズはフォワードのバートヴィッチと交換で、シカゴからレイトンというゴーリーを獲得した。バートヴィッチはAHLに降格されるならヨーロッパへ行くと言っていたため、フォワードの多いセイバーズはトレードに出したわけ。これでゴーリーは4人になったが、レイトンはAHLでプレーしている。セイバーズのゴーリーは一軍の3人しかいなかったので、1人をトレードしたあとに1人がケガをしたら、バックアップがいなくなってしまうところだったのだ。レイトンの前にシカゴからセイバーズに来たゴーリーといえば、もちろん、あのゴーリーです。
 セイバーズは土曜のオタワ戦ではずいぶん疲れていたようだが、その理由は、1つは2連戦の2日目だったこと、もう1つは、フォワードのラインを3本にしていたためらしい。月曜のペンズ戦ではまた4本に戻している。
 セイバーズはリンディ・ラフHCの契約を1年延長することを発表した。ラフは来年オフに契約が切れることになっていたが、これで06/07シーズンもコーチをつとめることになった。これはこのオフに決まっていたのだが、チームがある程度勝つまで発表を控えたらしい。セイバーズのHCとGMは97年からずっと今の職にあるので、長すぎる、そろそろ交代させろ、という声が多かった。しかし、彼らは今季のNHLの変化を予想して、実は2年以上前から準備をしていたのだそうだ。その結果、今のところ、セイバーズは好成績を残している。ただ、この好調が果たしていつまで続くのか。オブストラクションのペナがしだいに取られなくなったりすると、小柄で細い選手の多いセイバーズは不利になりかねない。大物選手を取らず、若い選手でチーム作りをしてきたセイバーズは、ある意味で、ギャンブルをしているのである。


客が来ない…… 05/10/11

 勝ってるのに客が来ない。クロズビーが出るのに客が来ない。レギュラー・シーズンのマリオのバッファロー登場は96/97シーズン以来だというのに客が来ない。セイバーズのホーム開幕3連勝は84年以来だというのに客が来ない……。
 開幕戦が16000人未満、2戦目が13000人余り、そしてこの日が12000人余り……今のところ、一番入ったのはオープン戦の初戦、ワシントン戦の18000人ほど。オープン戦でハシェックが来たときも16000人未満。
 おまけにアメリカで全国放送のはずが、見られない人もたくさんいたようで、特にピッツバーグでは怒りの声が……。バッファローでは下の方の高い席がガラガラだったそうで、クロズビー効果まるでなし。
 それはともかく、セイバーズ対ペンギンズなら打ち合いになるだろうと思っていたら、3対2でセイバーズのOT勝ちであった。残り20秒くらいでヘヒト(写真)が決めたようで、シュートアウトになったらペンズ有利と見られてたから、やれやれである。ペンズのゴーリー、二軍から上がったばかりのフルーリーがすごくよかったらしく、3人のスターの1人に選ばれている。セイバーズはとにかくシュートはたくさん打っているのだが、どうも効率が悪い。クロズビーとオベチキンが着々とポイントを稼いでいるのに、ヴァネクがまだゴールなし、というのも気になる(シュートはかなり打っているが、決め手がないらしい)。
 ちなみに、ヴァネクは子供時代からの熱烈なマリオ・ファン。オーストリアの実家にはポスターとトレーディング・カードがあるそうである。
 この試合ではどちらもペナをあまり取られてないのだが、セイバーズはペナ取られ数がリーグ一少ないとか。
 フルーリーは5オン3でも防いでしまうというので、これは脅威だ。これまで当たったゴーリーの中で一番いい、という声がセイバーズの掲示板に出ていた。しかし、ミラー対フルーリーがもはやアマークス対ウィルクスバリ・ペンギンズでないというのもある種の感慨がある。
 この試合では、ケガで休んでいたカリーニンが復帰。だいぶディフェンスがよくなったようである。リドマンはディフェンスはよくないのに、着々とポイントを稼いでいるそうな。
 木曜からはタンパ、フロリダと、ロードで南部強豪と対決。ケガで休養中のメアが復帰して、これでやっとフル・メンバーになれる。

追記
 NHL公式サイトに各試合のハイライト・ビデオがあるが、ウィンドウズ・メディアをアップデートしないといけないらしく、まだ見てない。でも、掲示板に、裏口から入るリンクを貼ってくれた人がいて、何試合か見られた。また、セイバーズのファンが作ったハイライトがアップされていて、それで最初の2試合のゴールすべてが見られた上、アイルズのベンチに戻るシャターンも見られたのだった。動くヴァネクも初めて見た。アメリカではセイバーズの全国放送は2回しかないそうで(カナダはもっとある)、日本で放送があったとしても、セイバーズが見られる可能性はほとんどないと思うと、ハイライトだけでもいいか、と思ってしまう。


日常の中の寓話 05/10/10

 これから公開のほのぼの映画2本をご紹介。

「ポビーとディンガン」
 男がストリップする「フル・モンティ」という映画の監督の最新作です。オーストラリアのオパールの産地である砂漠の町を舞台に、想像上の友達、ポビーとディンガンと会話する少女とその兄の物語。少女にとってはポビーとディンガンは存在していて、ある日、2人が行方不明になってしまう。一方、父親はオパールを盗んだという疑いをかけられて、一家は村八分に。そんなこんなで病気になってしまった妹のため、架空の友達の存在を信じていなかった兄が2人を探しに行きます。すると、2人にまつわる物が次々と発見され、そして……。
 小さなコミュニティの中のいさかいや誤解、そして人情があたたかく描かれています。埋まっているかどうかわからないオパールを、そこにあると信じて掘り続けることと、目に見えない架空の友達を信じることがリンクされていて、ちょっといい話。「星の王子様」と比べられているけど、それほどの深みはないですが。

「ノエル」
 クリスマスに見るのにぴったりの映画。クリスマス・イヴから翌日にかけて、ニューヨークに生きる何人かの人々のドラマを描きます。監督は「ブロードウェイと銃弾」で劇作家の才能のあるギャングを演じたチャズ・パルミンテリ。監督の才能もあるんですね。
 母親の看護に追われ、自分の人生を生きられないバツイチの女性(スーザン・サランドン)、嫉妬深い恋人に悩まされる若い女性(ペネロペ・クルス)、彼女の恋人で警官の青年(ポール・ウォーカー)の3人が、イヴの夜に出会った見知らぬ人との対話の中で自分の生き方を見つけていく物語。バツイチ女性は若い女性の悩みを偶然、聞かされ、その後、会話もできない母親の気持ちを見知らぬ人から知らされる。警官は彼を妻の生まれ変わりと信じる老人(アラン・アーキン)から恋人への嫉妬の愚かしさを知らされる。病院が彼らの接点になっていて、そこですべてが解き明かされていく。「ラブ・アクチュアリー」ほど登場人物が多くないので、わかりやすく、シンプルで、感動も大きい(おしゃれ度は落ちるが)。見知らぬ人との対話などほとんどあり得ない都会の、夢のようなファンタジーだ。


18対1 05/10/9

 メジャーリーグ・ベースボールのスコアではありません。昨夜、釧路で行なわれたクレインズとハルビンの2試合目。うーん、実力差ありすぎ。デレク・プラント、ハット・トリックだってよ、おめでとう!
 クレインズはレギュラー・シーズンは強いが、プレーオフに弱いと言われてるそうだ。

 そうそう、昨夜は横浜ベイスターズの佐々木の引退試合(つうか、セレモニー)だったのだな。浜スタに行かなかったけど、スポーツニュースで見た。38年ぶりの優勝、大魔神社……ありがとう、佐々木。


アンビリーバボー! 05/10/8

 開幕2連勝! しかも、どちらも快勝。今季のセイバーズは毎試合5、6点取るくらいで行かないと勝てないと思っていたが、開幕戦の6点に続いてこの試合では4点。マキシム・アフィノゲノフ(写真)がまたゴールして、2試合で3G。ヴァネクもまた1A。ほかにデュモン、グリア、コタリクがゴールしている。ミラーはこの日は1点しか取られなかった。
 相手のボストンは主力をホールドアウトやケガで2人ほど欠いていたようで、フル・メンバーではなかったのだが、シュートはセイバーズの方が多く、ペナはセイバーズの方が少ないという理想的な展開。レイクロフトは41本も打たれていた。
 とにかく、今だけよ、と思って、スタンディングスを見つめるのであった……ホームでの開幕2連勝なんて、地元のファンにとっては最高の出だしだろう。もっとも、AP通信のリキャップにはヤなことも書いてあるのだが(ボストンの方にも書いてあるけど)。しかし、セイバーズ2連勝でメディアもあわてたのか、ミラーが435本止めたとか書いてあったりします(どことは言わんが……笑)。
 他チームはというと、アトランタがキャップスに快勝。ボンドラとかホッサとか本領発揮の模様。コヴァルチャクも契約間近のようだし、第一、セイバーズが再契約オファーを出さなかったボールトンがゴールしてるよ。AHLではセイバーズ二軍のアマークスが快勝。一軍復帰をねらうデレク・ロイが5ポイントも稼いでいるとか。アマークスは今季はパンサーズと共有になってしまったのだが、うまくやってるのかね?
 アジアリーグ、デレク・プラントのクレインズは昨夜と今夜、釧路で中国のチーム、ハルビンと2連戦。昨夜は13対1でクレインズ快勝と言うべきか、やりたい放題と言うべきか……クレインズの選手は軒並みポイント・アップ。プラントも1G3Aくらい稼いでいたような気がする(あんまりすごいスコアなので、よくわかんないくらいです)。アジアリーグはチームの実力差がありすぎるのだ。


NHL開幕 05/10/6

 今季はアジアリーグ中心にして、NHLはまったりと結果を見る程度ですまそう、どうせテレビもないし、セイバーズはおおかたの予想では東のワースト3だし……と思っていたのだが、やっぱり最初くらい聞いてやろうかと、ネットラジオを聞いてしまった。
 すでに2ピリに入っていたのだが、点を取ったら取られる、取られたらまた取る、というけっこう面白い試合であった(勝ったから言えることだけどね)。ほかのスコアも日本のプロ野球並みのスコアで、なかなかよろしい。レンジャーズなんて、優勝候補のフィリーに負けてたのに、逆転勝ちしちゃったじゃない! 3ピリにヤーガー怒涛の2点、ハブスから移籍したばかりのマルセル・ホッサがとどめの1点。レンジャーズって、最下位予想じゃありませんでした?
 一方、トロントでは、サンディンが目のあたりにパックが当たって病院に運ばれたらしい。リーフスはペナ取られないようにしてがんばってたのに、ベルフォアが最後に力尽きたみたいだ。ケガ持ちのご老体が多いというのに、サンディンが、なんて、ますます同情してしまう……。
 セイバーズはアイルズを圧倒していて、ゴーリーがディピエトロじゃなかったら一方的な試合になっていただろう、などと書かれていた。確かに聞いていても、セイバーズが攻めてばかりという感じ。それで油断したのか、ミラーはジトニクのセンターアイスからのすラップショットを簡単にゴールさせてしまった。4点取られたミラーはよかったんですかねえ? とりあえず、ブリエア2G1A、アフィノゲノフ2G、デュモンとキャンベルも1G。新人ヴァネクは1A。アイルズのシャターンは3ピリにペナを2回も取られてセイバーズの勝ちに貢献してくれました。
 よそではオベチキンが2Gとか、クロズビーが1Aとか。キャップスも最下位予想だったのに、オベチキンの活躍で勝ちましたね。ビロンの弟がアシストしてます。


「ティム・バートンのコープスブライド」 05/10/5

 「チャーリーとチョコレート工場」に続き、ティム・バートンとジョニー・デップが組んだ「コープスブライド」。アニメなので、デップは声の出演。このボイス・キャストが超豪華。「チャーリーとチョコレート工場」に続いて出演のヘレナ・ボナム・カーターとクリストファー・リーに加え、エミリー・ワトソン、アルバート・フィニー、リチャード・E・グラントなど、映画ファンにはおなじみの有名どころが何人も出ている。
 物語は、没落貴族の娘と成金の息子が政略結婚させられることになるが、顔を合わせた2人は意気投合。親と違って相手がいい人なので、愛が芽生えた、と思ったとたん、成金息子は死体の花嫁(コープスブライド)とわけがわからんままに結婚させられてしまい、地下の死者の世界へ連れていかれる。一方、婚約者を失った貴族の娘の前に、突然貴族の求婚者が現れ、親はこれ幸いと結婚させようとする。愛し合う2人の運命や、いかに……というファンタジーであります。
 面白いのは、生者の世界がセピア色、死者の世界がカラフルに描かれていること。また、ハリウッドのアニメはスターをボイス・キャストに使うときはキャラの顔をスターの顔に似せるのだけど、この映画でも、主人公の成金息子はデップによく似ている。特に表情が「シザーハンズ」をほうふつとさせます。コープスブライドはヘレナ・ボナム・カーターの雰囲気がばっちり。クリストファー・リーの牧師もそっくり。エミリー・ワトソンはあまり似てない気がする。
 このほか、死者の世界に出てくる骸骨やら何やらがなかなか魅力的。特に、成金息子が昔飼っていた犬が骸骨で出てくるのだが、これがかわいいのだ。また、ピアノを弾くシーンがとっても自然な感じ。本物のピアノに比べて黒鍵が短いのだけど、それがかえって絵として美しく感じられる。
 アニメとはいっても、ストップモーション・アニメなので、作るの大変だろうなあ、と思いつつ、「チャーリーとチョコレート工場」とはまた違った楽しい時間をすごせたのだった。
 成金息子の名前はビクター、貴族の娘の名はビクトリアというのだけど、ジュリー・アンドリュース主演の「ビクター/ビクトリア」という映画がありましたね。関係ないけど、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」の予告編を見たら、ダニエル・ラドクリフってヨン様に似てる、と思ってしまった。


デレク・プラントのネタ 05/10/4

 セイバーズについてはあちらにいろいろなサイトがあって、とても助かるのだけれど、このブログにもリンクを貼ってあるSabres Alumniに、現在のHSBCアリーナに移る前のアリーナ、チーム創設から26年間使い続けたオードでの最後の試合の音声が保存されている。試合前のセレモニーに始まり、ゴール・シーンや乱闘シーン、キャプテンだったラフォンテーヌのインタビュー、試合後のセレモニーなどの様子が実況録音で聞ける(リンクはこちら)。
 で、この試合でファースト・スターに選ばれたのがデレク・プラントだった。プラントは1点リードされたあとの同点ゴールと、そしてもう1点をたたき出し、セイバーズは4対1で勝利。ほかの2点はラフォンテーヌとペカ。そして、こういう試合につきあってくれた相手チームが今はなきハートフォード・ホエイラーズ。移転してカロライナ・ハリケーンズになっております。
 たまたま検索をしていたら、ホッケー選手のサイン入りトレーディング・カードがたくさん出ているサイトがあった。プラントはミネソタ大学時代からスター選手だったようで、大学時代のカードもある。大学時代とセイバーズに入ったばかりの頃のサインは、自分の名前をフルに書いていたが、その後、省略したサインに変わっている。東伏見で私がもらったサインも、この省略形でした。


オープン戦最終戦ほか 05/10/1

 セイバーズのプレシーズン最後の試合、ミネソタ戦が9月30日、二軍のアマークスの本拠地であるロチェスターで行なわれ、セイバーズが5対3で勝った。ゴーリーはこれが4回目のおつとめのミラー。ミラーは4戦全勝。ただ、この試合では3点も取られたのでイマイチ? ミネソタはガボリクが開幕無理らしいのだけど、セイバーズもトップDのカリーニンがケガとか。

 NHLを引退したパトリックが、ドイツ・リーグでプレーすることになった。ずっとトレーニングを続けていて、本当は現役を続けたかったらしく、しかも、家族の友人であるコーチに誘われて、ということのようだ。

 アジアリーグ公式サイトに9月24日の開幕戦の映像が配信されている。なんか、客席もばっちり映ってますね。わたしゃ、アウェー側でよかった。左下の方に映像配信のボタンがあるのですが、すぐに見つからなくておろおろしてしまった。ニュースには各試合についての簡単な記事や監督・選手の談話が書かれてました。

2005年9月30日

2005年9月

北海道新聞 05/9/30
昨日と今日の試合 05/9/29
リーフス戦 05/9/28
ポディーンとプラント 05/9/27
どこまでやるんだ、シュートアウト 05/9/26
テッポとヴァネク 05/9/26
2日目も行ってきた。 05/9/25
26番 05/9/25
永久欠番の噂 05/9/24
オベチキン登場 05/9/22
ミカチュー…… 05/9/21
アトランタの暗雲? 05/9/20
オープン戦9/18 05/9/19
オープン戦9/17 05/9/18
ジェームズ・モリス 05/9/18
セイバーズのキャンプ 05/9/17
ポランスキーとイギリス文学 05/9/14
デレク・プラントとジェイ・マッキー 05/9/12
「マリア」ある歴史ロマンス 05/9/12
待つ女の物語 05/9/10
James Patrick引退 05/9/9
セイバーズとNHLの最新ニュース 05/9/8
海外TVドラマ・ベスト10 05/9/6
しょうもない話。 05/9/5
感動的な結末。 05/9/4
コンドルズのゴーリーその後 05/9/3


北海道新聞 05/9/30

 アジアリーグ、公式サイトや日本製紙クレインズのサイトには結果しか書いてないのですが、いわゆる記事や写真はないものかと北海道新聞にあたってみたら、さすがにありました。昨夜のデレク・プラントのゴール・シーンの写真がばっちり出ていた。記事は短かいけれど、これ以外、何もないわけだからねえ(たぶん)。毎回見に行っている人のブログとかないのだろうか。2ちゃんねるでも東京の開幕戦以外はほとんど書き込みなし。

追記
 ファンサイトを見つけた。掲示板に観戦記あり。プラントはもうデレクと呼ばれているのだね。


昨日と今日の試合 05/9/29

 現地時間9月28日、バッファローでの対オタワ戦。ビロンがダメなときのビロンで、2対5(1点はエンプティネット)で敗れた。これまではどこもセイバーズに対しては飛車角落ち、タンパに至っては飛車角金落ちという感じだったが、やっとフル・メンバーに近いチームとの対戦。オタワはハシェックが初めてシュートアウトまでフル出場する試合。ハシェックはこれまでは前半、2ピリ途中までしか出場していなかった。
 セイバーズは前日のリーフス戦で少し疲れていたようで、動きが鈍かったらしい。オタワは今日はヒートリーはおとなしかったようだ。ブリエアは2ピリにゴール、3ピリにアシスト。デュモンも1ゴール、1アシスト。ブリエアはシュートアウトでもゴール。シュートアウトはセイバーズが2対1で勝っている。ケガで欠場と思われたヴァネクは出場していて、シュートアウトでスラップショットを決めた。ハシェックは勝敗が決まったあとのシュートアウトはどうでもいいらしいが、前日のベルフォアはなんであんなにがんばっていたのだろう。

 昨夜と今夜、釧路ではクレインズとノルディック・バイキングスの試合が行なわれていた。昨夜は8対1でクレインズの勝ち。プラントは2アシスト。ノルディック・バイキングスは北欧の選手中心のチームで、アジアのホッケーの活性化のために参加したようだけど、いきなり8対1って、と思っていたら、今夜の試合は2対1でクレインズの勝ち。だいぶ落ち着いたようです。プラントは今夜は1ゴールで、これで4試合で2G3A。11月の関東の3試合のチケット、もう購入しました。クレインズの関東の試合はもうこれしかないのだった。


リーフス戦 05/9/28

 現地時間9月27日、トロントでのリーフス戦。セイバーズのゴーリーはノロネンかと思われたが、ミラーだった。ノロネンはバックアップでベンチ入り。ヴァネクが腰のケガで10日間は無理という話で、この日は欠場。
 で、試合はリーフスがペナ取られまくりで、それを次々とセイバーズがものにし、5対2でセイバーズが勝った。ミラーはかなりよかったらしい。リーフスは主力があまり出ていなかったが、ケガ持ちが多いし、ベルフォアは40歳だし、バックアップがろくなのがいない、ということで、かなり悲惨な状況だとか。それで、JFJことファーガソンGMが「ノロネンくれ!」と必死に頼み込んでいるらしいのだが、セイバーズとしてはもちろん、ディビジョン・ライバルにゴーリーを出すわけもなく……ノロネンがキプラソフだったらどうする?
 そんなこんななリーフス戦でしたが、最後のシュートアウト、リンディ・ラフHCは乱闘係やディフェンスを出して楽しんでいたようだ。そのせいか、なかなか決まらず、ドミがゴールしてやっと決まった(大笑い)。ミラーはドミの顔が怖くて目をつぶってしまったのだろう、と冗談を言われている。
 セイバーズは二軍に落としたはずの乱闘係を入れていたりして、すっかりリーフス戦モード。お約束の乱闘もあったようです。ディフェンシブな采配で知られ、それでノーラン時代のフォワード(例のプラントもそう)がだめになったとか、シャターンがうまくいかなくなったのもそのせいだとか言われていたラフHCは、この試合ではパワープレーでフォワードを5人出したので、ファンが驚いていた。


ポディーンとプラント 05/9/27

 以前、紹介したNHL公式サイトのプレーオフ・トップ10映像、セイバーズ対フライヤーズ90年代プレーオフにポディーン(フライヤーズ)とプラント(セイバーズ)が映っているのではないかと思い、アクセスしてみたらまだリンクが切れていなかった。確かに2人とも映ってます。この映像だとポディーン(25番)は特にでかくないし、プラント(26番)はちっこい。97年のプレーオフは2人とも、キャリアのピークだったようです。ということで、見たい人は次のリンクへ。

Sabres vs Flyers

 ついでに、97年プレーオフ1回戦でのプラントのみごとな同点ゴールとOT決勝点の映像のリンクも。

Offence 97

 Legends of HockeyというサイトのNHL選手名鑑のようなもので2人の経歴を調べてみたら、面白いことがわかった。ポディーンとプラントは実はミネソタ大学の先輩後輩で、1シーズン、チームメートだったのだ。つまり、プラントが日本に来たのはポディーンの紹介?
 キャリアを見比べてみると、この2人はまったく対照的というか、プラントは大学時代に賞を取ったりベストメンバーに選ばれたりと栄光の日々。早くからその才能を認められ、高校卒業直後にセイバーズからドラフト指名を受ける。大学を経てプロ入りし、すぐにNHLで活躍。56ポイントをあげている。96/97シーズンにはセイバーズのトップ・スコアラーに。とはいっても、ポイントは53で、当時のセイバーズのチーム事情が思いやられる(「セイバーズは金がないので、デレク・プラントよりいい選手が取れなかった」なんて書いてあるサイトがありました)。ちなみに、次のシーズンから6年間、シャターンがトップ・スコアラーになっている。
 しかし、小柄な体格のせいか長くは活躍できず、98/99シーズンにはだいぶ成績が落ちてしまった。そして、レギュラーシーズン終盤に優勝をねらうスターズがフォワードの補強のためにトレードで獲得。このとき、セイバーズは東カンファレンス第7シードで、誰もファイナルへ行くとは思わなかっただろうが、結果的に両チームはファイナルに進出、プラントはタナボタ・カップ獲得とあいなった。
 それに対し、ポディーンはオイラーズにドラフトされたものの、そこでは一軍に上がれず、マイナーでの下積みの末にUFAでフライヤーズへ。そこでペナルティ・キラーとして頭角をあらわした。97年にはフィリーでファイナル進出、その後、アバランチに移ってカップ獲得。優れた社会貢献をした選手に与えられるキング・クランシー・メモリアル・トロフィーを受賞している。
 こうして見ると、短い期間、パッと燃えた天才型のプラントと、がんばって長く活躍した努力型のポディーンという構図が見えてくるのだった。
 というわけで、参考にした2人のページへのリンク。

デレク・プラント
ショーン・ポディーン

 また、Hockeys Future掲示板のアジアリーグ・スレッド(ちゃんとあるのね)に、24日の試合を見た人の感想が書き込まれていた。ポディーンと彼が連れてきたクリス・パラダイス、そしてプラントについての感想も記されている。

Bucks' new imports Podein had occasional nice plays but on the whole was muted, and Paradise was kinda invisible. Cranes' Plante also had occasional flashes of good shots and playmaking. Once these guys get rolling in the season, maybe things'll get more exciting.

 以下は、プラントとセイバーズに関する笑うっきゃないネタ。

 実はセイバーズの掲示板でプラントが話題になったのを見たことがない。もう忘れられた選手なのだろうと思っていたら、SabresHistoryのサイトの各シーズンのロースター表を見て驚いた。プラントのところがすべて0になってるのだ! これって、陰湿ないやがらせじゃないか、とショックを受けたのだが(個別のプロフィールにはしっかりと数字が書かれている)、セイバーズのファンにとって、プラントは悪口を言うほどの選手ではないが、あまり思い出したくない選手なのだというのはわかるような気がする。
 何度も書いているように、プラントは99年3月にスターズにトレードされて、そこでタナボタ・カップ獲得となった。しかも、ファイナルには出場せず、なのに、バッファローで優勝してカップを持ち上げたわけだから、ファンの怒りもわかろうというもの。でも、別にカップ目当ての移籍ではなかっただろうから、疑惑のゴールはハルの責任でないのと同じくらい、これもプラントが悪いわけでもない。しかし、プラントは疑惑のゴールと一緒に記憶されてしまったわけだ。
 プラントのセイバーズ時代はマックラーGMとノーランHCの確執でチーム内がぐちゃぐちゃになっていた時期で、97年オフにマックラーとノーランがやめたあとも、この2派はハシェック派とバーナビー派に形を変えて残り続けた。一説によると、この2派はヨーロッパ選手派と北米選手派でもあったそうで、バーナビーはじめノーラン時代からの北米派はしだいにトレードで姿を消していく。
 プラントも北米派だと思うが、彼の場合、成績が落ちたためにアイスタイムを減らされ、それでトレードを求めた。セイバーズ側としては、プラントはもう役に立たなくなっていたので、ドラフトと交換でよかった。そして、そのドラフトでいい選手を選んだのだが、なんと、ダーシー・レギアGMのファックスが壊れて契約期限に間に合わなかったというのだ!
 以来、ダーシー・レギアのファックスというのは、セイバーズ・ファンの間では笑うっきゃないネタになっている。
 プラントにはセイバーズのジャージで会いに行ってはいけない(たぶん)。


どこまでやるんだ、シュートアウト 05/9/26

 9月25日、タンパでのセイバーズ対ライトニング戦。2対2のままシュートアウトに入ったが、なかなか決まらず、セイバーズで11番目に打ったヘヒトのゴールが決勝点となった。いつまでも決まらないので、このままだとバックアップのミラーが打つことになるんじゃないかと掲示板で言われてたくらい。でも、引き分けで終わるよりずっと楽しいと、ファンには好評のようだ(勝ったからね)。
 相変わらずセイバーズの相手チームは主力を出して来ないので、タンパ三羽烏もアンドレイチャクも登場せず。だからビロンは16本しかシュートを受けなかったらしい(そ、それで2点も取られたのか)。ヴァネクがまたゴールして、これで5ゴール目。
 いつも試合が終わった頃に実況掲示板を読むのだけど、この日はタンパのラジオがバッカニアーズの試合を中継していて、それが終わるまでライトニングの中継が始まらず、両チームのファンはイライラしていた模様。やっと終わってホッケーになったら、エスポジトがアナウンサーが実況してるのにしゃべりまくってて、迷惑だったそうです(飲んでいたらしい)。
 なんにしても、オープン戦のポイントはレギュラー・シーズンには持って行けないし、レギュラー・シーズンのポイントはプレーオフには持って行けない。それは二軍のアマークスがよく知っているはず。まあ、レギュラー・シーズンになっても、他チームがセイバーズには手抜きしてくれればいいんだけどね(でも、楽天のようにボーナス・ステージだと思われているのだが)。
 写真は左がゴールしたヴァネク、右はゴースタッド。


テッポとヴァネク 05/9/26

 テッポ・ヌミネンとトマス・ヴァネクのインタビューがネットに掲載されたので、日本語で紹介します。
 元記事 テッポ・ヌミネン トマス・ヴァネク
 インタビュアーがバカなことをきいていると、怒らないでください。


テッポ・ヌミネン インタビュー

ロビン・アダムズ「あなたの名前、テッポはフィンランド語で「勝利の」という意味だけど、セイバーズに来たのは幸運をもたらすため、ということだね?」
テッポ「本当? それは初耳だね。母に電話しなけりゃ。そう、ここに来たのは幸運をもたらすためだよ。セイバーズはいいチームになると思う。いいプレーをして、多くのチームを驚かすだろう」
アダムズ「では、チームUSAにとっての「ミラクル・オン・アイス」の話をしよう。USAはオリンピックの決勝戦でフィンランドと対戦した。あの試合を覚えている?」
テッポ「ああ、父がフィンランドのナショナル・チームのコーチをしていたんだ。だから、あのときのヘッドコーチは父だよ。思い返してみると、あのときはテレビの生中継がなかった。だから、ラジオを聞くしかなかったんだ。もちろん、フィンランドを応援したが、勝てなかった。でも、フィンランドが4位(2位の間違い?)になったのは、フィンランドでは大きな出来事だった」
アダムズ「16年間のNHLのキャリアで、東カンファレンスでプレーするのは初めてだね。西カンファレンスとどう違うと思う?」
テッポ「みんなが移動についての話をしていて、それでチームが一体になると言っている。だから、それが大きな違いになると思う」
アダムズ「最後の質問だけど、バッファローに来たので、四輪駆動車にお金をつぎ込んだとか」
テッポ「いや、ミニバンを探していたんだ……でも、ミニバンを四輪駆動にできるのかどうかわからない……1月に3人目の子供が生まれる予定なんだ。だから、家族全員が乗れるようにしたい」


トマス・ヴァネク インタビュー

デニス・ウィリアムズ「きみは新たなオーストリア人の有名人になりたいだろうけれど、一番有名なオーストリア人は誰か、よかったら教えてくれないか?」
ヴァネク「アーノルド・シュワルツェネッガーだよ」
ウィリアムズ「40ゴール以上すれば、市長に立候補して、アーノルドのように政治的野心を実現することができるよ」
ヴァネク「それはいいよ。スタンレー・カップの方が取りたい」
ウィリアムズ「何か国語も話せるそうだけど、いくつ?」
ヴァネク「3つだ……ドイツ語、チェコ語、そしてもちろん、英語」
ウィリアムズ「プロ契約を結んだとき、最初に買ったものは?」
ヴァネク「車さ。キャディラック・エスカレード」
ウィリアムズ「レッドブルはきみの国で生まれたのは知ってる?」
ヴァネク「ああ、そうだよ。パパがホッケーをしていたとき、主なスポンサーはレッドブルだった。できたばかりの頃だよ。グミ・ベアーズのような味だった。パパがいつも家にたくさん置いていたんだ。5、6歳のとき、それを飲んで、どなられた。今はそのわけがわかる」
ウィリアムズ「きみの国で撮影された映画で、一番有名なのは?」
ヴァネク「「サウンド・オブ・ミュージック」」
ウィリアムズ「見たことがある? 大ファンなのかな?」
ヴァネク「見たよ。別にどうってことないね」
(ヴァネクはチェコ系のオーストリア人で、父親はチェコとオーストリアでホッケー選手だった。また、「サウンド・オブ・ミュージック」はオーストリアを正しく描いていないと、主演のクリストファー・プラマー(カナダ人の俳優)が指摘している。また、レッドブルはタイ生まれのドリンクで、オーストリア資本の会社が販売しているとのこと。コーヒー一杯分のカフェインが含まれている。)


2日目も行ってきた。 05/9/25

 アジアリーグ2日目、第1試合はパスしてコクド対クレインズだけ見に行こうと西武新宿線に乗ったら、人身事故が起こって30分以上カンヅメになってしまった。もうあきらめようか、と思ったら動き出し、なんとか1ピリが始まってさほど時間がたっていないときに到着。立ち見の位置を決めたとたん、プラント、ゴールだぜぃ! でも、そのあと、立て続けに2回もペナ取られてました(この日は合計3回、箱入りした)。
 試合は1ピリにクレインズが2点、2ピリにコクドが2点入れて、OTまで行ったが引き分け。ハラハラドキドキの試合だった。終わったとき、氷の上に寝っ転がってしばらく起き上がらなかった選手がいたけど、疲れたんだろうね。昨日活躍した主力の選手が出ていなかったような気がしたけど……。終盤、プラントが味方のゴール前から一気に敵陣までパックを運んだけど、だめでした。
 今日は自由席なので、いろいろな位置で立ち見して楽しんだ。特にゴールネット裏から見るというのは前からやってみたかったのだ。クレインズの応援団が陣取っている場所なので、プロ野球の応援にそっくりな怒号が飛び交ったりして、かなりの迫力。プラントがゴールしたときはコクドの応援団のそばだったので、喜びをあらわにできず……。
 あ、前回、書き忘れましたが、プラントとヴァネクはどちらもミネソタ大学出身なのですね。ヴァネクはオーストリアからホッケー留学してたのですが。

追記
 昨日活躍したのにいなかった選手は、私が入る直前に負傷していたらしい。コクドの試合はやけにペナが多いと思ってたが、コクドって荒っぽいのかね。プラントが3回もペナ取られたのも、応援団が怒号を浴びせてたのも、このせいか……。
 2ちゃんねるを見たら、コクドの選手とポディーン(本日初ゴール)の乱闘が期待されていた(笑……っていいのか?)。


26番 05/9/25

 セイバーズのかつての26番、デレク・プラントの出るアジアリーグ開幕戦を見てきた。第1試合はコクド対王子製紙、第2試合が日光神戸アイスバックス対日本製紙クレインズ。バックスには元アバランチのショーン・ポディーン、クレインズにはプラントと、2人の元NHL選手の対戦が話題、というわけで、プログラムには2人のNHL時代の写真がそれぞれ1ページずつ出ていたのだが、プラントの説明が「99年にセイバーズでカップ・ファイナルに進出」。あのう、「99年3月にスターズにトレードされて、そこでカップ獲得」なんですがぁ。ポディーンの方には「アバランチでカップ獲得」と書いてあるからこっちも書いてよ。
 んでもって、最初はオーナーに名乗りをあげていたポディーンは、さすがに記事でも大きく取り上げられているが、プラントはほんの数行。多分、急遽、入団が決まったので、取材をする余裕がなかったのだろう。プラントは昨季はセイバーズのヘヒトも参加していたドイツのマンハイムにいたらしいので、そこをクビになったんだろか。なんで日本に来たのか知りたいぞ。余談だが、マンハイムは昨季、プレーオフのファイナルで敗れ、優勝を逃したのだが、クレインズも昨季はファイナルで敗れてるらしい。
 んなわけで、ポディーンに比べてプラントは宣伝不足なのか、試合開始の前に選手が登場するとき、ポディーンには一段と大きな拍手喝采があったのに、プラントには何もなしだった。まあ、バックスのファンがすごいってのもあるけど。しかし、バックスもクレインズも応援がまるでプロ野球みたいで、スタンドの一角に陣取って鳴り物入りの応援なのだ。コクドと王子も一角に陣取って、コクドはレオ・マークの旗振って応援してたけど、バックスとクレインズに比べればかなり静かだった。
 さて、試合はプラントとポディーンのフェイス・オフで始まった。プラントはその後もフェイス・オフになるとよく出てきて、まるでフェイス・オフ・スペシャリストという感じである。そういえば、NHL公式サイトの映像で見たプラントのゴール・シーンに、ゴール前のフェイス・オフから一気にゴールにたたき込んだのがあったっけ。あれはすごかったな。この日の試合でも、フェイス・オフはけっこう勝ってるように見えたけど。
 プラントがすばらしかったのは、どうやら、セイバーズでの数年間だけだったらしい。その間は、ケガで欠場のラフォンテーヌの穴を埋める活躍をしたりして、成績もいい。しかし、スターズへトレードされたあとは上と下を行ったり来たりで、すぐにヨーロッパへ行ってしまったようだ。NHLで活躍できなくなってからすでに7年たっているのと、やっぱり、セイバーズのようなチームにいると日本では有名になれないんだろうなあ(ひがみ)。
 試合はクレインズの一方的な勝利で、最後の5点目のアシストをプラントがした。専門的なことはわからないけど、プラントの動きを見てると楽しかった。日曜の試合も見に行こうかなあ。1試合だけなら立ち見でもいいし(雨にもかかわらず、土曜は盛況だった)、いろんな角度から見たい。それに、指定席って、評論家が多くてな。
 なお、セイバーズの現在の26番は、これまでにも何度も書いた期待の新人トマス・ヴァネクである。今季は2人の26番に期待しよう。


永久欠番の噂 05/9/24

 アダム・デッドマーシュが引退した。私には、ドゥルーリーの元チームメートということくらいしかわからないが、NHLのトップ10映像に2人が映っているのを見た記憶がある。脳震盪で引退かという噂は以前からあったようだが、最初に伝えたのが「デンヴァー・ポスト」というのも……。
 たび重なる脳震盪で若くして引退を余儀なくされた選手に、パット・ラフォンテーヌがいる。数年前に殿堂入りしているが、セイバーズのホームでの開幕戦、対アイルズ戦でラフォンテーヌの16番を永久欠番にするのではないかという噂が伝わってきた。ラフォンテーヌはもともとアイルズの選手だったので、バッファローでの開幕戦で、アイルズの選手たちの前で欠番のセレモニーをするのは理にかなっている。
 ラフォンテーヌは年俸でごねたかなんかでアイルズからセイバーズにトレードされ、かわりにピエール・タージョンがアイルズに行った、という話は前に書いた。結局、セイバーズでは6シーズン、プレーしたものの、そのうちフルに活躍できたのは3シーズンだけだったということで、欠番にすることに反対するファンもいる。しかし、多くのファンは、彼の印象度の高さ、地域への貢献の大きさなどから、欠番にすることを望んでいる。
 ラフォンテーヌは97年オフにレンジャーズにトレードされたが、その理由は、脳震盪のためにプレーできるかどうかわからず、しかも年俸が非常に高かったので、セイバーズはドクターストップをかけてしまった。そのため、現役を続けたいラフォンテーヌはトレードを志願することになったのである。しかし、移籍先のレンジャーズでも脳震盪を起こし、その後、引退することになった。このことで、ラフォンテーヌはセイバーズを恨んでいるのではないかと思われていたが、昨年12月に彼が主催したチャリティOB試合で、すでにセイバーズとは和解していることが明らかになった。また、このときに現在のオーナーとも協力関係を築いたようである。16番の欠番は、このときから動き始めていたのだろうか。
 以上はまだ、噂の段階で、ネットには何も出ていないということを付記しておきます。


オベチキン登場 05/9/22

 現地時間9月21日、ワシントンで行なわれたセイバーズ対キャピトルズの試合。セイバーズは4対0で勝利した。ゴーリーのミラーがシャットアウト、ヴァネク(日本ではバネクって表記になっちまうのだろうね)が2ゴール。他の2ゴールはロリー・フィッツパトリックとマキシム・アフィノゲノフ。
 この日の話題はルーキー、オベチキンが初登場したことと、前輪のあたりから火を吹きながらロサンゼルスの空港に着陸する航空機の様子がテレビで生中継されていたこと(掲示板の実況だと、こういうところまで実況されてしまう)。飛行機は無事着陸。オベチキンはしょっぱなにペナを取られ、結局、1シュートでゴール失敗(ミラーがみごとなセーブだったそうな)。しかし、シュートアウトではゴールを決めた。これがこの日、ミラーが決められた唯一のゴール。オベチキンはやはりすばらしいらしい。
 掲示板の実況の途中で、誰かがケガをしたらしいと書かれていたのだが、デレク・ロイが歯を折ったようである。実際に試合を見た人があとで書き込んでいたが、パワープレーがだめなことを指摘していた。
 ミラー、ヴァネク、オベチキンと、新時代を感じさせる試合だったようだが、とりあえず、ゴーリーはミラーが一歩抜きん出ているようだ。もしもミラーがスターターだと、ビロンをバックアップにするわけにいかないので、ビロンがトレードという説も出ている。ただ、今のところ、ケッセル争いをしそうなチームとばかりなので(セイバーズもその争いの候補です)、日曜から始まるカップ・コンテンダーたちとの3つの試合がゴーリーたちの正念場だろう。


ミカチュー…… 05/9/21

 ミカチュー(笑)ことミカ・ノロネンが出場した9/20のミネソタ戦。1ピリでブリエア2ゴール、ジルソン1ゴールで3対0とリードしたにもかかわらず、2ピリと3ピリで6点も取られてしまった。その間、アイルズ対レンジャーズがディレクTV(日本ではとっくになくなってるが)で放送されてて、ジトニク2ゴールって……。
 ミカチュー、やっぱりトレードか、でも、どこが取ってくれるんだ、てな感じになってきたが、2ピリと3ピリ、フォワードとディフェンスは何やってたんだろう。
 セイバーズ公式サイトが、選手が近況を書くブログを始めた。トップバッターはビロン。

 この期に及んで4年ぶり7連勝の横浜ベイスターズ。7連勝の中には対巨人3連勝が入ってるのだけど、横浜は最下位でも巨人には勝ち越してたり、かと思えば、阪神が最下位のとき(ずいぶん昔のことのように思える)でも阪神には負け越しとか、変なチームだったのだが、今のように阪神が首位、巨人が下位では、当たり前の話になってしまう。それにしても、シーズンが始まったときは今年も最下位かと思ってたのに、クルーン様様かしらん。

 セイバーズは今季はワシントンとドラフト全体1位を争うと予想されてるわけだが、ケッセルとかいう子がクロスビーに匹敵するくらいいいらしいので、どうせなら中途半端なところよりは最下位の方がいいかもだ。そのクロスビー、「Vanity Fair」に写真と短い記事が出ていた。裸の上半身に破れたベストみたいなのを肩からはおっているという、ヘソ出しルックである。そういえば、アメリカのスポーツ雑誌はどこもNHLの記事を載せなくなっているような気がする。


アトランタの暗雲? 05/9/20

 何かと注目を集めているアトランタ・スラッシャーズだが、ここに来て暗雲が……。AHLのナンバーワン・ゴーリーで、今季はスターターで新人賞受賞かも、と一部で言われていたカリ・レトネン(発音、間違ってるかもしらんが)が練習中に鼠蹊部のケガ。前にも何度かやってるらしいけど、ここはレンジャーズにいたダンハムがいてあとは……てな感じなのだ。うちのゴーリー、1人もらってくれないかなあ、と、セイバーズ・ファンが言っている(だからアトランタには詳しくなるのよ)。
 でもって、ボンドラとの契約が正式に発表。決まったというニュースが流れてからずいぶん時間がたっているので、ボンドラ、どうなってんの、とファンには思われていたのだが、基本給50万ドル余りに出来高ボーナスが全部出ると合計で340万ドルだそうだ。アトランタに決まったというニュースが出る直前までワシントンと交渉という噂がずっと流れていたのだが、ワシントンはあまりお金出したがらなかったらしい。アトランタはこれでキャップスペースがまた狭くなったので(ボンドラの場合はボーナスもキャップに含まれる)、やっぱりコヴァルチャクはロシアか? ヒートリーのトレード要求から始まって、GM、頭痛いね。(出来高ボーナスは来年の分になるという話もあるが、この辺、まったくフォローしてないのでわからん。セイバーズには関係のないことだし。)

 元セイバーズのバックアップ・ゴーリー、シールズがアナハイムのトライアウトを受けているらしい。実はUFAのゴーリーでまだ余っているのがけっこういるのだ。だから、ゴーリーのトレードがむずかしいのである。

 セイバーズはやたらオープン戦が組まれていて、しかもずっとロードなのだ。土曜日はホームだったが、日曜からしばらくロード。13日間で8試合とかって、大丈夫かね。次は火曜日のミネソタ戦。相変わらず、バッファローは放送何もないので、ミネソタのネットラジオが頼りのようだ。とりあえず、2試合やって2勝したので、今だけディヴィジョン首位である(だって、ほかはまだろくに試合してないんだもの)。


オープン戦9/18 05/9/19

 コロンバスの本拠地で行なわれたセイバーズのオープン戦2戦目。ティム・コノリー、ミラン・バートヴィック、マイケル・ライアン(写真)がゴールして、3対2で勝利した。ゴーリー、ミラーは3ピリで2点取られたものの、2ピリまでは絶好調だった模様。コロンバスのゴーリーはオタワをクビになったプルシェックで、2点取られたところで交代。シュートアウトはどちらも3の1だった。
 コロンバスはナッシュがケガで出場してなかった。セイバーズも前日の主力、ブリエア、ヴァネク、テッポなどは出ていない。ドゥルーリー、ヘヒト、アフィノゲノフ、ロイといった主力は出ていたが、オープン戦はロースター入りがかかっている若手や新人ががんばるようだ。ゴーリーはノロネンが遅れを取っているようで、ビロンとミラーに決まりそうな感じである。
 相変わらず、バッファローではテレビもラジオも何もなかったようで、コロンバスのネットラジオが頼り。オープン戦は勝つのが目的ではないので、まったりとやっているようである。


オープン戦9/17 05/9/18

 現地時間9月17日、バッファローで行なわれたオープン戦、キャピトルズ対セイバーズで、セイバーズが3対2でOT勝利した。
 テレビもラジオもネットラジオもなく、ファンはキャピトルズのサイトのラジオを聞いていたらしいが、これが受信できなかったり、具合が悪かったり、アナウンサーはビロンをビーロンと発音したり、と、いろいろだったらしい。HSBCアリーナは入場者数17000人以上の盛況だったとか。
 試合は1ピリにキャップスが先制、3ピリにようやくセイバーズがコタリクのゴールで同点に追いつき、また1点リードされ、そしてヴァネクのゴールでまた同点に。そしてOTで再びヴァネクがゴール。アシストはブリエア。で、3対2で勝ったのだが、オープン戦は勝敗に関係なく、最後に3対3のシュートアウトが行なわれる。そこでもヴァネクがゴール。ビロンは3本すべて止めた。
 とまあ、幸先のよいスタートではあったのだが、実はキャップスはNHL選手が3人しかおらず、セイバーズは10人以上いたので、そんなチームに苦戦して、何やってんだ、こいつら、なのだった。もっとも、キャップスのゴーリー、コルズィグが2ピリまで守ってシャットアウト、そのあとバックアップに代わったら点が取れたというわけで、コルズィグがよかったんでしょう。しかし、ほかのオープン戦は1チーム当たり7点とか8点とか入ってるのに、ここだけは点の入らない旧NHL。
 18日はコロンバスでオープン戦。ゴーリーはミラーらしい。

 セイバーズのドラフト1巡目で、ドラフト全体1位でもあったピエール・タージョンが今季からアバランチに参加しているが、「おれはフォシュベリじゃないけど」うんぬんと語ったというニュースが伝わってきた。なんでもセイバーズに来たときは、「おれはジル・ペローじゃないけど」とかなんとか言ったらしいので、きっと口癖なのだろう。ラフォンテーヌと交換でアイルズに行った頃は活躍した選手だったらしいが、アバランチでもそこそこやってくれれば……。


ジェームズ・モリス 05/9/18

 久しぶりにクラシックの話題を。
 9月24日のアジアリーグ開幕戦のチケットを買うためにチケットぴあに登録したら、11月に東京で上演されるオッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」のお知らせが。「ホフマン物語」といえば、私の一番好きなオペラなのだ。プラシド・ドミンゴ主演のLDにCD、それに、大好きなイギリス映画「ホフマン物語」のLDもある。そして、忘れられないのは80年代末に来日したメトロポリタン歌劇場の公演。主役のホフマンはもちろん、ドミンゴ。そして、悪役はジェームズ・モリスだった。
 ホフマンというのはドイツの実在の詩人・幻想文学作家。若き日のホフマンが女性遍歴の果てに詩人になるまでを描いたオペラ(もちろん、フィクション)である。プロローグと3つのエピソードから成り、それぞれのエピソードにホフマンの恋人と、彼女を奪っていく悪役が登場する。3人の恋人と3人の悪役は、それぞれ同じ歌手が演じる場合と、別の歌手が演じる場合があるが、メトの公演で見たのは3人の恋人は別の歌手、そして、3人の悪役はすべてジェームズ・モリスが演じた。
 モリスは当時、同じくメトのワーグナーの「ニーベルングの指環」の第1部「ラインの黄金」、第2部「ワルキューレ」でヴォータンを歌っていて、売り出し中のバス・バリトンだったのである。「ホフマン物語」でファンになって、「ワルキューレ」も好きだったのだが、その後、バブルが崩壊してオペラに金を貢ぐ余裕がなくなり、モリスがどうなったのかもわからなくなった。
 そのモリスが、11月の公演でまた「ホフマン物語」の悪役を演じるという。ヒロインは日本の歌手で、チケット代も一番高い席で21000円と、オペラにしては比較的安い。演出もメトとは違って面白そうではある。しかし、かつてはオペラに4万円も出した私も、今は2万円でも考えてしまう。メトの公演から17年くらいたっているが、モリスはどうなのだろうか。あのとき、共演していたメゾソプラノの奥さんとは今も一緒なのかなあ。なんだか浦島太郎のような気分だ。


セイバーズのキャンプ 05/9/17

 今週月曜から始まったセイバーズのトレーニング・キャンプ。一般に公開されているので、掲示板にはいろいろ情報が書き込まれている。その中でギョッとしたのが、ファースト・ラインのウィンガーであるJ・P・デュモンがぶっ倒れて氷に顔面をぶつけたというニュース。血がどばっと出たので心配されたが、何針も縫ったけれど脳震盪はないとのこと。
 リンディ・ラフHCは、今季のキャプテンにドゥルーリー(写真)とブリエアの2人を指名。「ったく、3人のゴーリーを2人に絞れない上、キャプテンをどちらかに決められないなんて、ウルトラ民主主義の幼稚園だ」という声が上がっていたが、キャプテンはドゥルーリーがいいかブリエアがいいかというのは、3人のゴーリーの誰がいいかと同じくらい、ファンの間でも意見が分かれている。ブリエアが成績、人気ともにトップの選手になり、リーダーシップも発揮してきたのはうれしい誤算だろう。どっちかというと、ブリエアがキャプテンの方がよさそうな感じがするのだが、ドゥルーリーをキャプテン候補として獲得したので、こっちも立てねばならず、というところか。タイプも役割もまったたく違うので、お互いに補い合っていい効果を上げてくれればいいけど、2人が対立するようになると困るし……。
 実はキャンプ初日、メディアの関心はもっぱらシャターンのことだったのだが、ドゥルーリーとブリエアが、「シャターンはチームの誰ともうまくいっていなかった。出た方が彼のためにもチームのためにもよかった」などと発言して物議を醸している。特にブリエアはシャターンを批判するようなことを口にしていて、それがテレビやラジオでまで流れたらしい。コヨーテズ時代の先輩、JRのような舌禍にならないといいが。
 「うまくいっていなかった」というのはあくまでプレーの話であって、シャターンの人間性のことではない。人間としてはファンをだいじにするいい人だったみたいだけど、プレーの上では、センターのブリエアやドゥルーリーをイライラさせる選手だったようだ。具体的に言うと、シャターンはゴール前がごちゃごちゃしていると、そこへ飛び込んでいかない。パスを出すセンターとしては、そういうウィンガーは困るのだろう。
 ただ、ドゥルーリーやブリエアはシャターンとは1シーズンしかプレーしておらず、そのシーズンはシャターンが一番ふるわなかった年だと思うと、長年、セイバーズでがんばった選手に対して最近来たばかりの2人がいろいろ言うのはどうかという気もする。なんにしても、アイルズとの開幕戦は荒れそうだ。
 再契約オファーを出されなかった直後にセイバーズの悪口をさんざん言ったシャターンに対し(彼の悪口に比べたら、ドゥルーリーやブリエアの言葉はおとなしい)、ジトニクはまったく悪口は言わず、むしろ、「セイバーズはすばらしいチームだった」と言って、ファンの尊敬を集めている。ブリエアも、ジトニクの役割がいかに大きかったかを別のところで語っていた。選手は去り際がだいじなのだ。


ポランスキーとイギリス文学 05/9/14

 「戦場のピアニスト」でアカデミー賞監督賞を受賞したロマン・ポランスキーの新作は、チャールズ・ディケンズ原作の「オリバー・ツイスト」。過去に何度も映画化され、ミュージカルにもなっているが、私の世代はオリバー・ツイストというとマーク・レスターの顔が目に浮かぶ。
 ところで、なぜ、今、ポランスキーがディケンズを? 確かにポランスキーはこれまでも、シェイクスピアの「マクベス」やトマス・ハーディの「テス」といったイギリス文学を映画化している。
 「マクベス」はポランスキーの妻で女優のシャロン・テイトが自宅で狂信的なグループに惨殺された直後に作られた。マクベス夫人が全裸で登場したり、血なまぐさいシーンが続出したりと、妻の惨殺事件にそのまま向き合ったような内容だったが、シェイクスピアの映画化としても非常に優れていて、私は好きである。
 「テス」はそれから10年ほどの歳月がたったあとに作られた。もともとシャロン・テイトの愛読書だったというこの小説を、ポランスキーは思う存分ロマンチックな映画にしている。不幸な人生の果てに殺人を犯し、死刑になる運命のヒロイン、テスに、ポランスキーはシャロンを重ね合わせた。映画の最後に、「シャロンに」という献辞が出る。死すべき運命の妻への思いは、実は原作者ハーディの思いでもあった。原作者の思いとポランスキーの思いがみごとに合体した傑作である。
 「オリバー・ツイスト」もまた、ポランスキーの人生を感じさせる。子供の頃、ポーランドでホロコーストを体験したユダヤ人の彼は、前作「戦場のピアニスト」のホロコーストを生き延びたピアニストに自分を重ね合わせていた。そして、「オリバー・ツイスト」では、彼は盗賊の一味に翻弄される孤児に自分を重ね合わせているように見える。孤児院で虐待され、そこを逃れて盗賊の一味になり、そこを救われてお金持ちの家に身を寄せるが、盗賊一味は彼を連れ戻し、という、オリバーの数奇な運命は、ホロコーストの時代に翻弄され、ひたすら逃げていた「戦場のピアニスト」の主人公そのものだ。ラスト、盗賊一味のボスと再会したとき、彼の流す涙も、あの映画を思い出させる。
 モノクロの精密画に始まり、精密画に終わるこの映画は、「戦場のピアニスト」と同じくセピア色の抑えた色調になっている。決して微笑まないオリバーの思い詰めた表情は、あのピアニストと同じものであり、写真で見るポランスキーの老いても少年のような表情によく似ている。


デレク・プラントとジェイ・マッキー 05/9/12

 テッポとトニが来たのと、パトリックが引退したの以外、何もニュースがないセイバーズだが、とりあえず、お知らせすることはお知らせしておこう。

 まず、RFAの契約が最後まで滞っていたジェイ・マッキーが、結局、1年契約となった。マッキーはケガで2シーズン、かなりの試合を欠場しているので、チームは1年契約をオファーしたのだが、マッキーは複数年を希望、それでもめてたというか、トレード先を探してたというか……。マッキーは来年、UFAになるので、本来なら1年契約の方が有利なのに複数年希望って、やっぱ、だめなんじゃないの、と素人の私でも思ってしまうわ。

 次は、わが日本の、というか、友人が住んでいる釧路の日本製紙クレーンズに元セイバーズのデレク・プラントが加入。てことは、友人の家に泊まらせてもらって見に行かないといかんのか。ついでに東京のコクドとの試合も……こりゃあ、いい。
 プラントについては前にこのブログでも取り上げたので、そのページを見てもらえばいいんだけど(そこにあるリンク先がまだ有効なら、97年プレーオフでの彼の素晴らしいゴール・シーンが2つも見られます)、詳しいプロフィールはこちらへ。最近はドイツでプレーしていて、昨季はマンハイムだから、セイバーズのヘヒトと一緒だったのね。
 プラントはセイバーズがカップ・ファイナルに出場した99年のレギュラー・シーズン終盤にダラス・スターズにトレード、そして、スターズはセイバーズを敗って優勝したのだが、プラントはヘルシー・スクラッチでファイナルには出場はしていない。


「マリア」ある歴史ロマンス 05/9/12

 最近、書店で、講談社のホワイトハートという文庫をあまり見かけなくなったが、どうしたのだろう。これは少女向けのライトノベルの文庫で、ここから小説を出している知り合いの作家が2人いる(いた)ので、時々、興味を持って見ていたのだが……。
 そのホワイトハートから10年ほど前に出たという、榛名しおり著「マリア/ブランデンブルクの真珠」を読んだ。講談社の新しい文庫、F文庫というのから出ているのだけど、これも書店にあまりない。やる気あるのか、講談社?
 で、この「マリア」という小説、ひとことで言うと、歴史ロマンスなのだが、これがとても面白かった。17世紀なかば、ドイツがまだ統一国家ではなかった群雄割拠の時代、ブランデンブルクの若き選帝侯フリードリッヒ・ウィルヘルムという実在の人物を主人公に、彼の愛人となった少女マリアの数奇な運命を描いている。
 とにかく、ストーリーがとてもよく出来ていて、感心した。この手のロマンス小説は先が見えてしまって、途中でやめたくなることが多かったのだが、これは先の展開が読めず、思いがけないことが次々と起こるので、まったく飽きることがなかった。ロマンス小説なので、当然、女性の願望成就的なところが多いけれど、描写がさらりとしているので、気にならない。少女の成長を描く歴史小説として、大人の鑑賞に十分耐える小説だ。後半がミステリー仕立てなのもうまい。
 ところで、90年代前半、私はコミック・マーケットなどで自作の小説や映画評論集を売っていた。その頃にこの手の少女向けライトノベルを書いているプロやアマの作家に出会ったのだが、彼女たちからこの手の文庫の編集者の悪口をよく聞いた。少女小説に限らないことだが、編集者は売るために作家やライターにさまざまな注文をつける。中でも少女小説や少女漫画の世界は女の気持ちもろくにわからない男の編集者がいちいちイチャモンつけてくる、と、彼女たちは感じていたようだ。
 で、その、彼女たちが嫌がる注文の1つが、「強い女性を描かなければならない」ということ。
 この「マリア」という小説は、登場する女性がすべて強い。それも精神的に強いとかたくましいとかいうだけではなく、武術の名人だったり、ゲリラのリーダーだったり、策謀家だったりと、男がやるようなことをみんな女がやっている。確かに、「ヒロインは強くあるべし」と考える私でも、ちょっとやりすぎなか、と思わないでもない。編集者が要求する強い女性がこういう外見的なものばかりだったら、作家がいやになるのもわかる。
 ただ待つだけの女はいや、行動する強いヒロインがいい、と思う私だが、女性の強さが武術や地位のような外見的なものに終始するのはいやだ。「マリア」がいいのは、ヒロインの強さが内面的なものだと思えるからである。


待つ女の物語 05/9/10

 ホッケー本を2冊続けて読んだので、次は普通の小説を読もうと、オードリー・ニッフェネガーの「タイムトラベラーズ・ワイフ」を読んだ。アメリカでベストセラーのリストに載り、映画化権も買われ、日本でも読んだ人の間では評判がいいらしい。でも、近所の図書館で探したら、あまり借りられてないようだった。翻訳なのですぐに読めてしまった。
 ひとことで言うと、「待つ女」の話だなあ、と思う。ヒロインが6歳のときから未来の夫が何度も彼女の前に現れ、愛が高まっていき、20歳のときについに現在の彼に会って結婚。しかし、本人の意志に関係なく、ストレスでタイムトラベルしてしまう夫はその後も消えたり戻ってきたり。そしてついに悲劇が……という内容。
 ヒロインも夫もお金持ちの家に生まれ、高い教養を持っている。んなわけで、名作文学やクラシック音楽の話題や引用がひんぱんにある。名作文学とクラシック音楽は私の守備範囲だから、ついていくのは何の問題もない。翻訳の注の入れ方に一貫性がないのが気になるし、訳し方もときどき首をひねるものがあるけど、別に支障はない。でも、私の好きなものが出てくる、うれしい、という感じにはならないのだ。むしろ、こういうものにだけ囲まれたオタク世界に少々うんざりする。たとえば、ここにはスポーツの話題はまるで出てこない。集まった人たちがアイスホッケーの話を始めると、ヒロインはその場から逃げ出す。
 誤解を恐れずに言うと、きわめて女っぽい世界なのだ。アイスホッケーの話題から逃げ出す、というのがまさにそれで、ここには男っぽいものは皆無と言っていい。タイムトラベルも辻褄合わせに終始しているところがあるし、結局、タイムトラベルそのものについての考察ではなく、気まぐれな男を待ち続ける女の姿を描く1つの手段なのだと思う。
 いついなくなり、いつ戻るかわからない男をひたすら待つ女(男はもちろん、女のもとに戻りたがっているのだが)。こういう保守的な女性の姿が最近の小説に多い。古い時代にはこういう立場に置かれる女性が多かったが、逆にそういう時代の方が行動する強い女性をヒロインにしていたと思う。しかし、女性が(不十分とはいえ)解放された今、こういう保守的な女性像が流行るようになっているのだろうか。面白い小説であることは間違いないし、「待つ女」の愛に感動し、彼女を愛する男の愛に感動することが悪いとは言わないけれど……。


James Patrick引退 05/9/9

 まだWGR550とTSNに短いニュースが出ただけですが、セイバーズのディフェンスで42歳のジェームズ・パトリックが引退を発表。昨年オフにUFAになり、昨季があればもう1年プレーする予定でしたが、ロックアウトでシーズンがキャンセルされ、今季はもう契約されないということで引退となったものと思われます。昨季がなければもう引退、と、以前から言われていましたが、これで99年カップ・ファイナル組がまた1人、姿を消しました。今後はセイバーズのコーチング・スタッフとしてバッファローに残る予定。
 パトリックといえば、03/04シーズン終盤、プレーオフ進出をめざして連勝を続けていた3月、ずっとネットラジオで試合の中継を聞いていたときのこと。3月末のマジソン・スクエア・ガーデンでのレンジャーズ戦はMSGでのメシエの最後の試合になるかもしれないということで、ちょっと異様な雰囲気でした。セイバーズはなんとか勝ちましたが、試合終了後、まるでメシエ引退セレモニーみたいな展開になったのです。レンジャーズの選手だけでなくセイバーズの選手もリンクの上に並び、そして、レンジャーズ出身のパトリックが真っ先にスティックで氷をたたいてメシエに敬意をあらわしたのでした(見たように書いてますが、もちろん、ラジオの実況で聞いたのです)。
 メシエはまだ引退を表明していませんが、The Fourth Periodによると、やはり引退がささやかれているようです。
 パトリックはレンジャーズが優勝したシーズンの途中で不運にもトレードされてしまったのですね。その後、ハートフォード・ホエイラーズ、カルガリー・フレームズ、そして、98年にセイバーズへ来たのでした。

追記 詳しい記事


セイバーズとNHLの最新ニュース 05/9/8

 年俸450万ドルで15年契約のオファーなんて、ミルベリーGMはクレイジーだ、と言われたアイルズのゴーリー、ディピエトロですが、年俸250万ドルで1年契約になったようです。しかし、この落差はいったい、なに?
 アイルズに行った元セイバーズ、シャターンとジトニクはセイバーズの練習場であるアムハーストのペプシ・センターで練習をしました。ここはバッファロー地域に住む元セイバーズの選手たちも練習に利用している場所です。再契約オファーを出されなかった直後は悔しさをあらわにしていたシャターンは、その後、アイルズからおいしい契約をもらってホクホクのようで、「再契約してからトレードした方がセイバーズは得だったのに」と余裕のコメント。一方、最初からUFAで、一番いいオファーのアイルズを選んだジトニクは、「セイバーズはすばらしいチームだった」と、こちらも余裕のコメント。実はアイルズは、セイバーズの地元での開幕戦の相手。つまり、因縁の試合になるのは間違いないのです。
 出て行った選手の話題を取り上げる「バッファロー・ニュース」に対し、「デンヴァー・ポスト」はチームUSAのキャンプに参加したドゥルーリーを取り上げています。また、トロントの「グローブ・アンド・メール」はNHLの今後について、ブリエアのコメントを載せています。どうして「バッファロー・ニュース」はドゥルーリーやブリエアや、新しく来たテッポやトニを取材しないのかと思ってしまう。
 UFA選手獲得競争とトレードに続き、今度はベテラン選手の引退のニュースが。ニーダーマイヤーとスティーヴンスを失ってしまったデビルズはいかに……? でも、まだ、年俸総額、キャップの上限を越えているのでは?
 セイバーズの”3人のゴースト”ならぬ”3人のゴーリー”、早く1人減らさないといけないのですが、減らされるのはノロネン、と、比較的最近までは思われていました。しかし、ここに来て、ノロネンはテッポと同郷で、しかも、トニと一緒にプレーしたことがある、ということで、新たに加わったフィニッシュ・ラインとの関係で、ノロネンは残すのではないかという説が急浮上。しかし、度胸が座ってるのはビロン、将来性はミラーと、甲乙つけがたい。コーチング・スタッフも3つに割れているのでは、と、ファンは予測しています。


海外TVドラマ・ベスト10 05/9/6

 現在発売中の「キネマ旬報」9月下旬号で、海外TVドラマ・ベスト10というのをやっている。で、上位入選作品を見たら、「ER」以外はすべて、私が見ていたドラマじゃないの! おまけに、大好きな「タイム・トンネル」に4票も入ってる! 私しか覚えていないと思っていた「コロネット・ブルーの謎」にも1票入っている! きゃあ、きゃあ、きゃあ。
 私が投票してたら、「タイム・トンネル」、「コロネット・ブルーの謎」、「プリズナーNO6」、「インベーダー」は確実に1票多く入ってたわね。これ以外だと、「ララミー牧場」とか(あの淀川長治の解説!)、「ミステリー・ゾーン」とか(あの音楽!)、「ヒッチコック劇場」とか(あの吹き替えの声!)、「ローハイド」とか、「スーパーマン」とか、「コンバット」とか、そしてもちろん、「奥さまは魔女」も見てましたわよ。ああ、「ナポレオン・ソロ」に「サンダーバード」、「スパイ大作戦」に「宇宙大作戦」に、ああもう、あの辺の、60年代テレビドラマはすべてなつかしい!(トシがばれるが、この際、どうでもよいわっ! あ、でも、実は再放送、というのも多かった。)
 しかし、ミニシリーズの「ホロコースト」は入っていないのかね??? 「空飛ぶモンティ・パイソン」の話はこの前、したよね(この辺は70年代)。
 私の場合、テレビドラマはだいたい中学時代まで。この頃までのはものすごく見ている。でも、そのあとはあまり見なくなり、ずっと見てたのは「刑事コロンボ」だけ(ピーター・フォークにははまりました)。最近では、「ダイナスティ」を途中から見てけっこうはまった。「ツイン・ピークス」は逆に途中で挫折。あとは、「アリー・マイ・ラブ」をちょっと見たくらいか。年とともに、熱意がなくなるのだ。
 それぞれのドラマについては、また改めて書こう。「タイム・トンネル」、「コロネット・ブルーの謎」、「インベーダー」、「プリズナーNO6」については絶対に書かねばならん。
 あと、あまり見ていなかったのだけど、ファラ・フォーセットのダンナだった人(リー・メジャース)がやってた「600万ドルの男」ってのがありましたね。ジム・キャリーでコメディにして再映画化という話があるけど。あれもちょっと面白かったな。サイボーグになった男が主人公で、最初に、「その費用600万ドル」というナレーションがあるのが笑えたのだった。


しょうもない話。 05/9/5

 NHL公式サイトにセイバーズの今季のプレビューみたいなものが出たのだが、ファンが一番期待している選手、トマス・ヴァネクのヴの字も出てこないという、まったくしょうもないプレビューである。こういうのを日本のライターが鵜呑みにして日本語のサイトにそのまま書いたりするなんてことがないよう願いたいもの。セイバーズについては、掲示板のコアなファンの書き込みを読んだ方がよっぽど役に立つ。

 しょうもないといえば、リニューアルしたセイバーズの公式サイトと付属の掲示板もすこぶる評判が悪い。文字がすごく読みづらくなったので、私もあまり見なくなってしまったが、付属の掲示板は以前はとてもよかったので、残念でならない。以前の掲示板はジム・ボブという人物が管理人をしていて、コアなファンによる非常にレベルの高い議論が行なわれていたのだ。私がセイバーズについて、そして、昨季のロックアウト問題について、詳しく知ることができたのはここのおかげが大きい。特に管理人のジム・ボブの適切な意見はとても役に立った。
 ところが、公式サイトがリニューアルされたあと、この掲示板がハッキングされてしまい、その後、新たにできた掲示板はもはやジム・ボブが管理人ではない、まったくの別物になっていた。そして、新たな掲示板の書き込みときたら、もう、しょうもないスパムカキコばかりになってしまったのだ!
 セイバーズの掲示板には、ほかに、SabresFans.comの掲示板と、HFboardsの中のセイバーズ掲示板がある(これ以外にもあるけど、一応、大きいのはこの2つ)。公式サイトの掲示板に怒ったファンがこの2つの掲示板に苦情を書き込み、その後、公式サイトの掲示板でもこの件が話し合われて、最近はまたまともな掲示板になってきたようだ。あとは、文字が読みづらいのをなんとかしてほしい。
 SabresFans.comはゴートロードというやはりコアなファンがやっているサイトで、このサイトと掲示板は相当にコアである。それに比べると、HFboardsは玉石混淆か。実は他チームの掲示板に比べてセイバーズの掲示板はレベルが高いというか、言っちゃあ悪いが、他のチームの掲示板はレベルが低いと思っていたのだけど、セイバーズの公式サイトの掲示板が最近ひどいという話題が出たとき、他チームのファンが「うちのはもう何年も前からしょうもない掲示板だ」とか、「うちのがあまりにひどいからここを読みに来ているのだ」とか書き込んでいたのを見て、やっぱりそうだったのか、と思った(いや、もちろん、セイバーズ以外でもレベルの高い掲示板は探せばあるのでしょうが)。
 というわけで、ファンはコアなのだが、チームは相変わらずしょうもないというか、99年カップ・ファイナルの最後の生き残りとも言うべきジェイ・マッキーの契約でもめている。つうか、トレード先を探しているらしいのだが、シャターンといい、マッキーといい、なんかこう、フラストレーションのたまるやり方なのだ。このほか、3人のゴーリーの1人をトレードすべきなのだが、マッキーとビロンをトレードして年俸総額を減らすとか、またしても金の節約の話ばかりなのである(怒ーーまだ噂の段階だけど、こう見えてしまうのが、怒)。

 話変わって、ジトニクとシャターンを獲得したアイランダーズは相変わらず景気がいい。なんでもディピエトロに年俸平均450万ドルで15年間という、信じられないオファーをしたそうな(ほんまかいな)。「またまたマッド・ミルベリーGMのクレイジーなオファー」と言われているが、ヤシンとシャターンとジトニクですでに1500万ドルになってるってのに。第一、15年もなんて、ディピエトロが迷惑じゃないか?
 アイルズはドラフト全体1位が欲しくてルオンゴをフロリダにあげてしまい、その全体1位でヒートリーが取れたのにディピエトロを取ったらしい。ヒートリーがアイルズだったら、事故も起こさず、スナイダーは死なないですんだのだろうか、なんて、余計なことまで考えてしまった。(よそ様のことなので気楽に考えてますが、ファンの方、ごめんなさい。)


感動的な結末。 05/9/4

 コンドルズのゴーリーの手記を読み終わりました。まるで映画のような結末。感動して、涙がちょっと出てしまった(年のせいで涙もろくなっているのだ)。

 アービシャーのおかげでまわってきたチャンスで、別のチームの試合の最後にちょこっとだけ出してもらえた著者は、ベイカーズフィールドに戻ればまた見学の日々。もうやめようと、一度は奥さんのいるサンフランシスコに帰ってしまうけれど、妻に励まされ、またコンドルズに戻る。すると、今度は同じリーグのライバル・チームからバックアップ・ゴーリーのレンタルの話が。そこでも出番はないまま終わり、やがてレギュラー・シーズンも終わりに近づいたとき、コンドルズのコーチが最後の試合に彼をスターターに指名する。もうプレーオフ進出は決まっていて、勝っても負けてもいい試合ではあるけれど、最後の試合だから負けたくはない。しかし、試合は劣勢、アシスタント・コーチはゴーリーを代えろと言うが、今夜は彼のための試合と心に決めているヘッドコーチは耳を貸さない。そして……。
 これが実話なの? と思うような、本当に映画のような展開。でも、本の最後に出てくるヘッドコーチの言葉、「どんなことにも理由がある」という言葉どおり、やっぱり理由があるのだ。出番がないかわりにシュートアウトの練習をたくさんしていたことが、別のチームの試合でも、そしてベイカーズフィールドでの最初で最後の試合でも役に立つ。そして、その最後の試合の相手が、レンタルされたライバル・チームだったことも(そのチームの選手を相手に練習していたのだ)。
 それにしても、「どんなことにも理由がある」というのは、「ブルース・オールマイティ」でジェニファー・アニストンがジム・キャリーに言う台詞なのだ。最近読んだセイバーズの暗黒時代(90年代半ばから破産した03年まで)を総括する記事には、「人生は不公平だ」という言葉が出てきたけれど、「神様は不公平だ」というのも「ブルース・オールマイティ」の台詞。「人生は不公平だけれど、どんなことにも理由がある」と、じっと我慢して我慢して、チャンスが来るのを待つのがバッファロー気質なのだろうか。セイバーズにヴェジナ受賞者が4人もいるのも、やはり理由があることなのか???
 ホッケー界では、バッファロー出身というと、それは骨の髄までホッケーにつかっているということなのだそうだ。バッファローで生まれ育つと、ホッケー以外にすることが何もないってことか? うーん、トロントやボストンなら、ほかにすることありそう。
 著者はその後、「Us Weekly」の西海岸支局長になり、ハリウッドのスクープを追うというタフな仕事に従事する。スクープをつかむというのは、ある意味、ゴーリーのようなものだ。待って待ってひたすら待って、その間、しっかりと準備をし、チャンスが来たらそれをつかむーーそう、パックをとめるように。
 現在もLAを拠点に、さまざまな媒体で仕事をしているというケン・ベイカー。今季はかつてのチームメート、ローニックの取材をするのだろうか。そして、将来は、福藤豊を彼が取材するかもしれない。

追記
 ベイカーは公式プロフィールでは、やはり大学時代に脳腫瘍が発見されて、それでホッケーを断念したとなっている(手術をしたのは何年もたってから)。成績が伸びなくなったのは病気のせいもあるかもしれないが、著者は病気のせいにするような書き方はしていない。また、息子がホッケー選手になることを夢見る父親の存在が大きかったようで、ホッケー界の”ステージ・パパ”というのはなかなかあなどれないと思った。


コンドルズのゴーリーその後 05/9/3

 例のベイカーズフィールド・コンドルズに帯同する3番手ゴーリーの手記、いよいよあと50ページほどになったのだが、いまだに試合には出場していない。
 シーズン前のエキシビジョン・ゲームに1ピリオドだけ出場したものの、シーズンが始まってからはベンチにも入れず、プレスボックスでひたすら見学の日々。やがて、スターター・ゴーリーが大ケガをし、1カ月以上欠場することになって、ようやくバックアップとしてベンチ入りを許される。しかし、出番がないまま、スターターが復帰。またしてもプレスボックスでの見学の日々に。
 バッファローで生まれ育った著者は14歳のときにオリンピック候補選手のキャンプに呼ばれ、16歳のときには17歳未満の世界選手権のスターター・ゴーリーとして出場、カナダを敗って優勝した。このときのチームメートがジェレミー・ローニック、マイク・モダノ、トニー・アモンテ。
 ”ミラクル・オン・アイス”のジム・クレイグの再来になることを期待され、セイバーズがドラフトしたアメリカ人のゴーリー、トム・バラッソを見て、自分も、と思った著者だが、このときを頂点に、あとは下降の一途をたどる。大学に入ると、まわりがどんどん進歩していくのに自分は進歩できず、成績も落ちていく。試合にも出場できなくなり、ついにホッケーをやめてしまう。
 本を買う前、ネットの解説で見たときは、脳腫瘍でプロへの道を断念したのかと思ったが、著者は自分の能力に限界を感じて、ホッケーをやめたという書き方をしている(ECHLのチームからトライアウトを受けてみないかという話はあったらしい)。
 その後、大学院に進んでジャーナリストの勉強を始めた彼は、雑誌にニューヨーク・レンジャーズの記事を書くアルバイトをする。そのとき、遠征に来たダラス・スターズのモダノに再会。ホッケー選手になれずにホッケーの現場にいることのつらさを感じる。
 こういう話は過去の自慢話だと思う人もいるだろう。でも、夢の実現を信じた時期があり、実際、信じられる位置にいた人間が、結局、夢を実現できずに終わる、その気持ちが私には痛いほどよくわかる。この著者の場合、脳腫瘍の手術を受けたことが、プロでプレーするという夢を追う決心をさせたのだろう。
 チャンスは思いがけないところからやってくる。コロラド・アバランチのデヴィッド・アービシャーがオリンピックのスイス・チームに参加することになり、ゴーリーが順番に上に上がるので、ハーシー・ベアーズと提携する下位リーグのチームのゴーリーが足りなくなった。そして、このチームのGMと連絡を取っていた著者のもとに臨時のバックアップ・ゴーリーの依頼がくる……
 というところまで読んだのですが、果たして著者はプレーできるのかどうか……。