2006年1月31日

2006年1月

遺恨試合 06/1/30
ペンギンズ@ダラス 06/1/29
なんじゃいな 06/1/27
コノリー負傷 06/1/25
雪と請求書にはばまれて 06/1/24
またもノーゴール! 06/1/22
フランクフルト・ライオンズ 06/1/22
意外なことごと 06/1/21
「ミュンヘン」のことなど 06/1/20
デレク・ロイ 06/1/18
ハッピー・バースデー 06/1/17
13年ぶり 06/1/16
モギルニー、AHLデビュー 06/1/15
サンダーソンにやられた 06/1/14
元セイバーズな人々 06/1/13
99年ファイナルの感想 06/1/12
ついに見た 06/1/11
北海道対決を見る 06/1/10
新年早々やばい 06/1/9
勝てば客は来る 06/1/8
手術とおめでた 06/1/6
正月早々 06/1/3
大晦日から新年へ 06/1/1


遺恨試合 06/1/30

 ダラス公式サイトのビデオ、1999年4月14日のダラス対フェニックスというのを見たら、これが遺恨試合であった。その数週間前、ダラスのモダノがフェニックスのJRにチープショットされていて、ダラスの方では、今度対戦するときはやってやろうってな雰囲気になってたらしい。てなわけで、この日、今度はハッチャーがJRにぶつかっていき、JRは口から血を流して、結局は途中退場という荒れた試合。ビデオも試合なんかそっちのけで、流血や乱闘のところばっかり選んで編集しているという、試合が見たい人にはおすすめできない内容。で、そのあと、ハッチャーとカチャックがやりあってたり、両チームの控えゴーリー、ターコとハビブーリンがベンチでそばにいるのが映ってたり。きわめつけは、テッポがダラスの選手にチェックに行った直後、別のところでプラントがぶっ倒され、それをきっかけに大乱闘に。起き上がったプラントがのこのこと大乱闘の現場へ行き、フェニックスの選手のジャージを引っ張ったりしてるのが笑えるのでした(無事でよかったね)。
 このときのプラントはセイバーズからトレードされてまだ1カ月くらいのはずだけど、それでも、プラントがやられたってんで、みんなが乱闘するのだね。セイバーズだと当時は、ロブ・レイとかバーナビーとかメイとかが出て行ったんだろか。今のセイバーズはロイがボコボコにされても誰も行かないってんで、不満が出てる(まあ、状況が違うのだが)。
 このビデオにはプラントのシュートも映ってたが、前に見たセイバーズ時代のと同じ特徴のあるスラップショットだった。セイバーズ時代のプラントのスラップショットはものすごく強かったのだそうだ。


ペンギンズ@ダラス 06/1/29

 ダラスの勝ち試合しかないとはいえ、やはり拾って見てしまうダラスのビデオ・アーカイヴ。今日は2001年1月19日、ダラスで行なわれたスターズ対ペンギンズを見た。マリオ・ルミューが引退からカムバックしてまだ日が浅い時期の試合である。画面が小さくて見づらいけど、私のような立場の者はぜいたくは言っていられない。見られるだけで何でもありがたいのである。1ピリ終了後のインターバルにはマリオのインタビューもある。試合も点の取り合いで、OTまでもつれ込んだ末にダラスが6対5で勝つという、なかなか面白いものだった。いろんな選手がゴールするのも、高見の見物の私には楽しい限り。それにしても、この頃のペンギンズはスターぞろい。例の某K選手がケガしてたが、このKは(カスパレイティスだよ)2001年のプレーオフでセイバーズを葬った天敵でもある(カスパレイティスのゆるいシュートが止められなかったので、ハシェックがキレてトレード要求したと言われている)。
 他のチームもこういうビデオ・アーカイヴを作って、試合が見られるようにしてくれたらなあと思う。特にセイバーズ! でも、セイバーズのあのしょぼい公式サイトでは百年たっても無理だろ。ダラスはやっぱり金があるのか。でも、それだけではないような気もするのだが。
 マリオの最後の試合は私が釧路へ行っていたときのセイバーズ戦だったのだな。釧路へ行っていたから、この試合はラジオで聞いていないのだった。


なんじゃいな 06/1/27

 現地時間1月26日、トロントで行なわれたセイバーズ対リーフス。セイバーズが8対4で勝ち、リーフスは9年ぶりの7連敗。例によって例のごとく、レフはリーフスにえこひいき、リーフスのダーティなプレーにはペナを取らず、セイバーズは次々とペナを取られ、それでもセイバーズはベルフォアから4点(ヘヒト、ロイ、キャンベル、ヴァネク)、ルンドクヴィストから3点(ポミンヴィル、ドゥルーリー、ヴァネク)、最後にマッキーがエンプティネットにゴール。リーフス・ファンでさえも、「ブリエアもいない、コノリーもいない、レフのリスペクト(えこひいきとも言う)も得られないセイバーズに負けた」と書いていた。
 セイバーズはブリエア、コノリー、パイアット、メアに続いて、この試合はテッポも欠場したのだが、テッポのケガは軽いようである。ただ、4点も取られたのは、レフのえこひいきもあるけど、やはりディフェンスがあまりよくなかったようで、こういうところでテッポの重要さがわかるというもの。リーフスも主力をケガで何人か欠いているが、中でもマッケイブの欠場が痛いらしい。
 それにしても、ドミやベルフォアがダーティなのは想定内だとしても(タッカーは欠場)、本来、汚いプレーはしないはずのサンディンまでがこの試合ではセイバーズの選手の顔を次々と殴り、なのに一度もペナ取られないのだと(サンディンは何をしてもいいのか)。誰だか知らないが、ミラーの頭を後ろから蹴ったやつもいて、これもペナ取られてない。3ピリ終了間際にはタリンダーがペナ取られたが、タリンダーはロッカールームに治療に行き、ペナボックスにはデュモンがかわりに入るという事態があったのだが、タリンダーはサンディンに殴られたのだと(殴られた方がペナかよ)。まったくもって最後までなんじゃいなな試合なのだが、そのあと、マッキーが自軍の陣地から一気にエンプティネットにショートハンデッド・ゴール。その0・3秒後に試合終了。マッキーはセカンド・スターに(ファースト・スターは2ゴールのヴァネク)。最後は笑って終わったけど、サンディンに殴られた連中は大丈夫かいな。
 この試合、セイバーズの8ゴールの内、3つがアシストなし。これもまた、なんじゃいなであった。
 この日、もう1つ、なんじゃいなだったのは、ハブス対センズでハブスのSOGが12だったこと。アジアリーグのドアマット・チーム並みじゃねーの。


コノリー負傷 06/1/25

 昨年、スポーツヘルニアの手術を受け、ずっと欠場していたJ・P・デュモンがようやく24日のレンジャーズ戦で復帰したと思ったら、その試合中にチームのリーディング・スコアラーでアシスト・リーダーのティム・コノリーが負傷。6~8週間は絶望になってしまった。コノリーはポイントとアシストだけでなく、PPやPKでも力を発揮していた。スポーツヘルニアで3月後半まで無理のブリエアに代わり、トップラインのセンターをつとめていたのだ。しかも、重い脳震盪で1シーズン棒に振り、ようやく今季、ドラフト全体5位の底力を発揮してきたというのに。しかも、ケガをさせたのが、相手チームの選手を次々葬ることで有名な某Kだというので、HCはカンカンである。これでブリエア、コノリー、パイアット、メアの4人がケガ人リスト入り(フィッツパトリックはなんで出てないんだっけ)。このほか、ドゥルーリーも万全でない、トリノ五輪は休ませたいという声もある。こうなったら、この日の試合でゴールしたヴァネク、コタリク、ゴールしそこねたアフィノゲノフなどによほどがんばってもらわなければ……。
 とりあえず、試合は2対1でセイバーズの勝ち。


雪と請求書にはばまれて 06/1/24

 ノーゴールの件は思い出すとむかつくけど、そんなにこだわってるわけじゃないのだ。むしろ、やっぱ、先週末、釧路に行けばよかったと、そっちの方が後悔。実際、直前まで行くかどうか迷ったが、東京は雪が降ってくるわ、クレジットの請求書が来るわ(釧路と苫小牧の旅費です)、金曜にはセイバーズがカナックスに負けるわ……これまでセイバーズの勝ちを見届けて、いや、聞き届けてクレインズの応援に出かけていたので、負け運を持っていってしまうのもいやだなあと。
 で、先週末のクレインズ対ハルラは、前に書いたように土曜日はクレインズが5対0で快勝。苫小牧で2連戦、そのあと2日休んで釧路で2連戦のハルラ、さすがにお疲れかと思いきや、日曜は追いつ追われつのシーソーゲーム。クレインズが2対1として逃げ切るかと思ったが、3ピリ終了直前に追いつかれ、OTでクレインズのルーキー、西脇がゴールして勝った。しかし、ハルラはOTに持ち込んだことで1ポイントを稼ぎ、リーグ2位の可能性を残す。一方、コクドはバックスに勝ち、王子もバイキングスに勝利。これで日本の4チームはレギュラー全日程を終了。あとはハルラとバイキングスの成績で順位が決まる。
 アジアリーグはラジオさえもないので、掲示板の実況に頼るしかなかったが、やはりハルラは手ごわいチームのようだ。土曜は1G1Aだったプラントは日曜は1Aのみ。クレインズは現在ゴール王のソンにはゴールさせなかったが、3ピリ終了間際の同点は2人のネドベドとマルティネツのチェコ人トリオによるもの。元コクドの瀬高もアシストしてるしなあ。コクドと王子に土をつけ、クレインズにはOTまで持ち込む。今、リーグで2番目に強いのはハルラだと思う。もちろん、プレーオフに向けてコクドと王子も立て直してくるだろう。
 ファンサイトに最終戦の写真がアップされていたのがありがたかった。しかも、プラントの写真がいっぱい。釧路でもゴールして派手なガッツポーズをしたようだし、やっぱりきびしいチェックを受けていたようだし、3ピリ終了間際に同点にされたときはスティックを投げ出したという写真には、これまでにも感じていた勝利への執念を感じた。移籍間もないダラスのベンチで小さくなっていた彼の映像を見てしまうと、今は主役になれる場所で生き生きとしているのだと思う。
 さて、できるだけ安くプレーオフに行く方法を考えよう。もしも釧路でスイープならず、韓国や中国へ行くことになったら……まさかそこまでは、と思うけど、行きたくなったときに後悔しないようにパスポートは取っておくか。で、せっかく取ったんだからバッファローへも行ってみる、というふうになるのかどうか……。


またもノーゴール! 06/1/22

 今日はとことんむかついているのだ。セイバーズ、ノーゴール、パート3。またもノーゴールをゴールにされた! ロビン・レゲアが蹴ったのをゴールにされたのだが(フレームズ側はスケートに当たって入ったと言ってるようだが)、明らかに蹴った動作があって、すぐにビロンが抗議。トロントのオフィスの人もラジオで「あれは蹴ったからノーゴール」と言ったのに、リキャップでは「ビデオリプレイをしたが、ゴールと認められた」と出た。本当にビデオリプレイしたのか、という疑問が出ている。
 確かにこの試合はフレームズが圧倒していて、あのゴールがなくてもセイバーズは負けたと思う。でも、1対1の同点のあとのゴールで、これが試合を決めてしまったという面もあるだろう。しかも、ファースト・スターがレゲアだって……キプルソフにしとけよ(実際、よさそうだった)。
 ノーゴール、パート3なのは、99年のファイナルのハルのノーゴールのあと、多分2001年のプレーオフだと思うが、ルクレアのノーゴールがゴールにされたというのがあったらしい。
 今季はオフィシャルに対する不満があちこちで出ていて、公平に見てもおかしなジャッジが多いらしい。特にセイバーズには不利なジャッジが多く(アウェーだけでなくホームでも!)、記者会見で記者から質問が出たくらい。そこへこのゴールだから、セイバーズ・ファンはますます、「NHLはセイバーズが勝つのがいやなのだ」と思ってしまうのだ。
 この試合で唯一、胸がスカッとしたのは、3ピリ終了直前にあのデレク・ロイがフェレンスとファイティングしたことである。あのちっこいロイ、5フィート9インチしかなくて、いつも相手チームにボコボコにされているロイがフェレンスに向かっていったのだ(写真)。チームメイトは助けてくれないし、相手チームのファンはダイブ野郎とか言うし、セイバーズ・ファンの中にさえ、あんなヤワなやつはチームの面汚しなんて言うのがいるんだから。がんばれ、ロイ! まあ、この試合はロイと、ゴールしたアフィノゲノフ以外はだめだめだったらしいけどね。


フランクフルト・ライオンズ 06/1/22

 2月10日から12日に行なわれる長野カップと、その後のチャレンジカップにドイツリーグのフランクフルト・ライオンズが参加するそうである(詳しくは日本アイスホッケー連盟のサイトへ)。
 このフランクフルト・ライオンズ、元コクドのクリス・ブライトがいるのだが、実は、昨年オフにNHLを引退した元セイバーズのジェームズ・パトリックもいるはずなのである。パトリックも日本に来るのだろうか。来れば、また1人、元セイバーズが日本で見られることになるのだが。パトリックはドイツリーグ終了後はセイバーズのコーチング・スタッフに戻る予定なので、その辺どうなのかなあと思うけど。ライオンズの出る試合は夜ばかりだけど、日帰りできるかな?
 ドイツリーグといえば、昨季、ロックアウト中、セイバーズのヘヒトがマンハイムでプレーしていた。そのとき一緒だったのが、クレインズのプラントと王子のポドーランで、マンハイムは確か、プレーオフのファイナルまで行ったはず。
 で、例のダラス公式サイトの99年プレーオフの映像をつまみ食いしてわかったのだが、1回戦の相手エドモントンに現セイバーズのグリアが、2回戦の相手セントルイスにやはり現セイバーズのヘヒトが、そしてカンファレンス・ファイナルの相手コロラドにもやはり現セイバーズのドゥルーリーがいたのだ。しかもこの3人は今季、ラインを組んでいるのである。

 土曜日に釧路で行なわれたクレインズ対ハルラ。クレインズは主力がポイントを稼ぎつつ、相手の選手にはポイントを稼がせず、5対0で勝利。プラントは1ピリでさっさと1G1Aを稼いだあと、2ピリ最初にハルラのチェコ人ゼマンとラフィングしたとか(今までハルラのチェコ人を3人と書いていたけど、4人でした)。土日で日本の4チームはレギュラーシーズン全日程を終了、クレインズは3月まで試合がない。やっぱり行きたかったなあ、と思うのであった。


意外なことごと 06/1/21

 アジアリーグはレギュラーシーズン1位がクレインズ、6位がアイスバックスにすでに決まっていて、6位以上がプレーオフ進出、で、残る2位から5位が大混戦なのだが、1月20日に神戸で行なわれたバックス対コクドでバックスが勝ち、ますますわからなくなってきた。
 この試合では、昨年暮れに骨折で帰国してしまったポディーンが復帰。1G1Aの活躍で、やっぱり大将がいると違うのね。これで22日に日光でまたコクドに勝ってしまったらどうなることやら。バックスの順位は関係ないが、どこが何位になるかによってプレーオフの対戦相手が決まる。1位と2位はシードされていて、セミファイナルからの参加。3位から6位が1回戦を戦う。で、1位はクレインズだが、2位がわからないのだ。最有力と見られていたコクドはパーピックを欠いてから力を失っているような気がするし、次に有力と見られていた王子はこのところ負け続き。そこへ台頭してきたのが韓国のハルラ。現在ゴール王のソン・ドンファンと3人のチェコ人の活躍で連勝を続け、今年に入ってからはコクドに1勝1敗、王子にも1勝1敗。そして、クレインズとは、昨年秋に対戦して1勝1OT敗。この土日に、今度は釧路でクレインズと対戦する(ああ、行きたかったなあ)。この結果によっては、ハルラ2位の可能性が出てくるのだ。
 個人成績では、ゴール王はハルラのソンが1位、僅差でデレク・プラントらクレインズの選手が数人並んでいるが、残り試合の多いハルラのソンに決まりそうだ。ポイント・ランキングはゴールもアシストも多く稼いでいるプラントが2位以下を大きく引き離しているので、これはプラントに決まりそう。アシストは今のところ、プラントが1位で、2位以下に伊藤賢吾らクレインズの選手たちとハルラのマルティネツがいる。これは残り試合の多いハルラのマルティネツがプラントを追い越すかどうかという微妙なところである。

 ところで、99年3月にセイバーズからダラス・スターズに移籍し、タナボタ・カップ獲得してしまったデレク・プラントだが、この99年プレーオフでの彼の唯一のゴールは、なんと、ダラスをカンファレンス・ファイナルに導く同点ゴールだった! 2回戦の第6戦、3ピリ終了まぎわに同点ゴールしてOTに突入、そしてモダノが決勝点をあげている。
 このときのプラントはファイナルをスクラッチされるなど、まるでいいところがなかったのだが、それでもこういうゴールがあるなんて、やっぱりツキがあるのかなと思ってしまう。セイバーズ時代の97年プレーオフ第7戦のOTゴールも、その前の3ピリ同点ゴールも、ある種、ラッキー・ボーイ的な感じはあるし(でも、ぼたもちのある棚の下へ行って、それを受け止めるのは実力なのだよ)。
 それにしても、もしもプラントをダラスにやらなかったら、セイバーズが優勝してた? どうだろねえ。


「ミュンヘン」のことなど 06/1/20

 スピルバーグの新作「ミュンヘン」の試写会に行ってきた。はじめに主演のエリック・バナが舞台挨拶をしたので、今日あたり、新聞やテレビに出るだろう。
 映画は1972年のミュンヘン五輪で起こった、パレスチナ・ゲリラ「黒い九月」によるイスラエル選手虐殺事件の後日談。怒りに燃えるイスラエルは、工作員たちに「黒い九月」のリーダー11人を暗殺させようとする。テロリストを殺すのが正義だと信じた工作員たちだが、しだいにさまざまな疑念や恐怖にとらわれていく。
 とにかく、暗くて重くてしんどい映画だが、今の時代に見る価値のある映画であることは確か。「黒い九月」と11人というのが9・11を連想させ、しかも、ラストはマンハッタンに建つツイン・タワーである。報復の先に平和はないというテーマが相当にはっきりと出てきている。また、妻子と離れている主人公が家庭を思い(キッチンのディスプレイをよく見ている)、最後に妻子の元に帰るというのはスピルバーグの前作「宇宙戦争」に重なる。父や母のモチーフもある。その一方で、これまでのスピルバーグ映画とは大きく違う肌触りのようなものを感じる。
 ミュンヘン五輪事件はオリンピックに政治が持ち込まれた悲惨な事件だが、オリンピックに政治が持ち込まれたのはこれが初めてではない。ナチスドイツ時代のベルリン五輪はヒトラーの宣伝に利用された。そのヒトラーが台頭した都市がミュンヘン。「ミュンヘン」とは、実に奥深いタイトルである。(2月4日公開)

 昨年、セイバーズのビロンが記録した先発13連勝の秘話が「バッファロー・ニュース」に出ていた。実は、ビロンはテッポの経営する会社モントリオール・スポーツのスティックを使い始めてから13連勝が始まったのだそうだ。しかも、13連勝目の試合の最後にこのスティックが折れたというから不思議。
 モントリオール・スポーツはテッポの父親が創設した会社で、その後、父はコーチに専念するため、会社を手放した。しかし、会社の経営者がその後、テッポに会社を譲り渡し、現在に至っているとのこと。この会社のゴーリー・スティックは、03/04シーズンにキプルソフが使用したことで一躍有名になったらしい。
 で、モントリオール・スポーツのHPにはビロンの写真も出ているわけです。


デレク・ロイ 06/1/18

 デレクはデレクでもデレク・ロイ。今、セイバーズにいるのはデレク・ロイ。03/04シーズン後半に活躍したルーキー。だが、今季はオープン戦の成績が悪く、二軍スタート。それが、上がケガ人続出で一軍に上がり、相手のペナを誘うプレーで活躍中。相手チームのファンからは「ダイブ野郎」とか、「ちょっと当たったくらいでおおげさな」と言われているが、セイバーズ・サイドに言わせると、「デレク・ロイがあんなにボコボコにされてるのに、なんでレフはペナ取らねーんだ!」うーん、ラジオ聞いてても、掲示板見ても、ロイがまたやられたとか殴られたとかそんなのばっか。もう1人のデレク同様、小柄なセンターなのでねらわれるのだろうが、同じ小柄でもドゥルーリーやブリエアは強いから不思議。
 というわけで、現地時間1月16日のエドモントンでのオイラーズ戦も、ロイが相手のペナを誘ってセイバーズは次々とパワープレーに。まあ、オイラーズもだいぶ乱暴なプレーをしてたようだし、乱闘もいろいろあった。試合の方は、しょっぱなにミラーが1点取られるも、コノリー、アフィノゲノフ、そして、デレク・ロイがゴールして3対1で勝利。大量得点のあとは点が取れずに負けたりするものだが、勝ててほっとした。
 オイラーズには元セイバーズのペカがいるが、この日、ゴールしたコノリーはペカのトレードでアイルズから来た選手。今季、突然、ブレイクしたコノリーに対し、ペカはまったくふるわず、結局、このトレードはセイバーズが得をした格好になっている(今のところは)。


ハッピー・バースデー 06/1/17

 今日はクレインズのデレク・プラントの誕生日である。で、もう35歳のオヤジなのだが、アリーナで見てると、あまりそう見えない。私が年とってるせいかもしれないけど、お茶目ないたずらっ子のように見えることが時々ある。
 アジアリーグの開幕戦で見たときは、とにかく張り切ってるなあ、というのが第一印象。氷上には真っ先に出てくるし、プレーも張り切ってた。でも、顔はどこか神経質そうな感じがして、しかも、レフにクレームをつけること、つけること。もしかして、アジアリーグの氷と合わないのだろうか、と少し心配した。そのうち、これがデレク・プラント・クォリティだな、もしかして、と思うようになった。先だっての苫小牧での王子戦2日目も、レフにクレームつけたり、王子の新外国人ポドーランにひとこと言ったり……北米ではクレームばかりつける選手は泣き虫と言われて軽蔑されるのだが、レフにクレームつけるのも作戦なのは事実。
 セイバーズ・ファンの間では、97年プレーオフのプラントのOTゴールはいまだに語り種で、記憶に残る選手であることは間違いない。その一方で、ヤワなやつとかいうふうにも記憶されている。うーん、アジアリーグの試合でも、それはなんとなくわかるなあ。まあ、ここは北米じゃないから別にいいんだと思うけど……。手を出さずに口を出すーーこれがプラント・クォリティ、かもね。
 もうひとつ、彼のクォリティだと思うのは、目立ちたがりやだということ。クレインズのためにうんと活躍して目立ってください。ちなみに、クレインズは土曜と日曜のバイキングス戦に2連勝。プレーオフには1位で通過が決まった。


13年ぶり 06/1/16

 現地時間1月14日のセイバーズ対キングスはうひゃあ、どひゃあな試合になってしまった。
 開始5分以内にマッキー、ドゥルーリー、コタリクがゴール、キングスはゴーリーのガロンを下げて、AHLから上がってきたばかりのルーキー、ハウザーをNHL初出場させる。ところが、2分もするとまたガロンに戻し、ガロンが4点目を取られてまたまたハウザーに交代。4点目のヘヒトはその後、ハウザーから2点取ってハットトリック完成。そのあと、今度はポミンヴィル(写真)が3連続ゴールでナチュラル・ハットトリック。最後にパイエがNHL初ゴール、アシストしたノヴォトニーは初ポイント。ミラーは1点取られて完封は逃したが、セイバーズが10得点したのは13年ぶり。キングスが10失点したのも13年ぶりだそうだ。
 セイバーズとキングスはどちらも現在、ランキング上位にいるが、ケガ人が多くて困っているのも同じ。それでも強いキングスは、2日前にはボストンを完封。しかし、ガロンは完封するかと思えばあっさり炎上もしてしまうのでよくわからん。控えのラバーベラが二軍で調整中とかで、代わりに上がったハウザーは、二軍では福藤豊と一緒にベンチ入りしたこともあるので名前は知っていたが、いきなりこういう場面でNHLデビューってのは少々気の毒であった。パイエとかノヴォトニーとかも最近NHLデビューした新人なんだけど。ポミンヴィルもちょっと前に二軍から来た選手で、今のセイバーズはアマークスがいっぱい。というより、あれだけケガ人が出ても二軍でまかなえるってのがすごいのか……。とにかく、PPじゃないと点が取れないとか、フォワードがスランプとかはとりあえず、全部払拭。とはいっても、キングスにとってはこれはあきらめるしかない試合だったので、セイバーズはこれでいい気になってはいけない。
 バッファローのアリーナはこの日もソールドアウト。このところずっとソールドアウトなのに、あまり勝てなかったのだが、この試合を見に来たお客さんは溜飲を下げただろう。10点といえば、オタワに10点取られた11月初めの試合をどうしても思い出してしまうのだけど、今季のうちにセイバーズが10点取る試合があるとは思わなかった。
 ところで、こういう大差のついた試合では乱闘がつきものだが、試合終了と同時にレフがさっと出てきて、乱闘できないようにしたらしい。もっとも、両チームの乱闘係は3ピリ半ばに乱闘して、アンスポ、ミスコンですでに退場処分になっていた(キングスのエイヴリーは一度に24分のペナ!)。ただでさえケガ人の多い両チームなので、これ以上、ケガのないようにしてもらいたいものだ。また、この試合では、ラフHCの采配が光っていたそうである。


モギルニー、AHLデビュー 06/1/15

 ウェイバーをクリアして二軍落ちになったデビルズのモギルニーが、現地時間1月13日、ロチェスターでのセイバーズ二軍対デビルズ二軍の試合に出場。セイバーズ二軍アマークスのフォワードとディフェンスを次々とかわし、ゲーム・ウィニング・ゴールを決めた。
 モギルニーはセイバーズのドラフト・ピックだが、最初から一軍だったので、アマークスではプレーしていない。ドラフトされた当時、世の中はまだ冷戦の時代。ソ連代表としてストックホルムの世界選手権に参加していた彼は、亡命してセイバーズに入りたいと連絡。セイバーズのスカウト、ドン・ルースはソ連当局に見つからないよう、3日間、モギルニーとストックホルムのホテルを転々としていた。その間、GMのミーハンが亡命の手続きを進めていたが、2人は命の危険があるかもしれないと言われたり、誰かがこっちを見てるとKGBじゃないかと思ったりしたそうだ。
 アマークスの選手たちはモギルニーだからといって遠慮せずに、ガンガン、チェックに行っていたそうである。NHLで1試合だけ出場したあと、また二軍に戻されたペイシュは、デビルズが払うモギルニーの年俸の額を聞いて、「ばかげている。彼の年俸はうちのチーム全体の年俸より高い。両方のチームの年俸を合わせてボーナスを加えたより高い」
 セイバーズはヴァネクがケガで休場、ゴースタッドもまだ無理、ということで、二軍から再びソーバーンが呼ばれた。また、コヨーテズ戦ではノヴォトニーがNHLデビューしている。今季、NHLデビューした新人は数知れず、の状態。
 3年前の1月13日はセイバーズが破産した日だった。このところ、HSBCアリーナは大盛況で、最近8試合の内、7試合がソールドアウト。残る1試合もほぼ満席。次の試合もすでにソールドアウト。もはや破産は遠い過去に。


サンダーソンにやられた 06/1/14

 元セイバーズな人々、なんていう文を書いたら、元セイバーズのサンダーソンにやられてしまった。99年ファイナルのビデオなんか見たのがいけなかったのかしら(サンダーソン、出てた)。不調のコヨーテズに負けるなんて、セイバーズはいよいよヤバイ。ビロンとディフェンスとPKユニットはがんばってるのに、フォワードがスランプ。というより、ケガ人続出。すでにトップラインのブリエアとデュモンが11月頃から欠けてるが、そのあと、パイアットもケガ、そして、ゴースタッドが脳震盪。その上、今度はこのコヨーテズ戦でメアが脳震盪、ロイとカリーニンがパックが当たってケガ。ロイとカリーニンは次の試合は大丈夫らしいが、メアは深刻なようだ。ゴースタッドは次は出られるかも、とか。
 現地時間1月12日のこの試合、平日にもかかわらず、ソールドアウトだった。次のキングス戦もすでにソールドアウト。バッファローにはダフ屋が出てるそうである。ニューヨーク州ではダフ屋からチケットを買うのは合法だけど、相手を選ばないと怖い目にあうんだとか。

 アジアリーグはいよいよ今月でレギュラーシーズン終了となるのだけど、プレーオフでクレインズのライバルになるチームが今ひとつ予想がつかない。前はコクドだと思ってたんだけど、そのあとは王子かな、と思い、最近になって韓国のハルラが頭角をあらわしてきた。ハルラはソン・ドンファンという選手と3人のチェコ人選手(内1人は元リーフス)が大活躍。ソンは今、ゴール・ランキング・トップで、3人のチェコ人も各種ランキングの上位にいる。ポイントとアシストは相変わらずプラントがトップ、クレインズの選手も何人か上位にいるけれど、クレインズのレギュラーシーズン最後の試合が1月下旬のハルラ戦なのだ。コクド戦、王子戦に続いて、気になるカードになっているのだけど、そんなに何度も北海道へ行くわけにはいかないしなあ。3月にはプレーオフがあるし。バッファローに試合を見に行くなら3月上旬のライトニング戦、と思っていたけど、アンドレイチャクがもういないならいいや。結局、1月初めのライトニング戦がアンドレイチャクのバッファローでの最後の試合だったのね。


元セイバーズな人々 06/1/13

 デビルズのモギルニーに続き、タンパのアンドレイチャクもウェイバーにかけられ、それをクリアーして二軍に所属、プレーはせずに年俸だけもらうことになったようだ。優勝に貢献したキャプテンになんてことを、というファンもある一方、アンドレイチャクは今のNHLについていけないという現実を指摘する冷静な意見も多い。年俸や安いし、成績もそんなにひどく悪くはないのだが、最近はスクラッチもされていた。セイバーズのファンは今でも彼が大好きなので、セイバーズのジャージで引退を、という声もあるが、モギルニーも入る場所がないのに、ましてやアンドレイチャクは……。アンドレイチャク自身も他のチームへは行きたくなかったようで、ただ、年俸が欲しいので引退は先延ばしにしたようだ。
 一方、年俸が高く、しかも2年契約のモギルニーはトレード先が見つからない場合、二軍でプレーすることになる。年俸さえ安ければ貰い手はあるのに、これもまたサラリーキャップ時代の現実。もっとも、オフには引退をほのめかしていたので、引退の可能性もあるとか。
 ペンギンズ、デビルズに続いて、今度はアイルズのヘッドコーチがやめることに。またまた、セイバーズの元HCテッド・ノーランの名前が噂にのぼっているが、アイルズはGMを何とかすべきだろう。

 流れ流れて極東の日本にいる元セイバーズのデレク・プラントは、先日の苫小牧での王子戦2日目に、久しぶりにクレーマーぶりを披露。この試合、何度も乱闘が起こった荒れた試合だったのだが、手は出さないかわりに口を出すプラントはレフにしつこくクレーム、王子の新外国人ポドーランにも何か言っていた。レフにクレームというのは作戦でもあるようだし、これが彼のクォリティなら、ま、いいか。


99年ファイナルの感想 06/1/12

 ついに見ることができた99年のカップ・ファイナル。これまでさまざまな記事を読んでいたけれど、見るのと読むのでは大違い。ひとことで言うと、ものすごくディフェンシヴな試合ばかり。もしかして、今のセイバーズの方が面白い試合をしてるかもしれないぞ、と思う。
 ダラスは年俸総額がものすごく高くて、選手もスターぞろい。対するセイバーズは高いのはハシェックだけで、あとは地味な選手ばかり。ペカ、シャターン、ジトニクはその後、高い年俸を取るスター選手になったけれど、ほかは……。そして、このときのロースターの内、今でもセイバーズにいるのは、ディフェンスのジェイ・マッキーだけ。ただ、GMとHCがあのときのままなのだ。
 4試合を見て、印象に残ったのは、ジトニクとマッキー。実は私がこのファイナルで一番見たかったのはマッキーで、彼は今季、クラッチング・アンド・グラビングのDから新しいNHLのスタイルに脱皮し、ゴール前で体を張ってパックを止めるなど、ファンの間で非常に高い評価を得ている。ゴールやアシストが少ないので、スコアボードには名前が出ないが、ブロックト・ショッツはリーグのトップクラス。こういう、数字に現れないところでしっかり仕事をする選手をきちんと評価するのがセイバーズのファンなのだ。
 このファイナルを見て、ファンが評価するマッキーの仕事の片鱗を見ることができた。ジトニクはDの要の面目躍如。ペカのアグレッシヴなプレーも印象に残った。シャターンは、この頃はほんとにういういしいなあ。ジトニクがペナ取られてPPゴールされるのは今と同じじゃん。ハシェックは前に倒れ込むとリバウンドの処理ができない。だから、スケーターが次の瞬間に前に出て、リバウンドを処理するのもよくわかった。逆に、ベルフォアのリバウンドを打とうとしたら、ダラスの選手が前に出て防いでしまうシーンもあった。スーパー・ゴーリーが1人で防いでいるのではなく、GとDの連携が重要なんだなあ。当たり前のことにいちいち感動するなと言われそうですが。
 それにしても、ダラスのようなスター軍団相手に、セイバーズのような弱小貧乏チームが互角に戦ってるのがすごい。レギュラー・シーズンの成績だってずいぶん違うし、正直、ここまで互角にやってるとは思わなかった。第6戦なんか、どう見てもセイバーズが運が悪いとしか思えない。ダラスの先制点はハシェックの脚とサイドバーのほんの少しの透き間を運よく入ってしまったのだし、同点にしたあと、セイバーズが勝ち越せるチャンスが何度もあった。それが運悪く、みんな、入らないのだ。そして、あの、ノー・ゴール。神様がダラスにえこひいきしたとしか思えない。もちろん、ここで勝っても、第7戦でダラスに負けたかもしれないのだが。
 バッファローは75年にセイバーズがファイナルに出るも優勝できず、90年代にはビルズが4年連続スーパーボウルに出るも敗退、そしてこの99年と、スポーツの神様に見捨てられたような町なのだ。
 それでも、第6戦の雰囲気をまるごと楽しめたのは、私にとっては幸運だったと言えるのかな。バッファローのアリーナの雰囲気や音楽は、今、ネットラジオで聞くのとまったく同じだし。今季のファイナルがまたこのカードになる可能性もまったくないわけではないし(ないですよ、ないって)。あとは勝ち試合が見たいなあ。


ついに見た 06/1/11

 火曜の深夜、スポーツアイでNHLの試合が放送されているとき、私は99年のカップファイナルの第6戦を見ていた。いや、実際には11時半くらいから見始めて、見終わったのは午前5時。第3OTまで行った試合だ。放送はCBCのホッケー・ナイト・イン・カナダ。インターバルにはドン・チェリーのトークもあった。どこで見たって? ダラス・スターズ公式サイトのビデオ・アーカイヴです。だから、ブロードバンドでウィンドウズ・メディアがあれば、誰でも見られます。
 このビデオ・アーカイヴには99年のプレーオフのダラスの勝ち試合がすべてある。1回戦、2回戦、カンファレンス・ファイナル、そしてカップ・ファイナル。計16試合。セイバーズとのカップ・ファイナル、私はネットのビデオでごく一部を見ただけだったが、今回、負け試合だけど、6試合中4試合を見ることができた。ダラスでの第2戦は時計がまわっているシーンはほぼノーカットなので、試合がまるごと見られる(ハシェックをめぐる有名な乱闘つき)。バッファローでの第3戦は最後がちょっと欠けてるが、スタンドが深紅に染まったバッファローのアリーナや試合前の様子が見られる。ダラスでの第5戦は、あまり動きがない試合なので、途中、少しカット。そしてバッファローでの第6戦(スタンドは赤ではなく白)。これはCBCの放送をそのままアップしている(インターバルは一部カット)。
 ほかの3試合はフォックススポーツやESPNなのに、なんでこれはカナダの放送局なのか、最後にわかりましたよ。OTゴールを上から映してないんですね、この局。でも、ダラスの選手がカップを持ち上げているとき、スタジオで、ハルの足がクリースに入ったのではないか、あとで問題になるだろう、みたいなことは言っていた。そして、そのあとに、この件についてのNHLの言い分のビデオもアップされている。
 この映像を見る限り、選手もバッファローの観客も、この時点ではハルの足の問題に気づいていないようだ。試合後の表彰式では、スタンドからは時折ブーイングが聞こえるものの、拍手している人も多い。タナボタのデレク・プラントがカップを持ち上げたときは、さすがに大きなブーイングがあったが、ほかの選手のときはそんなになかったような感じ。セイバーズ・ファンはむしろ、このあと、ハルの足のことを知り、NHLが正しいジャッジをしなかったとわかってショックを受けたのではないか。セイバーズGMはこのとき、ビデオ・リプレイを要求したのに、受け入れられなかった。そこが問題なのだが(言うまでもないけど、ダラスには何の責任もない)、要するに、NHLの人たちがもう疲れてて、どーでもいいから早く終わりにしたかったんじゃねーの?
 んなわけで、このビデオ・アーカイヴはダラスの栄光の記録なのだけど、最後はちょっと、ケチがついてるわけである。
 なお、99年プレーオフ以外にも、マリオ復活の試合とか、メイプルリーフ・ガーデンズでの最後の試合とか、ベルフォア対ターコの師弟対決とか、ダラスでの最初の試合とか、なかなか興味深いビデオがある。ダラスの勝ち試合なんて見たくねえ、という人以外には、それなりに楽しめそうなラインナップ。まだ99年ファイナルしか見てないけど、プラントがプレーオフで1ゴールしてるはずなので、それを探して見てみよう(ファイナルはスクラッチでした)。


北海道対決を見る 06/1/10

 クリネックス@ネピア、釧路@苫小牧、日本製紙@王子製紙……いろいろ言い方はあるけれど、1月6日と7日に苫小牧で行われたクレインズ対王子の試合に行ってきた。
 札幌1泊2日の激安ツアー利用だったので、ホテルは札幌、6日の夜の試合のあとに特急で札幌に行ってチェック・イン、翌朝、今度は札幌から特急で苫小牧に、という日程。この特急が、なんだか知らないが、ものすごく混むのだ。まるで都心の通勤列車である。札幌-苫小牧の往復だけでもうぐったり。あとから考えたら、札幌のホテルはパスして苫小牧のホテルに自費で泊まるという手もあったんだな。とにかく苫小牧に行ったのは初めて。札幌は何度か行ったことあるけど、最後に行ったのは10年以上前なので、空港からJRで苫小牧に行くには乗り換えが必要だということを知らなかった!(昔は千歳空港駅から各方面への列車が出ていたのです。)
 そんなこんなで、あせりまくることが多かったのだが、苫小牧の駅から白鳥アリーナまでの歩道が全部、アイスバーン状態だったのにも困った。滑って転ばないように、おそるおそる歩いてアリーナに到着。釧路のアリーナもそうだったけど、ここも新しくて見やすく、音響がすばらしい。ホッケーは試合の合間に音楽が流れるので、音響がいいととっても気分がいいのだ(しかし、ホームの王子が得点すると、ベートーベンの第九が流れるのですね)。
 しかも、白鳥アリーナはほとんどが自由席。他のアリーナだったら指定席になるところが安い自由席料金で見られる。というわけで、まだスタンドがガラガラだったときにベンチ裏に陣取っていたら、しだいに応援団のような人たちが集ってきた。あれあれ、ここは応援団席だったの? と思っていると、クレインズ名物の応援が始まったでないの! どうやら、通路のすぐ隣りのブロックが応援団席のようなのだが、私のブロックも釧路から団体で来たようなお客さんがいっぱい。あとでわかったのだが、日本製紙ご一行様がバスを連ねて来ていたのだ。もちろん、私はクレインズの応援に来たのだから、ノー・プロブレム。敵地苫小牧でもこの一角はまるでホームのような雰囲気だった。

 クレインズ対王子は北海道対決ということで大変盛り上がるカードだそうだが、このカードはもしかしたらプレーオフを占うことになるかも、と思って、あえて行くことにしたのだ(12月の釧路のコクド戦に行ったのも同じ理由)。で、結果は12月のコクド2連戦同様、この王子戦もクレインズが2連勝した。6日は6対3、7日は4対2というスコアで、クレインズは多少あぶないところもあったが、ダーシのハット・トリックがあったり、クレインズの人気選手たちが次々ゴールしたりと、クレインズ・サイドとしては楽しい試合であった。プラントも2試合で3ゴール。特に6日の2ゴール目はパックを持って敵陣に切り込んでのゴールで、そのあと、派手なガッツポーズまで見せてくれた! いやあ、もう、拍手、拍手。釧路のコクド戦といい、この2試合といい、プラントは2ピリでゴールするってのがいいよね。だって、2ピリでゴールすると、ファンの目の前でゴールすることになるんだもの。ねらってるのかな。(ガッツポーズのゴールは3ピリでした。)
 年末から王子に加わった新外国人ポドーランは、経歴見たときに乱闘係みたいだなと思ったけど、やっぱりそんな感じであった。7日の試合は乱闘があったりして、ちょっととげとげしいところもあったのだが、夕方、空港へ行くと、雪のために飛行機が軒並み遅れていた。苫小牧は晴れていたのに、千歳に近づくにつれて吹雪になっていたのだ。帰りの飛行機、全日空かと思ったら、エアドゥーとの相乗り便だった。エアドゥーはねえ……飛行機狭いし、羽田に着いてからが大変(激安ツアーなんだから文句言うなって)。


新年早々やばい 06/1/9

 今年に入ってセイバーズは1勝2敗。年末から1勝1敗ペースになってしまって、ミニスランプとか言われている。現地時間1月7日のデビルズ戦も3対2で負け。1ピリでアフィノゲノフがゴールするが、すぐに3点取られ、3ピリ終了直前にヴァネクがゴールするもそこまで。ライトニング戦の途中でケガで退場したドゥルーリーがこの試合も欠場。ドゥルーリーがいないとフェイス・オフがまるで取れない。そして、Dの要ルドマンが風邪で欠場。ルドマンがいないとやはりDは不安定。同じDのフィッツパトリックがケガ人リストに入り、かわりに二軍からネイサン・ペイシュという新人が上がってきた。ペイシュは1アシストでNHL初ポイント。不評だったフィッツパトリックよりはいいと言われている。しかし、主力のケガで二軍から次々上がってくるので、二軍のアマークスが勝てなくなっている。セイバーズもこのままじゃ相当やばい。次の試合は12日なので、それまでにドゥルーリーとルドマンが戻ってくればいいが。
 7日は土曜ということもあって、バッファローのアリーナはソールドアウトだった。数時間前にオタワがハブスに負けてたので、勝てば1ポイント差に迫れたのだが……。これから西の強豪と当たることになるので、年明け早々、ほんと、やばいのである。


勝てば客は来る 06/1/8

 金曜と土曜は苫小牧にクレインズの試合を見に行ったのだけど、金曜の午前中はバッファローでセイバーズ対ライトニングの試合が行われていた。で、セイバーズの勝ちを確認してから北海道に出かけたのであるが、この日(現地時間で1月5日)のバッファローのアリーナは平日の夜にもかかわらず、ほぼ満員の盛況。セイバーズはこのところソールドアウトが続いていたし、これからもソールドアウトになりそうだというからすごい。「スター選手がいなくても勝てば客が来る」と一部の人たちが言っていたことが本当になりつつあるのだ。選手の年俸が安いので、今季は黒字になることがほぼ確定とか。今のセイバーズはみんなが家族のようにまとまっているらしいけど、オフになればまた賃上げ闘争でいろいろゴタゴタが起こるだろう。もしかしたら、今が一番いいときなのかもしれない。
 さて、そのライトニング戦、不調だったヘヒトと最近好調のドゥルーリーとタリンダー(写真)がゴールして、セイバーズが3対1で勝った。ケガで休んでいたカリーニンがこの試合から復帰。逆に、ドゥルーリーは軽いケガのために試合後半は出場しなかった。共同キャプテンの1人ブリエアが手術で2カ月は無理、かわりにもう1人のキャプテン、ドゥルーリーがチームの中心になって活躍していたのだが……ほんとにケガ人だらけなのに、よくやってると思うけど、これ以上、増えないでくれ。
 タリンダーは昨年、母国スウェーデンで起こしたスキャンダルでヒンシュクを買ったが、秋には子供が生まれて心機一転(てゆーか、奥さんが妊娠中の不倫だったんじゃねーの)、このところ、ルドマンの影響でディフェンスがよくなり、そしてゴールも増えている。
 この試合はしょっぱなからセイバーズがガンガン攻めていて、久々、安心して聞いていられる試合だった。でも、そのあと北海道へ出かけたので、だいぶ記憶が薄れてしまっている。まだ1日半しかたっていないのだけど。やっぱりちょっと疲れてます。苫小牧の話はまたのちほど。


手術とおめでた 06/1/6

 セイバーズと元セイバーズの選手たちのニュースをいくつか。まずはセイバーズの現役から。
 現地時間1月5日、ダニエル・ブリエアがモントリオールでスポーツヘルニアの手術を受ける。復帰までは最低8週間と見られている。
 1月3日、テッポ・ヌミネンに3人目の子供で初めての息子が誕生。おめでとうございます。

 元セイバーズで、昨年オフにデビルズと契約したモギルニーがウェイバーにかけられた。肝炎を患っていたエリアシュが復帰したため、キャップスペースを開ける必要が出たため。いくつか、名乗りをあげそうなチームはあるのだけれど、年俸350万ドルで2年契約がネックになりそう。それに、高いわりに成績が悪いのだ。セイバーズのファンの中には、モギルニーに古巣で選手生活を終えてほしいと思っている人もいるが、今のセイバーズにはモギルニーの入る場所がないのが現実。3月3日のラフォンテーヌの欠番セレモニーのときにモギルニーがいたらいいな、とは思うけどねえ。
 試合前のウォームアップで背中を痛め、アトランタ戦を急遽欠場したオタワのハシェックは、2日後のワシントン戦には出場。まさか仮病じゃないだろうな。コズロフに会いたくなかったんだったりして(笑)。オタワ戦でケガしたと思われたアイルズのジトニクは次の試合には出てたようだ。


正月早々 06/1/3

 元旦に近所の神社へ初詣でに行ったら、午後5時すぎだというのに長蛇の列。しばらく散歩して5時半頃戻ってもまだ長蛇の列。それどころか、どんどん人が来て並んでいる。並ぶのが嫌いな私はしかたがないので、近くのモスバーガーでコーヒーを飲み、6時をすぎて行ったら、さすがにもう並んでいなかった。
 この近辺は以前は元旦でも開いている店がいくつかあったのに、今年はみんな閉まっていた。なのにあの神社の混雑は何、と思ったのだけど、2日は雨。ああ、雨を予想してみんな元旦に来たのか。で、2日は近所の商店街へ行ったら、クリネックスが5箱で198円だったので買う。

 セイバーズは元旦のソールドアウトのホームで、フロリダ相手に負けてしまった。これでフロリダには3戦全敗。この前はルオンゴに「今季最高の試合」と言われたが、今回は「運がよかった」と言われたので、セイバーズもがんばったのだろう。ミラーも開始35秒のあのゴールがなければ……。元リーフスの2人にやられたのがやーな感じだし、マルタンHCに復讐されてるような気がしないでもないなあ。10月のワシントン戦と同じく、ニュートラル・ゾーンのトラップにやられてしまったのだ。セイバーズは他のチームにマークされてるから、これからは大変になるだろう。ただ、ゴールしたタリンダーが最近、非常にいいらしい。テッポのおかげでキャンベルが、ルドマンのおかげでタリンダーがすごくよくなっているとか。

 カナックスが「ミラーかビロンくれ、ミラーだったらいい選手出す」と言ったとかいう噂があるが、今度はアバランチがビロン獲得に乗り出すのでは、という観測が出てきた。というのも、ルオンゴ、ジゲール、コルズィグ、テオドアといったGはトレードされないという見方が強くなったからで、そうなると残るはビロン。ただ、アバランチは自前のゴーリーの誰かがブレイクしてくれる方が本当はいいに違いないのだが。でもって、一時しのぎでノロネン欲しい、というチームもあるらしい。が、セイバーズGMは3月まではGを動かさないつもりだとか。

 クリスマスは目一杯試合をしたアジアリーグ。しかし、クレインズは正月2日目から練習開始だそうである。もちろん、他のチームも同じだろう。ホッケー選手に正月はない。


大晦日から新年へ 06/1/1

 日本時間では大晦日、バッファローでは30日のアトランタ戦、セイバーズは4対1で快勝。正直、アトランタはこわいと思っていたので、意外な結果だった。
 開幕直後にゴーリーが次々とケガ、まともなGもいないし、Dはだめだしで、メタメタな状態だったアトランタは、12月に入ってガーネットという新人Gがブレイクしてしまい、もともとフォワードは強力なので連勝街道まっしぐら。じりじりと順位も上げてきていた。
 おまけにアトランタとセイバーズにはいろいろといわく因縁があって、オフにセイバーズをクビになった乱闘係ボールトンがいるし、GMのワデルはミラーとコノリーを選ばなかったチームUSAのGMだし、Gがいなくて困っていたワデルがノロネンくれと必死に頼み込んだのに断られたという逸話もある。
 そんなこんなで立て直してきたアトランタは、ケガから復帰したばかりのナンバーワン・ゴーリー、レトネンをセイバーズにぶつけてきた。セイバーズのゴーリーはもちろん、ミラー。ここでワデルをぎゃふんと言わせねば男がすたる。
 この試合、明らかにレフがアトランタにえこひいきしていて、セイバーズばかりがペナを取られていた。最後にアトランタがキレてペナ取られまくり、同じくらいになったが、それまではPPゴール・リーグ首位だとかいうアトランタ相手にセイバーズは次々とPKをしなければならないという状況。それでもついにPPゴールを許さず、逆に少ないPPで2ゴールを決めた。ミラーは完封を逃したが、アトランタのハートリーHCに「PKの立役者はミラー」と言わしめたほどすばらしかったようだ。レトネンは4点を許したものの、こちらもなかなかよかったようである。やっぱりアトランタは要注意。
 同じ頃にセネターズ対アイルズの試合があったのだが、五輪代表に選ばれたディピエトロは1ピリ途中でケガのため降板。ミラーが代表になる可能性が出てきた。また、この試合ではジトニクとアルフレドソンもケガしたようである。
 ケガといえば、ブリエアは精密検査の末、デュモンと同じスポーツヘルニアであることがわかった。手術が必要で、4月までは絶望らしい。
 それにしても、PKで、コバルチャク、ホッサ、ホリックといった名前が次々と出てくると、それだけでビビッてしまうが、よくぞ押さえたと思う。セイバーズはドゥルーリー、ヴァネクがみごとなゴールを決め、アフィノゲノフとグリアがだめ押しゴール。コノリー、ロイの動きもよかったとか、テッポとルドマンの影響でキャンベルやタリンダーがどんどんよくなっているとか言われている。
 アリーナもソールドアウトでオーナーほくほく。元旦のフロリダ戦もすでにソールドアウトらしい。また、この勝利で12月の勝ち星が70年代に作られたチーム記録に並んだ。セイバーズがこんなによい状態で2005年を終えるなんて、誰が想像しただろう(まだ信じられん)。

 ということで、新年明けましておめでとうございます。
 2006年元旦 さーべる倶楽部拝。