2015年2月27日

BookJapan書評「A Single Man」

シングルである人間という存在
「A Single Man」
クリストファー・イシャウッド著
初版1964年
http://www.amazon.co.jp/Single-Man-Vintage-Classic/dp/0099548828/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=english-books&qid=1290794241&sr=1-1

 ファッション・デザイナーのトム・フォードが監督し、主演のコリン・ファースがアカデミー賞にノミネートされたことで話題となった映画「シングルマン」(2009年製作、2010年日本公開)の原作である。初版は1964年、翻訳はまだない。
 著者のクリストファー・イシャウッド(1904-1986)はイギリス生まれのゲイの作家で、若い頃にヒトラー台頭期のベルリンですごし、その体験をもとにした「ベルリン物語」がのちにミュージカル「キャバレー」の原作となった。イシャウッドはアメリカで創作活動を続け、年の離れた若い同性の恋人を持ち、そして、ロサンゼルスの大学で教鞭をとっていたこともあった。
 小説の舞台ははキューバ危機の1962年頃のロサンゼルス。イシャウッドの分身ともいわれる主人公ジョージは、大学で英文学を教えるイギリス人の大学教授である。最近、彼は同性の恋人ジムを自動車事故で失い、悲嘆にくれている。映画ではジョージの年齢は40代前半とされ、絶望したジョージが自殺を決意し、今日を人生最後の日にしようとする物語に変えられているが、原作のジョージは58歳で、しかも、彼は自殺など考えてはいない。
 それでも、彼の一日は絶望から始まる。小説の冒頭、ジョージが「彼(he)」ではなく、「それ(it)」という代名詞で表現されているのにまず驚く。朝、目覚めた彼(いや、むしろ、それ)は、浴室の鏡に向かい、自分を認識して初めて、「彼」となる。
 心ここにない喪失感は、「彼」となってからも続く。キッチンの狭い入口で、もはやジムとぶつかることなどないのだという認識。広い家には自分ひとりしかいないのだという認識。
 原作のジョージのこうした喪失感、悲しみ、絶望をモチーフにして、トム・フォードはみごとな映画を作り上げた。全編に漂う死の影と、それでも世界は美しく輝いているという発見。スタイリッシュな映像と、出演者たちの的確な演技が、マイノリティであるゲイの大学教授の悲しい愛の物語をこの上なく美しい映画に結晶させていた。
 しかし、原作を読むと、イシャウッドの描いた世界は映画ほど単純でないことに気づく。マイノリティの問題ひとつをとっても、原作はより複雑で奥が深い。
 ジョージが住む家は、白人の中流家族が住む郊外の住宅地にある。白人の中流家族とはまさにマジョリティの典型であり、結婚もせず、子供も持たず、しかもゲイであるジョージのような人間の対極にある多数派だ。その上、彼はイギリス人である。ジョージは自宅の敷地にまで入り込んで騒ぐ子供たちに辟易し、キューバ危機で戦争を煽る政治家に怒りを感じ、核戦争に備えて核シェルターを買うことができる金持ちに憤りを感じる。戦争が始まれば、犠牲となるのは貧しい人々やマイノリティといった弱者であることは明らかだからだ。
 その一方で、彼は冷静な大学教授でもある。英文学の講義で、オールダス・ハクスリーが小説の登場人物に「人を憎むのには理由がある」といわせたことについて、学生から「ユダヤ人の迫害にも理由があるのか、ハクスリーは反ユダヤ主義なのか」ときかれる。ジョージは、ハクスリーは反ユダヤ主義ではないと答えた上で、マイノリティとマジョリティについて、次のように語る。
「たとえば、そばかすのある人間は、そばかすのない人間にとってマイノリティではない。今、ここで議論しているような意味でのマイノリティではないんだ。では、なぜ、彼らはマイノリティではないのか。マイノリティは、それがマジョリティに対して、現実であれ想像上であれ、ある種の脅威になるときだけ、マイノリティとして意識される。そして、どんな脅威もまったくの想像上のものということはない。それは違う、という人はがここにいたら、自問してみるといい――もしもこの特定のマイノリティが、一夜にしてマジョリティになったとしたら、彼らはいったい何をするだろうか、と」(新藤訳)
 迫害にも理由はある、ただし、それは間違った理由だが、それでも理由はある、と彼はいい、そしてさらに、人間はみな同じだと考えることが間違いであること、違いを認めることがたいせつであることを述べる。そして、マジョリティが悪でマイノリティが善だとする紋切り型の考えも批判する。
 この場面は映画でも印象に残るシーンだったが、マイノリティとマジョリティに関する彼の柔軟な考え方は原作でじっくりと読んだ方がよりよく理解できる。そして、物語が進むにつれて、この小説がマイノリティについての単純な話ではないことがしだいに明らかになっていく。
 タイトルの「A Single Man」とはどういう意味だろうか。普通に考えれば、それは「独身の男」であり、この小説にあてはめれば、恋人を失って「独り身になった男」である。しかし、同時に、この言葉には、「一人の人間」、「一人(シングル)である人間」という意味も含まれる。「シングルである」ということは、「孤独である」ということとは意味が違う。人間は究極的には一人であり、個である、その個人としての「シングルである人間」ということになる。
 そう、人間は究極的には一人であり、個であるのだが、しかし、人間は一人では生きられないのもまた真実だ。どんなに人付き合いが下手で、ひきこもりになっている人でも、つながりのある人間はいるはずだ。人間は個であり、シングルであるのだが、常に他の人と結びつき、集団の中の一人になる。その集団がマイノリティである場合もあれば、マジョリティである場合もある。マジョリティに属している人も、究極的には個であるのだ。
 小説の後半、非常に短い場面だが、印象的なシーンがある。近所に住む古いつきあいのイギリス人女性チャーリーの家へ行こうとしたとき、隣人が、家に来て私たちと一杯やりませんか、と誘いに来る。ジョージがゲイであることを承知で、彼を招いてくれたことを知った彼は、非常にうれしく思うが、チャーリーとの約束があるので、明日の晩はどうかという。すると隣人は、明日は来客があるので、と言葉を濁す。自分にクイアー(ゲイのこと)なところがあるのが客にわかると気まずいからだろう、とジョージは思う。しかし、この場面は、マジョリティにもさまざまな人がいて、一人一人が違う人間だということを示唆している。
 女性の友人チャーリーと、ジョージの講義に感銘を受け、彼の話を聞きたがる男子学生ケニーは、映画の中でもジョージに次ぐ重要な人物だが、この二人も映画と原作では設定が違っている。チャーリーは第二次大戦終戦後、米兵と結婚してアメリカに来たイギリス人で、夫とは離婚、一人息子は遠くへ行ってしまっている。彼女もまた、シングルになってしまった人間なのだ。また、映画では彼女はジョージの元恋人ということになっているが、原作では彼女はジョージとジムを見守ってきた女性である。ジョージがチャーリーに会いにいくとき、そこには常にジムの影がつきまとう。ジムを失った喪失感と悲しみをジョージが最も感じるのは、チャーリーと会うときである。
 映画ではジョージを慕う学生のように描かれたケニーは、原作では日系人の恋人がいる。彼女、ロイスは戦争中、家族とともに日系人の強制収容所に入れられ、そのトラウマが二人の上に影を落としている。迫害されるマイノリティのテーマがここで小さく変奏され、恋人同士ではあっても究極的にシングルである二人の姿が垣間見える。
 一日の最後に、ジョージはある風景を思い描く。北に数マイル行ったところにある岩浜では、引き潮になると小さな水溜りがいくつもできる。そのひとつひとつにジョージは知り合いの名前をつける。潮が満ちてくれば、ひとつひとつの水溜りは海の中に沈んでしまう。水溜りの水は大洋の水と同じだろうか。
 このくだりはあまりにも美しく、さまざまな解釈が可能であり、著者は答えを出さない。個々の人間の存在とはいったい何なのか。究極的にはシングルである存在であり、そして、一個の肉体である人間とは。恋人を失った悲しみや、マイノリティの問題は、いつしか、普遍的な人間の存在についての物語となる。その過程を、一字一句、かみしめるようにして読まなければ、このくだりの美しさは味わえない。文学とは、そういうものなのだと思う。
(新藤純子)

BookJapan書評「アフリカの女王」

男女逆転の痛快コメディ
『アフリカの女王』
セシル・スコット・フォレスター著 佐和誠訳 ハヤカワ文庫NV(初版1979年)

 狭い世界しか知らない良家の令嬢がのっぴきならない事態に遭遇、そこに現れた粗野だが実用的な男に助けられ、一緒に旅をするうちに、けんかしながら恋に落ちる……『或る夜の出来事』のような恋愛コメディから、『アフリカの女王』や『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』のような冒険ものに至るまで、映画の世界では超おなじみのこのパターンは、最近ではトム・クルーズとキャメロン・ディアス主演の『ナイト&デイ』にもその要素が見られる娯楽映画の王道。たぶん、小説にもこういうパターンは探せばあるのではないかと思うが、基本的にこのパターンはコメディなので、映画の方が生きるということは言える。
 さて、海洋冒険小説の大家、セシル・スコット・フォレスターの『アフリカの女王』は、ジョン・ヒューストン監督による映画があまりにも有名で、さらに、その映画の撮影裏話から、クリント・イーストウッド監督・主演の『ホワイトハンター ブラックハート』という映画まで生まれている。
 そんなわけで、映画の方が原作より有名になってしまった例の1つがおそらく『アフリカの女王』。そして、たぶん、映画と原作はそれほど大きく違わないだろう、と勝手に考えていた私は、これまでフォレスターの原作を読んでいなかった(すみません)。
 しかし、今回、あることがきっかけで、原作を読むことを決意。某大書店の高い棚のてっぺんに売れ残っていた……もとい、陳列されていた『アフリカの女王』を、移動式の小さな階段のようなものに登って手を伸ばし、ようやくゲット。ふーむ、本を買うところからプチ冒険じゃん、と思いながら読み始めた。
 最初はだいたい予想どおり。宣教師の兄の助手としてアフリカの奥地に渡ったヒロイン、ローズはそこそこよい家のお嬢さんで、狭い世界しか知らず、兄をひたすら尊敬している。ところが、兄が布教を続ける地域をドイツ軍が蹂躙し、失意の末に兄は死亡、ローズはドイツ軍に復讐を誓う。そこへ都合よく現れたのがオンボロ蒸気船の船長で技師のオルナット。ロンドンは下層階級の出身で、コクニー訛りを話し、粗野で教養もないが、世渡りの経験は多数。渡りに船とはこのことで、ローズはオルナットにドイツ軍への復讐をもちかける。オルナットの蒸気船〈アフリカン・クイーン〉の先端に魚雷をつけて、ドイツの軍艦〈ケーニギン・ルイゼ〉に突っ込み、軍艦を沈没させようというのだ。冗談じゃねえ、とオルナットはやめるよう説得するが、ローズは聞かない。祖国イギリスへの愛国心を振りかざし、オルナットを説得、こうして2人は川下りの旅に出る。
 この冒頭部分は人物描写がいくぶん乱暴で、説得力に欠ける面もあるが、よく読んでみると、兄の復讐とかイギリスへの愛国心というのは実はみせかけで、本当はローズは兄の死によって解放されたのだということがわかる。兄を尊敬し、兄に従っていたが、本当は彼女はキリスト教の教義やヴィクトリア朝的道徳観が嫌いで、そんなものはかなぐり捨てて、とにかく冒険がしたかったのだ。船の操縦の技術を信じられないようなスピードで身につけた彼女は、すぐさま〈アフリカン・クイーン〉の女艦長となり、オルナットは彼女に従う副官になってしまう。
 このあたりから、原作はこの手の映画のお定まりのパターンとはまったく違う様相を見せてくる。お定まりのパターンでは、ヒーローは粗野だが経験豊富なたくましい男で、ヒロインは彼との出会いによって変化していくのだが、『アフリカの女王』の原作では、たくましいのはオルナットではなく、ローズの方なのだ。対するオルナットは、この手の冒険もののヒーローとしてのかっこよさがどこか欠けている。彼は小柄な男であり、男らしさというものとは無縁な男なのだ。急流を下る冒険をしたあと、女としての輝きを増したローズに対し、オルナットは次のように描写されている。
「オルナットがなにゆえにほんのすこし――ばっちりではなく、ほんのすこし――だけ男らしさを身につけるにいたったか、これをさぐるのは典型的に心理学上の問題といっていいだろう。なぜなら、これまでながいあいだ、幼いスラム時代にはじまり、罐炊き部屋にいても、機関室にいても、あいまい宿にいても、はたまたウランガ金山の気楽にへつらうことのできる白人専用の食堂にいようが、とにかく一貫して彼には男らしさなどこれっぽっちも求めうべくもなかったのだから。」(pp.124-5)
 要するに、オルナットはローズとの冒険で初めて男らしさが出てきたというわけだ。
 ローズとオルナットの関係はまるで女王様と下僕のようで、オルナットが常にローズを見上げている。また、2人の恋愛関係も、ローズはオルナットに母性本能を感じ、オルナットはローズの母性的なやさしさにひかれている。これはたぶん、オルナットの方が年下だからではないかと思ったが、案の定、最後の最後になって、オルナットが30歳であることがわかる文章が出てきた(p.300)。対するローズは最初に33歳であると書かれているから、オルナットはやはり年下なのだ。
 また、肉体的にも、ローズはがっしりした体つきと書かれ、オルナットは小柄でやせぎすと書かれている。性格も、怖いもの知らずで行動的なローズに対し、オルナットは彼女を補佐する役に徹している。
 これって、もしかして、男女逆転?
 と思ったら、まさにそのとおりだった。
 物語のクライマックス、沈没した蒸気船から投げ出された2人がドイツの軍艦に連れてこられたとき、オルナットはなんと、ローズの下着を身につけているのだ。実は冒険のさなかにオルナットは自分の服を雑巾にして使い切ってしまい、服がなくなったので、フリルのついた女の下着を着けるしかなくなったのである。一方、ローズはドレスが破れ、胸もあらわになりかかっているので、ドイツ軍人は海軍士官の制服をローズに着せる。オルナットは女性の下着を、ローズは男の軍服を身につけるわけである。男女逆転、ここにきわまれり。
 この小説が出版されたのは1935年。30年代は確かにアメリカなどでは女性が男勝りな活躍をしていた時代ではあるけれど、こんな昔に男女逆転のコメディを書いてしまうとは、恐るべしフォレスター。もしかして、映画化よりこっちの方がユニークな傑作じゃないだろうか(映画と原作は結末の部分が違う)。
 大胆不敵に船を操るローズはあるときはワルキューレにたとえられ、また、何度かジャンヌ・ダルクと重ね合わされている。彼女の愛国心は、フランスへの愛国心から剣を取ったジャンヌ・ダルクのパロディに違いない。フォレスターの筆致はユーモアと皮肉に満ちていて(翻訳がまじめなのでわかりにくいが)、最後まで痛快なコメディであり続ける。「わたしたち、結婚すべきだわ」と宣言するローズに、「ひえーっ」と叫ぶオルナットは、結局、プロポーズを受け入れる(これも男女逆転)。そして、最後の一文がふるっているのだ。
「そのローズとオルナットが以後仕合わせに暮らしたかどうかは、他のかるはずみに容喙しうることではないだろう。」(p.300)
 おっと、これは日本語が古くてわかりづらい。原文はこうだ(ウィキペディア英語版の『アフリカの女王』の項より)。
「Whether or not they lived happily ever after would be difficult to say.」
(2人がその後、幸せに暮らしたかどうか、それを言うのはむずかしいだろう。)
 「they lived happily ever after」はもちろん、おとぎ話の結末の常套句。そこをひねっているのが面白い。
 冒険小説の部分については特に触れなかったが、結末近く、白旗を掲げたドイツ軍艦とイギリス軍の騎士道精神あふれるやりとりのシーンがすばらしい。そしてそのあと、〈ルイゼ〉、〈マチルダ〉、〈エミリア〉と、女性の名前のついた軍艦同士の戦闘が始まる。海の戦いでは、女性はまず第一に軍艦なのであり、強くたくましく包容力のあるローズは、男たちが身を寄せる軍艦の化身なのかもしれない。
(新藤純子)

BookJapan書評「コペンハーゲン」

文系人間の不確定性原理
『コペンハーゲン』
マイケル・フレイン著 小田島恒志訳 ハヤカワ演劇文庫 2010年

 1994年の猛暑の夏、涼を求めてドトールやカフェ・ベローチェをハシゴしながら、私が夢中になって読んでいた1冊の分厚い洋書があった。大判で600ページにもおよぶその本は、デヴィッド・C・キャシディというアメリカの物理学者が書いた『Uncertainty: The Life and Science of Werner Heisenberg』(1992年出版)――1920年代、量子力学という新しい分野で不確定性原理という理論を生み出したドイツの天才物理学者ヴェルナー・ハイゼンベルクの伝記である(翻訳は4年後の1998年に『不確定性――ハイゼンベルクの科学と生涯』として出版された)。
 それはまるで小説のように面白い本だった。20世紀のはじめにドイツに生まれた若き天才が、コペンハーゲンの物理学者ニルス・ボーアのもとに集まった同世代の若い科学者たちと量子力学を研究し、画期的な理論を打ち立て、ノーベル賞を受賞。しかし、ナチスが台頭した30年代には、仲間のユダヤ人科学者たちは次々と亡命、反ナチのハイゼンベルクも亡命をすすめられたが、彼はドイツに残り、やがて、ナチスのもとで研究者としての地位を得る。
 ハイゼンベルクのこのような生涯は、『部分と全体』という自伝もあり、すでに知られたことではあったが、キャシディの本はハイゼンベルクをまるで小説の主人公のように描いていた。特に、ボーアや仲間たちとの研究からすばらしい成果を上げた光り輝く青春時代が、やがてナチスの台頭によって悲劇の時代となり、純粋な学問だった原子物理学が原爆という最悪の結果をもたらすという史実は、楽園喪失のドラマそのものだった。若き日のハイゼンベルクを物理学の英雄として崇拝するキャシディは、ナチスの時代に亡命もせず、反ナチ活動もしなかった彼を許せなかった。キャシディにとって、ナチス時代のハイゼンベルクは堕ちた英雄である。伝記の後半はハイゼンベルクへの批判の言葉が多くなり、前半のわくわくするような筆致は影をひそめてしまう。
 理系が苦手な私が、この本を――ハイゼンベルクの生涯だけでなく、量子力学の難解な解説や数式も多数含むこの長大な本をわざわざ原書で読もうと思ったのは、94年春に翻訳が出版されたトマス・パワーズ著『なぜ、ナチスは原爆製造に失敗したか――連合国が最も恐れた男 天才ハイゼンベルクの闘い』を読んだためである。アメリカのジャーナリスト、パワーズは、ナチスのもとで原爆製造にかかわっていたのではないかと疑われたハイゼンベルクについて、実は彼は、ナチスの原爆製造を阻止するためにドイツにとどまり、原爆製造は無理であると上層部に思い込ませることで、ナチスが原爆を手に入れることを防いだのだと主張する。ハイゼンベルクがドイツで原爆の研究をしていなかったことはすでに証明されているが、それは単に、ドイツの科学が遅れていたからだというそれまでの定説に対し、パワーズはハイゼンベルクが積極的に原爆製造を阻止したのだと論じる。そして、返す刀で、ロス・アラモスで原爆製造を成し遂げ、広島と長崎に投下してしまったアメリカを批判している(アメリカではいまだに、原爆投下は終戦を早め、犠牲者を減らしたという論が主流であることを考えると、アメリカ人のパワーズによるこの本の異端ぶりがわかるだろう。当時、スミソニアン博物館が原爆投下の被害に関する展示を行なおうとしていたが、国内の強い反発にあい、規模の縮小を余儀なくされるということがあった)。
 パワーズの本はミステリーのように面白いノンフィクションで、翻訳もこなれて読みやすかった。ただ、翻訳を読んだだけで誤訳や訳抜けがわかる箇所があり、気になった私は原書『Heisenberg's War』(1993年出版)を購入、本を開いてみて、驚いた。原書には膨大な注がついていて、しかも注の文章が非常に長い。これほど長い注はもはや注ではなく、本文の一部であり、ここがあるかないかで本の内容が違ってくるとさえ思えた。また、結末の部分が原書と翻訳では内容が大きく違っていたが、これは著者がどこかで本文を差し替えたのかもしれない(翻訳の方が原爆投下を非難するトーンが強い)。
 そして、翻訳では省略された注の部分から、このパワーズの本が前述のキャシディのハイゼンベルクの伝記に対する反論であることがわかったのである。キャシディは、ハイゼンベルクが基本的に反ナチであること、ユダヤ人科学者の亡命に尽力したことは認めたが、積極的に反ナチ活動をしなかったという点で、彼を強く非難していた。それに対し、パワーズは、ハイゼンベルクは積極的にナチスの原爆製造を阻止したのだ、という反論を展開したわけである。
 前説が長くなったが、マイケル・フレインの劇『コペンハーゲン』(初演1998年、ロンドン)は、「作者あとがき」にもあるように、1992年と93年に相次いで出版されたキャシディの伝記とパワーズのノンフィクションの影響を強く受けている。特にパワーズの『なぜ、ナチスは原爆製造に失敗したか』から多大なインスピレーションを受けたことは明らかで、フレインは「私はこの本を、特に他の劇作家や映画の脚本家に推薦します。ここにはさらに何本かの戯曲や映画を作る材料が揃っているからです」と述べている。
 ハイゼンベルクは原爆の研究に対し、どのような態度をとっていたのか。その疑問は、1941年、ハイゼンベルクがドイツ占領下のデンマーク、コペンハーゲンへ行き、かつての恩師ボーアの家を訪ねた1日に集約される。その日、ハイゼンベルクがボーアを訪ねたのは事実であり、そこでハイゼンベルクはボーアにあることを告げ、それが2人を決裂させたことも事実である。その日を境に、ハイゼンベルクはボーアをはじめとするかつての仲間たちから完全に敵とみなされ、戦後も彼らから許されることはなかった。
 あのとき、ハイゼンベルクがボーアに何を言ったのかは明らかになっていない。戦後になって、ハイゼンベルクは「一物理学者に、原子力エネルギーの実践的活用を研究する道徳上の権利はあるのでしょうか」と言ったのだと語ったが、ボーアはそれを否定。数年たつ間に記憶が変容することを考えると、事実は闇の中である。
 フレインはこの問題の1日を、ボーアと夫人のマルグレーテ、そしてハイゼンベルクの3人の台詞で構成していく。時代は現代で、3人はすでに幽霊になっているが、その語りの中で、彼らは1941年のあの日に帰る。ハイゼンベルクがボーアの家へやってきて、扉をたたく。ボーアが彼を迎える。

ボーア やあ、ハイゼンベルク君!
ハイゼンベルク こんにちは、ボーア先生!
ボーア さあ、入った、入った……

 このやりとりは劇中、何度も繰り返される。ボーアの家には盗聴器が仕掛けられていたので、2人は外へ散歩に出る。そこで何が語られたのか。ボーアとハイゼンベルクとマルグレーテは記憶をたどりながら、さまざまなことを語る。全2幕の劇のうち、第1幕はおもに、パワーズが『なぜ、ナチスは原爆製造に失敗したか』で主張したことがドラマの基本となっている。すなわち、ハイゼンベルクはナチスが原爆を持つことを防ぐためにドイツに残り、研究者としての地位を得て、原爆製造が不可能であると上層部に思わせ続けたのだということ。それに対し、アメリカへ亡命した科学者たちはドイツが原爆を持つことを恐れて原爆製造に全力を注いだこと。そして、ハイゼンベルクがボーアに言いたかったのは、自分たちがドイツで原爆製造を阻止するから、連合国の科学者たちにもそうしてほしいということだったのだということ。
 第2幕になると、時代は1920年代にさかのぼり、コペンハーゲンのボーアの研究所に集まった若き科学者たちが原子物理学について喧々諤々の議論をした日々が回想される。ボーアとハイゼンベルクとの間には父と息子のような絆が生まれ、それはまさに黄金時代だった。第2幕の後半では、原子爆弾の実現にはどれだけのウランが必要であるかについての議論がかわされる。ハイゼンベルクをはじめ、科学者たちは大量のウランが必要なので原爆製造は無理だと思っていた。しかし、連合国側の2人の科学者がやがて正しい計算をし、原爆製造にはそれほど多くのウランは必要ないことがわかる。ハイゼンベルクほどの天才がなぜ、そのことに気づかなかったのか。気づいていたけれど、ナチスに原爆を作らせないために隠していたのか。あるいは、原爆を作りたくないという無意識が、彼が正しい計算をするのを邪魔したのか。
 ふたたび、前説に戻ろう。パワーズのノンフィクションを読んだとき、私が感じたのは、ハイゼンベルクが積極的にナチスの原爆製造を阻止したというのはいくらなんでも話ができすぎているということだった。かといって、キャシディの伝記に代表されるハイゼンベルク非難――彼は時代に流されてナチスに協力する形になったが、原爆の研究に関してはまったく無能であり、それゆえにナチスは原爆製造を断念したのだという考え方も納得できなかった。真相はおそらくその中間にあると思った。ハイゼンベルクは積極的に原爆製造を阻止したわけではなかったが、原爆を作りたくないという消極的な気持ちが結果的にナチスの原爆製造を阻止したのだろう、ということである。
 『コペンハーゲン』もこの結論(おそらくは世界中の読者の結論)を基本にしている。ハイゼンベルクは無意識のうちに原爆を拒否する行動をとったが、彼自身はそのことがわかっていないので、戦後、不可解な発言をし、真相は闇の中になっているという考え方を打ち出している。そしてフレインは、ハイゼンベルクのこのような状態を、ハイゼンベルク自身の不確定性原理のたとえで説明していく。すなわち、量子には粒子と波動の両方の特性があり、どちらになるかは観察者の状態によって決まる。言い換えれば、ある事柄を完全に客観的に見ることは不可能で、それは見る人によって違うということ。
 ハイゼンベルクの行動が見る人によって違って見えるということ、そしてなにより、本人も自分のことがよくわかっていないということを描くために、フレインは3人の登場人物を極力、本物に近づけたようだ。3人がどのような話し方をするかを調べ、台詞も実際に発言したことをもとにしている。恣意的な創作といえる部分は、こうした事柄をいかに組み合わせて並べるかというところだが、そこも、簡単に作者の意図が読めるような構成はしていない。むしろ、台詞は量子のようにいくつものスリットをすり抜け、姿を変え、読者を翻弄する。中心となる物語の合間に何度も繰り返される、水死したボーアの息子、人間の魂の闇だというハムレットの居城エルシノア、ポーカーの想像上のストレートといったイメージが、しだいに物語の核に結びついていく。
 『コペンハーゲン』の結末は、ハイゼンベルクとボーアが”話し合わなかった”ことの重要性を語っている。ハイゼンベルクが原爆の可能性を口にしたとき、ボーアがそれ以上の話し合いを拒否し、2人が決裂したことで、世界が救われたという可能性を、この劇はほのめかしている。この劇は多くの資料から成り立っているが、フレインの言うように、この部分だけは彼の創作だろう。今書いたことはある種のネタバレなのだが、この劇はネタバレによって失われるものは少ない。私はこの文章を書くために都合、3回、劇を読んだが、何度読んでも言葉の波に翻弄され、新たな体験をする。結末は必ずしも重要ではない。
 最後に、不確定性原理を量子以外の世界に適応する是非について、書いておかねばならない。私が不確定性原理を知ったのは1970年代末だったが、当時は文学の世界ではロラン・バルトなどの構造主義のすぐ後ろに脱構築の足音が迫っているという時代だった。その頃、英文学を研究していた私は、「量子のふるまいは観察者の状態によって決まる」という不確定性原理に、文学のテクストは読まれることによって初めて意味を持つという当時の文学論との共通点を感じた。それからハイゼンベルクの自伝『部分と全体』を読み、その哲学的思索に魅せられるようになったのだが、その一方で、理系の人々が、不確定性原理は文系の人が考えるようなものではないと主張していることもわかった。
 『コペンハーゲン』は不確定性原理を人間にあてはめているという点で、すでに理系を離れ、文系人間の不確定性原理になっているが、フレインは「作者あとがき」で次のように述べている、「不確定性という概念が、日常語に転化した科学的発想の一つであり、もともとの意味を失ってしまうほどに一般化していることは事実です」。『コペンハーゲン』に登場するハイゼンベルクは、天才でありながら、自分が見えていない子供のような人物でもある。その不確定性は、物語を愛する文系人間を永遠に魅了してやまないだろう。
追記 『コペンハーゲン』は日本でも舞台で上演されているが、私は見ていない。また、この劇は2002年にイギリスでドラマ化され、ダニエル・クレイグがハイゼンベルクを演じている。

関連図書(和書のみ)
『部分と全体――私の生涯の偉大な出会いと対話』ヴェルナー・ハイゼンベルク著 みすず書房(1974年)
『なぜ、ナチスは原爆製造に失敗したか――連合国が最も恐れた男 天才ハイゼンベルクの闘い』(上・下)トマス・パワーズ著 福武書店(1994年)
同、文庫版(上・下) ベネッセ(1995年)
『不確定性――ハイゼンベルクの生涯と科学』デヴィッド・C・キャシディ著 白揚社(1998年)

(新藤純子)

BookJapan書評「最初の人間」

カミュの遺作『最初の人間』を読む
『最初の人間』
アルベール・カミュ著 大久保敏彦訳 新潮社(1996年)
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%88%9D%E3%81%AE%E4%BA%BA%E9%96%93-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%A5/dp/4105015079/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1346255111&sr=1-1

 アルベール・カミュの未完の遺作であり、自伝的小説である『最初の人間』が映画化され、絶版になっていた本書が10月に文庫で復刊されることになった。
 カミュといえば『異邦人』や『ペスト』のような代表作はいまだに多くの読者をひきつけているが、未完の小説というよりは書きかけの草稿といった方が適切な『最初の人間』は日本ではあまり読む人もいなかったのか、絶版になっていたようだ。中学時代にカミュの愛読者であった私も恥ずかしながら本書は読んでおらず、今回は図書館のお世話になった。新潮文庫は絶版速度がことのほか速いので、文庫が出たらすぐ買うつもりである。
 本書はカミュの自伝的小説ということで、主人公ジャック・コルムリイの体験はかなりの部分が著者の体験を反映しているらしい。第一次世界大戦が始まる直前にアルジェリア移民の息子として生まれたジャックは、生後1年もしないうちに父親を戦争で失う。母親は祖母と叔父のもとに身を寄せて2人の息子(ジャックと兄)を養うが、兄についての話はあまり出てこない。ジャックの家は祖母も叔父も母親も読み書きができず、母親は聴覚障害者で、叔父にも障害がある。教養もなく貧しい彼らは、子供は小学校を出たら働くものだと思っていて、ジャックもそうなるはずだったのだが、彼の優秀さを認めた小学校教師が奨学金を得てリセに進学することを薦め、祖母たちを説得してくれる。
 カミュ自身、このような貧しい家に生まれ、小学校教師ジェルマンのおかげでリセに進学し、大学まで進んで作家になったという背景がある。本書の最後に、カミュとジェルマンの間でかわされた2通の手紙が掲載されているが、こうした運命の偶然がなければ、カミュはアルジェリアの貧しさの中に埋没してしまったのかもしれない。
 本書には個人の努力とか自己責任とかいった言葉ではどうにもならない過酷な世界が描かれている。生きるためにただひたすら労働に従事する人々。トイレに落ちた硬貨を探して手を突っ込む祖母。きびしい労働に疲れ、休みたくなるたびに手を傷つけていた叔父。生活するだけで精一杯なので信仰についてもいいかげんになる現実。こうしたぎりぎりの生活を強いられている人々に、自己責任や個人の努力などという言葉は通用しない。
 フランスの植民地であったアルジェリアでは、アラブ人などの先住者がフランスからの移民に凄惨な攻撃を加えていたということも書かれている。フランス人も同じことをしていたとも書かれてはいるが、ジャックが聞かされた殺戮や陵辱の事件に加え、アルジェリア独立をめぐるテロ事件もあり、ここが血と暴力と背中合わせの世界であることを示唆している。
 そのような世界で育ったジャックは奨学金を得てリセへ行き、その後、おそらくフランスに渡って成功したのだろう。「第一部 父親の探索」は40歳になった彼がアルジェリアに戻り、記憶にない父親がどんな人だったかを探ろうとする。これが枠物語となり、その中で追憶の子供時代、特に小学校時代が描かれる。この追憶の部分の生き生きとして鮮やかな描写の数々が本書の魅力だ。
 一方、父の探索をする現在のジャックは、母親をはじめ、さまざまな人を訪ねてまわるが、父親に関してはほとんど得るところがない。結局、父親については何もわからないまま終わる。その理由として、彼は次のように語る。

貧者の記憶というものはもうそれだけで裕福な者の記憶ほど充実していない。なぜなら貧者は滅多に生活している場所を離れないので空間における指標が少ないからだし、また一様で、灰色の生活の時間の中にも指標が少ないからである。もちろんこの上なく確実だと言えるような心の琴線に触れる記憶もあるのだが、心が苦しみや労働ですり減ってしまうので、疲労の重みの下で、それもすぐに忘れられてしまうのだ。失われた時が蘇るのは裕福な者のうちでしかない。貧者にとっては、失われた時はただ死に向かう道の漠とした道標だけである。それに、首尾よく耐えていくためには、あまりたくさんの記憶は必要ない。(p.78)

 読み書きもできず、貧しさに追われて働くだけの毎日では、記憶は失われてしまうのである。記憶に残らなければその人は存在しなかったに等しくなる。こうして人々は貧しさの中に埋没し、その存在を失っていくのだ。ジャックも、そしてカミュも、小学校教師の助けがなかったら、貧しさの中に消えていったのかもしれない。
 しかしながら、カミュの描くジャックの少年時代のエピソードは貧しくも豊かな体験であり、太陽の熱さや風の強さ、甘いお菓子や図書館で借りた本のインクの匂いといった五感で感じる体験をはじめ、学校や家庭や近所で起こるさまざまな出来事や事件が生き生きとした筆致で描かれている。書きかけの草稿であるためにそれらは断片的ではあるが、思わず読みふけってしまうほどの豊饒な語り口である。しかし、こうした貧しい世界の豊饒さはカミュがこの世界からステップアップしたから生まれたものなのであり、そうでなければ失われてしまったものなのだろう。
 別の世界へステップアップすることによって、人は新しい世界に違和感を持ち、同時に新しい世界を知ったことでそれまでの世界にも違和感を持つ。
 「第二部 息子あるいは最初の人間」では、リセに進学したジャックが描かれるが、バカンスというものを知らない祖母は夏休みに孫が遊んでいるのはけしからんと考え、アルバイトをさせる。ジャックの仕事はビルの中の事務所の手伝いである。真夏の太陽を奪われた場所で、額に汗して働くのではなく、仕事を右から左に動かすだけの作業にジャックは疑問を感じる。

現実に、長い夏は、ジャックにとって、薄暗く光のない日々とつまらない仕事のために使われてしまった。「何もしないでいるわけにはいかないんだよ」と祖母は言っていた。ジャックがまさしく何もしないでいるという印象をもったのはこの事務所の中であった。彼にとって海やクーバでの遊びは何ものにも代えがたかったが、彼は働くことを拒否はしなかった。しかし真の労働というものは、彼にとっては、例えば樽工場での仕事のようなものであり、長い筋肉労働、一連の巧みで正確な動作、あるときはきつくあるときは軽やかな手の動きであり、その努力の結果が現れるのが目に見えるような労働であった。つまり、亀裂が一つとしてなく、立派にできあがった新しい小樽、そのとき労働者たちはじっとをそれを眺めることができた。(p.233)

 彼はまた、孫に短期の仕事をさせるために祖母が嘘をついたことを悩むのだが、それも含めて、このエピソードは読み応えがある。
 リセに進学することで、極貧の下層社会にいたジャックは裕福な中流の世界に入っていくが、そこはジャックの下層社会の常識がまるで通用しない別世界である。そのために彼は誤解を受けることもある。リセで初めて中流の世界に触れ、その世界では自分は異邦人であることを感じ、また、中流の世界を知ることで逆に自分の世界に対しても異邦人であると感じるようになる。この感覚は、下の社会から上の社会へとステップアップした経験を持つ者なら痛いほどわかるはずだ。
 カミュにとって最初の人間とは、文化的資産を持たない貧しい両親のもとに生まれ、無から出発する人間のことである。かつて、日本もそのようにして生まれ、ステップアップする人々が多数いた時代があった。それから一億総中流時代を経て、今は下流社会やワーキングプアと呼ばれる貧しい人々が問題になっている。カミュの言う最初の人間が、これからの日本には多く生まれ、そして多くが無名のまま貧しさの中に埋没していく、そういった時代になったとき、本書は新たなリアリティを持つのではないかと思う。
 父の探索で物語を始めたカミュだが、彼の、そしてジャックの心の中に大きな存在としてあるのは、やはり母だ。補遺のノートで、カミュはこう書いている。

もしこの本が最初から終わりまで母親に宛てて書かれたとすれば、理想的だ――そして最後になって読者が彼女は文盲であることを知れば――そうだ、それこそ理想的なのだが。(p.268)

 小説の冒頭にも「仲介者:カミュ未亡人 この本を決して読むことができないであろう、あなたに」という言葉がある(p.11)。母に対して書かれた物語が、読み書きのできない母には決して読まれないという不条理が最後に現れる作品となったのかもしれない。
 ちなみに、イタリア人監督ジャンニ・アメリオによる映画化(仏伊アルジェリア合作)も最終的には母への思いにすべてが集約されている。映画は第一部のエピソードの数々を巧みにアレンジし、その上で、アルジェリア問題に関するカミュの態度とノーベル文学賞受賞時の「正義より母」という発言をもとにした映画独自のフィクションで全体を完結させている。美しい映像と手堅い演出、魅力的な演技陣と、なかなか見応えのある佳品に仕上がっており、原作と映画が互いを補完しあうような面も感じられるので、原作と映画の両方を味わってほしいものだ。
(新藤純子)

BookJapan書評「A Life of William Inge」

ある劇作家の栄光と挫折
『A Life of William Inge: The Strains of Triumph』
ラルフ・F・ヴォス著
The University Press of Kansas
http://www.amazon.co.jp/Life-William-Inge-Strains-Triumph/dp/0700604421/ref=sr_1_3?s=english-books&ie=UTF8&qid=1348243885&sr=1-3

 なぜか私は、隠れゲイの作家が好きなのである。具体的に言うと、英文学のE・M・フォースター、ミステリーのコーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)、劇作家のウィリアム・インジだ。彼らはみな、ゲイであることを公にせずに作家活動をしていた。今とは違い、ゲイに対する偏見が強く、カミングアウトすることは非常に困難な時代だったのだ(インジは晩年にはカミングアウトしている)。
 そんなわけで、隠れゲイの作家たちはゲイの物語を書かないのである(フォースターの同性愛小説はすべて死後に出版されている)。彼らはなぜか、物語の中心に女性を据える。1950年代くらいまでの20世紀前半の物語なので、女性は今よりずっと弱い立場にいる。女性に対する社会の抑圧も強い。多くの女性は結婚という未来に縛られていて、ほかに選択の余地があまりない。そうした女性たちを、隠れゲイの作家たちは実に魅力的に描く。フォースターは上流中産階級のヒロインたちの目覚めを描き、ウールリッチは事件に巻き込まれながらも必死で生きる健気な女性たちを生み出し、そしてインジは親の期待や保守的な道徳観に縛られながらも、そこから自立して生きようとする女性たちを描いた。彼女たちは抑圧されたマイノリティであるゲイの作家たちの分身なのだろうか。ゲイを扱った物語に女性が惹かれるのは、こうした隠れゲイの作家の描く魅力的なヒロインたちと関係があるのだろうか。そんなことをずいぶん長い間、心の片隅で考えてきた。
 ウィリアム・インジ(1913-73)の伝記である本書は、残念ながら、この疑問に答えてはくれない。インジが生涯悩まされていたのはアルコール依存症とホモセクシュアリティであったと著者は述べているが、その筆致は控えめで、インジの私生活に強引に立ち入ったり、ゲイであることと作品の内容をことさらに結びつけて強調したりすることはない。インジは私生活を公にすることを嫌っていたため、彼の知人友人もそのことについてはあまり語ろうとしない、と著者は言う。そして、著者自身もインジの気持ちを尊重し、インジの残した作品に寄り添う形で伝記を執筆すると宣言している。インジには自伝的小説『むすこはすてきなドライバー』があり、これが若き日のインジを知る手がかりとなるようだ。
 インジをご存知ない方のためにここで簡単に紹介すると、インジはアメリカ中西部カンザス州に生まれ、新聞に劇評を書いていたときにテネシー・ウィリアムズと出会ったことから劇作家を志す。地方の演劇を経て1950年代にブロードウェイに進出すると、デビュー作から4作品連続ヒットという快挙を成し遂げた。この4作品はすぐに映画化され、そのうちウィリアム・ホールデン主演の『ピクニック』とマリリン・モンロー主演の『バス停留所』は今でもDVDでよく見られている。そして1961年の映画『草原の輝き』のオリジナル脚本でアカデミー賞を受賞。しかし、このあと、ヒット作が書けなくなり、映画化もされた『さようなら、ミス・ワイコフ』で小説家への転進をはかるがこれもうまくいかず、失意のうちに自ら命を絶った。小説『さようなら、ミス・ワイコフ』と『むすこはすてきなドライバー』は70年代に新潮社から翻訳出版されたといえば、日本でもかつてはインジが著名な劇作家だったことがわかるだろう。
 伝記の冒頭で、著者は少年時代に見た2本の映画『ピクニック』と『草原の輝き』の思い出を語る。インジと同じカンザス州に生まれ育った著者にとって、『ピクニック』に登場するカンザスの風景はなじみのものばかりだった。ご当地映画ということで、カンザスの映画館は大盛況。幼かった著者は原作者の名前を記憶しなかったが、数年後、『草原の輝き』を見て、インジの名前を知る。この映画もカンザスが舞台である。『オズの魔法使い』の平原と竜巻しか知られていなかったカンザスが、映画の中で普通の人々の住む世界として登場する。カンザス人である著者にとって、インジは何よりもまず、カンザスを描くカンザスの作家だった。
 序文で原体験を語ったあと、著者はインジの生涯を両親の代からたどっていく。セールスマンだったために不在がちだった父への反発、結婚を後悔しつつも子供を何人も産んだ母への愛、少年時代からすでに自分がゲイであることを意識していたが、保守的な田舎町に住む母が息子がゲイだと知ったらショックを受けるだろうという思いから、そのことを隠し続けたこと。不眠症が原因でアルコール依存症となり、断酒の会にも参加していたこと。そして1950年代の成功と60年代からの転落。だが、はたから見れば、インジの人生はそれほど悲惨なものではない。父への反発があったものの、家庭的には不幸ではなく、大不況のさなかに大学院にまで進学させてもらえている。その後のキャリアも順調で、ヒット作が書けなくなったあともお金には不自由していない。そんな彼を自殺に追い込んだのは、頂点をきわめたあとの失意と絶望だった。アルコール依存症とゲイであることの重荷、そしてよい作品が書けないことから来る生きる意味の喪失。副題の「Strains of Triumph」はエミリー・ディキンソンの詩の一節「(遠くの)勝利の調べ」から来ているが、この英語は「勝利の重荷」とも読める。
 カンザスや中西部の田舎町を舞台に普通の人々のドラマを描くインジの劇は、50年代には大ヒットするが、60年代にはもはや人気を得られなくなる。インジ自身、時代の変化を感じて違う作風をめざすが、まったく成功しない。「時代が変わり、人の好みも変わる」と著者は何度も書いているが、まさにそうとしか言いようがないのだ。その一方で、インジの映画化作品はテレビやビデオ類でよく見られていること、インジの劇はアマチュアの劇団によってよく上演されていることも指摘する。そして、カンザスという一地方を舞台にした彼の物語が、そうした地方性を超えた普遍性を獲得していることも指摘する。これこそ、私がインジの劇や映画について感じてきたことなのだ。インジの描く世界は確かに古い。女性は玉の輿が一番とか、女性は婚前交渉はご法度とか、古い道徳観に縛られた世界なのだが、その一方で、親の価値観に縛られ、親の期待におしつぶされそうになっている若い男女が自立していく姿には時代を超えた普遍性がある。都会ではなく田舎だからこその普遍性もあり、それも、個性の強い南部ではなく中西部のカンザス州だからこその普遍性がある。
 本書で面白かったのは『ピクニック』をはじめとする代表作の裏話である。特に『ピクニック』はインジの書いた結末が演出家や出演者の気に入らず、心ならずもハッピーエンドに変えてしまったという話は興味深い。『ピクニック』は演出家のジョシュア・ローガンがそのまま映画化の監督になったが、この映画のラストシーンは名シーンとして名高い。だが、インジの考えた最初の結末ではこのシーンはあり得なかったのだ。いや、むしろ、オリジナルのままでは劇はヒットしなかった可能性が高い。これでインジはローガンとうまくいかなくなったが、のちに『草原の輝き』でも監督のエリア・カザンがインジに断りなく脚本の一部を変えたために仲が悪くなったという。インジには申し訳ないが、ローガンやカザンのおかげで名作になった可能性は捨てきれない。また、劇は小説とは違い、演出家や出演者たちと何ヶ月もかけて作り上げていくのだということや、地方で上演して反応を見ながら劇を仕上げ、最終的にブロードウェイへ持っていく過程などが具体的にわかるのも面白かった。アカデミー賞授賞式でのインジのエピソードも楽しい。著者は英文学の教授だが、決してアカデミズムのかたい研究書としての伝記ではなく、かといって扇情的な評伝でもない、バランスのとれた読みやすい伝記となっている。何よりも、インジの世界を愛する著者がインジの物語を愛する読者に向けて書いていると感じられるのがファンとしてうれしいのだ。
(新藤純子)

BookJapan書評「格差と序列の心理学」

格差と不平等を望むのは誰か
『格差と序列の心理学 平等主義のパラドクス』
池上知子著
ミネルヴァ書房

 一億総中流時代はすでに過去のものとなり、いまやワーキングプアをはじめ、さまざまな格差と不平等が問題化している日本。不安定な雇用や低賃金の生活に追いやられ、ひとたび貧困層に落ちるともはや自力で這い上がるのはむずかしく、ワーキングプアの子供はワーキングプアになるしかないという貧困の連鎖が予想されているが、こうした人々に対して、それは自己責任だと言う意見もあとを絶たない。
 こうした個人の努力ではどうにもならない格差や不平等はなぜ是正されないのだろうか。誰がこうした格差や不平等を望んでいるのだろうか。社会的に恵まれた人々が既得権益を守ろうとして、不平等な社会を支持しているのだろうか。
 いや、そうではない。不平等な社会を支持しているのは、実は、平等を願う人々であり、その中には格差と不平等に苦しむ恵まれない人々も含まれる、と、本書の著者、池上知子・大阪市立大学大学院教授は語る。
「平等主義的信条が強いほど、人々は理不尽で不条理な現実から目をそらし心理的安寧を得ようとする。不平等や格差を合理化したり、「平等」が達成されているかのような幻想を作り出したりするのである。(中略)平等主義を阻む真の敵は、「平等」を願う人々の心の中に潜んでいることを解き明かすこと、それが本書のねらいであった。」
 上の引用は本書の一番最後の部分、「おわりに」の冒頭部分に書かれた言葉である。本書は文章が横書きで、文体も研究論文的、英文和訳のような生硬な文章が並んでいるが、この「おわりに」の部分は平易な文章で書かれ、読みやすい。本書に興味を持った方は、まず、この「おわりに」から読み始めるとよいのではないかと思う。
 本書の前半はおもに北米(アメリカとカナダ)の研究を紹介しながら、格差社会を生み、それを支えるイデオロギーと人間心理を解説している。北米の調査の結果であるので、白人と黒人の人種問題など、日本の現実とかけ離れた部分もあるが、貧困と女性差別を例にあげている部分はわかりやすい。
 なぜ人々は格差と不平等を是正しようとしないのか。その理由は、人間というものは現行の社会システムを肯定したいという傾向が強いからだ、と著者は指摘する。しかも、その傾向は、格差と不平等で利益を得ている人々だけでなく、不利益をこうむっている人々にも見られるのだという。著者の引用する北米の調査では、たとえば、貧しい人々は貧困は自己責任だと思うことで、生きることが楽になるのだそうだ。また、女性は自分の能力を男性より低く評価する傾向が強い、という調査結果もある。しかもこの調査はアメリカの一流大学、エール大学での調査である。高い能力を持った女子大生でさえも、自分は男性より劣ると考えることで、男性は女性より優れているという社会通念を肯定しているのだ。
 つまり、人間は現行の社会システムを肯定した方が楽に生きられるので、そのシステムがどんなに理不尽でもそれを肯定するような考え方をしてしまうのである。
 現行の社会システムにある格差や不平等を肯定する心理として、著者は公正的世界観と相補的世界観の2つをあげる。公正的世界観はいわゆる因果応報のことで、不運な人や不幸な人は何か悪いことをしたに違いないという考え方。一方、相補的世界観とは、「金持ちだけど不幸である」とか、「貧乏だけど幸せ」といった、プラスとマイナスの2つの要素を結びつける考え方である。現実には「金持ちだけど不幸」とは限らず、「貧乏だけど幸せ」とも限らないが、このようにプラスとマイナスの要素を結びつけることで、人は平等の幻想を抱き、不平等な世界を受け入れる。この相補的世界観はあらゆる場面に見られるもので、しかも、公正的世界観のようないやな感じがなく、それだけに、この相補的世界観を心地よいものとして受け入れてしまい、不平等がごまかされてしまうことに気づかされる。たとえば、男女差別についても、昔は一方的に女性は劣るものとして差別されていたが、現在は女性はこういうところが男性より優れているとして女性を持ち上げた上で、男女の役割を分けてしまうという形の性差別になっているようだ。こうした相補的世界観は現状を認める方向に行ってしまうので、社会改革にはつながりにくい。
 本書の後半では、日本社会の典型的な序列である学歴について、著者のリサーチをもとに、現代日本における格差・不平等問題が語られる。日本にはイギリスのような階級がなく、そのかわり学歴による階級があるが、日本人が学歴を意識するようになった1970年代には、高卒と大卒の間に経済的格差はほとんどなかったのだという。しかし、現在では学歴、特に大学名による序列が就職その他、人生のすべてを決定してしまうようになり、しかもその学歴(学校歴)は18歳のときの大学入試の結果がすべてであるという不平等を生み出している。
 そうした中で、学歴が人間の心理にどのような影響を及ぼしているか、著者は中位大学の学生を対象に、彼らが自分の大学より上位の大学と下位の大学に対してどのような感情を持つかを調査・分析している。ここでも相補的世界観は健在で、「上位大学の学生は能力は高いが人間としては冷たい」、「下位大学の学生は能力は低いが人間としては暖かい」と感じる傾向が強いという結果が出ている。また、自分の大学への帰属意識が濃いか薄いかで、上位大学や下位大学への感情が変わるという点も非常に興味深い。日本では希望の大学に入学できず、しかたなく滑り止めの大学に入った学生は少なくないと思うが、「もっと上の大学に入れたはずなのに」と思っている学生の下位大学への感情にはきわめて極端な反応が出ている。
 最後に著者は、「階層が固定されている社会、固定されていると信じられている社会ほど、不本意なアイデンティティを形成する人間を生み出しやすい」、「集団間の序列が固定的で変動しにくいほど、集団の構成メンバーは集団間の序列に敏感になり、不満や劣等感を抱きやすくなる」と結論づける。そして、「階層が固定されていないと信じられている社会においては(中略)集団への所属への不本意感は、階層システム自体への懐疑の表明であり、既存の構造の改変を動機づける原動力になる」。しかし、「現行の階層システムは変わらないものと信じれば、階層構造はますます固定化される方向に進む」。現在の日本がどちらであるかは言うまでもないだろう。
 本書は本文が170ページほどと、研究テーマの奥を深めたものとは言えない。しかし、相補的世界観によって理不尽な不平等社会を肯定してしまう人間心理についてなど、考えさせられる部分が多い。新書のような読みやすさはないが、じっくりと向き合い、考えるきっかけとしたい本である。
(新藤純子)

BookJapan書評「日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか」

ヘンな日本人のルーツをたどれば太平洋戦争に行き着く
『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』
友利昴著
メディアファクトリー

 ハリウッド映画をはじめとする欧米映画に登場する日本人はとにかくヘン。出っ歯に「黒ブチ丸メガネ」、やたらと写真を撮りまくる。特に、「黒ブチ丸メガネ」はどうして日本人のトレードマークになったのか?
 そんな疑問を抱いた著者は、古い映画を次々とたどり、なんと、映画が誕生する以前の時代にまでさかのぼって、その理由を発見する。黒船到来の時代、日本に来た欧米人の描いた絵に登場する日本人は、誰も彼もがメガネをかけているのだ。それも、どう見てもメガネが必要とは思えない赤ん坊から馬までメガネをかけている。これはいったいどうしたことか?
 どうやら、明治維新の頃、日本ではメガネが一大ブームだったらしい。欧米ではメガネ・ブームはとっくにすたれていたが、文明開化の日本ではメガネが大流行、視力に問題がない人まで、自分は教養があると見せかけるためにメガネをかけていたのだそうだ。そんな日本人を、当時の欧米人はどう見ていたのだろうか。著者は言う。
(引用)
「日本人はカッコいいと思って何をやっているんだ? いまさらメガネメガネっていう時代でもあるまい……」
 おそらく、そんな冷ややかな目で見ていたのではないだろうか。先行する地域より遅れて近代化を迎えた社会が味わう、苦い宿命である。近代化を標榜していた当時の日本人が、欧米人にとってはすでに時代遅れとなっていた「メガネ礼賛」の風潮を近代化の証しととらえていたことは、あるいは滑稽に映っただろう。そんなギャップを皮肉ったのが、ビゴーやワーグマンといった風刺画家であり、そこに描かれた日本人こそが、「黒ブチ丸メガネの日本人」の源流なのである。
(引用終わり)
 というわけで、「黒ブチ丸メガネ」の謎は解けたか、と思いきや、またひとつ、疑問が浮かんでくる。風刺画家の描いた日本人のメガネは、決して「黒ブチ丸メガネ」ではないのである。それはただの丸いメガネとしか描かれていない。じゃあ、いったい、「黒ブチ丸メガネ」のルーツはどこに? というところで、明治維新にまで時代を遡った著者は、ふたたび時代を下っていく。そして、ついに発見したのは、太平洋戦争の時代の大日本帝国の政治家たちの「黒ブチ丸メガネ」!
(引用)
 実は政治家に限らず、この時期の日本では、全国的に黒ブチ丸メガネをかけている人が少なくなかった。いわゆる「黒ブチ丸メガネ」は、当時ロイド眼鏡と呼ばれていて、フレームの素材がセルロイドである点が特徴であった。この頃、日本は戦時下の物資不足により、メガネフレームに金属類を用いるのが困難になっていた。そのため、セルロイド製のロイド眼鏡が広く普及することとなったのである。
 そして、戦況を報じるニュースによってもたらされた「日本人は黒ブチ丸メガネである」というイメージは、不幸なことに対敵国感情と結びつき、また戦時中ならではの特殊な大衆文化の中で、繰り返し強調されることとなる。どこの国のいつの戦争のときもそうだが、戦時中に創造される大衆文化は、敵国を貶め、また自国の正当性を確認するために、多かれ少なかれプロパガンダ的な性質を持つ。こうして戦時中の欧米の大衆文化には、悪意が上塗りされた黒ブチ丸メガネの日本人が大量に発生したのである。
(引用終わり)
 このあと、著者は、戦時中のアメリカで作られた映画やアニメやマンガに登場する敵としての日本人の描写を紹介していく。黒ブチ丸メガネをかけたタコ怪獣とか、ポパイやドナルドダックやバッグス・バニーまで「邪悪な黒ブチ丸メガネのバーゲンセールである。黒ブチ丸メガネが鼻にかけてあれば、ヤカンだって日本人だと思われてしまうほどの勢いだ」という具合で、今となっては笑うしかない。さすがにこれらの作品群は、あまりの反日描写のために戦後は封印されているのだとか。
 戦時中の対敵国感情が悪い影響を与えた例として、著者は武士道をあげる。欧米では当初、武士道は「めちゃめちゃ賛美されていた」。というのも、1900年に新渡戸稲造がアメリカで出版した『武士道』が大ウケだったからだが、「その後「武士道」はめちゃめちゃ非難された」。理由は、日本が強くなり、戦争を始めたからで、太平洋戦争の時代には、欧米では武士道は狂信的で野蛮なものとされてしまった――という具合に、著者はヘンな日本人のルーツとして、太平洋戦争時代の対敵国感情が大きな役割を果たしていると考えている。
 そういう論旨であるから、最後の章(第5章)が「パール・ハーバーと原爆」なのは当然の帰結だろう。
 第4章までは黒ブチ丸メガネと武士道だけでなく、外国人の好きな日本の都会のきらめくネオンサインとか、芸者と遊女を混同したゲイシャ、全然忍びの者じゃない派手で暴力的なニンジャなど、欧米人の好きなヘンな日本を抱腹絶倒のユーモアで紹介しているが、これらは戦争中の対敵国感情とはもちろん無関係。ニンジャに至っては日本企業が悪ノリしたことも指摘されている。第4章では、日本のアニメがアメリカでどういう扱いを受けているかが紹介されている。アメリカの子供を対象とした倫理規定では、『名探偵コナン』は毎回殺人事件が起きるからダメ、『セーラームーン』はエッチだからダメ、なのだそうだ。著者の筆が一番冴えているのはたぶん、この章である。
 しかし、第5章になると、抱腹絶倒のユーモラスな文章は影をひそめ、真珠湾攻撃と原爆投下についての日米の感じ方、考え方の違いがまじめに論じられる。ここでも多数の映画や物語が取り上げられている。アメリカ人の多くが、原爆投下は戦争を終わらせるために必要だったと考えていることはよく知られているし、それについて日本人はまったく納得できないという著者の意見には多くの人が共感するだろう。ただ、真珠湾攻撃に関していえば、これが宣戦布告をせずに(正確には布告が遅れて)行われた奇襲だということを著者が一度も書いていないのは気になった。9・11と比較されるのも、宣戦布告をしないテロ行為と認識されているからではないかと思うのだが。ただ、この点を除けば、全体としてはとても面白い読み物だ。また、欧米から見たヘンな日本人のイメージには、20世紀なかばの戦争の影響があること、戦争が日本人のイメージを大きく損なったということを指摘している点は考えさせられるものがある。ヘンな日本人は戦争だけが原因ではないけれど、日本と欧米の関係を歴史的に見ることはやはり必要なのだ。
(新藤純子)

BookJapan書評「テルマエ・ロマエ」VI

1~3巻は大傑作、4~6巻は残念な出来
「テルマエ・ロマエ」VI
ヤマザキマリ著
エンターブレイン
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%A8%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%82%A8VI-%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%82%AD%E3%83%9E%E3%83%AA/dp/4047288950/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1375156366&sr=1-1&keywords=%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%A8%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%82%A8+6

 「テルマエ・ロマエ」が完結した。古代ローマの浴場設計士が現代日本にタイムスリップ。日本の風呂文化に感激し、その技術やアイデアを古代ローマに持ち帰って新たな浴場を建設する、という、毎回読みきりのマンガとしてスタートし、著者も想像しなかった大ヒットになり、日本人俳優にローマ人を演じさせた映画も大ヒット、というのはすでにご存知のとおり。
 その「テルマエ・ロマエ」の原作マンガ、実は第4巻から読者の間では不評を買っていた。というのも、3巻目までは上に書いたような毎回読みきりのギャグマンガで、古代ローマ人ルシウスが現代日本に来て「平たい顔族」(日本人のこと)の技術やアイデアに驚愕し、それを古代ローマで応用するという毎度おなじみだが常に新しい趣向が凝らされている傑作だったのだが、4巻目からは方向性が180度変わってしまった。
 物語は長編化し、風呂文化は脇に追いやられ、もっぱらルシウスと現代日本女性さつきとのラブストーリーが中心となる。
 さつきは温泉旅館に生まれ、東大大学院を出て古代ローマを研究する考古学者になったが、故郷では温泉芸者をしているという、あまりにも非現実的な設定。東大で教鞭をとっているようだが、28歳くらいなので非常勤講師であろうか? 映画で上戸彩が演じたヒロインは古代ローマが好きで、ルシウスに惚れてその勢いでラテン語を勉強した普通の女性ということになっているので、こちらの方がはるかにリアルである。
 4巻目以降は温泉旅館乗っ取りの陰謀があったり、ハナコという面白い馬が登場したり、さつきのおじいさん鉄蔵(トミー・リー・ジョーンズ似で、平たい顔ではない)が活躍したりするが、どの話もその場限りのアイデアで終わっていて、長編としてのきちんとしたプロットが感じられない。
 また、長編化してからは絵が雑になっているのも目につく。3巻目までは古代ローマの風景は非常に手をかけたきめ細かい描写で、逆に現代日本はあまり手をかけないラフな描写になっていて、その対比が魅力的だったのだが、ルシウスがローマにほとんど帰らなくなり、絵がふやけたものばかりになってしまった。ローマに帰っても、以前のような絵の魅力はなくなっている。
 噂によれば、著者はこのマンガを長く続けるつもりはなかったが、大ヒットになってしまい、編集部の意向もあって長篇化したそうだ。また、さつきのような現代の若い日本女性は、著者がずっと海外暮らしをしていることもあり、実態がよくわからず、本当は物語に登場させたくなかったという話もある。
 実際、マンガに描かれるさつきはまったく魅力がない。絵にも著者の愛情が感じられない。また、東大出の考古学者という設定にもかかわらず、さつきはおよそ現代の日本では(いや世界でも)好まれない保守的な女性なのだ。
 最終巻では、ルシウスに恋したさつきの考古学の現場での公私混同が描かれ、仕事も何もかも放り出してルシウスとの恋に生き、結婚して家庭を作るという、あまりにも時代錯誤な女性描写になっている。
 ルシウスを最後は幸せにしたい、というのは著者と読者の両方の願望であった。また、ハドリアヌス帝の最後を描きたいというのは著者の頭に最初からあったことらしい。最終巻ではこの2つは実現されている。しかし、そこに至るまでの後半3巻分の長篇物語がかなりいいかげんな作りなので、感動が起こらない。
 長篇化し、若い女性をヒロインとして登場させる、というのは著者の意思に反することだったかもしれない。個人的には、ルシウスとハドリアヌス帝の、かすかに同性愛的なものを匂わせる主従関係が前半の魅力だと思ったので、ヒロインの登場によりそれがなくなってしまったのも、ハドリアヌス帝崩御のクライマックスの盛り上がりを損ねた一因のように思う。
(新藤純子)

2006年3月31日

2006年3月

The Hockey News 最新号 06/3/31
やっと勝った 06/3/30
プラント珍プレー 06/3/30
アワード授賞式 06/3/28
Thank you for the great season 06/3/27
久々のネットラジオ 06/3/23
OTゴールの瞬間 06/3/22
オーバータイム・ウィナー 06/3/22
冬の湿原号 06/3/20
釧路11日目 06/3/19
ノロネンその後 06/3/16
ファイナルのカード決定 06/3/15
ボストン戦6連勝 06/3/14
釧路のかたすみにて 06/3/13
勝率新記録 06/3/8
真駒内の3日間 06/3/6
セカンドベストOTゴール 06/3/6
五輪明け 06/3/2


The Hockey News 最新号 06/3/31

 「The Hockey News」4月4日号は表紙がミラー、そして、「サプライジング・スーパー・セイバーズ」の見出し。うーむ、これは買いに行かねば。
 しかし、世間がこういう特集を組んだりすると連敗が始まるので、困ったものだ。現地時間の30日、セイバーズは苦手のデビルズに負けてしまって、やっぱり勝てないのかもう、てな感じになっている。ブリエアが2試合サスペンドになってしまったのだが、これが、ボストン戦でリーチにスラッシングだかトリッピングだかをされて、倒れたときにスティックを振り上げてしまい、それがリーチの頭に当たったからサスペンドというひどいものらしい。ラフプレーで選手を葬ってるようなのが全然サスペンドにならないのによう。
 セイバーズのプレーオフのチケット、来週の月曜ではなく、再来週の月曜、4月10日から売り出されるそうです。詳細はこちら。まあ、私は行けませんけどね。今のところ、ホーム・スタートなのか、アウェー・スタートなのかもわからないのだが。万が一、ファイナルに出たら、アリーナに入れなくても、バッファローでテレビを見ていたいなあ、と思ったりするけど、いつになることやら。


やっと勝った 06/3/30

 セイバーズはミラーが親指骨折して、ほかにもケガ人出ていて最悪だった11月でさえも4連敗どまりだったというのに、この期に及んで6連敗。もう今季は勝てないのじゃないかと思ったが、現地時間3月29日のボストン戦でなんとか勝った。これでボストンには今季7勝1敗。相手も必死で、突き放しては追いつかれるの繰り返し。最後になんとか突き放してかろうじて勝てた。来週の月曜にはプレーオフのチケットを売り出すらしいが、先が思いやられる。
 この試合ではケガで休んでいたコノリーが復帰。早速ファースト・スターに選ばれる活躍ぶり。だが、かわりにテッポがケガで途中退場。ひざを痛めて2週間は無理らしい。Dのケガはかわりがいないので痛い。
 コノリーといえば、開幕前までは「デレク・プラントのウィーク・ヴァージョン」とか、「デレク・プラント・マイナス・ビッグゴール」とか、両方に対して失礼な言い方がファンの間でされていた。というのも、セイバーズのファンはコノリーを見るとプラントを思い出すのだそうで、どちらも小柄なセンターなのだが、アマチュア時代にすばらしい成績をおさめて、過剰に期待されてNHLに入ってきたということがあったらしい。特にコノリーはドラフト全体5位でアイルズに入ったものの、活躍できず、セイバーズにトレードされたあとも脳震盪で1年棒に振ったりしていた。今季はルール変更が有利に働き、ケガをする前は大活躍。ようやくファンの信頼も得てきたところ。プラントも、今のNHLで若いときからやり直せるなら成功すると言うファンもいる。


プラント珍プレー 06/3/30

 アワード授賞式で、ベスト・メンバー発表のとき、1人だけ先に出てきてしまったプラントだが、その後、今度はアシスト・リーダーの授賞のときに、名前を呼ばれて壇上に上がったものの、そこで待っていないで、壇の端まで盾を受け取りに行ってしまったという珍プレーがあった。アカデミー賞の授賞式とか見ると、プレゼンターが壇上にいて、受賞者がそこへ取りに行くから、それで受け取りに行っちゃったんだと思う。NHLのアワード授賞式でも、プレゼンターが壇上で受賞者を発表し、受賞者が壇上へ取りに行く。アカデミー賞もNHLのアワードも、事前にノミネートがあって、そこから選ばれるから、ノミネートされた人はドキドキしながら待っているわけである。
 さて、今季、プラントの最大の珍プレーと言えば、釧路でのプレーオフ・セミファイナル第3戦、2ピリ開始直前に起こったあるハプニングである。ゴーリー差し置いて、いつも真っ先に氷上に出てくるプラントは、一目散にゴールに向かい、バーをスティックでたたくという儀式をいつもしている。で、このときは2ピリなので、自軍ベンチの反対側のゴールへ行くべきなのだが、何を血迷ったか、プラントは自軍ベンチ側のゴールへ行き、そこでバーをスティックでこつん。ところが、そのゴールのすぐそばに、レフが1人いて、どうやらスティックがレフの顔にあたったらしく(詳しくは見てなかった)、レフが顔を抱えてしゃがみこんでしまった(写真)。その後、レフは治療のために本部席に入ったが、プラントは本部席の入口から心配そうに中をのぞきこんでいた。しばらくすると、そのレフも出てきて、試合は無事に開始されました。
 このほか、1月の苫小牧での王子戦で、ゴールした直後、喜びもしないでレフにクレーム、というシーンもあった。ほかの選手が万歳してたので、てっきりその選手がゴールしたのかと思ってしまったよ。


アワード授賞式 06/3/28

 品川プリンスホテルで行なわれたアジアリーグのアワード授賞式に行ってきた。これはファンも事前に申し込んで会費5千円を払えば参加できる。映画関係ではこの手の催し物は私はマスコミで入るので、なんだかここでもマスコミ気分が抜けず、入口でお金を払うのを忘れていたり、中に入っても、マスコミの席にいる方が自分には合っているような気がしたり、と、ちょっと変な気分であった。それに、前日にクレインズが敗れてガックリ来てたので、コクドの表彰なんか見たくないみたいな気持ちもあった。
 セレモニーは語りべこと加藤じろう氏の司会で始まり、まず冨田チェアマンがあいさつ。ここで、トリノ五輪の決勝戦フィンランド対スウェーデンの話が出てきたので、フィンランドを応援していた私は二重に悲しみがよみがえってしまった。でも、チェアマンが、「オリンピックではフィンランドの方が力は上だった。だが、サイズの大きさとベテランの味でスウェーデンが勝った」と言ったとき、フィンランドがクレインズ、スウェーデンがコクドだったことに気づき、ホッケー・ファンは銀メダルに終わったフィンランドとクレインズが真のチャンピオンだと思っているに違いないと感じた。フィンランドは決勝で初めて負けて金メダルを逃したが、私が唯一見ることができた決勝戦のフィンランドは確かにファイナルのクレインズにそっくりだった(3月はクレインズの追っかけで忙しく、トリノのことは忘れていたのだ)。噂に聞いていたフィンランドのよさは決勝戦にはなく、むしろ、疲れから来るミスのようなものが目立った。スウェーデンの選手は明らかにフィンランドの選手より大きかった。負けたとき、がっくりと上半身を折り曲げたキャプテン、テッポ・ヌミネンは、クレインズのキャプテン、伊藤賢吾に重なる。インタビューで涙をこらえながら答えていたというテッポと、インタビューで泣いていたという賢吾。1つだけ違うのは、賢吾はテッポより10歳も若いということ。だから、テッポのような悲壮感は、賢吾とクレインズにはないはず。
 その後、受賞者が次々と発表されたが、複数の受賞者を出し、ホームタウン賞にも輝いたハルラは例の東伏見での遺恨のためか、選手は誰も来なかった(コクドの表彰を一番見たくなかったのはハルラだろう)。トリノ五輪では個人賞はフィンランドが総なめだったが、ここでも個人賞はクレインズが多かった。MVPがコクドの菊地というのはあまり納得が行かないし、菊地自身もとまどっていたが、今季は絶対的な決め手のある選手がいなかったのは事実。クレインズが優勝してればデレク・プラントだったろうし、全日本選手権を含めれば、優勝しなくてもプラントだと思うのだが。ただ、菊地がMVPになったのでベスト・ゴーリーは二瓶次郎になった(2人で分けたってことですな)。プラントはポイント、アシストのリーダーに加えて、プレーメイキング・フォワードにも選ばれた。クレインズではほかには伊藤賢吾がオフェンシヴ・ディフェンス、西脇雅仁が新人賞。他の受賞者についてはアジアリーグ公式サイトへ。


Thank you for the great season 06/3/27

 25日と26日は午前中にセイバーズが負け、午後にはクレインズが負けるという最悪の2日間。しかも、4試合とも惜しい負けだ。セイバーズはこれで5連敗で、先日のカロライナ戦で1点差まで詰め寄ったから明日につながる負けかと思ったら、ちっともつながらない。25日のオタワ戦はバックアップのエメリーを攻略できないし(26日のフィリー戦ではエメリー炎上のようだから、スケーターの出来にもよるんだろうが)、26日のボストン戦は3ピリ中盤で同点にまで追いつきながら敗れた。まあ、ボストンも、同一シーズンに同一カード7連敗はしたくないから必死だったのだろうが。
 そして、夕方からのクレインズ対コクドのファイナルは、結局、コクドが2連勝して優勝を決めた。25日は1点差にまで迫りながら敗れ(カロライナ戦みたいだな)、26日は3ピリ中盤に同点に追いついたが、敗れた(午前中のボストン戦みたいだ)。
 今季、私はクレインズとセイバーズが妙に重なってしかたなかった。どちらもスキルとスピードのある若い選手が多く、フィジカル面が弱いと言われている。セイバーズはサイズの小さい選手が多いのだが、クレインズはコクドや王子に比べてサイズが少し小さいような気がするし(確かめてないが)、デレク・プラントのような欧米人にしては小柄なゲームメイカーを外国人枠で取ったあたりにクレインズの特徴があるような気がするのだ(普通は体のデカいスナイパーを取るだろう)。
 それに加えて、クレインズのジャージはセイバーズのジャージに似てるのである。色が黒、白、赤、水色なのだが、水色が銀ならセイバーズと同じチームカラーになる。でもって、セイバーズを出て以来、26番をつけてなかった(と思う)プラントがクレインズで26番をつけているのである。
 それにしても、プラントは東伏見が嫌いなんじゃないかと、去年の秋に思ったのを思い出した。東伏見だと必ずペナ箱入りするし。26日も、パックを投げる反則で入ったが、このところ、プラントはアイスタイムが非常に多く、かなり疲れているのではないかと思った。その上、全日本選手権以来、コクドのパーピックにしつこくストーカーされてるし、相当イライラしてたんだろう。ベンチに戻ろうとすると、後ろからちょっかいを出したり、あのデカイ体をぴったり後ろにつけたりするんだから。NHLだったら、プラントみたいな選手を守るために乱闘係を出すところなんだが。
 クレインズの選手はファイナルに入って、かなり疲れが出てたかな、と思う。コクドの方がスタミナがあったという感じがする。このファイナル、鍵になる選手はコクドが菊地、クレインズはプラントだと思ったが、終わってみれば、1人の選手が鍵になるようなシリーズではなかった。レギュラー・シーズンではクレインズはコクドに圧倒的に強かったけれど、コクドはパーピックと内山をケガで欠いていたということがあった。負けていても菊地がすごいと思ったのは、壁のようにがんばって見えたからだ。主力が戻ったコクドは菊地が1人で守っているようには見えなかった(でも、守りのポジショニングがすごくいいように思えた)。
 プラントは開幕当初はフェイス・オフはことごとく取るし、パックを奪うのもうまかったし、冬の北海道では股間パスや正面突破を見せてくれたが、いつのまにか、フェイス・オフが取れなくなっている。どこか痛めているのだろうかと、しばらく前から気になっている。何にしても、デレク・プラントを追いかけて、ここまで来るとは思いもしなかった。最初は、元セイバーズが日本に来て、ちゃんとやれているのかなと、それが心配で見に来たのだったのだが。3月の2つのOTゴールは一生、忘れない。クレインズの他の選手たちのすばらしいプレーも。Thank you for the great season.

追記 3月21日のファイナル第3戦のハイライトとインタビューがアジアリーグ公式サイトで見られます。OTゴールもばっちり。


久々のネットラジオ 06/3/23

 久しぶりにネットラジオでセイバーズの試合の実況を聞く。現地時間3月22日、バッファローでのカロライナ戦。1ピリは0対0だったが、2ピリで4点も取られてしまい、もう聞くのやめようかと思ったが、惰性で流したままネットサーフィンをしていたら……
 ルドマン、ゴール(これで2試合連続完封負けはまぬがれたな)。
 ヴァネク、ゴール(セイバーズの26番は今日は調子がいいらしい)。
 二軍から上がったばかりのノヴォトニー、ゴール!!!(ひょ、ひょっとして、同点にできるかも)。
 終了間近にアフィノゲノフ、惜しいシュート。
 結局、4対3で負けたのだが、満員の観客はすごい声援。セイバーズのシュートはゴールポストに当たったのが多かったので、それが入ってれば勝ちだったかも。まあ、2ピリだけで4失点は多すぎた。セイバーズは18日のオタワ戦からどうもおかしくて、20日のアトランタ戦はビロンが5失点で完封負け。で、カロライナに負けて11月以来の3連敗。それでも、3ピリのがんばりで、明日につながる負けになったということだろうか。この試合ではドゥルーリーのラインにブリエアがウィンガーで入っていたそうだ。コノリーとヘヒトのケガが痛い。


OTゴールの瞬間 06/3/22

 せめてネットの北海道新聞でも見ようと、アクセスしてみたら、昨日のプラントのOTゴールの記事が写真入りで出ていた。で、写真を見てびっくり。股間にスティックを突っ込まれて、それで片足が上がり、倒されながらのゴールだったのだ! うう、帰りの飛行機の中で股間キーックしてやればよかった、こいつ。試合終了後、プラントがレフにクレームに行ったわけだ。コクド戦でクレームが多いのは、ケガを招くような乱暴なプレーにはきちんと対処しろと言っていたのだろう(抗議してアンスポ10分では割りが合わないから、時間外に抗議するように)。

 土曜日に東伏見で行なわれる第4戦の前売りチケットを買ってきた。当日と同じ値段で(高い!)、すべて自由席なんだが。昨日の釧路最終戦では朝の8時から並んだ人がいたらしいけど、今度はどのくらい前から並ぶのだろか。東伏見はハルラ戦でゴールネットに穴があいていたりと問題だらけだったが……。

 北海道の、それも道東で2週間もすごしてしまったので、東京に順応できない! 人は多いし、空気は悪いし。まだ受け取っていないノベライズを書店で見てきた(釧路の駅付近の書店ではついに見られなかった)。2月から3月は長野カップのあと、このノベライズの仕事、それから札幌へ行って、帰ってから校正、それをさっさとすませて釧路へ、というハードスケジュールだった。土曜日までにはなんとか順応したい。NHLも、セイバーズの結果以外は見てないので、今、どこがどうなってるのかもわからない。明日は久しぶりにリック・ジャネレットの実況が聞けるかな。


オーバータイム・ウィナー 06/3/22

 26番がまたやってくれた! まるで全日本選手権準決勝の再現のように、クレインズ対コクドのファイナル第3戦で、デレク・プラントがOTゴール。今度はゴール前がごちゃごちゃしてて、誰がゴールしたのかよくわからなかったが、電光掲示板にプラントの名前が出ると、場内がどよめいた。2対2の緊迫した状況からOTに突入した札幌の準決勝とは違い、この試合ではクレインズが2ピリまでに4対1とリードしながら、3ピリで同点に追いつかれてのOTという、セミファイナル第1戦に似た情けない展開ではあったけれど、終わったみれば、まるで神様がプラントを主役にするために仕組んだかのよう。プラントは2ピリにもゴールしていて、ヒーロー・インタビューは当然、プラント。セミファイナルとファイナルの6試合で2回もヒーロー・インタビューが見られた私は幸せ者です。万難を排して来たかいがあったというもの。
 しかし、3ピリで同点になったあとは、心の中でずっと「プラント、入れろ!」と叫び続けていた。特に、OTに入ってからはプラントしかいないと思っていた。その一方で、第2OTまで行ったら東京に帰れない、とか、帰れなくてもいいからクレインズ勝ってくれ、とか、さまざまな思いが交錯。プラントがOT8分すぎくらいに決めてくれたのでよかったが、そのあと、出待ちしてたら空港行きのバスに乗り遅れそうになった(駅のロッカーに荷物を預けていたので、駅まで戻らねばならなかったのだ)。でも、プラントはヒーロー・インタビューからベンチ裏の通路でのテレビ取材、そしてスティックなどの荷物を持って外に出て来るまでずっと、とってもいい笑顔をしていた。アリーナでも子供たちの前でおどけてみせたり、ガッツポーズしてみせたりして、この人は子供の前だと殻が破れて表情豊かになるんだなあと。こんなにいい表情のプラントは見たことがなかった。
 ヒーロー・インタビューでは、インタビュアーの「NHLではすでにスタンレー・カップを取っていますが」というのを、通訳がわざわざ「ダラスで」と付け加えて訳したので、セイバーズ・ファンとしては胸が痛むのだが、プラントをトレードしなかったら99年はセイバーズが優勝とますます思うようになった(そうなれば、ハシェックがあんなふうにして出て行くこともなかったのだ)。セイバーズのファンはいまだにプラントを97年プレーオフのゲーム7ウィナーと呼んでいるけど、3月に2回も起こったクレインズでのOTゴールはこの再現というか、やっぱりこの人はこういうときに強いのだと思う。それに、プラントはダラスでは26番じゃなかったしね。26番で、頼むよ。
 というわけで、なんとか間に合った飛行機には、コクドの選手も乗っていたのであった。
 しかし、釧路の人たちはテレビのローカル・ニュースでこの試合の模様やインタビューを見られるのだね。その上、朝刊には写真や記事も出るのだろう。うらやましい限り。それでも、セミファイナルからずっと釧路にいたおかげで前売り指定席を買うことができて、ファイナルは楽して見られた。実際、21日の試合は釧路での最終戦ということもあって、立ち見席まで大混雑だった。ファイナル第4戦は25日に東伏見で。旅は終わったが、ファイナルはまだ終わっていない。


冬の湿原号 06/3/20

 今日は一日観光客として、釧網線のSL冬の湿原号に乗った。釧路から標茶まで往復しただけで、帰りはほとんど寝てたが、のんびりとした汽車の旅であった。釧路湿原のそばを通るのだけど、湿原はもう何度も見てるので、途中下車もせず。標茶で白鳥を見たし、車窓から鶴も見えた。でも、蒸気機関車って、沿線住民が迷惑かもだと思った。たった3日間の運行ではあるけれども。
 友人が釧路に移り住んでから、ほぼ毎年のように釧路に来ているが、駅の周辺がどんどんさびれていく。初めて来たときはフィッシャーマンズ・ワーフができたばかりで、恐竜のマークをあしらったグッズをたくさん売っていた(そのとき買った灰皿を今も持っている)。しかし、次に訪れたときにはもうグッズはなく、以後、どんどんとさびれていった。NHKのローカル・ニュースでクレインズの試合の様子が放送されたり、北海道新聞にプラントのゴールの写真が出てたりすると、釧路に住んでる人はいいな、と思うけど、その一方で、駅周辺のさびれぶりには愕然とするのであった。


釧路11日目 06/3/19

 釧路へ来てから今日で11日目。セミファイナルが終わったあと、釧路地方の友人宅で5日間静養させてもらい、土曜日からファイナルが始まったのでまたホテル暮らし。いい年して、我ながらよくやると思うが、年をとればとるほどできなくなる。実際、セミファイナルで釧路から苫小牧へ行き、また釧路に戻るなんてことになっていたら、今頃倒れてたかもだ。
 友人宅では電話回線を借りてダイヤルアップでネットしてたが、ホテルではネットできない、と思っていたら、今日、なにげに入ったこのホテル、ブロードバンドが無料で使い放題なのだ。最初からここにすればよかった。
 さて、ファイナルだが、土曜の第1戦はクレインズがもうメタメタで、チームプレイがまるでできていなかった。釧路で3連勝して優勝というのを誰もが期待していたが、これではこっちが逆にスイープされてしまうと思ったほど。とにかく第1戦、コクドが勝って、釧路での優勝決定はなくなってしまった。続く日曜の第2戦、クレインズは見ちがえるほど動きがよくなり、1ピリしょっぱなのプラントのゴールを皮切りに、主力が次々とゴールやアシストをして、4対1で勝った。中でも4点目の山野のゴールは実に爽快。プラントもガッツポーズやってくれました。SOGも50と、攻めて攻めて攻めまくったクレインズであった。
 アジアリーグの選手はプレーオフでもひげを伸ばす人はあまりいないみたいなのだが、プラントはセミファイナルからすでにプレーオフのひげ。写真はセミファイナル第3戦。

 クレインズの本拠地、丹頂アリーナの近くに大きなショッピング・モールがあるというので、友人夫妻に連れていってもらった。その中に、なんと、NHLのジャージを売っている店があったのだ。しかも、セイバーズのジャージが2着もあったので、思わず声を出して喜んでしまったが、よく考えたら、売れ残ってたのかもしれない。ジャージはすでに持っているので、Tシャツや帽子を探したが、セイバーズはなかった。残念。シカゴがけっこうあったけど、シカゴって、日本で人気があるの? あと、フォシュベリのアバランチ・ジャージが飾ってあるのがなんだが。

 そのセイバーズだが、リーフスに勝って8連勝もつかのま、現地時間3月18日のオタワ戦で敗れ、連勝ストップ。この試合、セイバーズはつまらないペナを取られてばかりで、まるでいいところがなかったようだ。それでも僅差の負けだったのは、ミラーが48本も受けて3失点におさえたから。オタワでの試合で、なおかつ負けなのに、ファースト・スターにはミラーが選ばれている。アフィノゲノフが、虫歯菌がどうたらこうたらで、次の試合には出られそうにないとかいうことが某サイトに書いてあった。ヘヒトとコノリーが負傷しているので、パイアットがファーストラインに入り、また、センターはブリエア、ドゥルーリー、ロイ、ゴースタッドになっているようだ。


ノロネンその後 06/3/16

 とりあえず、できるうちにブログの更新。
 現地時間3月14日、カナックスにトレードされたノロネンが初お目見えしたが、プレデターズ相手に5失点という厳しいスタートになった。和気あいあいのセイバーズから人間関係の悪そうなカナックスに移って、大変かもしれないが、セイバーズにいたらベンチ入りもできないのだから、がんばってほしい。
 他方、セイバーズはキャップス相手に6対4で勝った。ブリエアが2G2AしてNHLのこの日のファースト・スターに。しかし、このところ、ミラーは失点が多い。だからビロンを手放せないのだ。また、ビロンはチームを精神的にバックアップしているようで、ビロンを失うとチーム・ケミストリーも失われるという意見もあった。実際、3人のゴーリーがいてもチームに亀裂が生じなかったのは、ビロンがミラーとノロネンの両方と仲がよかったかららしい。セイバーズは結局、開幕からトレード・デッドラインまでの間にやったトレードはノロネンとドラフト2巡目を交換しただけ。チーム・ケミストリーを重視したということだろうけど。
 これから4月中旬までディヴィジョン・ライバルやカンファレンス・トップチームとの対戦が続く。チームの目標もずいぶん高くなっているようだが、これからが正念場。


ファイナルのカード決定 06/3/15

 14日にコクドがハルラに勝って、アジアリーグのファイナルはクレインズ対コクドに決まった。しかし、この14日の試合、非常にもめたらしい。いくつかの掲示板によると、ハルラのゴールが認められず、ハルラの選手がゴールしたと思って喜んでいる間にコクドがゴール。ところが、ゴールネットに穴があいていて、パックが外に飛び出したのだと。で、怒ったハルラは選手を引き上げて中断、という事態になったとか。その他、乱闘やら何やらもいろいろあったらしい。
 レフがひどいってのは、先だっての全日本選手権でも釧路のセミファイナルでもあったが、この話もずいぶんひどい。私は今、北海道にいるので、東京の東伏見には行けなかったが、ゴールネットに穴っていったい……。おまけにビデオジャッジもないってんだから。しかし、東伏見はセミファイナルだというのに、観客数が千人未満だったようだ。


ボストン戦6連勝 06/3/14

 現地時間3月12日、セイバーズはバッファローでボストンに勝ち、これで今季ボストンに6連勝。ヴァネクが2ゴール1アシストでこの日のNHLのセカンド・スターに選ばれた。このところ、セイバーズは毎試合、得点が多い。フィリーのゴーリー、ニイットゥマキに言わせると、セイバーズにはファースト・ラインが4本あるのだそうだ。3月に入ってブリエア、コノリーの2人のセンターが復帰して、今、ラインがどうなってるのか、わからないのだが(ネットラジオも掲示板もごぶさたなので)、この2人とドゥルーリー、ロイがセンターなのだろうか。ロイの活躍もこのところ目立つ。ドゥルーリー、ブリエアの2人のキャプテンも活躍してるし。ゴーリーはフィリー戦で失点の多かったミラーにかわりビロンが先発。37セーヴしている。ゴーリーもスターターが2人いるみたいなものなのだが。

 一方、クレインズは火曜日から練習らしい。行けば見学できるのだが、今いるところが釧路地方と十勝地方のちょうど境目のところなので、そう簡単には行けないのが残念(車もないし)。
 先だってのセミファイナルでは、釧路駅からアリーナまで何度も歩いた(かなりの距離)。もともとバスの本数が少ない上、終バスが8時すぎなので、第1戦終了の9時半頃にはもうバスがなかった。流しているタクシーもない。当然歩く! 駅の裏側まで30分。駅の表へ行くのに5分、そこからホテルまで15分くらいか。いい運動になった。また、第3戦は当日券でいい席を手に入れるために会場1時間半前に並んだ。前売りの人と合わせてすでに10人くらいが並んでいた。まあ、カーリングは徹夜が出たっていうから、それに比べればね。


釧路のかたすみにて 06/3/13

 木曜日から釧路に来ている。目的はもちろん、クレインズのプレーオフを見るため。で、一応、パソコンを持ってきたのだが、インターネットに接続できる場所がなくて、今まで更新できなかった。今夜からしばらく友人宅ですごすので、ダイヤルアップで接続できるようになった。
 クレインズは王子製紙とのセミファイナルをスイープで勝ち抜き、苫小牧に行かずにファイナル進出を決めた。正直、苫小牧には行きたくなかったので、助かった!(その一念で応援してたわけではないが)。
 木曜の第1戦はデレク・プラントの2ゴールで最後にヒーロー・インタビューがあるも、2ピリまで5対1とリードしてたのに3ピリで1点差に追い上げられ、何やってんだ、な試合になってしまった。土曜日はレフがしょーもない試合で(木曜もレフひどかったが)、クレインズばかりペナ取られたりしたが、PKをしっかりしのぎきったクレインズが勝利(佐藤匡史2ゴール)。日曜日は両チームの選手ともに動きがよくて、なかなかいい試合だったと思うが、ライアンのハットトリック、西脇のゴール後のイナバウアーでクレインズ勝利。プラントはこの3試合、3ゴールにアシストもいっぱい、アイスタイムも非常に多く、すごいがんばってたと思う。土曜日のゴールもよかったねえ。日曜の試合で、2ピリ始まる直前、ちょっとしたアクシデントがあって、笑っちゃいけないんだが、ついつい笑ってしまった。二瓶ゴーリーもすばらしかったし、賢吾キャプテンもスピードも見とれてしまうのであった。
 試合のなかった金曜日、釧路の駅前にクレインズ模様のバスがとまっていた。写真を撮ったので、そのうちアップしよう。
 韓国ではハルラとコクドの試合が行なわれていて、あちらはコクドの2勝1敗。やはりファイナルの相手はコクドか?

 一方、セイバーズは現地時間9日のライトニング戦と11日のフィリー戦に勝利。どちらも点の取り合いのような感じで、ミラーが最近、あまりよくないのだろうか。また、ベンチ入りもできずにいた3人目のゴーリー、ノロネンがカナックスへトレードされた。これは本人が望んでいたことでもある。あと、ケガで休んでいたコノリーがどちらの試合でもアシストしてるので、9日から出場したということなのだろう。ライトニング戦ではデレク・ロイが2度目のハットトリック。フィリー戦ではアシストばかりでゴールがなかったテッポがついに今季初ゴール! ラジオ聞けないのが残念だ。


勝率新記録 06/3/8

 久しぶりにセイバーズの勝ち試合をネットラジオで聞いた(3日のリーフス戦と4日のボストン戦は勝ったが、札幌にいて、ラジオを聞けなかった)。現地時間3月7日のバッファローでのボストン戦。先制されては追いつき、また勝ち越されては追いつき、そのあと決勝点をたたきだして勝った。4日のボストン戦も同じような感じで逆転だったけど、あのときはビロンが40セーヴもしてたからスケーターがあまりよくなかったのだろう。この試合ではミラーはそんなにセーヴしてない。むしろ、ボストンのゴーリー、ティム・トマスがビッグ・セーヴ連発だったようだ。
 セイバーズは今季、これでボストンに5戦全勝。03/04シーズンには完全にカモにされていたのが嘘のようだ。ただ、最初の3戦は開幕当初で、そのあとだいぶ月日がたっての2戦だったので、ボストンのメンバーが代わっていてとまどった。トマスも前は出てなかったし、そういや、キース・プリモー、トレードで来たんだ、などと思いながら聞いていた。
 そういえば、開幕当初の予定では、私は今頃、バッファローに行っているはずだったんだけど、どこでどうしてこうなってしまったのか。もっとも、あの頃はセイバーズがこんな位置にいるとは思いもせず、チケットも楽に取れると思っていたのだが、バッファローのアリーナは年末からずっと満員御礼かそれに近い状態。ラジオで聞いていても観客の声援がすごい。2年前の今頃を思うと、これまた嘘のようなのだ。
 セイバーズはこの試合が60試合目で、39勝目。これはチーム新記録の勝率らしい。今のチームは70年代の黄金時代より強いのだろうか? スターもいなければ、ランキングの上位に来る選手もいないのに。また、ヴァネクが20ゴールに達した。ルーキーの20ゴールはコタリク以来。


真駒内の3日間 06/3/6

 昨夜は興奮してしまって、あまり寝てない。今日の午前中に仕事が来て、明日までにそれをやって、その後、また北海道へと思ってるんだけど、仕事がまだ来ないのだ。こんなことをするのは今年だけ、と思ってるけど、さすがに真駒内の3日間は疲れた。やっぱりトーナメントはレギュラーシーズンとは違う。アリーナまで雪道を片道30分、3日とも歩いたせいもあるかな。でも、長野でもビッグハットまで歩いたけど。
 帰ってきてビデオを見たら、色彩が実際とずいぶん違うので驚いた。場内は全体に黄色っぽくて、カメラで撮ると赤っぽく黄色っぽくなってしまうので、黄色を抑えたのだと思うが、そのせいで髪の毛やひげや顔が黒っぽくなってしまっている。ポドーランのひげはあんなに濃くない(むしろ、青い感じ)。全体に画面が煤けたようになってるのもそのためだろう。
 決勝戦は2ピリに佐藤匡史のナチュラル・ハットトリックがあって、それで匡史がMVPになったが、アシストはすべてプラント。匡史はプラントのおかげでブレイクした選手らしいけど、この2人はクレインズのフォシュベリとガニエ、なんて書くと笑われるだろうね。

 実は、日本時間の3月4日午前中に、バッファローでセイバーズの元キャプテン、パット・ラフォンテーンの16番の永久欠番セレモニーがあった(写真)。できればネットラジオを聞きたかったが、旅行中なのでできず、帰ってからNHL公式サイトのビデオを見た。ラフォンテーンは引退が早かったので、モギルニーとかハシェックとかアンドレイチャクとか(それにデレク・プラントもだが)、当時のチームメイトはまだプロを引退してない人が多い。そのせいか、セレモニーにはこれまでに欠番になった選手たちしか招かれていないように見えたけど、どうだったのだろう。
 なお、このセレモニーのあとのリーフス戦では、現在の2人のキャプテン、ドゥルーリーとブリエアがゴール。また、現在26番をつけているヴァネクもゴール。そして、女子ホッケー選手より小さいと言われるデレク・ロイがハットトリックでこの日のNHLのファースト・スターに選ばれた。また、翌日のボストン戦ではビロンが久々に先発。40セーヴして3対2でセイバーズが連勝。ブリエアがまたゴールしている。


セカンドベストOTゴール 06/3/6

 26番が39番のネットにゴールして勝った! 3月4日札幌・真駒内アイスアリーナでの全日本選手権準決勝、クレインズ対コクド。2対2のままOTにもつれこみ、デレク・プラント#26が菊地#39のネットにゴールして、クレインズ劇的勝利! プラントとしては、たぶん、1997年プレーオフ1回戦第7試合のOTゴールに次ぐセカンドベストOTゴール!(勝手に決めてる)。ああ、やっぱり、この人はビッグゴールのあるラッキーボーイなのだ。そういう星に生まれついているのだ。セイバーズの前のアリーナの最後の試合のときだって、プラントは2ゴールしてファースト・スターに選ばれている。なにか、そういうときに、やる人なのだ。
 それにしても、ゴールが決まったとき、思わず立ち上がってバンザイしてしまったが、とにかくプラントがゴールしたってのはわかったけど、あとはもうめちゃくちゃ。クレインズの選手がいっせいに駆け寄って、プラントの姿は完全に見えなくなり、あわててカメラのシャッターを切るも、手振れピンぼけで何もわからない写真ばかり。でも、とにかくうれしくてうれしくて……こんなにうれしかったのって、最近なかった。
 思えば、97年のOTゴールのときも、ネットのビデオで見ると、いっせいにセイバーズの選手たちが駆け寄ってきて、背の低いプラントはあっという間に見えなくなってしまうのだ。まるであのシーンの再現のようだった。
 翌5日の決勝はテレビで放送されたけれど、選手は準決勝の方が動きがよくて、レベルの高い試合をしてたと思う。特にクレインズ対コクドはテレテレやってるときのNHLの試合よりずっとよかったんでないの? 王子対バックスも点差はついているが、2ピリ、3ピリのバックスの猛攻を押さえまくるダスティーがすごかった。ただ、準決勝で死力を尽くしたせいか、決勝はどちらもお疲れって感じ。特にクレインズは準決勝の3ピリからOTにかけて、主力の滞氷時間がすごく長くなっていたので、決勝では最初、主力の動きが悪かった。プラントは準決勝のプレーは最高によかったけど、決勝ではかなり疲れてるのかなと思った。おまけに最後になって立て続けに2回ペナを取られ、優勝したときはペナボックスの中って、セイバーズの先輩にあたるデイヴ・アンドレイチャクの域に達してしまったよ(写真は、ペナボックスから出てきたプラントを迎える選手たち)。それでも、アシストをいくつもしてたりとか、陰のMVPであることは間違いなし。OTゴールがなければ決勝進出もなかったかもしれないのだから。
 3日の準々決勝(対サーパス穴吹戦)では、2ピリしょっぱなに顔にスティックを受けて鼻の下をケガしたみたいで、途中退場してたのだが、2ピリは全部休むのかと思ったら、10分経過ぐらいで戻ってきた。鼻の下に絆創膏をしていたのだが、試合後に出待ちしたら、そのときは絆創膏が取れていた。この日は1ピリでゴールしている。
 決勝も見ごたえのある試合で、途中からクレインズのペースになっていったので、準決勝よりは安心して見られたけど、長年の苦難の時代の末の初優勝だったのだね。その辺、最近来たばかりの私には実感としてわからないことだけど(でも、35シーズン目のセイバーズはまだ優勝してないんだが)。決勝でうれしかったのは、応援団から初めてデレク・コールが聞かれたこと。これまでは、ほかの主力選手がゴールすると名前のコールがあったり、派手な拍手が起こるのに、プラントのときは適度な拍手だけで、なにか、彼とファンの間に距離があるような気がしていたのだ。でも、もうそんなことはないのだね。(なんだか今日はうまく書けない。)

 セイバーズといえば、日本時間の4日午前中、バッファローで行なわれたリーフス戦の前に、ラフォンテーヌの16番の永久欠番式が行なわれた。ラフォンテーヌはプラントとほぼ同時期にセイバーズにいた選手で、キャプテンでもあったのだが、ラフォンテーヌがケガのときはプラントがトップラインのセンターになっていたという、そういう間柄。旅行中でネットラジオを聞けなかったけれど、NHL公式サイトに式の模様のビデオがアップされていた。そのあとの試合では現在のキャプテンであるドゥルーリーとブリエア、現在26番をつけているヴァネクがゴール。そして、プラントよりも背が低いロイがハットトリックして、その日のNHLのファースト・スターに選ばれている。
 翌日のボストン戦では久々にビロンが先発して、40本止めたらしい。試合は3対2でセイバーズの勝ち。ブリエアがまたゴールしている。


五輪明け 06/3/2

 セイバーズのオリンピック後の初の試合が3月1日、バッファローで行なわれたが、アトランタ相手に4対2で敗れた。ラジオを聞く限り、レトネンがビッグセーブ連発で非常によかったらしい。レトネンとキプルソフはGMが手を講じて五輪出場させなかった説が濃厚で、ケガなどは無問題と最初からわかってたが……。セイバーズは準々決勝で敗れたUSA代表のドゥルーリーと、3位決定戦で敗れたロシア代表のアフィノゲノフがゴール。アフィノゲノフのゴールはエンプティネットにゴールされた直後。こういうのもあるんか。
 ケガをしていたブリエアとヘヒトが戻り、トップラインに復帰したが、五輪ブレイクの間にケミストリーが失われるのじゃないかとか、いろいろ心配されてたけど、どうなのだろう。
 ベンチ入りもできなかったノロネンが、調整のために2週間、AHLのアマークスへ。やはり試合があったのだが、3対2で負けた。

 3月は全日本選手権、アジアリーグ・プレーオフと続くクレインズだが、アジアリーグでアシストとポイントの2冠を達成したデレク・プラントは、実は大学時代に、ゴール、アシスト、ポイントの3冠を達成しているらしい(某掲示板より)。ゴールとアシストが首位なら当然、ポイントは首位なんだけど。アジアリーグでもゴールは2位で、3冠もありえたのだが……。12月末にバックス戦を3試合休んでいるので、これも出てたら達成してたかもしれない。
 例の掲示板に出てた、オールスターのスキルコンペに出た話だけど、オールスターそのものには選ばれなかったそうだ。スキルコンペではスケーティングの速さを競うコンペに出場、シュートの強さを競うコンペには出なかったが、出場者の中で一番強いシュートを打っていたとか。実際、ネットのビデオで見ると、速いし、シュートも強そうなんだよね。

2006年2月28日

2006年2月

プラントのアイテム 06/2/28
セイバーズのトリノ五輪 06/2/27
バックスのゴーリー 06/2/26
コクドのゴーリー 06/2/25
クレインズの控えゴーリー 06/2/24
クレインズのゴーリー 06/2/22
長野カップの放送 06/2/21
クレインズの人気選手 06/2/20
王子製紙のゴーリー 06/2/19
バイキングスのゴーリー 06/2/18
長野の3日間 06/2/15
パトリックのサインをゲット! 06/2/14
五輪ブレイク 06/2/13
ヘヒト負傷 06/2/10
アフィノゲノフ・デイ 06/2/8
ついにこの日が 06/2/5
ミラー対エッシ 06/2/3
応援団ご一行様 06/2/1


プラントのアイテム 06/2/28

 TSNのサイトに、「プラントのアイテムがオークションに」という見出しが出た。このプラントというのはもちろん、50年代から60年代に活躍した偉大なゴーリー、ジャック・プラントのこと。NHLでプラントと言ったら、この人である。
 が、この見出しをそのままセイバーズ掲示板のスレタイにしてしまった人がいて、デレク・プラントだと思ってしまった人たちが出てきた(確かにセイバーズだけならそうだよね)。で、「デレク・プラントのアイテムなんて誰がほしがるんだ」(私がほしいです)とか、「いや、97年のプレーオフで決勝ゴールしたスティックなら値がつく」とか、「NHLの昔の映像をテレビでやってたけど、オールスターのスキルコンペにプラントがセイバーズ代表で出てた。彼はオールスターに出たのか?」などというレスがついて、ジャック・プラント・スレがデレク・プラント・スレに(あまり伸びなかったけど)。
 ところで、昨年末の最後の試合で、わが日本のクレインズはクリスマス・シーズンに使用したジャージを入場者に抽選でプレゼントした。対象になったのは当日ベンチ入りした選手のもので、試合後脱いだものをそのままプレゼントしたらしい。
 この試合にはデレク・プラントは出ていなかったのだが、たとえクレインズであっても、デレク・プラントのゲーム・ユーズド・ジャージだったら英語サイトのオークションに出てしまうんじゃないの、と、そのとき思ったものだ。いや、日本の選手のだって……。そういう商売の世界とはまだまだ無縁なアジアリーグ?


セイバーズのトリノ五輪 06/2/27

 テレビ見てる暇などないはずなのに、昨夜はテレビ東京の男子決勝戦フィンランド対スウェーデンの生中継を見てしまい、そのあとはNHKの深夜で3位決定戦チェコ対ロシア(録画放送)を見てしまった。
 セイバーズの選手はトリノ五輪には5人しか出ていなかったのだが、その内4人がベスト4のチーム。フィンランドのテッポ・ヌミネンとトニ・ルドマン、チェコのアレシュ・コタリク、ロシアのマキシム・アフィノゲノフである。うちはBSないので、五輪のホッケーはほとんど見れなかったが、最後にこの4人の試合が見られたこと、そして、テレビ東京の前座番組でこれまでのハイライトが紹介され、その中にアフィノゲノフのゴールとドゥルーリーの捨て身のアシストがあったのがよかった。テッポとルドマンも五輪でゴールしていて、目立った働きがなかったのはコタリクだけ。ルドマンのゴールは「ママがクッキーを隠す場所」だったとか、セイバーズではアシストばかりでまだゴールのないテッポがみごとなゴールを決めたとか、やはりフィンランド勢がよかったようだ。
 フィンランドは決勝まで無敗で来て、最後に負けて銀メダルになってしまったが、フィンランドのいい試合が見られなかったのが本当に残念。昨夜見た決勝と3位決定戦では、4人とも、セイバーズでプレーしているときの悪いところが出ていた感じがしてならないのだ。疲れのせいか、動きが悪くなっているテッポ、2回もペナ取られたルドマン、銅メダルは取ったが、ろくに役に立ってないみたいなコタリク、飛ぶように走るがフィニッシュできないアフィノゲノフ。この悔しさをセイバーズで晴らしてくれ!
 37歳のテッポは次のバンクーバーでは41歳ということで、おそらくこれが最後の五輪だろう。18年前のカルガリーですでに銀メダルを取っているそうだけど、金メダルのチャンスはおそらくこれが最後だったということで、テレビカメラも最後はテッポのアップを映し、負けたあとはがっくりと上半身を曲げているシーンを映した。それを見てるだけでなんだか泣きそうになってしまったけど、そのあとの記者会見で、くだらない質問に涙をこらえながら答えていたという話を掲示板で読んで、さらに泣けてきたのだった。
 ケガで辞退せざるを得なくなったドイツのヘヒト、選ばれなかったUSAのミラー、そして他の選手たち、テッポのためにもがんばってくれ!


バックスのゴーリー 06/2/26

 アジアリーグ・ゴーリー・シリーズもこれが最後(あとは写真撮ってないので)。
 プレーオフでは1回戦でコクドにスイープされてしまった日光神戸アイスバックス。でも、今季はバックスの試合を3回見て、そのうち2回はクレインズと王子に勝ったので、強い印象しかない。特に春名真仁ゴーリーのすばらしさが印象に残っている。
 長野カップではコクドの菊地尚哉とともに選ばれ、フランクフルト戦とデンマーク戦に先発。どちらもSOGは圧倒的に相手チームが多かったが、春名はそれをことごとく押さえ、日本は1勝1分け。当然、春名が長野カップMVP。会場のバックス・ファンは大喜びであった。
 実はバックスの写真はほとんど撮ってなくて、いい写真がなかった。だから、長野カップのフランクフルト戦で、その試合のMVPに選ばれたときの写真を。一緒に選ばれたクリス・ブライトと握手している。


コクドのゴーリー 06/2/25

 コクドの菊地尚哉ゴーリーは、敵として見ると、これほど憎たらしいやつはいない。ゴール前にでーんと立って、ことごとくパックを跳ね返してしまうのだ。まるで壁のようである。からだも他の日本のゴーリーよりでかく見える。クレインズは今季はコクドに4勝1敗1分だったが、それでも菊地は強敵という印象が強い。
 その菊地、マスクをつけたときの鬼のような姿とは裏腹に、素顔はのほほんとした顔である。地元のFM局のアナによると、「天然ぼけ」なんだとか。試合中、めったにマスクを取らない菊地だけれど、昨年の釧路の試合のとき、マスクがはずれたことがあった。その意外な顔に、まわりのお客さんたちから「あれっ?」という声があがった。
 この写真は11月末の東伏見でのバイキングス戦。バイキングスのゴーリー、アンデションが脳震盪で倒れ、治療を受けている間、反対側で手持ち無沙汰にしているところ。この試合、バイキングスは体調不良で、コクドの一方的な試合になっていたが、一度だけ、バイキングスの選手の正面からのシュートをゴールさせてしまった。菊地はスティックを氷にたたきつけて悔しがった。「天然ぼけ」の素顔にだまされてはいけない。内には激しいものを持っているのだ、たぶん。


クレインズの控えゴーリー 06/2/24

 今季はクレインズの試合を合計9回見たが、9回とも、ゴーリーは二瓶次郎だった。試合開始前の練習にまず出てきてクリースに入るのは控えの石川央ゴーリー。しばらくパックを受けたあと、スターターの二瓶次郎に代わる。試合が始まると、石川はマスクを取って帽子をかぶり、もっぱらベンチのドアの開け閉めに従事。先発したこともあるようだけど、私が見るのはいつもこういう姿。
 ゴーリーは最初から先発にはなれない。バックアップ・ゴーリーはひたすらチャンスを待つ。ハシェックはベルフォアのバックアップだった。キプルソフはナボコフのバックアップだった。去年紹介したベイカーズフィールド・コンドルズの3人目のゴーリーの話のように、バックアップの物語はドラマとして面白い。ゴーリーが好きな理由の1つは、こうしたドラマがすごく感じられるから。出番が来るのを辛抱強く待ち続けるすべてのバックアップ・ゴーリーにエールを送ろう。


クレインズのゴーリー 06/2/22

 北米にはゴーリー・ラヴァーという言葉があるらしい。要するに、ゴーリーなら誰でも好きで追っかけする女性? 私は追っかけはしないが、けっこうゴーリーは好きである。マスクで顔が見えないので、ろくに顔を知らなかったりもするのだけど、あのパックをビシバシととめているのを見ていると、やはり惚れてしまう。
 んなわけで、デレク・プラント目当てで見始めたアジアリーグも、最初はやっぱりゴーリーにひかれた。特にクレインズの二瓶次郎。開幕2戦目のとき、自軍の陣地からなかなかパックが出ず、何度も打たれながら、次々とセーヴする姿はかっこよかった。とりあえずプラントが見たい、から、クレインズを応援したい、に変わったのは、たぶん、このときから。
 12月中旬のコクド戦では完封勝利した二瓶ゴーリー。試合後のヒーロー・インタビューの写真がこれ。デジカメのピント合わせの光に気づいて、こっちを向いてくれたのである(ありがとうございます)。二瓶次郎は母親が北欧の人で、本人も北欧生まれだそうで、そのせいか、インタビューは英語だった。


長野カップの放送 06/2/21

 インターネットの無料オン・デマンドTV放送、Gyaoで長野カップの放送が始まった。2日目の日本対フランクフルト、3日目の日本対デンマークがノーカットでまるごと見られる。インターバルには日本代表選手のインタビューはもちろん、日本のロッカールームでマホン監督が選手に指示する場面までつぶさに見られるという豪華版。
 しかし、昨日の深夜、フランクフルト戦を見てたら、3ピリが始まる直前に放送が切れてしまったのだ! これはピリオドごとに分かれてなくて、最初から全部見るしかないので、万事休す。うちのパソコンが悪いのか、向こうが悪いのかわからないが、2時間半もまとめて見られない人が多いだろうに、なんでピリオドごとにしてくれないのかと思う。
 ほんとは今、缶詰状態で仕事してるので、そもそも見ちゃいけなかったんだけどね。4月30日正午まで放送があるので、急ぐことはなかったのだ。
 放送はベンチの反対側から映していたので、私が現地で見たのとはちょうど反対のアングルになっていた。2ピリでジェームズ・パトリックがヘルメットを吹っ飛ばされるということがあったのだが、私のいた位置からでは見えなかったのだけど、これで見たら、2ピリでパトリックに対するチェックがきびしくなってたのだな。前日、あまり動いてなかったので、やっぱりトシだとたかをくくっていたら、2日目はよく動いていて、1ピリでスラップショットまでされちまったのでマークするようになったのだろか。実況ではパトリックはもちろん、他のフランクフルト選手のこともわずかずつだが紹介していた。


クレインズの人気選手 06/2/20

 クレインズにはイケメンの若い選手が多いが、中でも人気ダントツなのがフォワードの伊藤雅俊選手。ファンには雅とかまーしゃとか呼ばれている。
 今季レギュラー・シーズンでは最後までゴール王を争う大活躍。先日の長野カップ3日目のデンマーク戦では、ディフェンシヴ・ゾーンからあっという間にパックを持って反対側へ。惜しくもゴールできなかったが、スタンドを沸かせた。
 私のまわりはなぜかバックス・ファンばかりで、彼らは伊藤選手のことを「ジャニーズ系の雅」と呼んでいた。確かにプレーだけでなく、そのハンサムぶりもピカ一である。きりっとした眉と目は、時代劇の若侍を思わせる。
 これは1月の苫小牧(対王子戦)で偶然撮れた正面からの写真。中央がフェイス・オフを待つ伊藤選手。


王子製紙のゴーリー 06/2/19

 アジアリーグ・ゴーリー第2弾は、王子製紙の芋生ダスティー。王子の一番人気の選手という話もある。確かにアリーナで見ていると、なんだかしぐさがかわいいというか、マスクをよく上げて顔を見せてくれるのもうれしいし、もちろん、プレーもやるときゃやる。
 今季、王子の試合は東伏見の開幕と11月の新横浜、そして1月の苫小牧で見たが、これは新横浜で撮った写真である。対コクド戦、途中でボードが壊れ、修理を待っている間の風景。ボード越しなので少しぼけてるが、なんとなく味のあるダスティーである。
 なお、プレーオフはコクドが3連勝で勝ち抜け。3試合とも接戦だったので、バックス、本当に惜しかった。他方、王子はバイキングスに圧勝。ポドーランがハットトリックしたようだ。これで王子の2勝1敗。決着は火曜日以降、北京で。


バイキングスのゴーリー 06/2/18

 木曜日から東伏見と苫小牧でプレーオフ1回戦が行なわれているのだが、東伏見、1度くらいは行こうと思っていたのに、とても無理だ。これから月末までほとんど映画も見られそうにない。好きな水泳もお預け。オリンピック? とりあえず、地上波のホッケーだけ録画しとくか。
 てなわけで、結果だけ書いとくと、東伏見はコクドがバックスに2勝で王手をかけた。バックスは明日がんばらないと日光に帰れないぞ。今日の試合じゃ、ポディーンとパーピックが乱闘したらしい(うー、見たかった……)。苫小牧は王子とバイキングスが1勝1敗。これで王子はバイキングスの本拠地、北京行きが決定。わからなくなってきた。
 ということで、ブログもしばらく長いものは書けないので、これまでに撮ったアジアリーグの写真をアップしようと思う。で、今日はバイキングスのゴーリー、ペーテル・アンデション。昨年、釧路に来たときにそのパフォーマンスでクレインズ・ファンの心もとらえたアンデション。私が唯一見たバイキングスの試合、11月30日のコクド戦(@東伏見)では2ピリで脳震盪を起こして退場してしまった。これは1ピリの写真。


長野の3日間 06/2/15

 最初は土曜日の日本対フランクフルトだけ見て日帰りしようと思っていた長野カップだが、最終の新幹線に間に合うかどうかわからなかったので、結局、2泊3日で3試合見てしまった。土曜日の試合は引き分けでOTまで行ったので、新幹線の最終には間に合わなかっただろう。
 金曜日のデンマーク対フランクフルトは、フランクフルトがちょっとお疲れかという感じで、あんまり緊迫した試合ではなかった。お客さんも当然、少なかったけれど、私の座ったところに親子連れの団体がどどっとやってきて、試合中、親はおしゃべり、子供は走り回るので、試合に集中できなかった。んなわけで、金曜の印象は、やっぱり長野カップってしょぼい。
 土曜日は昼間があいていたので、善光寺へ行く。長野県は以前、軽井沢や乗鞍に行ったことがあるが、長野市は初めてなので、善光寺も初めて。シーズン・オフで一部工事中だというのに、けっこう人がいる。結婚式があったようで、白無垢のお嫁さんと新郎が親族に囲まれて写真を撮っていた。
 この日の試合は日本が出るので混むと思い、開場時間に行ったら、もう開場していて、それでも10分くらい並んだ。入るともう、いい場所は席取り(ほとんど自由席なので)。ベンチ裏のちょうど中間がぽつんとあいていたので、そこに座る。日本とフランクフルト、両方応援したかったので、よかった。日曜は混雑を予想して開場30分前に行ったけど、もう長蛇の列だった。
 土曜と日曜の試合はどちらも接戦で、どっちに転ぶかわからず、面白かったと思う。確かにペナは多いなと感じたけど、NHLを毎日チェックしてるとそれほど違和感はない。日本対デンマークはデンマークの方が押している感じで、SOGがデンマークの方がずっと多かった。MVPに選ばれた春名ゴーリーがすばらしかったと思うが、2ピリで西脇がゴールしてから流れが日本に行った感じもあった。
 パックを持っていない選手への妨害を減らし、試合をスピーディにするための新ルール。クレインズにはこのルールは有利に働くだろうと私は思ったが、その後、2ちゃんねるを見たら、「鶴はスピードがあるから有利」と書いてあって、やっぱりだった。それと、クレインズはチームのまとまりが非常にいいように思う。これも有利に働くと思った理由。逆にあのチームとかこのチームはこれからしっかり対策、でしょう。
 日本の選手はいつもと番号が違う上、背中に名前がないので誰が誰だかわかりにくい。フランクフルトはヨーロッパのプロリーグではおなじみの広告ジャージ。ドイツは今、五輪休暇で、2月末からリーグ再開らしい。フランクフルトはプレーオフぎりぎりのところにいるようだ。


パトリックのサインをゲット! 06/2/14

 日本代表とデンマーク代表、それにドイツ・トップリーグのフランクフルト・ライオンズが参加した長野カップ(2月10日~12日)。前にも書いたように、フランクフルトには昨年オフにセイバーズを引退したジェームズ・パトリックがいるので、わざわざ長野まで行ってきた。
 ビッグハットはオリンピックのホッケーをやったところだけど、客席がすごく少ないのにまずびっくり。しかも、中は全然寒くないのにカイロを配っている。だいたい、長野自体があまり寒くないのだ。雪はほとんどないので拍子抜け。冬の長野って、こんなものだったっけ?
 パトリックは、初日のデンマーク戦では氷上に出てもあまり動かず、やっぱりトシなのかなあ(42歳)と寂しくなってしまったが、次の日はちがった。出番も多く、よく動いていて、PKにもどんどん出されていた。フランクフルト自体、前日は時差ボケか、水曜に新横浜で日本と1試合やっていたデンマークに負けてしまったが、この試合は日本と引き分け。会場では元コクドのクリス・ブライトは紹介されても、レンジャーズのドラフト1巡目で、五輪のメダリストで、NHLのキャリアが20年以上あるパトリックは名前も出てこなかったが、彼の元気なプレーを見られただけで長野まで来たかいはあったというもの。
 そんなわけで、サインをもらおうなんてことはまるで考えず、ビッグハットから歩いて帰ろうとしたとき、ふと、裏を見ると、選手が乗るようなでかいバスが待っている。なんだろうと思って近づくと、なんと、建物からパトリックが出てきたのだ! こ、これはサインをもらわねば! 警備員はすぐに彼をバスに乗せようとしたが、2、3人の男性が近寄ってサインをもらおうとした。その間に私はリュックから無料のパンフレットとペンを取り出し、おサイン、ゲット! 近くにはブライトを待っていると思われる人たちがいたが、バスに乗り込むパトリックを見送った私はさっさと帰路に。が、そのあと、会場で買ったセイバーズのジャージにサインをもらうべきだったことに気づいて、がっくし。でも、なにげに裏へ行ったらそこにパトリックが出てくるなんて、幸運以外のなにものでもない。5分遅かったら、会えなかったのだ。
 パトリックは写真で見るよりずっと若々しかった。フランクフルトはこのあと、名古屋に移動して、月曜日に日本と再度試合をしたが、こっちは負けてしまったらしい。
 日本は日曜日にはデンマークに勝って、長野カップの優勝は日本となった。長野カップとその前後の試合ではNHLの新ルールが取り入れられ、慣れない3チームはどこもペナとられまくり。イライラがたまって、最後は乱闘になったりもした。日本代表にはクレインズの4人の選手が選ばれていたが、日曜のデンマーク戦、最後にクレインズの選手2人がデンマークの選手と乱闘するはめに。準備期間なしにいきなり新ルールっていうのもどんなものだろう。
 フランクフルトには26番でプラントという選手がいた。フィリップ・プラントというフランス系カナダ人のディフェンスで、デレク・プラントとは国籍もちがうし生まれ育った場所もちがう。が、あとでデジカメの写真をよく見たら、この2人、顔が似てるのだ。もしかして、親戚? フィリップ・プラントはNHLにはドラフトされていないマイナー・リーガーで、昨季はAHLのハミルトンにいたようである。


五輪ブレイク 06/2/13

 2月13日から28日まで、NHLはオリンピック・ブレイクに入るが、セイバーズは五輪前の最後の2連戦、ホームでのフロリダ戦とアウェーでのカロライナ戦を戦った。フロリダにはこれまで3連敗、カロライナには1敗と、苦手な2チーム、しかもブリエア、コノリー、カリーニン、メアに続いてヘヒトまで欠いての試合。1勝1敗で御の字であったが、フロリダには5対3で今季初勝利、カロライナには3ピリ途中まで3対2とリードしていたが追いつかれ、シュートアウトで敗れた。しかし、2試合で3ポイントを稼ぎ、ディヴィジョン首位のオタワに2ポイント差に迫る成績でオリンピック休みを迎えた。
 この2試合、セイバーズは日程的にも過密スケジュールで、11日夜7時半からバッファローでフロリダと試合、その後、南部のノース・カロライナ州に移動して午後5時から試合。カロライナでは3ピリからOTは選手たちは疲れてあまり動けず、防戦一方だったらしい。それでもミラーのスーパーセーヴでなんとかSOにまで持ち込んだが、ケガ人の多いセイバーズはSOのメンバーがやはり苦しい。実際、カロライナがスタールやコールを欠いていたら、今のセイバーズのように勝てるだろうか。あるいは、オタワは戦力アップのためによそのチームからいい選手を奪うことに躍起になっているが、セイバーズはケガ人が出ても全部、自前で補っているのだ。11日のフロリダ戦では、主力のケガのために上に上がってきた新人イリ・ノヴォトニーがNHL初ゴールしている。また、この試合ではヴァネクが2ゴール。12日のカロライナ戦ではケガから復帰のデュモンが2ゴール。ミラーやパイアットのように、ケガから復帰後、前よりよくなった選手もいる。もうこれ以上ケガがなく、3月にはみんなが元気に戻ってくることを祈りたい。

 ところで、オリンピックの男子ホッケーは地上波では予選1試合と決勝しかないようで、BSのない私はもっぱら、ネットの情報に頼ることになりそうだ。というより、これから2月末まで、ほとんど缶詰状態で仕事をすることになっている(3月には北海道へ行くのでその旅費を稼がねばならない)。そんなわけで、私も五輪ブレイク中はしばらくホッケーから離れることになるだろう……って、今週は東伏見でプレーオフか。うーん、どうする?
 と、その前に、10日から12日まで長野のビッグハットで行われた長野カップを見に行ったのだが、その話はまたのちほど。


ヘヒト負傷 06/2/10

 いったい、どこまでセイバーズの災難は続くのか。9日のバッファローでのハブス戦でヘヒトが足を負傷。2週間は無理ということで、オリンピックにも出られなくなってしまった。これからフロリダ、カロライナと手ごわい相手との試合があるセイバーズにも痛手だが、もともとNHL選手が少ないドイツはもっと痛手だろう。
 それにしても、セイバーズはトップラインのセンターが次々ケガしてしまう。最初はブリエア、次がコノリー、そして、レフトウィングからセンターに移って非常にいい働きをしていたヘヒト。ヘヒトはこの日も先制点をあげ(写真)、1点リードされた3ピリにヴァネクのパスをゴールしようとしたときにチェックを受けてケガをした。これで万事休すかと思ったが、終了30秒前にハブスのゴール前のフェイス・オフをドゥルーリーが取り、あっという間にポミンヴィルが同点ゴール。しかし、OTでコバレフにゴールされてしまった。
 この日のセイバーズは今季最悪の試合の1つと言われるほどよくなかったようで、OTまで行って1ポイント得ただけよかったのだが、次の2試合のラインのやりくりがむずかしいだろう。ブリエアが週末の試合に出ようと思えば出られると言われていたのだが、無理をしない方がいいということで、オリンピック明けまで復帰を延期したのだけど……。


アフィノゲノフ・デイ 06/2/8

 昨日の深夜、なにげなくテレビを見ていたら、NHK総合でリリハンメルと長野とソルトレークのホッケー決勝のダイジェストをやっていた。リリハンメルのフォシュベリ対カリヤ、長野のヤーガー対ブレ、そしてソルトレーク。へえ、とか、ほお、とか思っていると(この頃にはホッケーにはまったく興味なかったので)、長野ではジトニクがロシアで出ていたことを発見。トリノはジトニクはケガで辞退するようだ。
 で、ソルトレークで銅メダルを取ったロシアは、長野で敗れたチェコに準々決勝で勝ったのだが、このとき、唯一のゴールを決めたのがマキシム・アフィノゲノフ。2月7日のモントリオールでのセイバーズ対ハブスはアフィノゲノフの先制ゴールとOTゴールでセイバーズが勝った。1点取っては追いつかれ、で、2対2で迎えた3ピリ終盤、ハブスが3点目をゴール、と思いきや、ライダーが体の一部を使ってゴールしたのにレフが気づき、すぐにノーゴールのジェスチャー。ビデオ・リプレイの末、ノーゴールが確認された。その直後、ハブスは2人がペナを取られ、ツー・マン・アドバンテージのセイバーズはOT開始30秒でアフィノゲノフがゴールした。
 ハブスのゴーリー、クリストバル・ユエはこのところ2試合連続完封と絶好調。さすがに攻略はむずかしく、試合全体でもハブスの方が圧倒している感じだったが、とにかく、なんとか勝てた。最近、ハブスとボストンはこれまで脚光を浴びなかったゴーリーがブレイクしていて、妙に強いのである。
 セイバーズの2点目はデレク・ロイ。2ピリ終了6秒前のゴールだった。この試合でいまだゴールのないテッポはアシストが30になった。今のところ、NHL新記録だそうだ(早くゴールが欲しいね)。また、現在のセイバーズの勝率は最初にカップ・ファイナルに進出した74/75シーズンと同じペースだとか。


ついにこの日が 06/2/5

 30番が守って、26番がゴールして勝つ。26番がハシェックのネットにゴールして勝つ……この数カ月、何度も頭に思い描いたシーンがついに現実になった。1対1で迎えたシュートアウト、コタリクがはずしたあと、ヴァネクがフェイントをかけてゴール。これが決勝点に。年末からずっと満員御礼が続いていたバッファローのアリーナはこの日(2月4日)はソールドアウトにならなかったが、ほぼ満員に近い観客はいっせいに例のUSAコール。リンディ・ラフHCまで思わずUSAコールしてしまったそうだ(ラフはカナダ人)。USAはトリノでチェコに勝つチャンスを逃したかもしれない。
 トリノといえば、1ピリに先制点をあげたコタリクはチェコ代表に選ばれていない。ヴァネクはチェコ系オーストリア人。なにげにチェコ対決であったのだった。
 ミラーの1失点はまったく不運な失点で、これがなければシャットアウトだったのだ。レギュレーションで勝てず、1ポイントやってしまったのは残念だが、シュートアウトで勝ったということは、ミラーがハシェックに勝ったということ。これは1つの通過点だ。
 NHLサイトでハイライトのラスト、勝ったミラーが喜んでベンチに向かうと、まずピーターズが出てきてミラーと抱き合い、それから他の選手たちがやってきて勝利を喜び合う。あの11月の悪夢のあとずっと、選手とファンが待ち望んでいた瞬間だ。でも、これはあくまで通過点。セイバーズは4月まで強豪との対決が続く。彼らの真価がわかるのはむしろこれからだ。


ミラー対エッシ 06/2/3

 2月2日、およそ3週間ぶりにセイバーズがバッファローに戻り、ホームで試合をした。もちろん、アリーナはソールドアウト。相手は現在、フォシュベリとプリモーを欠いているフィリーで、ミラーはトリノ五輪のUSA代表に選ばれたエッシと対決。すでに五輪代表ゴーリー、アイルズのディピエトロとタンパのグレアムに勝っているミラーは、この日はエッシにも勝利。これで五輪USA代表3人に勝ったことになる(もっとも、エッシはミラーの1・5倍くらいシュートを浴びていたが)。試合中、満員のアリーナではUSAコールが何度も起こっていた。
 試合の方はまずフィリーのガニエが先制ゴール。しかし、セイバーズはパイアットが手首骨折から復帰後初ゴール。続いてキャンベル、ヘヒト、最後にエンプティ・ネットにポミンヴィルがゴール。結果は4対2。ミラーの2失点目はクリースを離れたすきにゴールされたというアホなミスだった。
 その間、アイルズのディピエトロはレンジャーズ相手に炎上。クリースの周辺で情けなくひっくり返っている真上からの写真がYahoo.comに何枚も出ている(カメラマンの悪意を感じるなあ)。トリノではUSAはカザフにも負けるとか言われてるが、どうなんだろうね。ボストンの新人ティム・トマスも先日、44本もシュートを受けながらオタワを完封したのだが、ミラーやトマスが出てくるのが少し遅すぎた。トマスは昨季、フィンランドで活躍していたのが記憶に残っている。
 先日のアトランタ戦で肩を負傷したカリーニンは五輪明けまで欠場。テッポとルドマンも体調万全でなさそうという話もあって、相変わらずDは不安なのだ。


応援団ご一行様 06/2/1

 アトランタでの試合だというのに、セイバーズがゴールするとわっと歓声が上がる。ラジオで聞いていてもかなり大きい。テレビで見た人も、セイバーズ・ファンが数千人はいるんじゃないかと掲示板に書き込んでいた。
 まさか、バッファローから応援団がバスを連ねて来るはずもないし、平日の夜なのに飛行機で何千人も来るわけがなし。結局、バッファローは仕事がないので移転した人が多い、それも仕事のある南の方へ、だからアトランタにもバッファロー出身者がたくさんいる、ということらしい。もちろん、バンドワゴンに乗るにわかファンもいるのだろうが、モギルニーの番号を今のセイバーズのジャージにつけたファンが数人、NHLサイトのハイライト・ビデオに映っていたのには驚く。モギルニーは今のジャージは着たことはないのだが……デビルズ二軍からセイバーズに戻ってきてほしいという願いだろうか(お値段半額ならねえ)。
 さて、現地時間1月31日のこの試合、セイバーズがコタリクのゴールで先制するも、すぐに2点取られ、しかし、その後はヴァネク、ポミンヴィル、ゴースタッドがゴール、最後に、手術で2カ月欠場していたデュモン(写真)が復帰後初ゴール。実にめでたい。守ってはミラーがまたしてもワデルGMに五輪選考の誤りを見せつけたのだった。
 この試合ではセイバーズの現乱闘係ピーターズと元乱闘係ボールトンが乱闘。また、コヴァルチャクが不正なスティックを使ってペナを取られた(掲示板によると、これはけっこうみんなやってることらしい)。また、カリーニンがぶっ倒れてしばらく起き上がらないということがあったのだが、大丈夫だろうか。
 ところで最近2試合で3ゴールのヴァネクは今季、50ポイントを超えると予想されているのだが、セイバーズのルーキーで最後に50ポイント以上を上げたのはデレク・プラントらしい。前にも書いたように、ヴァネクにはプラントのルーキー・イヤーの56を超えてほしいのだが。番号も同じだし。ヴァネクが50ポイントを超えたときには、プラント以来ということで、プラントの名前があちらのメディアに出るだろうか。
 で、そのプラントだが、アジアリーグのレギュラー全日程が終了し、クレインズのデレク・プラントがポイントとアシストの2冠に輝いた(おめでとう!)。ゴールは残り試合の多かった韓国・ハルラのソン・ドンファン。プレーオフはハルラが2位シードになったため、2月の1回戦はコクド対バックス、王子対バイキングスとなった。

2006年1月31日

2006年1月

遺恨試合 06/1/30
ペンギンズ@ダラス 06/1/29
なんじゃいな 06/1/27
コノリー負傷 06/1/25
雪と請求書にはばまれて 06/1/24
またもノーゴール! 06/1/22
フランクフルト・ライオンズ 06/1/22
意外なことごと 06/1/21
「ミュンヘン」のことなど 06/1/20
デレク・ロイ 06/1/18
ハッピー・バースデー 06/1/17
13年ぶり 06/1/16
モギルニー、AHLデビュー 06/1/15
サンダーソンにやられた 06/1/14
元セイバーズな人々 06/1/13
99年ファイナルの感想 06/1/12
ついに見た 06/1/11
北海道対決を見る 06/1/10
新年早々やばい 06/1/9
勝てば客は来る 06/1/8
手術とおめでた 06/1/6
正月早々 06/1/3
大晦日から新年へ 06/1/1


遺恨試合 06/1/30

 ダラス公式サイトのビデオ、1999年4月14日のダラス対フェニックスというのを見たら、これが遺恨試合であった。その数週間前、ダラスのモダノがフェニックスのJRにチープショットされていて、ダラスの方では、今度対戦するときはやってやろうってな雰囲気になってたらしい。てなわけで、この日、今度はハッチャーがJRにぶつかっていき、JRは口から血を流して、結局は途中退場という荒れた試合。ビデオも試合なんかそっちのけで、流血や乱闘のところばっかり選んで編集しているという、試合が見たい人にはおすすめできない内容。で、そのあと、ハッチャーとカチャックがやりあってたり、両チームの控えゴーリー、ターコとハビブーリンがベンチでそばにいるのが映ってたり。きわめつけは、テッポがダラスの選手にチェックに行った直後、別のところでプラントがぶっ倒され、それをきっかけに大乱闘に。起き上がったプラントがのこのこと大乱闘の現場へ行き、フェニックスの選手のジャージを引っ張ったりしてるのが笑えるのでした(無事でよかったね)。
 このときのプラントはセイバーズからトレードされてまだ1カ月くらいのはずだけど、それでも、プラントがやられたってんで、みんなが乱闘するのだね。セイバーズだと当時は、ロブ・レイとかバーナビーとかメイとかが出て行ったんだろか。今のセイバーズはロイがボコボコにされても誰も行かないってんで、不満が出てる(まあ、状況が違うのだが)。
 このビデオにはプラントのシュートも映ってたが、前に見たセイバーズ時代のと同じ特徴のあるスラップショットだった。セイバーズ時代のプラントのスラップショットはものすごく強かったのだそうだ。


ペンギンズ@ダラス 06/1/29

 ダラスの勝ち試合しかないとはいえ、やはり拾って見てしまうダラスのビデオ・アーカイヴ。今日は2001年1月19日、ダラスで行なわれたスターズ対ペンギンズを見た。マリオ・ルミューが引退からカムバックしてまだ日が浅い時期の試合である。画面が小さくて見づらいけど、私のような立場の者はぜいたくは言っていられない。見られるだけで何でもありがたいのである。1ピリ終了後のインターバルにはマリオのインタビューもある。試合も点の取り合いで、OTまでもつれ込んだ末にダラスが6対5で勝つという、なかなか面白いものだった。いろんな選手がゴールするのも、高見の見物の私には楽しい限り。それにしても、この頃のペンギンズはスターぞろい。例の某K選手がケガしてたが、このKは(カスパレイティスだよ)2001年のプレーオフでセイバーズを葬った天敵でもある(カスパレイティスのゆるいシュートが止められなかったので、ハシェックがキレてトレード要求したと言われている)。
 他のチームもこういうビデオ・アーカイヴを作って、試合が見られるようにしてくれたらなあと思う。特にセイバーズ! でも、セイバーズのあのしょぼい公式サイトでは百年たっても無理だろ。ダラスはやっぱり金があるのか。でも、それだけではないような気もするのだが。
 マリオの最後の試合は私が釧路へ行っていたときのセイバーズ戦だったのだな。釧路へ行っていたから、この試合はラジオで聞いていないのだった。


なんじゃいな 06/1/27

 現地時間1月26日、トロントで行なわれたセイバーズ対リーフス。セイバーズが8対4で勝ち、リーフスは9年ぶりの7連敗。例によって例のごとく、レフはリーフスにえこひいき、リーフスのダーティなプレーにはペナを取らず、セイバーズは次々とペナを取られ、それでもセイバーズはベルフォアから4点(ヘヒト、ロイ、キャンベル、ヴァネク)、ルンドクヴィストから3点(ポミンヴィル、ドゥルーリー、ヴァネク)、最後にマッキーがエンプティネットにゴール。リーフス・ファンでさえも、「ブリエアもいない、コノリーもいない、レフのリスペクト(えこひいきとも言う)も得られないセイバーズに負けた」と書いていた。
 セイバーズはブリエア、コノリー、パイアット、メアに続いて、この試合はテッポも欠場したのだが、テッポのケガは軽いようである。ただ、4点も取られたのは、レフのえこひいきもあるけど、やはりディフェンスがあまりよくなかったようで、こういうところでテッポの重要さがわかるというもの。リーフスも主力をケガで何人か欠いているが、中でもマッケイブの欠場が痛いらしい。
 それにしても、ドミやベルフォアがダーティなのは想定内だとしても(タッカーは欠場)、本来、汚いプレーはしないはずのサンディンまでがこの試合ではセイバーズの選手の顔を次々と殴り、なのに一度もペナ取られないのだと(サンディンは何をしてもいいのか)。誰だか知らないが、ミラーの頭を後ろから蹴ったやつもいて、これもペナ取られてない。3ピリ終了間際にはタリンダーがペナ取られたが、タリンダーはロッカールームに治療に行き、ペナボックスにはデュモンがかわりに入るという事態があったのだが、タリンダーはサンディンに殴られたのだと(殴られた方がペナかよ)。まったくもって最後までなんじゃいなな試合なのだが、そのあと、マッキーが自軍の陣地から一気にエンプティネットにショートハンデッド・ゴール。その0・3秒後に試合終了。マッキーはセカンド・スターに(ファースト・スターは2ゴールのヴァネク)。最後は笑って終わったけど、サンディンに殴られた連中は大丈夫かいな。
 この試合、セイバーズの8ゴールの内、3つがアシストなし。これもまた、なんじゃいなであった。
 この日、もう1つ、なんじゃいなだったのは、ハブス対センズでハブスのSOGが12だったこと。アジアリーグのドアマット・チーム並みじゃねーの。


コノリー負傷 06/1/25

 昨年、スポーツヘルニアの手術を受け、ずっと欠場していたJ・P・デュモンがようやく24日のレンジャーズ戦で復帰したと思ったら、その試合中にチームのリーディング・スコアラーでアシスト・リーダーのティム・コノリーが負傷。6~8週間は絶望になってしまった。コノリーはポイントとアシストだけでなく、PPやPKでも力を発揮していた。スポーツヘルニアで3月後半まで無理のブリエアに代わり、トップラインのセンターをつとめていたのだ。しかも、重い脳震盪で1シーズン棒に振り、ようやく今季、ドラフト全体5位の底力を発揮してきたというのに。しかも、ケガをさせたのが、相手チームの選手を次々葬ることで有名な某Kだというので、HCはカンカンである。これでブリエア、コノリー、パイアット、メアの4人がケガ人リスト入り(フィッツパトリックはなんで出てないんだっけ)。このほか、ドゥルーリーも万全でない、トリノ五輪は休ませたいという声もある。こうなったら、この日の試合でゴールしたヴァネク、コタリク、ゴールしそこねたアフィノゲノフなどによほどがんばってもらわなければ……。
 とりあえず、試合は2対1でセイバーズの勝ち。


雪と請求書にはばまれて 06/1/24

 ノーゴールの件は思い出すとむかつくけど、そんなにこだわってるわけじゃないのだ。むしろ、やっぱ、先週末、釧路に行けばよかったと、そっちの方が後悔。実際、直前まで行くかどうか迷ったが、東京は雪が降ってくるわ、クレジットの請求書が来るわ(釧路と苫小牧の旅費です)、金曜にはセイバーズがカナックスに負けるわ……これまでセイバーズの勝ちを見届けて、いや、聞き届けてクレインズの応援に出かけていたので、負け運を持っていってしまうのもいやだなあと。
 で、先週末のクレインズ対ハルラは、前に書いたように土曜日はクレインズが5対0で快勝。苫小牧で2連戦、そのあと2日休んで釧路で2連戦のハルラ、さすがにお疲れかと思いきや、日曜は追いつ追われつのシーソーゲーム。クレインズが2対1として逃げ切るかと思ったが、3ピリ終了直前に追いつかれ、OTでクレインズのルーキー、西脇がゴールして勝った。しかし、ハルラはOTに持ち込んだことで1ポイントを稼ぎ、リーグ2位の可能性を残す。一方、コクドはバックスに勝ち、王子もバイキングスに勝利。これで日本の4チームはレギュラー全日程を終了。あとはハルラとバイキングスの成績で順位が決まる。
 アジアリーグはラジオさえもないので、掲示板の実況に頼るしかなかったが、やはりハルラは手ごわいチームのようだ。土曜は1G1Aだったプラントは日曜は1Aのみ。クレインズは現在ゴール王のソンにはゴールさせなかったが、3ピリ終了間際の同点は2人のネドベドとマルティネツのチェコ人トリオによるもの。元コクドの瀬高もアシストしてるしなあ。コクドと王子に土をつけ、クレインズにはOTまで持ち込む。今、リーグで2番目に強いのはハルラだと思う。もちろん、プレーオフに向けてコクドと王子も立て直してくるだろう。
 ファンサイトに最終戦の写真がアップされていたのがありがたかった。しかも、プラントの写真がいっぱい。釧路でもゴールして派手なガッツポーズをしたようだし、やっぱりきびしいチェックを受けていたようだし、3ピリ終了間際に同点にされたときはスティックを投げ出したという写真には、これまでにも感じていた勝利への執念を感じた。移籍間もないダラスのベンチで小さくなっていた彼の映像を見てしまうと、今は主役になれる場所で生き生きとしているのだと思う。
 さて、できるだけ安くプレーオフに行く方法を考えよう。もしも釧路でスイープならず、韓国や中国へ行くことになったら……まさかそこまでは、と思うけど、行きたくなったときに後悔しないようにパスポートは取っておくか。で、せっかく取ったんだからバッファローへも行ってみる、というふうになるのかどうか……。


またもノーゴール! 06/1/22

 今日はとことんむかついているのだ。セイバーズ、ノーゴール、パート3。またもノーゴールをゴールにされた! ロビン・レゲアが蹴ったのをゴールにされたのだが(フレームズ側はスケートに当たって入ったと言ってるようだが)、明らかに蹴った動作があって、すぐにビロンが抗議。トロントのオフィスの人もラジオで「あれは蹴ったからノーゴール」と言ったのに、リキャップでは「ビデオリプレイをしたが、ゴールと認められた」と出た。本当にビデオリプレイしたのか、という疑問が出ている。
 確かにこの試合はフレームズが圧倒していて、あのゴールがなくてもセイバーズは負けたと思う。でも、1対1の同点のあとのゴールで、これが試合を決めてしまったという面もあるだろう。しかも、ファースト・スターがレゲアだって……キプルソフにしとけよ(実際、よさそうだった)。
 ノーゴール、パート3なのは、99年のファイナルのハルのノーゴールのあと、多分2001年のプレーオフだと思うが、ルクレアのノーゴールがゴールにされたというのがあったらしい。
 今季はオフィシャルに対する不満があちこちで出ていて、公平に見てもおかしなジャッジが多いらしい。特にセイバーズには不利なジャッジが多く(アウェーだけでなくホームでも!)、記者会見で記者から質問が出たくらい。そこへこのゴールだから、セイバーズ・ファンはますます、「NHLはセイバーズが勝つのがいやなのだ」と思ってしまうのだ。
 この試合で唯一、胸がスカッとしたのは、3ピリ終了直前にあのデレク・ロイがフェレンスとファイティングしたことである。あのちっこいロイ、5フィート9インチしかなくて、いつも相手チームにボコボコにされているロイがフェレンスに向かっていったのだ(写真)。チームメイトは助けてくれないし、相手チームのファンはダイブ野郎とか言うし、セイバーズ・ファンの中にさえ、あんなヤワなやつはチームの面汚しなんて言うのがいるんだから。がんばれ、ロイ! まあ、この試合はロイと、ゴールしたアフィノゲノフ以外はだめだめだったらしいけどね。


フランクフルト・ライオンズ 06/1/22

 2月10日から12日に行なわれる長野カップと、その後のチャレンジカップにドイツリーグのフランクフルト・ライオンズが参加するそうである(詳しくは日本アイスホッケー連盟のサイトへ)。
 このフランクフルト・ライオンズ、元コクドのクリス・ブライトがいるのだが、実は、昨年オフにNHLを引退した元セイバーズのジェームズ・パトリックもいるはずなのである。パトリックも日本に来るのだろうか。来れば、また1人、元セイバーズが日本で見られることになるのだが。パトリックはドイツリーグ終了後はセイバーズのコーチング・スタッフに戻る予定なので、その辺どうなのかなあと思うけど。ライオンズの出る試合は夜ばかりだけど、日帰りできるかな?
 ドイツリーグといえば、昨季、ロックアウト中、セイバーズのヘヒトがマンハイムでプレーしていた。そのとき一緒だったのが、クレインズのプラントと王子のポドーランで、マンハイムは確か、プレーオフのファイナルまで行ったはず。
 で、例のダラス公式サイトの99年プレーオフの映像をつまみ食いしてわかったのだが、1回戦の相手エドモントンに現セイバーズのグリアが、2回戦の相手セントルイスにやはり現セイバーズのヘヒトが、そしてカンファレンス・ファイナルの相手コロラドにもやはり現セイバーズのドゥルーリーがいたのだ。しかもこの3人は今季、ラインを組んでいるのである。

 土曜日に釧路で行なわれたクレインズ対ハルラ。クレインズは主力がポイントを稼ぎつつ、相手の選手にはポイントを稼がせず、5対0で勝利。プラントは1ピリでさっさと1G1Aを稼いだあと、2ピリ最初にハルラのチェコ人ゼマンとラフィングしたとか(今までハルラのチェコ人を3人と書いていたけど、4人でした)。土日で日本の4チームはレギュラーシーズン全日程を終了、クレインズは3月まで試合がない。やっぱり行きたかったなあ、と思うのであった。


意外なことごと 06/1/21

 アジアリーグはレギュラーシーズン1位がクレインズ、6位がアイスバックスにすでに決まっていて、6位以上がプレーオフ進出、で、残る2位から5位が大混戦なのだが、1月20日に神戸で行なわれたバックス対コクドでバックスが勝ち、ますますわからなくなってきた。
 この試合では、昨年暮れに骨折で帰国してしまったポディーンが復帰。1G1Aの活躍で、やっぱり大将がいると違うのね。これで22日に日光でまたコクドに勝ってしまったらどうなることやら。バックスの順位は関係ないが、どこが何位になるかによってプレーオフの対戦相手が決まる。1位と2位はシードされていて、セミファイナルからの参加。3位から6位が1回戦を戦う。で、1位はクレインズだが、2位がわからないのだ。最有力と見られていたコクドはパーピックを欠いてから力を失っているような気がするし、次に有力と見られていた王子はこのところ負け続き。そこへ台頭してきたのが韓国のハルラ。現在ゴール王のソン・ドンファンと3人のチェコ人の活躍で連勝を続け、今年に入ってからはコクドに1勝1敗、王子にも1勝1敗。そして、クレインズとは、昨年秋に対戦して1勝1OT敗。この土日に、今度は釧路でクレインズと対戦する(ああ、行きたかったなあ)。この結果によっては、ハルラ2位の可能性が出てくるのだ。
 個人成績では、ゴール王はハルラのソンが1位、僅差でデレク・プラントらクレインズの選手が数人並んでいるが、残り試合の多いハルラのソンに決まりそうだ。ポイント・ランキングはゴールもアシストも多く稼いでいるプラントが2位以下を大きく引き離しているので、これはプラントに決まりそう。アシストは今のところ、プラントが1位で、2位以下に伊藤賢吾らクレインズの選手たちとハルラのマルティネツがいる。これは残り試合の多いハルラのマルティネツがプラントを追い越すかどうかという微妙なところである。

 ところで、99年3月にセイバーズからダラス・スターズに移籍し、タナボタ・カップ獲得してしまったデレク・プラントだが、この99年プレーオフでの彼の唯一のゴールは、なんと、ダラスをカンファレンス・ファイナルに導く同点ゴールだった! 2回戦の第6戦、3ピリ終了まぎわに同点ゴールしてOTに突入、そしてモダノが決勝点をあげている。
 このときのプラントはファイナルをスクラッチされるなど、まるでいいところがなかったのだが、それでもこういうゴールがあるなんて、やっぱりツキがあるのかなと思ってしまう。セイバーズ時代の97年プレーオフ第7戦のOTゴールも、その前の3ピリ同点ゴールも、ある種、ラッキー・ボーイ的な感じはあるし(でも、ぼたもちのある棚の下へ行って、それを受け止めるのは実力なのだよ)。
 それにしても、もしもプラントをダラスにやらなかったら、セイバーズが優勝してた? どうだろねえ。


「ミュンヘン」のことなど 06/1/20

 スピルバーグの新作「ミュンヘン」の試写会に行ってきた。はじめに主演のエリック・バナが舞台挨拶をしたので、今日あたり、新聞やテレビに出るだろう。
 映画は1972年のミュンヘン五輪で起こった、パレスチナ・ゲリラ「黒い九月」によるイスラエル選手虐殺事件の後日談。怒りに燃えるイスラエルは、工作員たちに「黒い九月」のリーダー11人を暗殺させようとする。テロリストを殺すのが正義だと信じた工作員たちだが、しだいにさまざまな疑念や恐怖にとらわれていく。
 とにかく、暗くて重くてしんどい映画だが、今の時代に見る価値のある映画であることは確か。「黒い九月」と11人というのが9・11を連想させ、しかも、ラストはマンハッタンに建つツイン・タワーである。報復の先に平和はないというテーマが相当にはっきりと出てきている。また、妻子と離れている主人公が家庭を思い(キッチンのディスプレイをよく見ている)、最後に妻子の元に帰るというのはスピルバーグの前作「宇宙戦争」に重なる。父や母のモチーフもある。その一方で、これまでのスピルバーグ映画とは大きく違う肌触りのようなものを感じる。
 ミュンヘン五輪事件はオリンピックに政治が持ち込まれた悲惨な事件だが、オリンピックに政治が持ち込まれたのはこれが初めてではない。ナチスドイツ時代のベルリン五輪はヒトラーの宣伝に利用された。そのヒトラーが台頭した都市がミュンヘン。「ミュンヘン」とは、実に奥深いタイトルである。(2月4日公開)

 昨年、セイバーズのビロンが記録した先発13連勝の秘話が「バッファロー・ニュース」に出ていた。実は、ビロンはテッポの経営する会社モントリオール・スポーツのスティックを使い始めてから13連勝が始まったのだそうだ。しかも、13連勝目の試合の最後にこのスティックが折れたというから不思議。
 モントリオール・スポーツはテッポの父親が創設した会社で、その後、父はコーチに専念するため、会社を手放した。しかし、会社の経営者がその後、テッポに会社を譲り渡し、現在に至っているとのこと。この会社のゴーリー・スティックは、03/04シーズンにキプルソフが使用したことで一躍有名になったらしい。
 で、モントリオール・スポーツのHPにはビロンの写真も出ているわけです。


デレク・ロイ 06/1/18

 デレクはデレクでもデレク・ロイ。今、セイバーズにいるのはデレク・ロイ。03/04シーズン後半に活躍したルーキー。だが、今季はオープン戦の成績が悪く、二軍スタート。それが、上がケガ人続出で一軍に上がり、相手のペナを誘うプレーで活躍中。相手チームのファンからは「ダイブ野郎」とか、「ちょっと当たったくらいでおおげさな」と言われているが、セイバーズ・サイドに言わせると、「デレク・ロイがあんなにボコボコにされてるのに、なんでレフはペナ取らねーんだ!」うーん、ラジオ聞いてても、掲示板見ても、ロイがまたやられたとか殴られたとかそんなのばっか。もう1人のデレク同様、小柄なセンターなのでねらわれるのだろうが、同じ小柄でもドゥルーリーやブリエアは強いから不思議。
 というわけで、現地時間1月16日のエドモントンでのオイラーズ戦も、ロイが相手のペナを誘ってセイバーズは次々とパワープレーに。まあ、オイラーズもだいぶ乱暴なプレーをしてたようだし、乱闘もいろいろあった。試合の方は、しょっぱなにミラーが1点取られるも、コノリー、アフィノゲノフ、そして、デレク・ロイがゴールして3対1で勝利。大量得点のあとは点が取れずに負けたりするものだが、勝ててほっとした。
 オイラーズには元セイバーズのペカがいるが、この日、ゴールしたコノリーはペカのトレードでアイルズから来た選手。今季、突然、ブレイクしたコノリーに対し、ペカはまったくふるわず、結局、このトレードはセイバーズが得をした格好になっている(今のところは)。


ハッピー・バースデー 06/1/17

 今日はクレインズのデレク・プラントの誕生日である。で、もう35歳のオヤジなのだが、アリーナで見てると、あまりそう見えない。私が年とってるせいかもしれないけど、お茶目ないたずらっ子のように見えることが時々ある。
 アジアリーグの開幕戦で見たときは、とにかく張り切ってるなあ、というのが第一印象。氷上には真っ先に出てくるし、プレーも張り切ってた。でも、顔はどこか神経質そうな感じがして、しかも、レフにクレームをつけること、つけること。もしかして、アジアリーグの氷と合わないのだろうか、と少し心配した。そのうち、これがデレク・プラント・クォリティだな、もしかして、と思うようになった。先だっての苫小牧での王子戦2日目も、レフにクレームつけたり、王子の新外国人ポドーランにひとこと言ったり……北米ではクレームばかりつける選手は泣き虫と言われて軽蔑されるのだが、レフにクレームつけるのも作戦なのは事実。
 セイバーズ・ファンの間では、97年プレーオフのプラントのOTゴールはいまだに語り種で、記憶に残る選手であることは間違いない。その一方で、ヤワなやつとかいうふうにも記憶されている。うーん、アジアリーグの試合でも、それはなんとなくわかるなあ。まあ、ここは北米じゃないから別にいいんだと思うけど……。手を出さずに口を出すーーこれがプラント・クォリティ、かもね。
 もうひとつ、彼のクォリティだと思うのは、目立ちたがりやだということ。クレインズのためにうんと活躍して目立ってください。ちなみに、クレインズは土曜と日曜のバイキングス戦に2連勝。プレーオフには1位で通過が決まった。


13年ぶり 06/1/16

 現地時間1月14日のセイバーズ対キングスはうひゃあ、どひゃあな試合になってしまった。
 開始5分以内にマッキー、ドゥルーリー、コタリクがゴール、キングスはゴーリーのガロンを下げて、AHLから上がってきたばかりのルーキー、ハウザーをNHL初出場させる。ところが、2分もするとまたガロンに戻し、ガロンが4点目を取られてまたまたハウザーに交代。4点目のヘヒトはその後、ハウザーから2点取ってハットトリック完成。そのあと、今度はポミンヴィル(写真)が3連続ゴールでナチュラル・ハットトリック。最後にパイエがNHL初ゴール、アシストしたノヴォトニーは初ポイント。ミラーは1点取られて完封は逃したが、セイバーズが10得点したのは13年ぶり。キングスが10失点したのも13年ぶりだそうだ。
 セイバーズとキングスはどちらも現在、ランキング上位にいるが、ケガ人が多くて困っているのも同じ。それでも強いキングスは、2日前にはボストンを完封。しかし、ガロンは完封するかと思えばあっさり炎上もしてしまうのでよくわからん。控えのラバーベラが二軍で調整中とかで、代わりに上がったハウザーは、二軍では福藤豊と一緒にベンチ入りしたこともあるので名前は知っていたが、いきなりこういう場面でNHLデビューってのは少々気の毒であった。パイエとかノヴォトニーとかも最近NHLデビューした新人なんだけど。ポミンヴィルもちょっと前に二軍から来た選手で、今のセイバーズはアマークスがいっぱい。というより、あれだけケガ人が出ても二軍でまかなえるってのがすごいのか……。とにかく、PPじゃないと点が取れないとか、フォワードがスランプとかはとりあえず、全部払拭。とはいっても、キングスにとってはこれはあきらめるしかない試合だったので、セイバーズはこれでいい気になってはいけない。
 バッファローのアリーナはこの日もソールドアウト。このところずっとソールドアウトなのに、あまり勝てなかったのだが、この試合を見に来たお客さんは溜飲を下げただろう。10点といえば、オタワに10点取られた11月初めの試合をどうしても思い出してしまうのだけど、今季のうちにセイバーズが10点取る試合があるとは思わなかった。
 ところで、こういう大差のついた試合では乱闘がつきものだが、試合終了と同時にレフがさっと出てきて、乱闘できないようにしたらしい。もっとも、両チームの乱闘係は3ピリ半ばに乱闘して、アンスポ、ミスコンですでに退場処分になっていた(キングスのエイヴリーは一度に24分のペナ!)。ただでさえケガ人の多い両チームなので、これ以上、ケガのないようにしてもらいたいものだ。また、この試合では、ラフHCの采配が光っていたそうである。


モギルニー、AHLデビュー 06/1/15

 ウェイバーをクリアして二軍落ちになったデビルズのモギルニーが、現地時間1月13日、ロチェスターでのセイバーズ二軍対デビルズ二軍の試合に出場。セイバーズ二軍アマークスのフォワードとディフェンスを次々とかわし、ゲーム・ウィニング・ゴールを決めた。
 モギルニーはセイバーズのドラフト・ピックだが、最初から一軍だったので、アマークスではプレーしていない。ドラフトされた当時、世の中はまだ冷戦の時代。ソ連代表としてストックホルムの世界選手権に参加していた彼は、亡命してセイバーズに入りたいと連絡。セイバーズのスカウト、ドン・ルースはソ連当局に見つからないよう、3日間、モギルニーとストックホルムのホテルを転々としていた。その間、GMのミーハンが亡命の手続きを進めていたが、2人は命の危険があるかもしれないと言われたり、誰かがこっちを見てるとKGBじゃないかと思ったりしたそうだ。
 アマークスの選手たちはモギルニーだからといって遠慮せずに、ガンガン、チェックに行っていたそうである。NHLで1試合だけ出場したあと、また二軍に戻されたペイシュは、デビルズが払うモギルニーの年俸の額を聞いて、「ばかげている。彼の年俸はうちのチーム全体の年俸より高い。両方のチームの年俸を合わせてボーナスを加えたより高い」
 セイバーズはヴァネクがケガで休場、ゴースタッドもまだ無理、ということで、二軍から再びソーバーンが呼ばれた。また、コヨーテズ戦ではノヴォトニーがNHLデビューしている。今季、NHLデビューした新人は数知れず、の状態。
 3年前の1月13日はセイバーズが破産した日だった。このところ、HSBCアリーナは大盛況で、最近8試合の内、7試合がソールドアウト。残る1試合もほぼ満席。次の試合もすでにソールドアウト。もはや破産は遠い過去に。


サンダーソンにやられた 06/1/14

 元セイバーズな人々、なんていう文を書いたら、元セイバーズのサンダーソンにやられてしまった。99年ファイナルのビデオなんか見たのがいけなかったのかしら(サンダーソン、出てた)。不調のコヨーテズに負けるなんて、セイバーズはいよいよヤバイ。ビロンとディフェンスとPKユニットはがんばってるのに、フォワードがスランプ。というより、ケガ人続出。すでにトップラインのブリエアとデュモンが11月頃から欠けてるが、そのあと、パイアットもケガ、そして、ゴースタッドが脳震盪。その上、今度はこのコヨーテズ戦でメアが脳震盪、ロイとカリーニンがパックが当たってケガ。ロイとカリーニンは次の試合は大丈夫らしいが、メアは深刻なようだ。ゴースタッドは次は出られるかも、とか。
 現地時間1月12日のこの試合、平日にもかかわらず、ソールドアウトだった。次のキングス戦もすでにソールドアウト。バッファローにはダフ屋が出てるそうである。ニューヨーク州ではダフ屋からチケットを買うのは合法だけど、相手を選ばないと怖い目にあうんだとか。

 アジアリーグはいよいよ今月でレギュラーシーズン終了となるのだけど、プレーオフでクレインズのライバルになるチームが今ひとつ予想がつかない。前はコクドだと思ってたんだけど、そのあとは王子かな、と思い、最近になって韓国のハルラが頭角をあらわしてきた。ハルラはソン・ドンファンという選手と3人のチェコ人選手(内1人は元リーフス)が大活躍。ソンは今、ゴール・ランキング・トップで、3人のチェコ人も各種ランキングの上位にいる。ポイントとアシストは相変わらずプラントがトップ、クレインズの選手も何人か上位にいるけれど、クレインズのレギュラーシーズン最後の試合が1月下旬のハルラ戦なのだ。コクド戦、王子戦に続いて、気になるカードになっているのだけど、そんなに何度も北海道へ行くわけにはいかないしなあ。3月にはプレーオフがあるし。バッファローに試合を見に行くなら3月上旬のライトニング戦、と思っていたけど、アンドレイチャクがもういないならいいや。結局、1月初めのライトニング戦がアンドレイチャクのバッファローでの最後の試合だったのね。


元セイバーズな人々 06/1/13

 デビルズのモギルニーに続き、タンパのアンドレイチャクもウェイバーにかけられ、それをクリアーして二軍に所属、プレーはせずに年俸だけもらうことになったようだ。優勝に貢献したキャプテンになんてことを、というファンもある一方、アンドレイチャクは今のNHLについていけないという現実を指摘する冷静な意見も多い。年俸や安いし、成績もそんなにひどく悪くはないのだが、最近はスクラッチもされていた。セイバーズのファンは今でも彼が大好きなので、セイバーズのジャージで引退を、という声もあるが、モギルニーも入る場所がないのに、ましてやアンドレイチャクは……。アンドレイチャク自身も他のチームへは行きたくなかったようで、ただ、年俸が欲しいので引退は先延ばしにしたようだ。
 一方、年俸が高く、しかも2年契約のモギルニーはトレード先が見つからない場合、二軍でプレーすることになる。年俸さえ安ければ貰い手はあるのに、これもまたサラリーキャップ時代の現実。もっとも、オフには引退をほのめかしていたので、引退の可能性もあるとか。
 ペンギンズ、デビルズに続いて、今度はアイルズのヘッドコーチがやめることに。またまた、セイバーズの元HCテッド・ノーランの名前が噂にのぼっているが、アイルズはGMを何とかすべきだろう。

 流れ流れて極東の日本にいる元セイバーズのデレク・プラントは、先日の苫小牧での王子戦2日目に、久しぶりにクレーマーぶりを披露。この試合、何度も乱闘が起こった荒れた試合だったのだが、手は出さないかわりに口を出すプラントはレフにしつこくクレーム、王子の新外国人ポドーランにも何か言っていた。レフにクレームというのは作戦でもあるようだし、これが彼のクォリティなら、ま、いいか。


99年ファイナルの感想 06/1/12

 ついに見ることができた99年のカップ・ファイナル。これまでさまざまな記事を読んでいたけれど、見るのと読むのでは大違い。ひとことで言うと、ものすごくディフェンシヴな試合ばかり。もしかして、今のセイバーズの方が面白い試合をしてるかもしれないぞ、と思う。
 ダラスは年俸総額がものすごく高くて、選手もスターぞろい。対するセイバーズは高いのはハシェックだけで、あとは地味な選手ばかり。ペカ、シャターン、ジトニクはその後、高い年俸を取るスター選手になったけれど、ほかは……。そして、このときのロースターの内、今でもセイバーズにいるのは、ディフェンスのジェイ・マッキーだけ。ただ、GMとHCがあのときのままなのだ。
 4試合を見て、印象に残ったのは、ジトニクとマッキー。実は私がこのファイナルで一番見たかったのはマッキーで、彼は今季、クラッチング・アンド・グラビングのDから新しいNHLのスタイルに脱皮し、ゴール前で体を張ってパックを止めるなど、ファンの間で非常に高い評価を得ている。ゴールやアシストが少ないので、スコアボードには名前が出ないが、ブロックト・ショッツはリーグのトップクラス。こういう、数字に現れないところでしっかり仕事をする選手をきちんと評価するのがセイバーズのファンなのだ。
 このファイナルを見て、ファンが評価するマッキーの仕事の片鱗を見ることができた。ジトニクはDの要の面目躍如。ペカのアグレッシヴなプレーも印象に残った。シャターンは、この頃はほんとにういういしいなあ。ジトニクがペナ取られてPPゴールされるのは今と同じじゃん。ハシェックは前に倒れ込むとリバウンドの処理ができない。だから、スケーターが次の瞬間に前に出て、リバウンドを処理するのもよくわかった。逆に、ベルフォアのリバウンドを打とうとしたら、ダラスの選手が前に出て防いでしまうシーンもあった。スーパー・ゴーリーが1人で防いでいるのではなく、GとDの連携が重要なんだなあ。当たり前のことにいちいち感動するなと言われそうですが。
 それにしても、ダラスのようなスター軍団相手に、セイバーズのような弱小貧乏チームが互角に戦ってるのがすごい。レギュラー・シーズンの成績だってずいぶん違うし、正直、ここまで互角にやってるとは思わなかった。第6戦なんか、どう見てもセイバーズが運が悪いとしか思えない。ダラスの先制点はハシェックの脚とサイドバーのほんの少しの透き間を運よく入ってしまったのだし、同点にしたあと、セイバーズが勝ち越せるチャンスが何度もあった。それが運悪く、みんな、入らないのだ。そして、あの、ノー・ゴール。神様がダラスにえこひいきしたとしか思えない。もちろん、ここで勝っても、第7戦でダラスに負けたかもしれないのだが。
 バッファローは75年にセイバーズがファイナルに出るも優勝できず、90年代にはビルズが4年連続スーパーボウルに出るも敗退、そしてこの99年と、スポーツの神様に見捨てられたような町なのだ。
 それでも、第6戦の雰囲気をまるごと楽しめたのは、私にとっては幸運だったと言えるのかな。バッファローのアリーナの雰囲気や音楽は、今、ネットラジオで聞くのとまったく同じだし。今季のファイナルがまたこのカードになる可能性もまったくないわけではないし(ないですよ、ないって)。あとは勝ち試合が見たいなあ。


ついに見た 06/1/11

 火曜の深夜、スポーツアイでNHLの試合が放送されているとき、私は99年のカップファイナルの第6戦を見ていた。いや、実際には11時半くらいから見始めて、見終わったのは午前5時。第3OTまで行った試合だ。放送はCBCのホッケー・ナイト・イン・カナダ。インターバルにはドン・チェリーのトークもあった。どこで見たって? ダラス・スターズ公式サイトのビデオ・アーカイヴです。だから、ブロードバンドでウィンドウズ・メディアがあれば、誰でも見られます。
 このビデオ・アーカイヴには99年のプレーオフのダラスの勝ち試合がすべてある。1回戦、2回戦、カンファレンス・ファイナル、そしてカップ・ファイナル。計16試合。セイバーズとのカップ・ファイナル、私はネットのビデオでごく一部を見ただけだったが、今回、負け試合だけど、6試合中4試合を見ることができた。ダラスでの第2戦は時計がまわっているシーンはほぼノーカットなので、試合がまるごと見られる(ハシェックをめぐる有名な乱闘つき)。バッファローでの第3戦は最後がちょっと欠けてるが、スタンドが深紅に染まったバッファローのアリーナや試合前の様子が見られる。ダラスでの第5戦は、あまり動きがない試合なので、途中、少しカット。そしてバッファローでの第6戦(スタンドは赤ではなく白)。これはCBCの放送をそのままアップしている(インターバルは一部カット)。
 ほかの3試合はフォックススポーツやESPNなのに、なんでこれはカナダの放送局なのか、最後にわかりましたよ。OTゴールを上から映してないんですね、この局。でも、ダラスの選手がカップを持ち上げているとき、スタジオで、ハルの足がクリースに入ったのではないか、あとで問題になるだろう、みたいなことは言っていた。そして、そのあとに、この件についてのNHLの言い分のビデオもアップされている。
 この映像を見る限り、選手もバッファローの観客も、この時点ではハルの足の問題に気づいていないようだ。試合後の表彰式では、スタンドからは時折ブーイングが聞こえるものの、拍手している人も多い。タナボタのデレク・プラントがカップを持ち上げたときは、さすがに大きなブーイングがあったが、ほかの選手のときはそんなになかったような感じ。セイバーズ・ファンはむしろ、このあと、ハルの足のことを知り、NHLが正しいジャッジをしなかったとわかってショックを受けたのではないか。セイバーズGMはこのとき、ビデオ・リプレイを要求したのに、受け入れられなかった。そこが問題なのだが(言うまでもないけど、ダラスには何の責任もない)、要するに、NHLの人たちがもう疲れてて、どーでもいいから早く終わりにしたかったんじゃねーの?
 んなわけで、このビデオ・アーカイヴはダラスの栄光の記録なのだけど、最後はちょっと、ケチがついてるわけである。
 なお、99年プレーオフ以外にも、マリオ復活の試合とか、メイプルリーフ・ガーデンズでの最後の試合とか、ベルフォア対ターコの師弟対決とか、ダラスでの最初の試合とか、なかなか興味深いビデオがある。ダラスの勝ち試合なんて見たくねえ、という人以外には、それなりに楽しめそうなラインナップ。まだ99年ファイナルしか見てないけど、プラントがプレーオフで1ゴールしてるはずなので、それを探して見てみよう(ファイナルはスクラッチでした)。


北海道対決を見る 06/1/10

 クリネックス@ネピア、釧路@苫小牧、日本製紙@王子製紙……いろいろ言い方はあるけれど、1月6日と7日に苫小牧で行われたクレインズ対王子の試合に行ってきた。
 札幌1泊2日の激安ツアー利用だったので、ホテルは札幌、6日の夜の試合のあとに特急で札幌に行ってチェック・イン、翌朝、今度は札幌から特急で苫小牧に、という日程。この特急が、なんだか知らないが、ものすごく混むのだ。まるで都心の通勤列車である。札幌-苫小牧の往復だけでもうぐったり。あとから考えたら、札幌のホテルはパスして苫小牧のホテルに自費で泊まるという手もあったんだな。とにかく苫小牧に行ったのは初めて。札幌は何度か行ったことあるけど、最後に行ったのは10年以上前なので、空港からJRで苫小牧に行くには乗り換えが必要だということを知らなかった!(昔は千歳空港駅から各方面への列車が出ていたのです。)
 そんなこんなで、あせりまくることが多かったのだが、苫小牧の駅から白鳥アリーナまでの歩道が全部、アイスバーン状態だったのにも困った。滑って転ばないように、おそるおそる歩いてアリーナに到着。釧路のアリーナもそうだったけど、ここも新しくて見やすく、音響がすばらしい。ホッケーは試合の合間に音楽が流れるので、音響がいいととっても気分がいいのだ(しかし、ホームの王子が得点すると、ベートーベンの第九が流れるのですね)。
 しかも、白鳥アリーナはほとんどが自由席。他のアリーナだったら指定席になるところが安い自由席料金で見られる。というわけで、まだスタンドがガラガラだったときにベンチ裏に陣取っていたら、しだいに応援団のような人たちが集ってきた。あれあれ、ここは応援団席だったの? と思っていると、クレインズ名物の応援が始まったでないの! どうやら、通路のすぐ隣りのブロックが応援団席のようなのだが、私のブロックも釧路から団体で来たようなお客さんがいっぱい。あとでわかったのだが、日本製紙ご一行様がバスを連ねて来ていたのだ。もちろん、私はクレインズの応援に来たのだから、ノー・プロブレム。敵地苫小牧でもこの一角はまるでホームのような雰囲気だった。

 クレインズ対王子は北海道対決ということで大変盛り上がるカードだそうだが、このカードはもしかしたらプレーオフを占うことになるかも、と思って、あえて行くことにしたのだ(12月の釧路のコクド戦に行ったのも同じ理由)。で、結果は12月のコクド2連戦同様、この王子戦もクレインズが2連勝した。6日は6対3、7日は4対2というスコアで、クレインズは多少あぶないところもあったが、ダーシのハット・トリックがあったり、クレインズの人気選手たちが次々ゴールしたりと、クレインズ・サイドとしては楽しい試合であった。プラントも2試合で3ゴール。特に6日の2ゴール目はパックを持って敵陣に切り込んでのゴールで、そのあと、派手なガッツポーズまで見せてくれた! いやあ、もう、拍手、拍手。釧路のコクド戦といい、この2試合といい、プラントは2ピリでゴールするってのがいいよね。だって、2ピリでゴールすると、ファンの目の前でゴールすることになるんだもの。ねらってるのかな。(ガッツポーズのゴールは3ピリでした。)
 年末から王子に加わった新外国人ポドーランは、経歴見たときに乱闘係みたいだなと思ったけど、やっぱりそんな感じであった。7日の試合は乱闘があったりして、ちょっととげとげしいところもあったのだが、夕方、空港へ行くと、雪のために飛行機が軒並み遅れていた。苫小牧は晴れていたのに、千歳に近づくにつれて吹雪になっていたのだ。帰りの飛行機、全日空かと思ったら、エアドゥーとの相乗り便だった。エアドゥーはねえ……飛行機狭いし、羽田に着いてからが大変(激安ツアーなんだから文句言うなって)。


新年早々やばい 06/1/9

 今年に入ってセイバーズは1勝2敗。年末から1勝1敗ペースになってしまって、ミニスランプとか言われている。現地時間1月7日のデビルズ戦も3対2で負け。1ピリでアフィノゲノフがゴールするが、すぐに3点取られ、3ピリ終了直前にヴァネクがゴールするもそこまで。ライトニング戦の途中でケガで退場したドゥルーリーがこの試合も欠場。ドゥルーリーがいないとフェイス・オフがまるで取れない。そして、Dの要ルドマンが風邪で欠場。ルドマンがいないとやはりDは不安定。同じDのフィッツパトリックがケガ人リストに入り、かわりに二軍からネイサン・ペイシュという新人が上がってきた。ペイシュは1アシストでNHL初ポイント。不評だったフィッツパトリックよりはいいと言われている。しかし、主力のケガで二軍から次々上がってくるので、二軍のアマークスが勝てなくなっている。セイバーズもこのままじゃ相当やばい。次の試合は12日なので、それまでにドゥルーリーとルドマンが戻ってくればいいが。
 7日は土曜ということもあって、バッファローのアリーナはソールドアウトだった。数時間前にオタワがハブスに負けてたので、勝てば1ポイント差に迫れたのだが……。これから西の強豪と当たることになるので、年明け早々、ほんと、やばいのである。


勝てば客は来る 06/1/8

 金曜と土曜は苫小牧にクレインズの試合を見に行ったのだけど、金曜の午前中はバッファローでセイバーズ対ライトニングの試合が行われていた。で、セイバーズの勝ちを確認してから北海道に出かけたのであるが、この日(現地時間で1月5日)のバッファローのアリーナは平日の夜にもかかわらず、ほぼ満員の盛況。セイバーズはこのところソールドアウトが続いていたし、これからもソールドアウトになりそうだというからすごい。「スター選手がいなくても勝てば客が来る」と一部の人たちが言っていたことが本当になりつつあるのだ。選手の年俸が安いので、今季は黒字になることがほぼ確定とか。今のセイバーズはみんなが家族のようにまとまっているらしいけど、オフになればまた賃上げ闘争でいろいろゴタゴタが起こるだろう。もしかしたら、今が一番いいときなのかもしれない。
 さて、そのライトニング戦、不調だったヘヒトと最近好調のドゥルーリーとタリンダー(写真)がゴールして、セイバーズが3対1で勝った。ケガで休んでいたカリーニンがこの試合から復帰。逆に、ドゥルーリーは軽いケガのために試合後半は出場しなかった。共同キャプテンの1人ブリエアが手術で2カ月は無理、かわりにもう1人のキャプテン、ドゥルーリーがチームの中心になって活躍していたのだが……ほんとにケガ人だらけなのに、よくやってると思うけど、これ以上、増えないでくれ。
 タリンダーは昨年、母国スウェーデンで起こしたスキャンダルでヒンシュクを買ったが、秋には子供が生まれて心機一転(てゆーか、奥さんが妊娠中の不倫だったんじゃねーの)、このところ、ルドマンの影響でディフェンスがよくなり、そしてゴールも増えている。
 この試合はしょっぱなからセイバーズがガンガン攻めていて、久々、安心して聞いていられる試合だった。でも、そのあと北海道へ出かけたので、だいぶ記憶が薄れてしまっている。まだ1日半しかたっていないのだけど。やっぱりちょっと疲れてます。苫小牧の話はまたのちほど。


手術とおめでた 06/1/6

 セイバーズと元セイバーズの選手たちのニュースをいくつか。まずはセイバーズの現役から。
 現地時間1月5日、ダニエル・ブリエアがモントリオールでスポーツヘルニアの手術を受ける。復帰までは最低8週間と見られている。
 1月3日、テッポ・ヌミネンに3人目の子供で初めての息子が誕生。おめでとうございます。

 元セイバーズで、昨年オフにデビルズと契約したモギルニーがウェイバーにかけられた。肝炎を患っていたエリアシュが復帰したため、キャップスペースを開ける必要が出たため。いくつか、名乗りをあげそうなチームはあるのだけれど、年俸350万ドルで2年契約がネックになりそう。それに、高いわりに成績が悪いのだ。セイバーズのファンの中には、モギルニーに古巣で選手生活を終えてほしいと思っている人もいるが、今のセイバーズにはモギルニーの入る場所がないのが現実。3月3日のラフォンテーヌの欠番セレモニーのときにモギルニーがいたらいいな、とは思うけどねえ。
 試合前のウォームアップで背中を痛め、アトランタ戦を急遽欠場したオタワのハシェックは、2日後のワシントン戦には出場。まさか仮病じゃないだろうな。コズロフに会いたくなかったんだったりして(笑)。オタワ戦でケガしたと思われたアイルズのジトニクは次の試合には出てたようだ。


正月早々 06/1/3

 元旦に近所の神社へ初詣でに行ったら、午後5時すぎだというのに長蛇の列。しばらく散歩して5時半頃戻ってもまだ長蛇の列。それどころか、どんどん人が来て並んでいる。並ぶのが嫌いな私はしかたがないので、近くのモスバーガーでコーヒーを飲み、6時をすぎて行ったら、さすがにもう並んでいなかった。
 この近辺は以前は元旦でも開いている店がいくつかあったのに、今年はみんな閉まっていた。なのにあの神社の混雑は何、と思ったのだけど、2日は雨。ああ、雨を予想してみんな元旦に来たのか。で、2日は近所の商店街へ行ったら、クリネックスが5箱で198円だったので買う。

 セイバーズは元旦のソールドアウトのホームで、フロリダ相手に負けてしまった。これでフロリダには3戦全敗。この前はルオンゴに「今季最高の試合」と言われたが、今回は「運がよかった」と言われたので、セイバーズもがんばったのだろう。ミラーも開始35秒のあのゴールがなければ……。元リーフスの2人にやられたのがやーな感じだし、マルタンHCに復讐されてるような気がしないでもないなあ。10月のワシントン戦と同じく、ニュートラル・ゾーンのトラップにやられてしまったのだ。セイバーズは他のチームにマークされてるから、これからは大変になるだろう。ただ、ゴールしたタリンダーが最近、非常にいいらしい。テッポのおかげでキャンベルが、ルドマンのおかげでタリンダーがすごくよくなっているとか。

 カナックスが「ミラーかビロンくれ、ミラーだったらいい選手出す」と言ったとかいう噂があるが、今度はアバランチがビロン獲得に乗り出すのでは、という観測が出てきた。というのも、ルオンゴ、ジゲール、コルズィグ、テオドアといったGはトレードされないという見方が強くなったからで、そうなると残るはビロン。ただ、アバランチは自前のゴーリーの誰かがブレイクしてくれる方が本当はいいに違いないのだが。でもって、一時しのぎでノロネン欲しい、というチームもあるらしい。が、セイバーズGMは3月まではGを動かさないつもりだとか。

 クリスマスは目一杯試合をしたアジアリーグ。しかし、クレインズは正月2日目から練習開始だそうである。もちろん、他のチームも同じだろう。ホッケー選手に正月はない。


大晦日から新年へ 06/1/1

 日本時間では大晦日、バッファローでは30日のアトランタ戦、セイバーズは4対1で快勝。正直、アトランタはこわいと思っていたので、意外な結果だった。
 開幕直後にゴーリーが次々とケガ、まともなGもいないし、Dはだめだしで、メタメタな状態だったアトランタは、12月に入ってガーネットという新人Gがブレイクしてしまい、もともとフォワードは強力なので連勝街道まっしぐら。じりじりと順位も上げてきていた。
 おまけにアトランタとセイバーズにはいろいろといわく因縁があって、オフにセイバーズをクビになった乱闘係ボールトンがいるし、GMのワデルはミラーとコノリーを選ばなかったチームUSAのGMだし、Gがいなくて困っていたワデルがノロネンくれと必死に頼み込んだのに断られたという逸話もある。
 そんなこんなで立て直してきたアトランタは、ケガから復帰したばかりのナンバーワン・ゴーリー、レトネンをセイバーズにぶつけてきた。セイバーズのゴーリーはもちろん、ミラー。ここでワデルをぎゃふんと言わせねば男がすたる。
 この試合、明らかにレフがアトランタにえこひいきしていて、セイバーズばかりがペナを取られていた。最後にアトランタがキレてペナ取られまくり、同じくらいになったが、それまではPPゴール・リーグ首位だとかいうアトランタ相手にセイバーズは次々とPKをしなければならないという状況。それでもついにPPゴールを許さず、逆に少ないPPで2ゴールを決めた。ミラーは完封を逃したが、アトランタのハートリーHCに「PKの立役者はミラー」と言わしめたほどすばらしかったようだ。レトネンは4点を許したものの、こちらもなかなかよかったようである。やっぱりアトランタは要注意。
 同じ頃にセネターズ対アイルズの試合があったのだが、五輪代表に選ばれたディピエトロは1ピリ途中でケガのため降板。ミラーが代表になる可能性が出てきた。また、この試合ではジトニクとアルフレドソンもケガしたようである。
 ケガといえば、ブリエアは精密検査の末、デュモンと同じスポーツヘルニアであることがわかった。手術が必要で、4月までは絶望らしい。
 それにしても、PKで、コバルチャク、ホッサ、ホリックといった名前が次々と出てくると、それだけでビビッてしまうが、よくぞ押さえたと思う。セイバーズはドゥルーリー、ヴァネクがみごとなゴールを決め、アフィノゲノフとグリアがだめ押しゴール。コノリー、ロイの動きもよかったとか、テッポとルドマンの影響でキャンベルやタリンダーがどんどんよくなっているとか言われている。
 アリーナもソールドアウトでオーナーほくほく。元旦のフロリダ戦もすでにソールドアウトらしい。また、この勝利で12月の勝ち星が70年代に作られたチーム記録に並んだ。セイバーズがこんなによい状態で2005年を終えるなんて、誰が想像しただろう(まだ信じられん)。

 ということで、新年明けましておめでとうございます。
 2006年元旦 さーべる倶楽部拝。

2005年12月31日

2005年12月

1ポイント(1ポイント)05/12/31
マンダレイの女主人 05/12/30
風邪ひいた 05/12/29
アイルズ戦でソールドアウト 05/12/28
バンドワゴン 05/12/27
クリスマスの贈り物 05/12/25
超えられない壁 05/12/24
五輪の話と映画の話 05/12/23
クリスマス・ジャージ 05/12/22
ミラー・タイム・アゲイン 05/12/21
やっぱりホームが一番 05/12/20
ビロン先発13連勝だと 05/12/19
ダラスに勝利 05/12/15
お知らせなどなど 05/12/15
なんだかいろいろ 05/12/14
先発10連勝 05/12/13
王妃デジレのことなど 05/12/12
たまらんな 05/12/10
テレビとラジオ 05/12/9
ソールドアウト 05/12/7
心臓に悪いよ 05/12/6
北海道の思い出 05/12/5
まさかの勝利 05/12/3
500円の試合 05/12/2
終わりよければ 05/12/1


1ポイント 05/12/31

 今日は勝てると思ったのだが……。今日といっても、現地時間12月29日トロントでのリーフス戦のことだが、2対0から2回追いついて3対3になるも、シュートアウトで負けてしまった。ビロンはシュートアウトが苦手で、自分でもそう言っているが(負けてもぬけぬけとしゃべるのがビロン)、ラジオの実況を聞いた感じではセイバーズがずっと押しているように感じたのだけど。でも、リーフス・サイドでは自分たちの方が押していたと思っていたようだから、実際は五分五分だったのかもしれない。
 確かに、どちらも主力を何人も欠いていて、シュート数もほぼ同じ、どちらもPPゴールとSHゴールがあり、ペナも同じくらい。がっぷり四つに組んで、という試合だったのだと思う。特に3ピリ終盤とOTはRJの実況がすさまじく、ラジオを聞いてこんなに興奮し、手に汗握ったのは久しぶりだった。勝っていたら、絶対に録音して保存しただろう。それだけに、シュートアウトがあまりにもあっけなかったのが残念。シュートアウトがなくて引き分けでも録音しただろうに。こういう、本当に引き分けがふさわしい試合の場合、やっぱりシュートアウトが嫌いになってしまう(セイバーズがシュートアウトのおかげで勝ちを拾ったときもあるのだが)。
 ベルフォアはけっこうミスもあったようだが、それにつけこめなかったのが痛い。それに、フェイスオフが4割くらいしか取れなかったのも、いつものセイバーズらしくないところだ。ビロンもディフェンス陣もよかったようだし、PKでのヘヒトの活躍、コノリー、タリンダー、ポミンヴィルがゴールし、コノリーは1G2Aの活躍と、セイバーズのよさも随所に出ていたのだが、これからはこういうしぶとい相手とばかりになるので、真価がわかるのはこれからという気がする(まだどこか信じていないので、カラスがはずせないのだ)。
 それにしても、RJのOTの実況は、激しい攻防をそのまま映し出すようなすさまじいスピードで、とめどなく激しく、しかもリズミカルに流れる声には圧倒された。ネットラジオだけのファンにとって、彼の実況こそプライスレス。


マンダレイの女主人 05/12/30

 風邪は少しはよくなってきたみたいである。昨日までは1日1箱ティッシュペーパーを使っていた。クレインズを応援しているのだから、クリネックスの5箱セットを薬局で298円くらいで買っておけばいいのだが、どうもあの5箱はかさばる。なので、セブンイレブンの猫のティッシュを買っていたのだけど、このところ、毎日、猫のティッシュを買うはめになっていた。ちなみに、ポケットティッシュは何年も前からクリネックスを愛用しています。
 そうそう、釧路にクレインズの試合を見に行ったら、入場者にはもれなくラップを配っていました。

 先日は風邪をおしてラース・フォン・トリアー監督の新作「マンダレイ」を見てきた。この監督の映画は頭がシャキッとしてるときに見ると気が滅入るか頭に来るかである。だから、風邪でボケッとしてるときの方がいいに違いないと思った。
 「マンダレイ」は前作「ドッグヴィル」の続編で、ニコール・キッドマンが演じたグレースを今度はブライス・ダラス・ハワード(ロン・ハワードの娘)が演じる。例によって例の調子の映画であるが、今度は寓意がはっきりしてるので、わりとあっさり見られた。
 それより、タイトルの「マンダレイ」って、ヒッチコックの映画「レベッカ」のお屋敷の名前だよね。ヒロイン(ジョーン・フォンテーン)が妻に先立たれた男(ローレンス・オリヴィエ)と結婚してマンダレイにやってくると、そこは亡き先妻レベッカの影が支配している、という話。レベッカの忠実な召使いだった家政婦がヒロインをねちねちといじめる。映画「マンダレイ」では、農園の女主人(ローレン・バコール)が死んで、残された黒人奴隷たちをグレースが自立させようとするのだけれど、という話。バコールがレベッカ、グレースがフォンテーン演じるヒロインというわけです。

 忘れていたが、12月29日はブログ開設1周年であった。


風邪ひいた 05/12/29

 釧路から帰ってからずっと風邪っぽかったのだが(釧路より東京が寒かった)、クリスマスの週末についに寝込み、その後もあまりよくならない。来週は苫小牧へ行くつもりなのに、大丈夫だろうか。映画評の原稿も2本あるのに……。
 27日に続いて、28日の釧路でのクレインズ対バックスでも、プラントは欠場したようである。まあ、試合はクレインズの圧勝で、プラントがいなくてもノー・プロブレムなのだが。結局、札幌の2日目に出ただけってことは、釧路のコクド戦に行ったのはまさに正解だったのね。苫小牧は出るのかねえ。とりあえず、釧路で撮ったクリスマス・ジャージの写真をもう1枚上げておこう。
 最近、NHL関係の掲示板や記事でプラントの名前を何度か目にした。大物スターが1人もいないのに勝ち続けているセイバーズについて、プラントがいた頃のセイバーズに似ているといった書き込みがあったり、ハシェック抜きで1回戦を勝ち抜いた97年プレーオフのプラントのこととか、あるいは、デビルズのHCに立候補しているテッド・ノーランについての記事で、ノーランの時代のセイバーズはプラントがトップ・スコアラーだったのにそれでも勝てたとか。確かに今のセイバーズには当時のプラントと同じくらいのフォワードが何人もいて、彼らが日替わりで活躍している。
 ところで、プラントの26番を受け継いだヴァネクはこのところ、ゴール数がどんどん増えている。プラントのルーキー・イヤーの成績は56ポイントだったが、ヴァネクにはこれを越えてほしいものだ。


アイルズ戦でソールドアウト 05/12/28

 いやあ、驚いた。12月26日はボクシング・デーで休日とはいえ、バッファローのアイルズ戦でソールドアウトなのだと。しかし、しょっぱな、コタリクのゴールで1点先行したものの、ミラーが止められるはずのシュートを3つも許して3対1。相手ゴーリーはディピエトロではなくスノウだから、すぐに返せると思ったら大間違い。ソールドアウトのはずが場内しーんと静まりかえっている。で、2ピリにやっとアフィノゲノフのゴールで1点返し、そして3ピリでキャンベル、ヴァネク、ドゥルーリーと怒涛のゴール(ドゥルーリーはヴァネクのゴールの11秒後)。最後にヘヒトがエンプティネットにゴールして、6対3で勝利。これでアイルズには今季4戦全勝。アイルズには過去2シーズン、ほとんど勝てず、03/04シーズンには4戦全敗で、プレーオフを逃した最大の原因がアイルズに1つも勝てなかったことだったのだが。この日の試合は、シャターンにはゴールされてしまったが、ジトニクのペナで勝ち越し点ゲット。この2人にアイルズに行かれてしまったショックはとうに過去のものになり、いまや、シャターンと同じくらいの成績の選手はセイバーズには5、6人いるし、ジトニクより遥かに安い年俸のテッポとルドマンがジトニクに劣らぬ働きをしている。
 この試合はセイバーズの方がシュート数がずっと多いし、フェイスオフも一時は7割くらい勝ってたし、ペナはアイルズの方が取られているし、実況聞いててもセイバーズが終始圧倒している感じだったのに、なかなか追いつけない。これで負けたらいやだなあ、と思っていたが、終わってみれば今季のセイバーズとアイルズを象徴するような試合であった。
 1ピリではポカ連発のミラーだったが、先週のディフェンシヴMVPに選ばれている。

 さて、夜は釧路でクレインズ対バックスがあり、クレインズが快勝していたが、プラントはまたもお休み。プレーオフをにらんで休ませているだけならいいのだけど。また、アジアリーグ公式サイトに札幌の試合のダイジェスト・ビデオがアップされている。ここのビデオはNHL公式のビデオより画質がいい感じ。


バンドワゴン 05/12/27

 「勝ち馬に乗る」というのを英語では「バンドワゴンに乗る」というのだが、セイバーズも連勝に次ぐ連勝で、バンドワゴンに乗るファンが増えてきたようだ。私のようにどん底のときにセイバーズを知り、それからチームのことをいろいろ調べて、ほとんど同情からファンになったような人間から見ると、なんだかなあ、という感じがしないでもないが、チケットもずいぶん売れているようなので、チーム的にはいいことである。でも、これで、ふらっとバッファローに行って当日券を買って見るというのはむずかしくなったかなあ。実は、海外1人旅って、いまだ経験ないので、行くには相当勇気が必要。北海道にクレインズの試合を見に行くのさえ、かなりの決心なんだから(年とともに旅行はしづらくなります)。
 クレインズに関しては、私は完全に「バンドワゴンに乗る」ファンなので、弱小だった頃から応援してきたファンのことを思うと、ちょっと引いてしまう。というか、元セイバーズのデレク・プラントが来たから応援するようになったので、正確には「バンドワゴンに乗る」のとは違うんだけど。
 で、24日のバックス戦は欠場したプラント、25日のコクド戦には出場し、3アシストした。てことは元気なのかい?

 気の早いファンがNHLの共通掲示板に「セイバーズはカップが取れるか」というスレッドを立てて物笑いの種になっている。そこにあった面白いレスをご紹介。
「ジム・キャリーはまだ神様の代わりをしているのか?」(セイバーズが優勝する映画「ブルース・オールマイティ」のこと。ゴーリーのジム・キャリーだと思った人が見当違いなレスをつけている。)
「ファイナルはセイバーズ対コヨーテズ。ハルが引退撤回してコヨーテズが優勝」(テッポとブリエアが古巣と対決することになるので、これはなかなかおいしいカード。でも、この組み合わせになる確率はどのくらいだろう。)

 セイバーズの元HC、テッド・ノーランがデビルズのHCになりたがっているらしい。セイバーズ時代には最優秀コーチ賞を受賞するも、マックラーGMやハシェックとぐちゃぐちゃの確執があって、以後、NHLから締め出された格好のノーランだが、どうする、デビルズGM? それにしても、現在のセイバーズにこういうぐちゃぐちゃがないことはひたすら喜ばしい。


クリスマスの贈り物 05/12/25

 日本では24日と25日にアジアリーグの日本の4チームが札幌で試合をしているが、NHLはこの2日間は試合なし。クリスマス休暇前の現地時間12月23日、フロリダ州タンパでセイバーズはライトニングと対戦し、4対1で勝った。1点差でない勝利はほんとに久しぶりのような気がする。やっと厚い氷の上で勝てたっていう感じ。
 トリノ五輪のアメリカ代表に選ばれなかったミラーは、選ばれたグレアムに負けるわけにはいかない。しょっぱな、ソフトなゴールを許したものの、その後はしっかり押さえた。セイバーズはヴァネク、ドゥルーリー、タリンダーがゴールし、最後にこの日が誕生日のコタリク(写真中央)がエンプティ・ネットにゴール。コタリクもチームのゴール王でポイント王なのにチェコ代表に選ばれていない。また、新人パイエがアシストでNHL初ポイントを上げた。
 オタワが勝ったので首位には並べなかったが(五輪代表のディピエトロ、大丈夫かね)、クリスマス前にこんなによい成績は16年ぶりだとかラジオで言っていた。セイバーズ・ファンにとってはこれ以上ない、すばらしいクリスマス・プレゼントだ。

 さて、午前にセイバーズが勝って、午後にクレインズが勝つというパターン、24日も健在。札幌は雪らしいけど、クレインズはバックスに4対2で勝利。ただ、プラントが出場していなかった。バックスもポディーンがお休みのようである(手首骨折で帰国という情報あり)。プラントの方は情報がないので心配。


超えられない壁 05/12/24

 オタワが負けたので、勝てばディヴィジョン首位タイ、カンファレンス首位タイ、そしてリーグ首位タイになる千載一遇のチャンスだったのだが、現地時間12月22日のフロリダ戦、セイバーズは4対1で負けて、そのチャンスを逃してしまった。
 そして、ビロンの先発連勝は13で終わり(14連勝すれば、ペンギンズ時代のバラッソに並んだ)。チームのロード連勝も9で終わり(リーグ記録が10で、セイバーズの記録も10)。超えられない壁というものはあるものなのだ。
 それにしても、1ピリではよかったというビロンが突然、2ピリで炎上してしまったのだが、他の選手もよくなかったらしい。ルオンゴに「今季最高の試合」と言われてしまってるのだから、しかたないのか。これで今季フロリダに2連敗なのだけど。ルオンゴ、なんでセイバーズのときは最高なのよ! まあ、これでビロンがルオンゴよりよかったら、カナダはビロンを選ぶべきだったってことになるのだろうけどね。あと、セイバーズは3点以上リードされると追いつけない感じがする。そこが駒のそろった強豪との違いなのだろうか。


五輪の話と映画の話 05/12/23

 トリノ五輪のアイスホッケーのロースターが発表になった。セイバーズからはアメリカのドゥルーリー、ドイツのヘヒト、フィンランドのテッポとルドマンしか選ばれてない。アメリカはミラーを選ばないで後悔するぞ、と言われてるが、セイバーズの選手は五輪期間はゆっくり休んでください。いつもだったらロシアで選ばれる選手がいるんだけど、ロシアはNHL選手は選べないか何かなのかな。(その後、チーム・ロシアにアフィノゲノフらNHL選手の参加が発表された。)
 相変わらずケガ人多いセイバーズだが、ブリエアのケガが詳細不明で、本人も不安がっている。ロードにも帯同せずにバッファローで検査を受けているらしいんだけど。かわりかどうかは知らないが、二軍からダニエル・パイエが上がってきた。このほか、カリーニンがケガ人リスト入りしてるし、パイアットとデュモンは当分無理。

 食べ物の映画を2本見た。フィンランドで日本食の食堂をやっている女性の話「かもめ食堂」と、甘食命の若い女性が主人公の「転がれ!たま子」。どちらも監督が若い日本女性。「かもめ食堂」はわりと淡々、「転がれ!たま子」は映像的にけっこう強いものがある。「かもめ食堂」はフィンランド・オール・ロケということらしいけど、そんなにフィンランドって感じもしないのだが(行ったことないからわからないけど)。どっちも奇妙な味わいの映画。「かもめ食堂」はカツやショウガ焼きや唐揚げがおいしそう。「転がれ!たま子」は甘食とデニッシュがおいしそうである。


クリスマス・ジャージ 05/12/22

 釧路アイスアリーナのスタンドに最初に入ったときの印象は、暗いな。
 暗いので、どうしても手振れしやすく、ぼけやすい。ぼけてない写真はほとんど撮れなかった。その中で、比較的、クリスマス・ジャージの模様がわかりやすいのはこれ。鶴がスティックを持っているみたいなのだけど……。
 アリーナは新しくて、音響がよくて、見やすかった。よそでは透明のボードのそばで一眼レフを構えている人たちがいるけど、ここはそれができないようになっている。写真を撮っている人自体がほとんどいないようだ。私は試合中は撮らないことにしているので、撮るのはおもに練習中と最初のフェイスオフまで。
 釧路空港に着いてから出発までに時間があったので、売店を見てまわったら、「アイスホッケー・マガジン」を売っていた。さすが、釧路。


ミラー・タイム・アゲイン 05/12/21

 現地時間12月19日のフィラデルフィアでの試合。ゴーリーは親指骨折以来、久々の登場のライアン・ミラーだった。ミラーは1ピリと3ピリで多くのシュートを打たれながらもしっかりと守り、フィリーを1点だけに押さえた。セイバーズはゴースタッドのゴールで追いつき、OTを経てシュートアウトに突入。2巡目でミラーはフォシュベリのゴールを許すも、その直後にコノリーがゴール、そして4巡目でアフィノゲノフがゴールしてセイバーズが勝った。これでセイバーズは7連勝。また、ロードでは9連勝。ビールの宣伝からついたキャッチフレーズ、「イッツ・ミラー・タイム」が戻ってきた。
 この試合の最中に、チームUSAのトリノ五輪代表の発表があったのだが、選ばれたゴーリーはディピエトロとエッシとグレアム。ケガをしていたミラーは選ばれなかった。でもって、ディピエトロはリーフス相手に炎上して途中交代。フィリーのエッシはケガで欠場中なんだが、昨季のAHL優勝ゴーリー、ニイッティマキがミラーに劣らずよかったそうだ。セイバーズの選手で選ばれたのはドゥルーリーのみ。コタリクと並んで現在、チームのトップ・スコアラーになっているコノリーも選ばれなかった。
 それにしても、この試合、ゴーリーがビロンだったら負けてたかも、と思ってしまうような展開だったのだけど、復帰後、いきなりミラーがこんなにいいとは予想もしなかった。13連勝中のビロンとどっちを取るか、頭を悩ませる問題だけど、だめなゴーリーが3人いて、キングギドラとバカにされた時代に比べれば……。おまけに試合終了の時点で、セイバーズはリーグ首位のオタワに1ポイント差に迫った。もちろん、試合数が違うので、実際は1ポイント以上離されているのだが、オタワに3回ボコボコにされて、世間の笑いものにされてからまだ1カ月余りしかたってないってのも不思議。


やっぱりホームが一番 05/12/20

No place like home. やっぱりおうちが一番。(映画「オズの魔法使」より)

 17日と18日、初めてクレインズの試合をホームの釧路アイスアリーナで見てきた。
 これまでは東伏見(西東京市)と新横浜でしか見ていなくて、ここではクレインズはアウェーだから、ゴールしてもブーが鳴らない。勝ってもヒーロー・インタビューもない。でも、ホームではゴールすればブーが鳴り、サイレンが鳴る。まわりはみんなクレインズのファン。選手も自分の家にいるようで、東伏見や新横浜よりリラックスしてる感じ。バッファローでのセイバーズの試合をネットラジオで聞く感覚を、ようやくクレインズでも味わうことができた。
 クレインズはこの2試合から年末までクリスマス・ジャージを着用。クリスマス・ジャージというから、星や雪がキラキラしてるのだろうか、それともサンタクロースみたいなのだろうか、と、いろいろ空想をたくましくしていたのだが、真っ赤なジャージの正面にMerry Christmasの文字とクリスマスらしい絵をあしらったものだった(スタンドからだとよく見えない上、撮った写真はどれもボケボケで、あまりよくわからないのだけど)。
 さて、試合はコクドとの2連戦。これまでコクドには2勝1分で負けなしのクレインズ、他方、コクドは主力をケガで欠いているので、明らかに戦力低下していて、17日は6対3、18日は5対0でクレインズの圧勝。コクドが押していたのは2日目の1ピリだけだったのではないだろうか。以前見た試合では壁のようだった菊地もあまり調子よくなかったように見えた。
 それに対し、クレインズは伊藤キャプテン大活躍、次郎さんはまったくソリッドで、18日は完封。負ける気がしないクレインズだった。プラントは17日はコクド選手の脚の間を抜くパスを決めたり、18日には私の目の前でゴール。年末の高い飛行機代にもめげず、大雪にもめげずに釧路まで来たかいがあったというものです(ありがたや)。
 実は私はコクド戦はすべて見ているけれど、クレインズのジャージ着用で見た4試合は全部勝っている。最初の引き分けのときはまだジャージを買ってなくて、新横浜でバックスに負けたあとジャージを購入。それからコクド戦を4つ、ジャージ着用で見てきたのだ(釧路ではコートの下に着ていた)。コクド戦はもうクリスマスの札幌しかないけど、残念ながらこれは行けません。
 クレインズは昨季、レギュラーシーズンで優勝したのにプレーオフでコクドに負けてしまい、だから地元での2連戦は力が入っていたようだが、17日に続いて18日も楽勝ペースになった頃には、普段は表情の乏しいプラントがニッコニコでベンチに声をかけるし、コワモテのライアンもなんか顔がゆるんでるし、ああ、セイバーズをボコボコにした試合のオタワの選手はきっとこんな感じだったのね、と思うと、ほんの少し、喜びに影がさすのであった(ヒートリーの鼻歌野郎め!)。でも、ホームでファンと選手が一体になってるという感じがよくわかって、なんとも言えない感動がありました。
 17日から18日にかけては日本のあちこちで大雪になり、北海道も大変だったらしいが、釧路地方はまだましで、私は予定どおりに試合を見て飛行機で帰ることができた。ただ、18日の昼過ぎに最寄り駅の新富士からアリーナまで歩いたら、歩道が除雪されてなくて、靴もズボンも雪だらけになってしまった。
 この2試合は釧路地方のみ、NHK教育で放送したのだけど、釧路地方の友人宅は山間部なので地上波が入らず、録画を頼めなかったのがほんとに残念。しかし、噂に聞いたピリオドの合間のアトラクション、シュートでポンにはびっくり仰天! 小さい子供がシュートして男がストリップという趣向なのだ! テレビで流したんだろか。毎回、こんなに過激なのかと思ったら、2日目はまた違う(健全な?)趣向でした。

 それにしても、プラントって、見れば見るほど変なやつと思ってしまうのだけど、選手入場のときにいつも真っ先に走るようにしてリンクに出てくるのだ。普通はゴーリーが先だろ、と思ってたら、釧路のアリーナのベンチにはゴーリーから入ってくるのだが、プラントは途中でベンチの塀を乗り越えて、先にさっさと駆けていってしまうのである。実はセイバーズ時代にも変なやつの面目躍如の逸話があって、ルーキーの年にプレーオフより世界選手権に出たいと言って物議をかもしたのだそうだ。でも、仕事はしっかりやってるからよいか。フェイスオフを最初から足で取っちゃったりするのもすごい。


ビロン先発13連勝だと 05/12/19

 12月17日(土)と18日(日)は、午前中(現地時間では前日夜)にセイバーズ対ペンギンズのホーム・アンド・ホーム、午後には釧路でクレインズ対コクドの2連戦が行なわれることになっていた。普通なら午前はネットラジオでセイバーズを応援、午後はネットでクレインズをチェック、ということになるのだが、一度は釧路で試合を見たかった私は、前からこの2試合には出かけることに決めていた。
 そこで15日(木)は、午前中にダラス戦をネットラジオで聞いたあと、一路釧路へクレインズの応援に。で、泊ったのが釧路地方の山間に住む友人宅で、ここは携帯も圏外、ブロードバンドなどなく、山のせいでテレビの地上波も入らないという場所。んなわけで、東京に帰るまでネットができなかった。セイバーズとビロンの連勝は気になってはいたし、ネットで念を送れないのは心配だったが、東京より釧路の方がバッファローに近い、などという勝手な理屈をつけて、とりあえずはクレインズの応援に専念したのである(その話はまたのちほど……北海道は大雪で大変でした)。
 さて、日曜の夕方に試合が終わり、そのまま空港へ行って最終便で帰京し、ネットにつないでビックリ! 現地時間16日のピッツバーグでの試合は4対3でOT勝ち。そして17日のバッファローでの試合も4対3で連勝。どちらもビロンが先発して(片方ミラーの予想もあったのだが)、これで先発13連勝。10連勝でデトロイトのハシェックに並び、11連勝で2001年のブロデュアに並び、12連勝で8年前のブロデュアに並び、そしてとうとう、13連勝で10年前のオズグッドに並んだのだと……で、セイバーズは6連勝。
 驚いて、あっちこっちのネットの記事を読んだり、ビデオ・ハイライトを見たりしたあげく、Yahooのパワーランキングで3位になってるのを発見。順位もポイントではカンファレンス2位になったことを発見。どうなってんだ? このホーム・アンド・ホーム、1勝1敗で御の字、2敗だけはやめてくれ、とひそかに祈っていたのだが……。(前にも書いたけど、ペンギンズには弱かったの。今季4戦全勝で、やっと、3年間の元が取れました。)
 ただ、相変わらず1点差の薄氷を踏む勝ちばかりだし、3点も4点もリードしておいてじりじり追いつかれるというパターンが気になる。これって、去年の3月のビロンが先発して勝ってた頃のパターンじゃないの! 今のチーム状態ならミラーの方がもっと勝てる、とファンは言っているのだが……わからん、さっぱりわからん。ブリエアがまた下腹部に痛みを感じて、17日の試合は欠場、だそうで、相変わらず万全でないのだけど。
 ところで、以前はバッファローに団体のバス・ツアーで押しかけてくるのはリーフス・ファンだけだったのが、最近はハブス・ファンとペンギンズ・ファン(ピッツバーグではなくカナダだろう)もそうだというので、セイバーズ・ファンの怒りが彼らの方にも向いている。だいたい、バスで来る団体というのは、車の運転がないので、酒飲んでろくなことしないらしい。おかげでいつぞやのハブス戦と今回のペンギンズ戦はソールドアウトになったのだが。。(追記 17日のペンギンズ戦はピッツからも応援団がバスを連ねて来たらしいが、大部分の客はどうもクロズビー目当ての観光客だったようである。)


ダラスに勝利 05/12/15

 しばらく更新できないと書いたばかりなのだが、ダラスに勝ってしまったので、とりあえずご報告。
 現地時間12月14日、バッファローでのダラス戦。以前に書いたように、セイバーズのオーナーの招待でクリントン元大統領が来場しての試合。ダラスは最近、13勝1敗か何かで、セイバーズ以上にホットなチーム。ゴーリーのターコもブロデュア、ルオンゴを押しのけて、チーム・カナダのスターターになりそうだというので、この試合はかなりやばいと思っていた。
 アフィノゲノフ、ロイ、ヴァネクのゴールで3対0となったときは、今日はいけると思ったが、すぐに2点取られる。3ピリに入ってすぐにブリエアが復帰後初ゴールでほっとするも、また1点差に迫られ、なんとか4対3で逃げ切った。またまた薄氷を踏むような勝利。3失点はどれもディフェンスのミス、内2点はオウンゴールだってんだから……。3ピリはダラスに一方的に攻められっぱなしで、ビロンがビッグ・セーブを連発。当然、本日のナンバーワン・スターは先発11連勝のビロン。例年、2月にならないと調子が出ないはずが、今年はどうしたんだ?
 アリーナにはお客さん、たくさん入っていたようである。バッファローはテレビ放送がなく、センターアイスもブラックアウトされていたので、掲示板に集まるファンの多くは私と同じくラジオが頼りだったようだ。ディフェンスのカリーニンが指の骨折でしばらく欠場。ミラーはもう、いつでも戻れるのだが、ゴーリーの使い方がますますむずかしくなりそう。


お知らせなどなど 05/12/15

 これから数日、ブログの更新ができないかもしれません。以上、お知らせ。終わり……ではあまりにつまらんので、先日見た映画の話を。

 ジョニー・デップの新作「リバティーン」というのを見た。このところ、ファミリー向けのヒット作が続いているデップだが、この映画で彼が演じているのは、チャールズ二世の時代(十七世紀)の劇作家で詩人の第二代ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモット。卑猥な詩や劇を書いた不道徳で型破りなこの人物をデップが怪演。最後は梅毒で体がボロボロになって死んでいく。美しいデップが見たい人にはおすすめできないが、メジャーなヒット作に出る前からのファンには見逃せない。特に、しだいに暗転していくラストシーンの表情はデップならではの摩訶不思議でみごとな演技。原作の舞台劇で主役を演じたジョン・マルコヴィッチがチャールズ二世を演じている。
 話も暗いのだが、画面もすごく暗い映画。こういうのを見たあと、クリスマスのイルミネーションがキラキラした街に出ると、そのアンバランスにくらくらしてしまった。

 イルミネーションといえば、今年は鮮やかな青の電飾が目につく。木に豆電球をいっぱい飾ったイルミネーションがよくあるけれど、いつも行くプールの近くにこの青の電球と白の電球がキラキラしている木が数本ある場所があって、なんともいえない眺めである。東京駅から有楽町駅にかけてのイルミネーションもすごい。恒例のミレナリオもそろそろ始まるのかな。ものすごい行列なので、最近は見に行かないけど。


なんだかいろいろ 05/12/14

 月曜と火曜は、中国でクレインズ対ハルビンの2試合が行なわれていた。例によって例のごとし、クレインズ圧勝であったのだが、月曜の試合は夜の予定だったのに、当日、いきなり昼間に変更。こんなのあり? しかも、観客数は100。ぴったり100というのが怪しい。もっとも、普段でも200とか300らしいのだが。で、火曜日もぴったり100である。まあ、怪しいと言えば、NHLの観客数もサバ読んでそうなときあるけど……。火曜日の試合ではプラントはハットトリックをやったようである。

 セイバーズのビロン(写真)が先発10連勝というチーム新記録を達成して以来、またぞろ、ゴーリー論争が再燃している。ビロン、ノロネン、ミラーの3人のゴーリーをどうするか、誰をスターターにするか、誰をトレードするかといった、数年来の論争である。
 今季が始まったばかりの頃は、もうスターターはミラーで決定だ、あとはいつ、どういうふうにビロンとノロネンをトレードするか、という感じでファンの意見もほぼまとまっていた。ところが、ここにきて、ビロンが新記録。チーム全体が調子がいいというツキもあるが、それでも10連勝はツキやまぐれではありえない、と、ビロン・スターター説が浮上してきたのだ。その一方で、10連勝だろうが何だろうが、ビロンはトレード、というビロン・ヘイターたちも相変わらず根強い。その一方で、十分機会を与えられていないノロネンにもチャンスを、というミカ・ヲタ的ファンもいて、ファンの意見はさまざま。ゴーリーのケガが多い今、よほどのいい話がなければチームは3人を温存するだろうけれど……。
 ところで、ビロンの先発10連勝が始まったのは、11月15日のデビルズ戦から。その前の12日のオタワ戦は6対1で敗れたのだが、何点目かを取られたとき、怒りのあまり、ビロンはスティックを投げつけたという。トップDをケガで欠き、ディフェンスはボロボロ、フォワードはアグレッシヴさがなく、こうしたふがいないチームメートに腹を立てたのだとファンは解釈した。そして、そのあとから、セイバーズの躍進とビロンの連勝が始まった。
 ビロンはいいときはすごくいいのに、だめなときは本当にだめだめで、私もまだ信用してないところがあるのだが、彼の精神的な強さと強気の態度はミラーやノロネンに欠けているものだと思う。ミラーやノロネンの方が能力は高いのかもしれないが(そう言う人が多い)、ゴーリーにはこういう精神的な強さが重要なのも事実なのだ。ミラーにスターターを奪われ、バックアップに甘んじたときも文句ひとつ言わず、じっとチャンスを待っていた点も評価すべきだと思う。


先発10連勝 05/12/13

 現地時間12月11日ミネソタでのワイルド戦で、ビロンが先発10連勝を果たし、セイバーズのフランチャイズ新記録を達成した。これは76/77シーズンにGerry Desjardinsが達成した9連勝以来だから、ほぼ30年ぶりの快挙。NHLとしても、10連勝は01/02シーズンのレッドウィングスのハシェック以来だってんだからすごい。ハシェックはセイバーズではこんなに連勝してなかったわけで、なにげにハシェックよりもいい記録を持つビロン……運も実力のうちか。
 試合はミネソタ大学出身のヴァネクが先制ゴール。その後、2点取られたあと、2ピリ終了直前にドゥルーリーが同点ゴール、3ピリ残り3分余りでグリアが決勝ゴール、と、相変わらずの土壇場逆転勝利であった。(写真は左からヘヒト、ドゥルーリー、グリア。)
 ワイルドはゴーリーのロロソンとアシスタント・コーチのマイク・ラムゼイが元セイバーズ。ラムゼイはレイクプラシッド五輪のミラクル・オン・アイスのメンバーでもある。
 この試合ではブリエアが久々に出場。ラジオで名前が聞こえたのはうれしかった(NHLサイトのハイライトにも顔が映っていた)。ブリエアの不在中、1人でキャプテンをしていたドゥルーリーは1G1A。ミラーとブリエアの不在がビロンをブレイクさせ、ドゥルーリーを真のリーダーにしたというのも皮肉(それだけに、2人が戻ってきて和が乱れないかと心配なのだが)。
 二軍で調整中のミラーは9日の試合では4失点だったが、11日の試合では1失点に押さえ、アマークスを勝利に導いた。
 それにしても、毎回、薄氷を踏むような勝利だ。相手の順位なんて関係ない。つうか、オタワが2連敗したせいで、あっちの掲示板には「西カンファレンス>>>>>オタワ>>>>>五輪チーム」なんて書かれているのだ(東は五輪チームより弱い?)。

Biron made 34 saves to post the best winning streak by a Sabres goalie, breaking the mark of nine set by Gerry Desjardins in the 1976-77 season.

The last NHL goalie to win 10 consecutive starts was Detroit's Dominik Hasek in 2001-02.


王妃デジレのことなど 05/12/12

 テレビのバラエティ・クイズ番組で、ナポレオンにまつわる女性たちの話をやっていた。最初の恋人でスウェーデン王妃となるデジレについては、だいぶ昔に「デジレ」という映画を見たことがある。1954年のハリウッド映画で、ナポレオンがマーロン・ブランド、デジレがジーン・シモンズ、デジレと結婚し、のちにスウェーデン国王となるベルナドット将軍がマイケル・レニー、ジョゼフィーヌがマール・オベロン。テレビ放送だったから、吹き替えでカットもされていたけど、けっこう面白かったような気がする。ビデオがあるならまた見たいものだ。ナポレオンを女性の目で見直す、というのは、この半世紀前のハリウッド映画がすでにやっていたのである。
 ナポレオンはイギリスにとっては悪役なので、英米映画ではなかなか主役にならない。トルストイの「戦争と平和」にも重要人物として登場するが、その存在は否定的に見られている。アル・パチーノがまだ若かった頃に、ナポレオンを演じる企画があったと思うが、若き日のパチーノならぴったりだったろうに、残念だ。

 RJことリック・ジャネレットの実況CD、通販は北米だけだそうである。以前、03/04シーズンのセイバーズのダイジェストDVDが出たときも、北米以外はだめだった。やっぱり、北米人は北米だけが世界なのだね。

 わが日本のクレインズは、金曜と土曜に中国でチチハルと2試合して2勝。プラントはポイントとアシストがどちらも2位を大きく引き離しての1位、ゴールも3位タイである。で、PIMも、アンスポ10分×3回が効いて、58とだいぶ多い。数字だけ見たら、プラントは日本で乱闘係をしてると思われてしまうな。さすがに懲りたのか、最近はペナ取られてないみたいです。


たまらんな 05/12/10

 このところ、セイバーズの勝ち試合は、最後の最後まで、もうだめだ、もうだめだ、と思わせておいて、土壇場で勝ってしまうというものばかり。12月1日のハブス戦、4日のアバランチ戦に続いて、8日のマイティダックス戦もこのパターン。こういう試合をネットラジオの生中継で聞いていたら、それだけでおなか一杯になってしまう。こういう試合はいろいろな意味でたまらん。連敗してたときはラジオ聞く気にならなかったが、最近は本来寝ている午前中にラジオ聞いてるので、慢性寝不足。これもたまらん。
 で、現地時間12月8日、バッファローでのダックス戦。しょっぱな、オウンゴールで先制を許し、1点くらいならすぐ追いつける、と思ったら、これが大きな間違い。セイバーズの方がずっとたくさん打ってるのに、ことごとくジゲールに止められる。ったく、バッファローだと調子がいいナボコフ、ジゲールってどうよ。そうこうするうちにあれよあれよと3ピリだ。シャークス戦で完封されてるから、これでホームで5ピリオド連続ゴールなし。オウンゴールで負けるのだけはやめてくれ、と祈るような気持ちでいたら、3ピリ中盤、ヴァネクのペナルティ・ショットで同点! と思ったら、その直後にまた1点取られる。もうだめだ、と思ったとき、残り3分余りでコタリクが同点ゴールし、そのままOTへ。そして、ダックスがこの日、二度目のペナを取られ、パワープレーでアフィノゲノフ(写真)がゴール! たまらんな、もう。
 ブリエアとミラーの復帰にOKが出て、ブリエアはたぶん日曜のミネソタ戦から、ミラーはまず二軍で調整ということでアマークスの試合に出る予定。ビロンは先発9連勝なんだけど、ミラーが帰ってきたらどうするんだろう。ザルとかスイスチーズとか言われてたディフェンスがだいぶよくなったようで、特にマッキーはゴール前で体を張って防いでいるらしい(現在、ブロックト・ショッツのリーグ首位。こういうのはハイライトでは見られないのだ)。無名の選手たちがみんなでがんばって勝つというのは、セイバーズのファンが一番望むチームの姿ではあるけれど、どこかまだ信じられないようなこわいような気がしている。

追記 セイバーズのオーナー、ゴリサノが14日のバッファローでのダラス戦にクリントン元大統領を招待する(記事)。ゴリサノは来年、ニューヨーク州知事選に共和党で立候補する予定。でも、クリントンは民主党。で、ダラスはブッシュ? そして、知事選に民主党からヒラリーが出るかも?


テレビとラジオ 05/12/9

 スポーツ・アイでNHLの放送がいよいよ始まるそうである。公式サイトに12月下旬と書いてあった。しかし、うちはスポアイが見られない! 理由は、まず、うちはBSが受信困難。で、あとはケーブルテレビなのだが、ケーブルテレビは集合住宅では大家さんや管理組合が設備を入れないとだめ、つまり、個人ではだめ。で、うちのアパートはアナログのケーブルテレビはすでに受信OKの状態なのだが、スポアイはデジタルでないと見られないのだ。
 一応、資料請求してみたけど、アナログではたいていのものが見られる。見られないのは人気のないもの。つまり、スポアイって、人気がないのね。もう、早くJスポーツと合併せい!(Jスポーツはもちろん、アナログで見られます。)
 オリンピックのホッケーって、BSでしかやらないのだろか。普通のBSはアナログのケーブルテレビで見られるのだが。あと、スカイAで、昨季まではアジアリーグの中継やってたってんだから。なんで私が興味持つと中継なくなるの?
 スポアイで放送があるといっても、どうせセイバーズの放送はないだろうと思うと、今一つ、気持ちが萎えているのだが、テレビがなくてもそれほど残念じゃなかったのは、ネットでラジオの生中継が聞けるからだ。その昔、プロ野球中継が巨人しかなかった頃は、よく、ラジオで他のチームの中継を聞いていた。それがあるから、ラジオでもけっこう楽しめる。セイバーズの中継はリック・ジャネレット(RJ)という名物アナが実況していて、この人の実況がとても好きだ。声の質がとても聞きやすいし、早口だけど、何とも言えないいいリズム感がある。長年セイバーズの中継をしているRJの名文句には、「ラ、ラ、ラ、ラフォンテーヌ!」や、ブラッド・メイがゴールしたときの「メイデイ、メイデイ」がある。セイバーズ応援放送とはいえ、セイバーズさえよければいいというのではなく、相手チームのよいプレーや選手をほめたたえるあたりも気持ちがいい。
 RJは現在63歳。健康上の理由で引退しようとしたこともあるそうだから、彼の実況がいつまでも聞けるわけではないのだろう。それを思うと余計、あのネットラジオが貴重なものに思えるのだ。
 そうそう、セイバーズの映像をファンが一時的にアップしてくれるサイトが最近、「あなたの地域では見られません」というふうになってしまった。あなたの地域ってアジアのことか? もう、みんなして、私をセイバーズから遠ざけるのね!

追記 RJの実況を集めたチャリティCDが発売されるらしい。通販あるのかな。


ソールドアウト 05/12/7

 12月17日土曜日のバッファローでのペンギンズ戦が、先週の段階ですでにソールドアウトであることがわかった。10月初めのペンギンズ戦が12000人しか入らず、それも水増しじゃないかと言われ、しかも客の半分はペンギンズ・ジャージとカナダ・ジャージだったというのに、何ということだろう。今度はきっと、セイバーズ・ジャージの方が多いに違いない。この日は午後5時からの試合開始なのだけど、これは夜にバッファローでビルズ対ブロンコスの試合があるため。バッファローでのブロンコス戦は人気カードなので、その影響を減らすために時間を繰り上げたのだが、そんな必要はなかったかもしれない。

 ミラーはすでにゴーリーの防具をつけて練習を始めているらしい。ブリエアも近く復帰できるとか。逆にデュモンは木曜に手術をし、その後、2、3カ月は無理とのこと。2試合に出場したソーバーンがまた二軍へ戻された。
 セイバーズ公式サイトにブリエアのトレーニングの様子を紹介したビデオがアップされていた。ブリエアって、顔はかわいいのに、首から下は筋肉ムキムキ。コヨーテズではイマイチだった彼がセイバーズでブレイクしたのは、セイバーズには小柄なセンターの伝統があるからだという説あり。確かに、90年代のラフォンテーヌやプラント、今のブリエア、ドゥルーリー、ロイはみんな、同じくらいの背丈である。

 セイバーズ対アバランチの試合のあと、「バッファロー・ニュース」にはタージョン(写真)の記事が、「デンバー・ポスト」にはドゥルーリーの記事が出た。その後、コロラド方面では、ある動きがさまざまな憶測を呼んでいる。


心臓に悪いよ 05/12/6

 現地時間12月4日、デンバーで行なわれたアバランチ戦。その同じ日に、バッファロー・ビルズは初回に21点取って、21対0とリードしながら、最後に21点取られて23対24で負けるというへたれな試合をしていた。だから、1ピリに4点取って4対1としたときは、ファンは大喜び。ところが……。
 1点返され、また1点返され、これじゃビルズの二の舞いだ、と、バッファロー的にはいやあな悪寒が激しく襲ってきたところへ、スバトスのペナルティ・ショットでついに同点(ああ、もうだめだ)。そのあと、ドゥルーリーのゴールがノー・ゴールにされる(ああ、これでおしまいだ)。おまけにレフはセイバーズばっかりペナを取る(出る杭は打たれるってやつか)。そして、3ピリ残り3分を切ったとき、ようやくアバランチがペナを取られ、セイバーズはこの試合やっと2回目のパワープレー。しかし、これまで、ほとんどの試合でパワープレーをものにしているセイバーズ。すぐに、デレク・ロイが決めて(ヴァネクのアシストがすばらしかったらしい)、決勝点。そのあと、エンプティ・ネットにドゥルーリーが帳尻合わせのゴールをして終了(3秒前のゴールだった)。やれやれ。
 この日は試合前に500ゴール達成したタージョンが、古巣セイバーズの選手たちの前で表彰を受けるというセレモニーがあった(タージョンはリンディ・ラフHCのチームメートでもあった)。他方、元アバランチのドゥルーリーはセイバーズのキャプテンとしてデンバーに里帰り。この日のドゥルーリーは相当ハッスルしてたらしい。
 コノリーが2アスシトして、ついに欠場中のブリエアを抜いてチームの単独トップ・スコアラーに躍り出た。シャークス戦でNHL初登場したクリス・ソーバーンは2試合目で初ポイント(アシスト)。先制点のゴースタッド、3点目のポミンヴィル、1アシストのヴァネク、そして決勝点のロイと、気がついたら活躍してるの、昨季のアマークスの面々ばかり。最近のセイバーズの勝ち方は去年のアマークスによく似ていると思っていたら、ロースターがアマークスっぽくなっているのだった。


北海道の思い出 05/12/5

 12月3日と4日は帯広でクレインズ対カンウォンランドの試合が行なわれていた。例によって、クレインズは大差で2勝。プラントはじめ、何人もの選手がたくさんポイントを稼いだようである(もう、数え切れない)。
 帯広といえば、だいぶ前になるけど、駅から空港までバスに乗ったことがある。帯広というのはだだっ広い平野の中にあって、真っ平らなところをえんえんと長い時間、バスに乗っていくのである。北の方には白い雪を頂く美しい山々があるんだけど、とにかく平ら。駅の周辺はさすがに都会だけど。お昼にとんかつ定食を食べたら、キャベツの千切りがおいしかった。あんなにおいしいキャベツは食べたことがないと思ったほど。あと、帯広はケーキが安いのだよね。
 クレインズは中国遠征のあと、17・18日が本拠地・釧路で試合、そのあとクリスマスに札幌で2試合、そして年末にまたホームで2試合、そして、年明け1月6・7日に苫小牧で試合。この間、ずっと北海道にいたいけど、それは無理だ(ため息)。
 私は釧路地方が大好きで、何度も行ったことがある。なんといっても一番好きなのは釧路湿原。東と西に有名な展望台があって、どちらから見るかでまったく光景が違う。西の方は展望台の建物があり、観光バスが行くのはこっち。東の方は建物は何もなく、ただ、見晴らしのいい場所があるだけ。川が蛇行している有名な風景が見られるのはこの東の方だ。西の方は川は見えず、夏にはまるでサバンナのよう(こちらは木道を歩いていくとすばらしい光景が広がる)。どちらも好きである。
 釧路市内では、マンモスの全身の骨格がある博物館がおすすめ。いろいろな店のあるMOOは、できたばかりの頃の方が面白かった。
 釧路はやはり海産物がおいしい。私はウニとイクラが苦手だったのだけど、釧路地方で食べたウニとイクラは死ぬほどうまかった。それまで食べてたのは何だったんだ、て感じ。今ではサンマの刺し身は東京でも売ってるが、釧路で初めて食べたときはどこでも食べられるものではなかった。
 今流行りのスープカレーも、何年か前に釧路に行ったときに、たまたま入ったレストランでかかっていたラジオで初めて知った。元祖・札幌のスープカレーの店の紹介だった。
 なんか、食い物の話ばかりだが、観光地もいろいろ行っているのである。でも、やっぱり、花より団子ですね。


まさかの勝利 05/12/3

 12月に入り、またまた連敗スタートになるかも、と思っていた現地時間12月1日のモントリオールでのハブス戦。ハブスはコバレフに続いてコイブも欠場、ほかにも諸般の事情で出られない選手がいるとかで、セイバーズ掲示板では楽勝の書き込みが多かった。しかし、負けるときはだいたいそういうとき、と思っていたら案の定、2ピリ途中まで2対0でハブス、リード。こりゃ、今日はだめだな、と思っていると、2ピリにキャンベルがスラップショット、ゴール……と思ったら、ゴール前にいたコノリーがゴールしたことがわかり、しばらくたってから訂正された(NHLサイトの映像とRJの実況ではキャンベルがゴールしたようになってるのはそのためです)。
 で、とりあえず2対1になったものの、その後もどうもよくない。時間はどんどんすぎていく。5オン3のPKをなんとかしのぐのがやっと。そしてついに3ピリ残り5分を切り、ベル・センターではおなじみの「オーレーオレオレオレ」の歓声がこだまする。これが聞こえたらもう終わり、と思ったとたん、ドゥルーリーが同点ゴール!!!(あんたがキャプテン!)しかも、映像で見たら、ゴールの脇からのショット。実はドゥルーリーは悪い角度からのシュートがうまいんだと。そして試合はOTに突入。2ピリのゴールを取り消されたキャンベルが、今度こそ正真正銘のゴール! セイバーズは92年の大晦日から93年の1月10日までに達成した6連勝のとき以来の5連勝。コノリーは3ポイントを上げて、欠場中のブリエアと並び、チームのトップ・スコアラーに(信じられない!)。キャンベルも1G2A、ポミンヴィルは2Aと、コノリー、キャンベル、ドゥルーリー、ポミンヴィルの4人でたたき出した3点だった。(写真はOTゴールのあと喜び合うキャンベルとポミンヴィル)
 しかし、ドゥルーリーが同点ゴールしたら、ベル・センターはしーんとなってしまったように聞こえたが、こういう勝ち方は今季初のような気がする。実況の人たちも「勝てるとは思えなかった」と言っていたけど、私もまったく同感だった。
 この日はハブスは白のヴィンテージ・ジャージを着ていたので、セイバーズはアウェーにもかかわらず、写真のように黒のホームジャージを着ていた。また、腹部の負傷で欠場中のブリエアとデュモンが、ハブスのチーム・ドクターで腹部のケガの専門家の診察を受けたが、ブリエアはさほど重くないのに対し、デュモンは手術が必要かもしれないとのこと。それにしても、この2人がいないかわりにコノリー、コタリク、キャンベルといった思わぬ伏兵が大活躍と、まさかまさかのセイバーズなのであった。ビロンも先発7連勝中。


500円の試合 05/12/2

 遠くのNHLより近場のアジアリーグになりつつある私は、11月30日、例のレディスデー500円のコクド対バイキングス@東伏見に行ってきた。関西でバックスに1勝1分のバイキングスがコクドにどう戦うか、という楽しみもあったが、そうそう勝てまいとも思っていたので、一番のお目当てはスウェーデン人ゴーリー、ペーテル・アンデション。9月に釧路で行なわれたクレインズ戦でさまざまなパフォーマンスを見せたと話題になった人である。
 しかし、この日のアンデションはあまり体調よさそうでなく、パフォーマンスもないどころか、2ピリ途中にシュートを受け、そのあとしばらく倒れたままだった(バイキングスの公式サイトによると、コクドの選手にヒットされて倒れたらしい)。しばらくしてからようやく起き上がり、プレーを続けたものの、2ピリ終了で交代。ところがこの日はバイキングスはゴーリーを1人しか入れていなかったため、急遽、フォワードでアシスタント・キャプテンの選手がゴーリーをつとめた。
 しかし、急にゴーリーになったためか、防具もうまくつけられなかったみたいで、試合途中に手の防具をはずして足のパッドをつけ直し、それがうまくいかないので、ほかの選手が助けに来たりと、見ていてハラハラしてしまった。でも、この急ごしらえの臨時ゴーリーがセーブをすると、コクド・ファンからも拍手が起こったのであった。
 バイキングスは土日に関西で試合、月曜が移動で火水が試合というハード・スケジュール、と思ったら、12月のクレインズが中国で同じような日程。てことは、どこもみんな、異国ではこういうスケジュールなのだろうか。いくら旅費を節約するためとはいえ、もうちょっと何とかならんのだろうか。公式サイトによると、バイキングスの選手たちは腹痛でほとんど寝ていない状態での試合だったらしい。アンデションも途中、代わりたいみたいにベンチに方へ行き、他の選手に説得されてまたゴールネットに戻ったように見えるシーンがあった。だから、倒れる前から体調が悪かったのではないかと思ったのである。(公式サイトにはケガの情報とかはないのだけど、大丈夫なのだろうか。)
 それにしても、クレインズが韓国遠征したときも二瓶ゴーリーが腹痛で出られなかったり、ほかにも体調崩した選手が出たようだが、異国へ遠征して体調崩すというのも何とかならんのか。
 さて、試合が終わって駅へ行くと、なんと、またしても人身事故で電車が停まってしまった! しんしんと冷えるホームで待つこと30分近く。西東京市ってなんでこんなに寒いんだ。アリーナの中の方がよっぽどあったかかったぞ。まるで北海道に来たみたいだった。都心に戻ったらそれほど寒くなかった。
 バイキングスは中国のチームなので、試合前に中国と日本の国歌演奏があったのがちょっとインターナショナル。アナウンスも日本語と英語。先だってのコクド対クレインズでは国歌演奏もなかったのだ。


終わりよければ 05/12/1

 ミラーの親指骨折で始まった悪夢の11月も、終わってみれば8勝5敗1SOL。3対2で負けてばかりいたのがいつのまにかこのスコアで勝つようになり、相変わらず紙一重な勝敗であることがわかる。11月は前半が上位チームとばかり、後半が同等か下のチームなので、それが正直に出ただけの結果ではある。
 11月最後の試合、現地時間で29日のペンギンズ戦は、セイバーズが5年ぶりにピッツバーグで勝利をおさめた。最後にここで勝ったのは2000年12月2日だったとのこと。また、ビロンは95年にこのメロン・アリーナでNHLデビューしたが、どうしてもここで勝てず、やっと今回、初勝利。もともとセイバーズはペンギンズに弱く、04年3月にバッファローで勝つまで3年間勝てなかったとか、無茶苦茶な記録を持っている。
 しかし、今季、ペンギンズと対戦したチームの選手やファンが、ペンギンズを相手にするときはレフも敵だとか言っているのだが、それはある程度本当らしいと感じた。
 セイバーズはトップラインの2人、ブリエアとデュモンを下腹部の負傷で欠いているが、デュモンはスポーツヘルニアの可能性があるという(もしそうなら、1シーズン棒に振ることも)。ブリエアについてはまだ不明だが、下腹部の負傷は長引くことが多いらしい。手首骨折のパイアットは3カ月は無理。かわりのフォワードががんばっているが、これ以上ケガ人が出るとあとが続かない。それでも、ケガ人の数にもめげず、みんなで力を合わせてがんばっている。

 11月30日は例のレディスデー500円のコクド対バイキングス戦を見に行きましたが、いろいろハプニングがあったので、詳しい話はまたのちほど。