2005年11月30日

2005年11月

ゲアの18番のことなど 05/11/30
勝たねば恥 05/11/29
ポディーンの手紙 05/11/28
今季最高のビロン 05/11/27
午前も午後も3対1 05/11/26
感謝祭の贈り物 05/11/26
逆転勝ち 05/11/25
ノロネン負傷 05/11/24
ミカチュー復活! 05/11/21
今日は勝ちました。 05/11/20
がっくし、疲れた。 05/11/20
パイアット、ハットトリック 05/11/19
社会派映画2本 05/11/18
約4年ぶりの勝利 05/11/17
同じよりは変がいい。 05/11/16
土日の話 05/11/14
コノリー! 05/11/13
よもやま話 05/11/12
ヴァネク初ゴール 05/11/10
タージョンの500ゴールのことなど 05/11/9
英国最強のおばちゃんたち 05/11/8
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 05/11/7
振り出しに戻る 05/11/6
悪夢の11月 05/11/3
シューレス・ジョーの映画 05/11/1


ゲアの18番のことなど 05/11/30

 11月22日に行なわれたセイバーズの元キャプテン、ダニー・ゲアの18番の永久欠番セレモニーをセイバーズ公式サイトで見ることができた。ここは多くのページが登録してログインしないと見られないという、何とも排他的なサイトで困るのだが、それでも日本にいてこういうものが見られるのはありがたい。
 セレモニーは名物アナ、RJことリック・ジャネレットの司会で始まり、かつての名選手たちがブルー・アンド・ゴールドのジャージで登場。最後はもちろん、ジルベール・ペロー。それに続き、背広姿のゲアが登場。そして、現在のジャージの上に18番のついたブルー・アンド・ゴールドを着た今の選手たちが登場してゲアにあいさつ。ゲアの家族も見守る中、バナーが掲げられた。
 セレモニーが終わり、赤絨毯の上を下がっていくとき、リンクに出てきたレンジャーズの選手の中からヤーガーがゲアに近寄り、握手を求めたのが印象的だった。
 
 西武とコクドで活躍したクリス・ブライトが、ドイツのフランクフルト・ライオンズでプレーしている。このフランクフルト・ライオンズ、実は、この夏にNHLを引退した元セイバーズのジェームズ・パトリックがいるところなのだ。パトリックは引退後、セイバーズのコーチ陣に加わったものの、友人であるライオンズのコーチに頼まれ、シーズン開幕から参加している。春にはまたセイバーズに戻る予定とか。ブライトは最近、参入したようだけど、ライオンズって名前がぴったりなのでは? この人、ハートフォード・ホエイラーズにドラフトされたものの、NHL入りはできず。でも、アマークスでプレーしてたことがあるのですね。


勝たねば恥 05/11/29

 現地時間11月27日日曜日午後4時にスタートのセイバーズ対キャップス戦(ワシントンにて)。キャップスは前日、午後8時からニューヨークでレンジャーズと試合。これがシュートアウトにまでもつれ込み、各チーム15人ずつ打ってやっと決まった(レンジャーズが勝った)のが午後11時。それからキャップスはワシントンに戻り、17時間後の午後4時に試合という大変なスケジュールだった。だから、セイバーズは勝たねば恥。キャップスのゴーリーは前日出たコルズィグではないと思われたが、さすがに連敗したくないキャップスはこの日もコルズィグを出してきた。
 試合はしょっぱなに二軍から上がったばかりのジェイソン・ポミンヴィルがNHL初ゴール。しかし、2ピリに追いつかれ、ピリオド終了間近にヴァネクが久々のゴールで突き放す。そして、3ピリで、相手のパワープレーにもかかわらず、ヘヒトがゴール(写真)。が、終了直前にまたしてもゴールされ、最後の1分間はキャップス猛攻撃、セイバーズはマッキーがスティックを失いながら必死に防御、オベチキンのシュートがポストに当たって救われる(このシーンはESPNサイトにビデオあり)。疲れているはずのキャップス、やはり怖い存在だ。
 セイバーズはこの日はディフェンシヴな試合をしていたようだ。攻撃では、ポミンヴィルとヴァネクにアシストしたアフィノゲノフとロイ(どちらも2アシスト)がすばらしかったという。ヴァネク、ロイ、ポミンヴィルのラインは非常に息が合っていたというが、彼らは昨季、アマークスでプレーした仲。
 この試合は日本時間では午前6時から8時半。私が一番爆睡している時間なので、ラジオはあとでWGR550のサイトで聞きました。腹部のケガで欠場中のブリエアが、途中で放送席にやってきて、話をしていた。共同キャプテンの1人がいないので、この日はヘヒトがAをつけていた(ドゥルーリーがC、マッキーが常時A)。
 セイバーズはまたまたカリーニンがヘルシー・スクラッチ。ノロネンはバックアップで復帰。NHL公式サイトのハイライト・ビデオは、キャップスのホームの試合だというのにセイバーズのラジオの実況が使われていた。ラジオを聞いたあとに見ると感無量です。


ポディーンの手紙 05/11/28

 アンスポ10分で驚いてはいけない。ESPNのサイトにバックスのショーン・ポディーンのメールが掲載されていた。何でも、レフにぶつかっていって10試合サスペンドを言い渡されたのに、それを3試合にまけてもらったのだそうだ。いったい、いつの試合じゃ? プラントは10分を3分にまけてもらえ! 以下、全文。

Our boy Shjon Podein (100 NHL goals in 699 games) has continued his hockey life's adventure in Japan after spending last winter in Sweden. Here is Shjon's latest e-mail to me:

"Where do I begin? What a culture. I am big into the whole bowing thing. The people are great. Tokyo is huge. Mount Fuji is one cool mountain. I climbed the Great Wall and lived to tell about it. I don't know if the satellites could see me waving. Hockey is a blast.

"I got a 10-game suspension for running into a ref. I talked it down to three. I'm really into the conveyer belt sushi. I like just to watch the sushi go round and round and grab the one you want. It's exhilarating. I ate some blow fish and avoided the poison. Homer would be proud. I saw some NHL highlights on ESPN.com. I don't even dream as fast as the boys are skating! Everyone in southeast Minnesota loves it. I saw my first sumo live. I'm hooked for life! Those big, round guys got some quick feet. Yakitori and noodles instead of hot dogs and popcorn. I hope life is great and keep loving the world's greatest game.

Arigato gozaimasu,
S.W. Podein, Esq.


今季最高のビロン 05/11/27

 現地時間11月25日、バッファローで行なわれたハブス戦、ビロンが40セーブして、セイバーズが3対1で勝った。今月初めのホーム・アンド・ホームでハブスに2連敗したリベンジを果たしたことになる。41本のシュートの中にはむずかしいものがいくつもあったそうで、ビロンは今季最高の出来。この試合ではコタリク、キャンベルのゴールで2対0とし、3ピリに1点返されたあと、今度はコノリーがゴールして勝利を確実にした。コタリクはこれで12ゴールとなり、ブリエアと並んでチームのトップに。コノリーの活躍もすばらしく、ブリエア、デュモンのトップライン2人をケガで欠く中、この2人ががんばっている。
 キャンベルもこのところ大活躍。ロックアウト中はフィンランドで好成績を上げていたのに、ファンにはまったく信用されず、クビにしろの声が大きかったのだけど、今ではルドマン、マッキー、テッポに次ぐ第4のディフェンスに。逆にナンバーワンDとして期待されたカリーニンが不調で、この日はヘルシー・スクラッチだった。テッポはまたアシストのポイントを稼いでいる。マッキーはオフには契約でもめてトレード説まで流れたのに、開けてみたら、実は彼こそがトップDという活躍。Aマークももらって、チームの最古参としてリーダーシップを発揮している。
 キャンベルは掲示板ではスープにちなんでスーピーと呼ばれているのだが、今季、セイバーズのラジオでも名物アナのリック・ジャネレットが時々、スーピーと呼んでいる。この日もキャンベルのゴールのときに「スーピー」と叫び、それがそのまま、NHL公式サイトのビデオに使われていた!
 その一方で、パイアットが手首骨折の重傷。先だってハットトリックを決めて以来、調子を上げてきていたのに……。まさに満身創痍のセイバーズなのである。
 ノロネンが日曜からベンチ入りできることになり、レイトンは一度も出番なく二軍へ。かわりにフォワードのポミンヴィルが上がってくる。ミラーはスケーティングを始めているようだ。ブリエアとデュモンは腹部の痛みということで、今のところ様子見だけど、リーダーのブリエアがいないのはやっぱりつらいと思う。


午前も午後も3対1 05/11/26

 今日はお昼すぎまでセイバーズの試合、午後はクレインズの試合という日であった。そして、どちらも3対1で勝ち。相手はハブス、コクドと強豪なので、どうなるかと思ったが、今日は大満足。セイバーズの方は、バッファローは金曜の試合は午後8時からなので、日本では午前10時から、そして終わるのは12時半くらい。クレインズの方は東伏見で午後2時からだったので、かなりきつい日程だったが、余裕で間に合った(ほっ)。
 今日の東伏見は1試合だけということもあってか、開幕戦や新横浜に比べて人は少なかった。試合もセレモニーもなく、選手が出てきたと思ったらさっさと始まってしまう。1ピリはクレインズが押していたのに、コクドが1点先取。そして、終了と同時にライアンがアンスポーツマンライク・コンダクトで10分のペナ。でもって、2ピリ中盤で、今度はプラントがやはりアンスポーツマンライクで10分間のペナ。もう、プラント、いいかげんでレフに暴言吐くのやめなさい! あんたを見に来てる客がいるんだからねっ! 確かに、負けてるときは仲間を鼓舞しようとするとか、そういうところがあるのは認めるけど。これまでは終了前だったから事実上の退場だったけど、今日は丸まる10分、箱に入って、そして3ピリ始まって数分後、出てきたプラントはそれまで休んでたのを取り返すようにがんばり、クレインズは3点取って逆転勝利したのだった!(注)
 今日撮った写真はピンぼけのものが多くてがっかり。とりあえず、いろいろな人が写っているのを上げておこう。ライアンのド迫力の顔写真も撮れたんだが。試合終了後のプラントの笑顔はピントが合っていなかった(残念)。今日はレフにクレームはつけていませんでした。
 東伏見では、来週火曜と水曜のコクド対バイキングスがレディスデーで、女性は当日自由席500円。どちらかに行って、あのスウェーデン人のゴーリーをぜひ見てみたいと思う。

注 暴言かどうかはわかりません。でも、たぶん……。


感謝祭の贈り物 05/11/26

 11月24日は感謝祭(サンクスギビング・デイ)。日本にいるとピンと来ないけれど、感謝祭の贈り物とでも言いたいビデオがアジアリーグ公式サイトにアップされている。先だっての新横浜シリーズ2日目、バックス対王子、コクド対クレインズの試合の模様。ゴール・シーンのすべてと、それぞれの試合のヒーローのインタビューが見られる。スタンドから見るのとは違う角度で、しかも近くで撮られているので、なかなかに新鮮です。

 もう1つは、SabresFans.comに掲載された感謝祭のコラム。セイバーズの35年間の記憶に残る瞬間を、著者が順不同に並べている。その内のいくつかをご紹介。
1 1970年10月10日……セイバーズのNHLでの最初の試合(ピッツバーグにて)。
3 オードでの最後の試合……試合後、廊下でシーモア・ノックスに会った。彼は記念に自分のチケットを私にくれた。
9 1シーズンずっと、セイバーズの選手は誰もCマークをつけなかった。テッド・ノーランはこう説明した、「パティは我々のリーダーだ。我々のスーパースターだ。誰も彼の代わりはできない」
10 タグナットのそばを通り、ゴールラインに向かっていったプラントのショット。
18 オードに掲げられた11番のバナー。当時はこれが唯一の欠番であり、それが当然のことだった。
23 70セーブ。
26 ドウェイン・ロロソン対クージョ……そしてロロソンが勝った。
 などなど、計75項目。あえて説明はしません。


逆転勝ち 05/11/25

 現地時間11月23日、ロングアイランドで行なわれたセイバーズ対アイランダーズ。ケガで欠場中のデュモンに加え、ブリエアもケガで出場できず、トップラインの2人を欠いての試合となった。
 1ピリは一方的にアイルズに攻められるも1対1。が、2ピリで立て続けに2点取られ(内1点はテッポの不運なミス)、3対1にされたときはもうだめかと思ったが、そのあとすぐに、テッポのスラップショットをヘヒトが押し込んで1点差。そして、3ピリ終了まぎわにコタリクが同点ゴール。OTはセイバーズが攻めて攻めて攻めまくるも得点ならず(ゴースタッドとパイアットがすごかったらしい)。そしてシュートアウト。前日、ノロネンのケガで交代したビロンが1つも止められず、こりゃあ、だめかと思ったら、ビロンは2つ受けて2つとも止めた。その間、セイバーズはコタリクがゴール(写真)、ヴァネクがセーブされ、コノリーがゴール。これで勝負あったので、アイルズの3番手シャターンの出番はなかった。
 セイバーズのファンは負ければ戦犯はビロン、勝っても戦犯はビロン、という感じなのだが、この日のビロンはおおむね、ソリッドであったようである。ゴーリー2人に加えてトップラインの2人まで欠いても勝てるってのがすごいというか、GとFは層が厚いと言うべきか……Dが2人欠けるとどうしようもないけど。トップ・スコアラーのブリエアがケガというのは痛いが、コタリクやコノリーといった新しいスナイパーが台頭している。コタリクは現在、チームのポイント・ランキング2位で、今季ブレイクした選手の1人になりそう。パイロンとか言われたパイアットも評価を上げているし、あとはヴァネクとロイがブレイクしてくれればいいのだが。ちなみに、コノリーとパイアットはペカのトレードでアイルズから来た選手。
 とにかく、この日は勝ったのでほっとしてるというか、5試合連続ポイント獲得は今季初めて。

テッポの記事 デトロイトのフィッシャーの心臓発作に関連して心配されたテッポの健康状態について、また、ブリエアとデュモンの状況について。デュモンは2週間は無理とのこと。
ノロネンの記事 ノロネンのケガは思ったより軽く、1週間以内に復帰できそう。


ノロネン負傷 05/11/24

 現地時間11月22日、バッファローでのレンジャーズ戦。この日は74年の入団以来、長くセイバーズで活躍し、キャプテンもつとめたダニー・ゲアの18番の永久欠番セレモニーが行われたが、試合はセイバーズがシュートアウト負けしてしまった。しかも、3ピリ12分経過頃にノロネンが鼠蹊部の筋肉を痛め、それでもOTまでプレーを続けたが、シュートアウト1巡目のあと、ビロンに交代。レンジャーズは3人すべてがゴール、セイバーズはブリエアとコタリクがゴールするもドゥルーリーがセーブされてしまった。
 試合はドゥルーリーが先制ゴール、ヤーガーが同点ゴール、マッキーが勝ち越しゴール、そして、3ピリ終了前にニーランダーが同点ゴール。ノロネンはこの前のボストン戦に続き、この試合でもハシェックばりのセーブ(NHL公式サイトのビデオで見れる)をするなど、非常によかったらしい。実際、不安定なビロンよりもノロネンがスターターになりそうだったのだ。
 とりあえず、二軍のアマークスからマイケル・レイトンが呼ばれた。レイトンはこのオフ、シカゴからトレードで来たゴーリー。年はミラーと同じくらいで、03/04シーズンにはティボーのケガもあって、30試合以上出場している。
 やっと勝てるようになったと思ったら、またゴーリーがケガなんて、呪われてるとしか思えないが、レイトンを試すチャンスではある。また、シュートアウトでヴァネクのようなスナイパーを出さずにドゥルーリーを出したラフHCに対し、ファンの批判が集まっている。永久欠番の記念すべき試合が、なんとも不幸な結末になってしまった。(ノロネンの記事はこちら。)

 さて、11月23日午後は日光でクレインズ対アイスバックスの試合が行なわれ、クレインズが7対2で圧勝。バックスは春名ゴーリーがお休み。なんでも、週末に関西で2試合あるので休ませたとか(先だっての横浜シリーズは春名がよくて2連勝て感じだったのだが)。プラントは1G2Aで、ポイント・ランキングとアシスト・ランキングの首位を独走中。


ミカチュー復活! 05/11/21

 オープン戦で炎上して以来、控えゴーリーにもなれず、試合中はプレスボックスにいたミカチューことミカ・ノロネン(写真)。ミラーがケガした直後はビロンのリリーフでオタワ戦に出るも、またも炎上。以後、ビロンのバックアップとしてベンチ入りはしても出番のなかったノロネン。その彼にやっとチャンスがめぐってきた。
 現地時間11月19日。ボストンでのブルーインズ戦。数日前から先発を言い渡されていたノロネンはこの試合では終始、ソリッドで、ビッグセーブもいくつかするという活躍。セイバーズは3対2で勝ち、ノロネンの評価が一気に高まった。
 この日はケガで欠場していたディフェンスのマッキーが復帰し、ビロンが出た試合よりディフェンスがよくなっていたのだが、ミラー欠場後のビロンよりもよい出来だったようだ。もっとも、ブルーインズは現在、絶不調で連敗中。セイバーズは今季、これでブルーインズに3連勝と相性もよかったのではあるが。セイバーズはまた、これでデビルズ戦、キャピトルズ戦に続いて今季初の3連勝となった。
 試合はセイバーズが先制しては追いつかれ、また入れては追いつかれ、あと4分ほどで試合終了というときに今までパッとしなかったディフェンスのタリンダーが決勝点をたたきだした。他の2点はコタリクとブリエア。コタリクとタリンダーのゴールは、ヴァネクがうまくレイクロフトの視界をさえぎっていたためのゴール。ヴァネクは影の功労者となった。
 ブルーインズはセイバーズ・キラーと言われたスカッチャードがコヨーテズにトレードされ、かわりに来たタナベがお目見えしていた。
 セイバーズはアフィノゲノフに加えてデュモンもケガで欠場。アフィノゲノフはそろそろ復帰できそうではある。ビロンもノロネンもいいときはいいが悪いときは悪いというのが困りものなのだが、とりあえず、ミラーが復帰するまではこの2人でやっていけそうだ。思えばノロネンは03/04シーズン終盤はまったくダメだったから、ほんとうに久方ぶりの復活である。まあ、次が問題なんだろうけどね。


今日は勝ちました。 05/11/20

 午前中、ネットラジオでセイバーズの3連勝とノロネンの今季初先発初勝利を確認して、さあ、この運気を持って、いざ横浜へ! もちろん、最後まで聞いてからでは第1試合のバックス対王子の開始には間に合わないのだけど、それでも1ピリ最後から見られた。そして、なんと、王子もバックスに負けてしまった。バックス、まじでつよい。セイバーズも2月になったら今のバックスのようにリベンジしてほしい……(セイバーズの試合については、これからハイライト・ビデオを見たり、写真を探したり、記事を読んだりするので、またのちほど)。
 そして、第2試合のクレインズ対コクド。クレインズがプラントのゴールで先制するも、そのあと3点取られ、やっとこ1点返すも2ピリ終了時点で2対3。こりゃあ、今日もやばい……と思ったら、3ピリから怒涛の攻撃で一気に3点取り、最後にエンプティ・ネットに入れて、6対3でクレインズが勝った。今日のクレインズは動きがよかったけれど、なんか、効率が悪くて、イライラがたまっていたけれど、3ピリでそのイライラも吹っ飛びました。やれやれ。
 それにしても、プラントは試合終了後にレフにクレームつけていたのだが、開幕のときもそうだった(バックス戦とコクド戦のどっちだったかは覚えてないが、まるでリプレイを見てるようだった)。試合中も、「Why? Why?」とレフに大声で叫んだり、クレームつけたりして、退場にならないかと心配になった(韓国でアンスポーツマンライク・コンダクトで10分のペナ、事実上の退場を食らっているので)。隣の人が「オフサイトがきびしすぎる」と言っていたけど、うーむ。でも、勝ってみんなが並んでるときにクレームつけるかなあ。で、必ず誰かが出てきてプラントを下がらせ、あとで別の選手がレフと話をするというのも同じパターン。何を話しているのだろう。(注)
 今日は奮発して3階特別指定席にしてみたんだが、ここからだとリンクを見下ろす感じになって、パックや選手の動きがよくわかる。ただ、ほかの座席と隔離されてるので、移動が面倒。あと、手摺りが邪魔だな。全体に新横浜は狭くて見づらい感じ。立ち見の場所も少ないし、トイレも少ない。ただ、音楽がオルガンなのはグー。
 さて、次は土曜日の東伏見へ行く予定。23日の日光もあるのだが、遠いな。

注 オフィシャル・ゲームシートを見たら、終了5分前くらいにアンスポーツマンライクを取られていたことがわかった。最後のどさくさで、よくわかんなかったんだけど、それの文句だったのだね。つまり、今回も事実上の退場処分だったわけですな。


がっくし、疲れた。 05/11/20

 2カ月ぶりのホッケー観戦、アジアリーグの新横浜での第1日(土曜日)に行ってきた。場所を確かめずに行ってしまったので、道に迷い、着いたときにはもう第1試合、お目当てのクレインズ対バックスが始まってしまっていた。その上、クレインズは格下のはずの(失礼)バックスに4対2で負けてしまうというていたらく。そのあとのコクド対王子が息詰まる熱戦で面白かったけれど、どうしたクレインズ、と、がっくしと肩を落としながら家路についたのであった。
 しかし、2カ月でこうも変わってしまうものなのか。9月下旬の開幕戦、あのときはクレインズがバックスを圧倒して力の差を見せつけていたのに、今回はまるでチームが互いに入れ替わったかのようだ。バックスは終始、チームワークがよくとれていて、動きもいいように見えたのに、クレインズはなんだか動きが鈍いというか、バックスの選手がパックをもって1人でクレインズの陣地に攻め込んでくるとき、クレインズの選手はほとんど誰もこっちへ来れないみたいなシーンが何度もあった。それに対し、バックスの選手たちはいつも必ず、自分たちのゴール前に集まって防いでいたように思う。私はホッケーに興味を持つようになってから日が浅いので、専門的なことはわからないけれど、目で見てそういう印象を受けたのだ。実際にはクレインズの方がシュート数は10くらい多かったみたいだから、春名ゴーリーがよかったのかもしれないけど。
 このほか、プラントが前に見たときほどよくなかったような気がする。この2カ月の間の試合をまったく見てないので、何とも言えないが……。中国の2チーム相手に大勝ちしているうちに、チーム全体がおかしくなったのだろうか。
 このあとのコクド対王子は、まるで開幕2日目のコクド対クレインズのようだった。どちらも相譲らずOTに持ち込み、結局、引き分け。開幕のときは王子がコクドにやられていたのに、今回は王子とコクドは力が同等に見えた。ほんと、この日の2試合だけだと、クレインズが一番ダメなチームに見えるよ。まあ、明日(というか日曜)の試合を見てみないとわからないが。
 今日はバックス対クレインズの方はけっこう派手な乱闘があり、コクド対王子はボードが壊れて直すのに時間がかかったりして、終わったら8時近くになっていた。クレインズのジャージを買ったので、日曜はこれを着て行こう。


パイアット、ハットトリック 05/11/19

 11月17日、バッファローでのワシントン戦。セイバーズは8対5で勝ったのだが、2ピリ中盤まで6対1でリードしていたのに、そのあと一気に3点取られ、3ピリに入ってもワシントンに攻められる一方で、セイバーズはほとんどシュートも打てず。やっと打ったのがパイアット(写真中央)のハットトリック達成のゴール。ところがそのあと、また1点取られ、そして、コノリーのゴールでやっと試合が終わった。
 その間、ワシントンのシュートは4本くらいポストに当たってたそうなので、運がよかったとしか言いようがない。このほか、ヴァネクがウィットに襲われたり、ビロンがオベチキンとラフィングしたりしたようである(掲示板にビデオがアップされていたが、クリースを離れていたビロンにオベチキンがぶつかっていったので、そのあと、ビロンが後を追いかけて復讐したのだった)。
 この日の試合では、パイアットのハットトリックに加えて、キャンベルが2ゴール、コノリーが1G2Aの活躍。実はこの3人、開幕前はファンからクビにしろと言われ続けていた選手たち。それでもキャンベルとコノリーはこのところよくて、評価が上がっていたが、パイアットは何の役にも立っていなかった。それが突然、ハットトリックって……前にも1度やったことがあるらしいけど。
 しかし、ビロンはやっぱり不安定のようだな。2ピリ後半から攻められっぱなしというスケーターたちも何だが。ビロンは3ピリだけで18本も受けて1点しか取られなかったんだが。ワシントンはコルズィグがケガで欠場中。オベチキンが1人でがんばってるんだけど、優秀な選手がほとんどいなくてもみんなで必死にプレーしているチームらしい。だから最下位とはいえ、上にしっかりくっついているのだ。まったく、この試合結果見ると、どっちが最下位だかわからんと思う。


社会派映画2本 05/11/18

 実話にもとづく社会派映画を2本見た。どちらも戦争にかかわる話で、アメリカをはじめとする超大国への批判が含まれている。

 1つはニコラス・ケイジが武器商人を演じる「ロード・オブ・ウォー」(12月公開)。「ガタカ」や「シモーヌ」の監督で、「トゥルーマン・ショー」の脚本家アンドリュー・ニコルの最新監督作である。
 ウクライナ出身のアメリカ人である主人公が、ふとしたことから武器商人としての天性に目覚め、相手かまわず武器を売りまくって成功する。弾丸の製造過程からそれが人を殺すまでを描くメインタイトルに始まり、モラルも何もない主人公が危ない橋を渡りながら商売を繰り広げ、最後にアメリカをはじめとする5つの国連常任理事国が一番の武器輸出国であることを告げる結末まで、ニコルらしい社会批判が貫かれた映画だ。
 「ガタカ」や「シモーヌ」、それに脚本を書いた「トゥルーマン・ショー」は、面白いけれど、SFとしては使い古されたネタだと思っていたが、この映画は現実を批判するという点でこれまでと違い、ユニーク。スタイリッシュな映像は相変わらずだし、主人公を追う捜査官役が「ガタカ」のイーサン・ホークだというのもうれしいが、ニコルの社会批判や文明批判へのこだわりが健在なのが何より喜ばしいことである。

 もう1つは1994年のルワンダの内戦を描く「ホテル・ルワンダ」(1月公開)。フツ族がツチ族を虐殺したこの出来事は日本でも大きく報道されたが、この映画はツチ族の妻を持つフツ族の男が、自分が支配人をつとめるホテルに1200人もの難民をかくまい、彼らを救うことに成功したという実話をもとにしている。最初は自分の家族さえ助かればと思っていた主人公が、しだいに他の人々も助けようと思うようになる。しかし、アメリカやイギリスは国連維持軍の撤退を促し、ルワンダは世界から見捨てられてしまう。
 こういう映画を娯楽的に面白いと書くのは不謹慎なのだが、サスペンスフルでドラマチックな感動作に仕上がっている。主人公は決して英雄ではなく、自分の命も危ない弱い人間なのだが、彼が必死に人を救おうとする姿には率直に感動できるだろう。アカデミー賞の主演男優賞、助演女優賞、脚本賞にノミネートされたのもうなずける。
 ルワンダにはフランスが軍事援助していたそうだが、難民を救うためにフランス政府にかけあうホテルのオーナーのベルギー人を演じてるのは、あのフランスのスターですよね(名前は出てないけど)。


約4年ぶりの勝利 05/11/17

 現地時間11月15日のバッファローでのデビルズ戦、セイバーズは4対1で勝った。デビルズに最後に勝ったのは2002年1月だそうだから、ほとんど4年ぶりの勝利。試合前に元キャプテン、Mike Foligno(写真)ら5人の「セイバーズの殿堂」入りセレモニーがあったので、勝って何よりである(記事1記事2)。
 試合はしょっぱなに1点先行されたあと、デュモン、キャンベル、ドゥルーリー、ブリエアがゴール。ブリエアは5試合ポイントなしだったので、ほっとしたことだろう。1点先行されたあとは終始、セイバーズが支配していたようで、特に、この日はディフェンスがすばらしかったらしい。リドマン改めリュドマン(注)がいるとこうも違うのか。フォワードではデレク・ロイ(注)ががんばっていたようだ。
 デビルズはブロデュアが今季は不調の上、モギルニーが脳震盪で欠場。セイバーズの方は親指骨折で12月中旬まで無理のミラーのほかに、現在、マッキーとアフィノゲノフがケガで欠場中。よそのチームも、せっかく復帰したアトランタのダナムがまたケガだとか、タンパのサンルイが指の骨折だとか、ハブスのコバレフが手術とか……。
 この日の他チームの試合のハイライトで印象に残ったのは、同点ゴールとシュートアウトを決めたキャピトルズのオベチキンの同点ゴール。フィギュア・スケートの選手のように飛び上がっている。期待を裏切り続けているセイバーズの新人、ヴァネクに欠けているのはこういうところではないだろうか。

注 リドマンはセイバーズの実況ではルードマンと発音するようになったが、実際はリュドマンが一番近いらしいので、こう表記します。英語ではユーがウーになりやすいですね(ニューヨークがヌーヨークとか。あ、デュモンがドゥモンになってら)。デレク・ロイ(ロワ)は故郷以外ではロイで通しているそうなので、こちらはロイで。ただ、デビルズの放送ではロワになってたらしい。


同じよりは変がいい。 05/11/16

 先日ちょっと紹介した「スパングリッシュ」という映画。ロスの裕福な白人一家の家政婦になったメキシコ人女性とその幼い娘の物語だけれど、プレスシートに書かれたある精神科医の分析が紋切り型の家族論であることが不満だと書いた。
 でも、よく考えたら、この人の論があったから、それはおかしいんじゃないの、と、さらに考えることができたのだと言える。ムカつくなんて言ってはいけなかった。
 この人は、家政婦が母親の愛情に飢えている白人一家の娘に母親のような愛情を注ぎ、その一方で、自分の娘にはきびしいことについて、娘には父親がいないので彼女は父親の役を演じているのだと解釈している。
 でも、そんなに単純なことだろうか。
 白人一家は奥さんが物を与えることでしか愛情を表現できない。また、太ることは罪悪だと思っているので、太りぎみの娘に小さめの服を買い与え、やせなさいと言う。それを見た家政婦が、服を大きくしてやるのだ。
 一方、家政婦が自分の娘に怒るのは、白人一家の主人が、海辺に落ちていたガラス玉を拾った娘に金を与えたとき。この主人は優柔不断なやさしい男性で、家政婦はマッチョばかりのヒスパニッシュの男たちとは違う彼にひかれていく。
 実は、家政婦は自分の娘には怒ってばかりである。たとえば、奥さんが家政婦の娘が奨学金をもらって私立の学校へ行かそうとすると怒る。ほかにも家政婦が怒るシーンがいっぱいあるのだけど、共通しているのは、娘がヒスパニッシュの世界を離れてアメリカ社会に同化してしまいそうなときだ。家政婦はアメリカに来てもヒスパニッシュの多いロスを選び、最初はヒスパニッシュ社会から出ようとしなかった。白人一家の家政婦になっても英語を学ぼうとしない。「アメリカに来た以上、アメリカに同化するのが当然」と日本人は考えるかもしれないが、アメリカに来てもヒスパニッシュの文化を守りたいという姿勢が彼女にはある。しかし、娘は英語がペラペラで、母親の通訳をし、アメリカ人の学校にもなじむ。奥さんが推薦する私立の学校へ入れるかどうか、ご主人と話し合うシーンが印象的だ。
 「その学校へ行ったら、娘は同化するか、まわりから浮いて変になるかだ」と危惧する家政婦。しかし、「同化するよりは変がいい」ということで、彼女とご主人は意見が一致する。
 家政婦が一家の娘に親切にしたのも、やせてみんなに同化するより、太めでも自分らしい方がいいと思ったからではないのか。
 父親や父親らしく、母親は母親らしくしないから白人一家は崩壊している、という論に反発を感じるのは、そういう主張そのものがみんなが同じ方向に行く考え方だからである。それはこの映画の趣旨に反している。ラスト、家政婦の娘のモノローグを聞けば、同化することと自分の文化を守ることの葛藤がわかるはずである。


土日の話 05/11/14

 11月13日はジルベール・ペロー(#11)の55歳の誕生日だったそうです。ハッピー・バースデー!

 現地時間11月12日のNHL、アトランタが連勝中のカロライナを9対0で敗ってしまった。AHLでも並みのゴーリーしかいないと言われて、負けが込んでいたアトランタは、ダナムが復帰してから勝てるようになり、AHLの並みのゴーリーとか言われたバークホール(バーコール?)とかいうルーキーも勝ってる。この日はダナムとバークホールで完封。このバークホールもシカゴからトレードで来たゴーリー。セイバーズもシカゴからもらったレイトンを上げてみたらどうか。アマークスでは勝ったり負けたりだけど、この際、経験を積ませてみるのも悪くないと思うが。

 セイバーズのリドマンが実はルードマンと読むのが正しいとわかり、実況もそう発音するようになった。タリンダーは、前はターリンダーと発音していたが、タリーンダーの方が正しいということで、こっちも変更。日本語ではタリンダーで問題なかろう。

 13日、福岡ではクレインズ対王子の試合が行なわれ、クレインズは2対1で敗れた。ゴールはプラントの1点のみ。どうも王子に弱いなあ。

追記(11月16日)
 先日のオタワ戦で今季初ゴールしたデレク・ロイも、実はロワが正しいことがわかった。関連記事。英語系には同じつづりのロイという姓があるので、ずっと、彼は英語系のロイだと思われていたのだが(出身もオタワだし)、フレンチ・カナディアンだったらしい。
 このほか、ヨッヘン・ヘヒトはヨッキン・ヘシュトと呼ばれているのだが、これも変ですよね(でも、ヘヒトはやっぱりヘシュト? わからん)。また、コタリクはコティリークが正しいとか。本人たちは別にどっちでもいいと言ってるのだけどね。このブログではどうしようか、困った。


コノリー! 05/11/13

 ベテランズ・デイ(11月11日)のバッファローでのリーフス戦、ティム・コノリー(写真)の2ゴールなどでセイバーズが5対2で勝利した。特に決勝点となった2つ目のゴールはアンビリーバボーなすばらしいゴール(ESPNのサイトのビデオでどうぞ)。ほかにドゥルーリー、グリア、ヴァネクがゴール。ヴァネクはエンプティ・ネットのゴールだが、その前にゴールしたのをノー・ゴールにされてしまい、帳尻を合わせた格好になった。また、テッポが3アシストして、なにげにチームのアシスト王に躍り出ている。
 セイバーズはもう2週間、勝ちがなくて、下のチームに次々と抜かれ、いつのまにか下にはワシントンとアトランタしかいなくなり、その2チームもすぐ後ろに迫っているという状態だった。なので、ラジオも聞く気がなくなっていたのだけど、リーフス戦は独特の雰囲気があるのがラジオでもよくわかるので、それを楽しむために聞くか、と思って、2ピリの終わり頃から聞き始めた。おかげで、セイバーズが攻めて攻めて攻めまくるおいしいところだけ聞いてしまったのだけど、それまでは点を取っては取られるという、伝統の一戦にふさわしいシーソーゲームだったらしい。
 そう、セイバーズ対リーフスは伝統の一戦なのですよ。
 実はセイバーズが誕生してから35年間、この対戦はセイバーズが一方的に勝っている。特にホームでは圧倒的に強い。リーフス・ファンの間では、これは「Punch Imlachの呪い」だとさえ言われている。
 Punch Imlachはリーフスを何度も優勝に導いた名コーチ。すでに引退していたところを、新しく誕生したセイバーズのヘッドコーチに招かれたのである。セイバーズが初めてメイプルリーフ・ガーデンズでリーフスと対戦したとき、Imlachはブーイングを避けるために試合が始まるまでアリーナに出なかった。国歌斉唱が終わり、選手が氷上に散ったあと、彼が登場すると、ガーデンズのリーフス・ファンはスタンディング・オベーションで彼を迎えたという。試合は……もちろん、セイバーズが勝ちました。
 セイバーズがこの前、レギュラー・シーズンでリーフスと対戦したのは、04年4月2日。忘れもしない、アイルズとプレーオフを争っていて、この日はアイルズが勝てばアイルズがプレーオフ進出、アイルズが負けてもセイバーズが負ければアイルズが進出という試合だった。バッファローでは金曜の試合は夜8時から。なので、アイルズの試合の方が先に進んでいる。選手たちにアイルズの途中経過を知らせないため、HSBCアリーナの電光掲示板は消されていた。しかし、アリーナの観客は携帯やラジオでアイルズが勝ったことを知っていた。プレーオフめざして連勝を続けていたセイバーズは、それまでは必ず1ピリで点を取り、そのまま逃げ切っていた。しかし、このときは、1ピリではどちらも点が入らず、2ピリでシャターンがゴールしたのだが、ハイスティックを取られてノー・ゴールになり、そして、リーフスに点を取られて負けた。ネットラジオを聞いていた私も、途中でアイルズが勝ったことを知ったのだった。
 あれから1年半がすぎて、シャターンとジトニクはアイルズかよ。ビロン対ベルフォアは同じだが。ジトニクが77番てのがどうにも違和感があるのだが、77はタージョンの番号だったのだね。


よもやま話 05/11/12

 東京フォーラムのチケットぴあで、やっと、今月のクレインズの3試合のチケットを発券してきた。来週末の新横浜と、次の週末の東伏見。開幕戦ではデレク・プラントしか選手を知らなかったけど、あのあと、だいぶ選手の名前覚えたから、応援、リキ入るぞ。
 そのクレインズは、11日は名古屋で王子と試合。公式サイトによると、6対1でクレインズの勝ち。プラントは1G3Aの模様。プラントがゴール近くでパックをもつと、ライアンとかが前に出てくるというので、今度はしっかり見てみよう。

 金曜日は「スパングリッシュ」という映画を見てきた。「恋愛小説家」のジェームズ・L・ブルックス監督の新作で、ロスの裕福な白人一家と、そこに家政婦としてやってきたメキシコ人の母娘の物語。いろいろ考えさせる映画だけど、マスコミ用のプレスシートに掲載されていたシカゴ在住の精神科医という人の文章を読んだら、あまりに紋切り型の家族論で切っているので、正直、ムカついた。父親はこうで母親はこうじゃないといけない、そうでないと家族が崩壊、みたいな乱暴な論理。そんな単純なものじゃないし、もっと深いものがある映画だと思うけど、これはじっくり論じないといけないので、いずれ改めて書こう。


ヴァネク初ゴール 05/11/10

 アシストの数はどんどん増えていて、チームのアシスト王なのだが、いまだゴールなしのトマス・ヴァネクがついに初ゴールした。しかも、そのあとすぐに2つ目のゴール。どちらもNHL公式サイトで見れる。最初のゴールはほんとにゴール・スコアラーのゴールだが、2つ目は最初、別の選手のゴールと思われていた。その後、すぐにヴァネクに訂正。なので、公式サイトのビデオではイマイチわかりづらい。ヴァネクはこの試合では1アシストもして、アシスト数は10に。また、コタリクも1ゴールしたので、チェコ人とチェコ系オーストリア人で3点。
 でも、いい話はこれだけ。ビロンは最悪。リドマンとマッキーがいないとディフェンスはもはやザルでさえなく、底の抜けたナベ。オフェンスは44本も打ってるが、ガーバーよすぎ。
 それにしても、カロライナのコールはこのオフ、オタワのハヴラットとのトレードが噂されていた。オタワは当初、ホッサの年俸が上がるので、ハヴラットをトレードしたがっていたのだ。しかし、これがうまくいかず、そこにヒートリーの話がタナボタのようにして来たというわけ(ハヴラットは先だっての股間キック事件に見られるように、素行に問題ありの選手らしく、そのため、トレード話が絶えなかったという説さえある)。カロライナはコールをキープして正解だっただろう。

 この試合の前に、NHL公式サイトにヴァネクの記事が出た。これの御利益で初ゴールしたのかな。もともと、セイバーズは今季はドラフト全体1位争いをするというのが開幕前の予想だったから、ヴァネクの活躍が唯一の楽しみだったのだ。そこに戻ったと思って、彼の今後に期待しよう。いいニュースとしては、ミラーの手術がことのほかうまくいって、復帰が早まりそうだということ。リドマンとマッキーにもできるだけ早く戻ってもらいたいものだ。というか、最低、この2人が戻らないと、とても勝てそうにない。


タージョンの500ゴールのことなど 05/11/9

 元セイバーズのピエール・タージョンが現地時間11月8日のアバランチ対シャークスで500ゴールを達成した。タージョンはラフォンテーヌと交換でアイルズに行き、ラフォンテーヌはセイバーズで、タージョンはアイルズで活躍。どちらにとってもいいトレードと言われたが、その後、ラフォンテーヌは脳震盪で引退、タージョンはアイルズを出てからあまりふるわなかったようだが、今季、アバランチで復活していた。
 ラフォンテーヌがセイバーズの永久欠番になることが決まったとき、セイバーズのファンの間からは、それならタージョンも、という声も出ていた。ついでにラフォンテーヌとラインを組んでいたモギルニーとアンドレイチャクも……って、まだ引退してないじゃん!

 以下、さまざまな話題。

 元セイバーズといえば、セネターズに移ったヴァラダがアイスタイムを1試合5分にまで減らされてしまい、エージェントを通してマックラーGMに訴えた。トレードを願い出てはいないが、今後、どうなるのか打診したらしい。でも、マレーHCを飛び越えてGMに、っていうのは、もう、トレードしかない? ヴァラダはセイバーズ時代からマックラーとつながりがあるが、例の、マックラーとテッド・ノーランの確執のエピソードの1つに、マックラーがノーランに一言も言わずに二軍からヴァラダを上げてしまい、ノーランが激怒したというのがある。セネターズでも、マルタンはマックラーの思い通りに動かないHCだったようで、マルタンが去るのは時間の問題だったようだ。
 ヴァラダはタフガイ系なので、プロレスもボクシングもキックボクシングもできる選手が何人もいるセネターズでは先が見えてるだろう。しかし、ハヴラットのスケート靴で股間をキック、なんて、想像するだけで恐ろしい。セイバーズもセネターズが相手だと乱闘係を入れないといけないって、ああ、そういうチームだったのですか(知らんかった)。セイバーズはヴァラダはイラネだと思う。もともと、年俸でもめてトレードしたんじゃなかったっけ。

 かつてはもめごとの宝庫だったセイバーズは、ロッカールームのガンと言われたシャターンが去って以来、和気あいあいのチームになったかと思いきや、ビロンとノロネンが二軍で調整するのを断っていたことがわかった。2人とも2ウェイ契約ではないので、強制的に二軍へ行かせることはできないが、本人が了承すればできる。オイラーズのコンクリンのように、不調のゴーリーが下で調整してくるというのはよくあることだという。なのに、ビロンとノロネンは調整に行かず、その結果、先日のセネターズ戦で醜態をさらしてしまった。「ミラーが戻ってきたら、あの2人には出て行ってもらいたい」と、ファンはカンカンである。

 セネターズ戦で6対0で敗れたアイルズのディピエトロは、悔しまぎれに「10点取られたセイバーズよりマシ」と言って、セイバーズの掲示板でたたかれていた。「アイルズはセイバーズとの2試合で12点も取られてるじゃねえか」というわけである。「6対0と10対4なら6点差だから同じ」という意見もあった。セイバーズの10対4の負けはあちらのメディアでは過剰に扱われているが、セイバーズのファンはさほど気にしていない。むしろ、ハブスに僅差で2連敗した方がずっとこたえている。それにしてもハブスは1点差ゲームが多く、しかも勝ちが多い。8日もライトニングに3対2で勝っている。セイバーズも2試合とも3対2で負けたんだが、「かつてセイバーズがハブスにスイープされたとき、スコアがすべて3対2だった」のだそうです(いつの話だ)。
 そのハブス対ライトニングの試合で、ライトニングのレインジャーがアシストしていた。レインジャーはアトランタのボールトン(こいつも元セイバーズ)に頭をひじ鉄されて、脳震盪を起こしていたはずだが、復帰してたのですね。あのときは、ボールトンがその前の試合、リーフス戦でもリンドロスの頭にひじ鉄しようとして、それで大乱闘が始まっていたので、「またか」とか、「ハートリーHCがやらせたのだ」とか言われていた。しかし、試合後、ハートリーはトートレラを訪ね、謝罪したようで、トートレラは「ハートリーがやらせたとは思わない」と発言していた。そして、サスペンドになったボールトンは電話でレインジャーに謝罪。レインジャーも「状況から見てわざとではないと思う」と発言している。

 あこがれのリーフスで、155万ドルという安値でがんばっているリンドロスだが、リーフスと契約する前にセネターズのマックラーがリンドロスの父親に電話をかけ、「リーフスよりもカップの取れるうちの方がいいぞ、150万ドルでどうや」と言ったらしい。父親は「考えてみる」と言ったが、結局、リーフスと契約。マックラーはアリソンもねらってたというから、驚く。
 それはともかく、リンドロスって、いい年こいて、なんで親父が出てくるんやね、と思っていたら、リンドロスをドラフトしたケベック・ノルディクスに行くことに絶対反対だったのは父親の方で、リンドロス本人はそれほどでもなかったらしい。当時はケベックが独立するとか何とか、政治的なことがあったので、そのせいもあったようだが、「あこがれのリーフス」も案外、親父のあこがれ? アバランチはリンドロスのトレードでフォシュベリとその他大勢をもらい、その他の中の1つが後にタンゲイになったというんだから、リンドロスの父ちゃんに足向けて寝られなかっただろう(?)。


英国最強のおばちゃんたち 05/11/8

 ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」を映画化した「プライドと偏見」を見てきました。
 「高慢と偏見」は翻訳によっては「自負と偏見」と訳しているものもあるけれど、高慢も自負も若い人にはピンと来ない日本語でしょう。また、プライドは高慢と訳すと悪い意味になりますが、自負ならいい意味。原作のダーシーのプライドはやはり高慢と訳す方が正しいけれど、そういう二面性のある言葉だということは意識していいと思います。
 「高慢と偏見」は1940年にグリア・ガースンとローレンス・オリヴィエで映画になっていて、これは大変評判がいいのですが、日本未公開。最近ではイギリスでテレビシリーズになったのが日本でも放送されたけれど、私はどっちも見てなかったので、若い頃に原作を読んで以来ということになります。で、ヒロイン、エリザベスの家、ベネット一家がずいぶんと庶民っぽいのでびっくり。確かに同じミドルクラスでもダーシーの家は貴族に近い名家、それに対し、ベネット家は田舎の地主なのですが、一応、ベネット家も貴族の下のミドルクラスで、庶民の労働者階級よりはだいぶ上なのです。
 そんなわけで、ベネット家の5人の娘たちはみな、質素な服を着ていて、家も豪華な調度品などなく、ダーシーたち家柄のよい男たちの家とはまったく対照的。母親と娘たちが基本的に玉の輿ねらいであることを正直に出していて、そこが笑えます(もちろん、愛もだいじだけど)。
 その庶民パワー丸出しの母親を演じるのが、「秘密と嘘」や「ヴェラ・ドレイク」などで、教養のない庶民のおばちゃんを演じさせたら右に出る者がいないブレンダ・ブレッシン。この英国最強の庶民のおばちゃん、ブレッシンが、実は一番目立っているのです。
 そして、英国最強の庶民のおばちゃんに対抗するのが、ジュディ・デンチ扮するダーシーのおばの貴族の令夫人。エリザベス女王とヴィクトリア女王の両方を演じたデンチは、ここではイヤミな貴族のオバサンを演じて、さしずめ、英国最強の貴族のおばちゃんというところ。この貴族の令夫人とエリザベスが対決するクライマックスは胸がすくシーンになっています。
 もちろん、本題のエリザベスとダーシーを中心とする若い男女の恋の行く末も楽しい(おばちゃん対決がメインではなく、こっちがメインですよ、念のため)。主役の2人の建前と本音を上手に描く脚本と演出もみごと。最近のオースティンの小説の映画化、90年代の「エマ」や「いつか晴れた日に」(原作は「分別と多感」)に劣らぬ出来栄えです。
 若い男女の恋のさやあてと英国最強のおばちゃん対決のこの映画、最後をしめくくるのは父親役のドナルド・サザーランド。女たちに押され気味の、でも、言うときはバシッと言う、もののわかったこの父親がラストシーンを締めて映画は終わります。サザーランドって、カナダ人なんですね。最近は息子の方が有名だけど、やっぱり名優。惚れなおしました。
(来年1月14日公開)


「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 05/11/7

 原作を読んでいないので第1作はわけわからず、それで第2作はスルー、第3作で監督が替わったので見てみたら、これはわかりやすかった。そして、第4作「炎のゴブレット」。11月26日公開ですが、某所で見せてもらってしまいました。
 いやもう、楽しかったです。相変わらず原作読んでない人間ですが、今回が一番よくわかるし、面白かった。2時間40分近くあるのにまったくあきない。演出も脚本も編集もとってもスムーズで、まるでゲームのトラップを次々クリアしていくような展開がメリハリがあっていいです。
 それに、何よりもヴィジュアルがすばらしい。冒頭の魔法ワールドカップの、そびえたつ観客席の目もくらむようなすごさ(でも、ワールドカップで何やってんのか、まるでわからず)。竜の卵を奪うエピソードの、竜に追っかけられながらハリーがほうきに乗って空を飛びまわるシーンの飛翔感。これもそびえたつ塔のそばを飛びまわる上下の感覚がジェットコースター気分。全体に、空から見下ろしたり、高いものを下から見上げたりのシーンが快感なのであります。
 前半がこんな具合にスリリングなので、後半の水中に潜るシーンや動く迷路がイマイチに感じられてしまいますが、それでもヴィジュアルはなかなかのもの。話の展開も破綻がなく、原作読んでなくても、ほんとに、楽しめます。
 第1作はハリウッドでヒット作をいくつも作っているクリス・コロンバスだったせいか、ハリウッドの手垢のついたファンタジーという感じでしたが、第3作はメキシコ出身のアルフォンソ・キュアロン監督に替わり、深みと渋さが出ていました(でも、原作ファンには評判悪い?)。そして、今回、初めてイギリス人のマイク・ニューウェル監督になって、英国的なファンタジーの世界の雰囲気とハリウッド的なエンターテインメントがうまくミックスした映画になっています。第2作は見ていないけど、一番完成度は高いかも。主役の3人も今回で卒業とか。


振り出しに戻る 05/11/6

 現地時間、金曜日と土曜日のハブスとの2連戦は、どちらも3対2でセイバーズが敗れた。ミラーが親指の複雑骨折で年末まで無理、おまけにフル・メンバーでもザル・ディフェンスなのに、その中では比較的役に立っていたリドマンとマッキーがケガで欠場(マッキーは土曜日に欠場)、その上、ハブスは今、東カンファレンスのベスト・チームの1つ……なので、僅差で負けたのは弱いわけではないのかどうか。それとも、僅差で負けるチームはやはり弱いのか。
 セイバーズは10月25日のワシントン戦以来、1勝5敗。あっというまに7勝7敗になってしまった。この5敗の内4敗が1点差負け。そして、7敗の内5敗が1点差負けである。2敗はオタワ戦なので、オタワ以外にはすべて1点差で負けているわけ。勝つ方も実は僅差がほとんど。つまり、どっちに転んでもおかしくない状態だったのが、開幕当初はそれがすべてうまい方に転んでいたのだろう。
 しかし、ワシントン戦からチームががらっと変わってしまったのは事実で、それまではスピードを生かして氷上を支配していたのに、それがあの試合からできなくなっている。最近6戦の内の唯一の勝ち星は、アイルズが墓穴を掘ったからだ。
 先日のオワタ戦では、試合の数時間前にミラーがケガというショックのために選手の動揺が大きく、ビロンもノロネンもメタメタだったが、ハブスとの2戦では、ビロンはミラーの穴を埋めるだけの働きをしている。特に金曜の試合では、ビロンはすばらしかったらしい。実際、今のセイバーズの状態では、ゴーリーがミラーでも負けるだろう。
 ミラー、リドマン、グリア、マッキーと、ケガ人が相次いでいるので、二軍のアマークスからロイ、ポミンヴィル、ジルソンが呼ばれたが、今のところ、役立っていない模様。土曜日はグリアが復帰したので、ポミンヴィルは再び二軍へ。ミラーとリドマンはケガ人リスト入りしている。これ以外にも隠れケガ人が何人もいるんじゃないかと思えてしかたないのだが。
 これからはカロライナ、トロント、オタワなので、当分勝てそうにない。そのあとがまた、不振の始まりになったワシントンとニュージャージー。まあ、10月がよすぎたので、最初の予想に戻っただけなんだが……期待させられただけ、がっくし度が大きいのだ。

 金曜夜の釧路でのクレインズ対チチハル戦2戦目、この日もプラントはアシスト点を稼いで、この時点でポイント・ランキングとアシスト・ランキングの両方で1位になってます。今月の関東での3試合のチケット、早く発券に行かねば。


悪夢の11月 05/11/3

 ゴーリーのケガが相次いでいるが、11月2日、午前中、練習中にライアン・ミラーが親指をケガしてしまい、6週間から8週間は絶望ということらしい。その夜、ビロンとノロネンが出場したが、ミラーに比べるとだいぶ劣ることがわかっただけだった。おまけにフォワードのグリアがケガ。これもかなり重いらしい。また、ディフェンスのリドマンがケガでアイルズ戦から欠場している。
 ビロンとノロネンでは、2年前のセイバーズ・マイナス・シャターン&ジトニクになってしまうわけで、結局、ホッケーライターが予想した25位以下になってしまうだろう。それでも、ビロンとノロネンがいるだけまだましなのかどうか。昨年の夏、契約交渉の席で、ビロンは「おれがチームをプレーオフに連れていく」と言ったのだから、高い年俸の分はやってもらいたいものだ(ミラーとノロネンを足したより高い)。

 それにしても、セイバーズが災厄続きの時期を経て、ここまで盛り返してきたのにこんな不運が襲うなんて、「ハシェックの呪い」はまだ終わっていないのだろうか。
 この日のオタワ戦でマックラーGMはプレスボックスで笑っていたというが、8年前のプレーオフで、当時セイバーズのGMだったマックラーは、テッド・ノーランとの確執のためにオフにはやめることが決まっていて、そのために、自分のチーム(セイバーズ)がハシェック抜きでオタワに勝って1回戦突破してしまったとき、プレスボックスで渋い顔をしていたのだそうだ。記者への暴行でサスペンドになっていたハシェックは、それが解けてもケガを理由に2回戦は出場せず、チームは敗退。「ハシェックはマックラーの望みをかなえた」とまで言われた(実際にケガはしてたようだが)。
 あのとき、バックアップだったシールズは先日、アトランタで初勝利をあげた。セイバーズを救う2つのゴールを決めたプラントは今、日本にいる。
 てか、今(午後3時半)、釧路でチチハルと対戦中。2ピリ終わって15対0? またポイントたくさん稼げますね。実力差ありすぎ。
 で、結果(午後4時半)、24対0でクレインズの勝ち。プラント2ゴール、アシストは……スコアすごすぎて数えられない! 公式サイト、速報追いつかず、ファンの掲示板が頼りでした。


シューレス・ジョーの映画 05/11/1

 先日、シカゴ・ホワイトソックスがワールド・シリーズで優勝したとき、「ブラックソックス・スキャンダルの呪いが解けた」という言い方がされたそうである。昨年はボストン・レッドソックスが優勝して、「バンビーノの呪いが解けた」と言われたが、どちらも呪いは何十年も続いていたのだからすごい。
 ブラックソックス・スキャンダルというのは、1919年、ワールド・シリーズでホワイトソックスの選手8人が賭博がらみの八百長をしたという事件である。8人の選手は球界を追放されたが、この中の1人が当時のスター選手、シューレス・ジョー・ジャクソンだった。彼が八百長をしたと知った少年が、「嘘だと言ってよ、ジョー」と叫んだというのはあまりにも有名なエピソード。ただし、作られた伝説だという説もある。シューレス・ジョーというあだ名はマイナー時代、彼が靴をはかずにプレーしたことがあったという話から来ているが、これも伝説らしい。
 シューレス・ジョーが登場する映画が80年代に2本作られている。1つはジョン・セイルズ監督の「エイト・メン・アウト」。ブラックソックス・スキャンダルをリアルに描いた秀作。でも、インディーズ映画なのでひっそりと公開されたから、知ってる人は少ないだろう。この映画でシューレス・ジョー・ジャクソンを演じたのはD・B・スウィーニー。
 もう1つは誰もが知ってる大ヒット作、「フィールド・オブ・ドリームス」。現代のアイオワの農場主(ケヴィン・コスナー)が、シューレス・ジョー(レイ・リオッタ)の幻を見て、球界を追放された天国の選手たちがもう一度プレーできるようにと、トウモロコシ畑をつぶして野球場を作ろうとする。夢の実現と家族愛を描いた感動作だけど、ブラックソックス・スキャンダルのことは、これを見ただけではわからない。でも、ホワイトソックスとシューレス・ジョーへの思いが隠し味になっているのだろうね。