2005年6月30日

2005年6月

「インソムニア」の思い出 05/6/29
Michelin@2ch 05/6/27
99年プレーオフ映像 05/6/26
ミシュラン騒動その後 05/6/24
ブルー・アンド・ゴールド復活 05/6/23
前代未聞のアメリカGP 05/6/21
98年プレーオフ映像 05/6/20
Blues for Sale 05/6/19
ニュースの裏を読む 05/6/18
ウィリアム・インジ 05/6/17
ダース・ヴェイダー 05/6/16
ラッセル・クロウの新作 05/6/15
ホッケー最近のネタ 05/6/11
「チャイナタウン」とゴールドスミス 05/6/10
Seventh at Seven 05/6/8
またまたノー・ゴール 05/6/6
セイバーズ圧勝の試合 05/6/3
リーアム・ニーソン 05/6/2
セイバーズのビデオ 05/6/1


「インソムニア」の思い出 05/6/29

 「インソムニア」ノベライズは、私が最後にした翻訳の仕事である。その後、2社で翻訳の仕事をしたものの、どちらもトラブルが起こって、お金にもならず、仕事が公になることもなかった。「ブルース・オールマイティ」ノベライズは正確には翻訳ではないので、翻訳の仕事は本当にあれが最後になってしまった(出版順では「グリーン・アイス」の方があとだけれど、これは出版の2年前に訳したもの)。
 2社でのトラブルがあまりにこたえたので、翻訳の仕事を探す気になれなくなってしまったのだが、ブログで勝手に記事の翻訳をしているうちに、また努力してみようかな、という気持ちが少しだけ芽生えてきている。
 ただ、私は古い時代の人間なので、最近の翻訳(特に小説の翻訳)に対する出版社の考え方にはついていけないところがある。だから、「インソムニア」を訳したときのような満足感はもう2度と手に入らないだろう。
 映画「インソムニア」は「バットマン・ビギンズ」のクリストファー・ノーラン監督の3年前の作品で、ノルウェー映画「不眠症」のリメイク。過ちを犯し、それがばれることを恐れる刑事が白夜の地で不眠症に陥り、それを殺人事件の犯人に利用される、という筋書きはどちらも同じだが、リメイクの方は若い女性刑事と主人公の父と娘のような関係がサブプロットになっていた。オリジナルもリメイクも、どちらもなかなか深みのあるいい映画だったけれど、日本ではリメイクはまったくヒットせず。オリジナルは公開もされず、ビデオ・DVDのみ。そんなわけで、リメイクの方のノベライズ翻訳も売れなかった。
 ノベライズなので普通の小説に比べると描写が薄いなど、決して傑作小説ではないのだが、映画ではあまり表面に出ない登場人物の心理描写が、私には泣ける小説であった。訳していて、クライマックスで感動し、推敲のときにも感動し、校正でも感動できる翻訳の仕事にはめったに出会えるものではない。現在では小説の翻訳の仕事を手に入れるだけでも大変な苦労が伴い、実力のある人が仕事にあぶれているのが現実だ(それに儲からないので、やってられない人も多い)。3年前の今頃、「インソムニア」の校正を終えたときの幸せな気分を思い出せるだけ、私は幸運だというもの。
 今は、「バットマン・ビギンズ」の前売り券を見ながら、劇場に行く日を楽しみにしている。


Michelin@2ch 05/6/27

 ミシュラン騒動について、2ちゃんねるにちょっと面白いまとめがありました。

http://ex9.2ch.net/test/read.cgi/f1/1119770531/l50


3 :音速の名無しさん :2005/06/26(日) 16:24:19 ID:kLrZX33r
■ 詭弁のガイドライン

1. 事実に対して仮定を持ち出す
2. ごくまれな反例をとりあげる
3. 自分に有利な将来像を予想する
4. 主観で決め付ける
5. 資料を示さず自論が支持されていると思わせる
6. 一見関係ありそうで関係ない話を始める
7. 陰謀であると力説する
8. 知能障害を起こす
9. 自分の見解を述べずに人格批判をする
10. ありえない解決策を図る
11. レッテル貼りをする
12. 決着した話を経緯を無視して蒸し返す
13. 勝利宣言をする
14. 細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
15. 新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
16. 全てか無かで途中を認めないか、あえて無視する
17. 勝手に極論化して、結論の正当性に疑問を呈する
18. 自分で話をずらしておいて、「話をずらすな」と相手を批難する


4 :音速の名無しさん :2005/06/26(日) 16:28:12 ID:kLrZX33r
【2005年にむけて決まったルールを支持しますか?】
 
 「1レースを走りきるタイヤというコンセプトは、ミシュランは全面的に支持します。
 そもそもこれは私たちが2004年に提案したものですから! 
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 レース週末に使用するタイヤの本数が減りますから、経費削減になります。
 またコーナリング速度を下げるというFIAの目的にもかなっています。
 耐久性を上げるためにタイヤは硬めのコンストラクションを使わざるをえず、
 必然的にスピードが下がるからです」

http://www.michelin.co.jp/compet/f1/2005_01/preview3.htm



5 :音速の名無しさん :2005/06/26(日) 16:29:43 ID:kLrZX33r

ボイコット7チームの思惑

ルノーの場合…今回はタイヤの摩耗が激しく、
調子のいいライコネンにポイントを詰められてしまうピンチ状態。
だから今回のボイコットに一番乗り気だったチーム。アロンソ無線を聞くと、
こんなに自分達においしい話、マクラーレンが乗ってくるのか一番心配だったんじゃないの。

マクラーレンの場合…ライコネンの調子も良く、普通にいけばポイントを詰められるチャンスだった。
でも今回はボイコット。推測するにヨーロッパGPのサスペンション破壊事件で
安全にはうるさいメルセデスから危険なことはやめろといわれてるのでは。
ポイントは詰められないが目標のルノーも0ポイント。ベストではないがベターな選択。

トヨタの場合…今回のボイコットチームの中では唯一、
けが人はでちゃうし、数週でタイヤは危険な状態になっちゃうし、散々なチーム。
今回はマジで走れなかったチームかもしれない。ただし、ツルーリがPPとっちゃたのはどうよw

BARホンダ…何で今回ボイコット側にまわったのかがよくわからないチーム、
チームの調子もよさそうだし、ポイントもとれそうだったのに。
結局ポイント0で最下位になってしまい、FIAからも執行猶予中を理由に一番ひどいペナルティを食らうかも。

ウイリアムズの場合…何となくボイコット

ザウバーの場合…何となくボイコット

レッドブルの場合…まろやかにボイコット


6 :音速の名無しさん :2005/06/26(日) 16:30:16 ID:kLrZX33r
Q、なぜミシュラン勢にタイヤが危険な問題区間の速度制限付きに合意して
7~8位をを争うチームがいなかったの?

A、F1の選手権はトップでゴールした者が予定周回数の75%以上を満たした場合に有効であり
その中で完走扱いはトップでゴールした者の周回数の90%以上を満たした場合に有効
今回のUSGPでトップは89分43秒で73周を終えている
問題区間の速度制限を受けると1分30秒以上かかると予測されるので
ミシュラン勢はトップがゴールするまでの時間以内に60周程度しか走れない
(8週ラップダウンでアウト)
従って、たとえトラブル無く走ることができても完走扱いにはならない可能性が濃厚だった


7 :音速の名無しさん :2005/06/26(日) 16:30:41 ID:kLrZX33r
Q、安全性を考慮して全車リタイアさせたミシュランの判断は
ドライバーの命を守ったのだから立派だと思う、何が問題なの?

A、結果的には「ドライバーの安全を考えて、リタイアした」ことになりますが・・・
当初の予定では「シケインが導入されなければレースをしない」という考えで
通常でも安全にドライブできるはずのBS勢ジョーダン&ミナルディもこの共同歩調に参加
しかし、ジョーダンチームがスターティンググリッドにつくとミナルディチームも出走を決断
結果、BS勢だけのレースが成立しました
つまりジョーダン&ミナルディもミシュラン勢に歩調してリタイアしていた場合
彼らにはリタイアに対する正当な理由が無いわけです

さらに、アロンソ選手の無線の内容に「みんな約束を守ったんだよね?」等の
全車ガレージに入ったのを確認する言葉があったことから
このミシュラン勢の行為は「トラブルによるリタイア」より「共同歩調のデモ」が色濃いでしょう

さらに、トゥルーリ選手の車には3周分の燃料すら入ってなかったという話が出てきました
(確固たる信憑性はありません)
これは前日の予選の時点から決勝レースを捨てていたと見られる可能性があります
今回のこの問題ではタイヤサプライヤーだけではなく
決勝レースに対する姿勢として、各チームも責任を追及されるおそれが十分にあります


99年プレーオフ映像 05/6/26

 NHL公式サイトに出ました、99年プレーオフ映像。おお、セイバーズ対スターズのファイナル出るか、と思ったら、出ませんでした。ファイナル以外の試合で構成されたビデオ映像です。
 んなわけで、デッドマーシュにアシストするドゥルーリーとか、アナハイム時代のトム・アスキーとかが見られる、ある意味、貴重なビデオであります。アスキーは今季、AHLのアマークスでミラーを支えた、まさに「人柄のよいバックアップゴーリー」だったのです(アスキーは、ほんと、誰とでも仲良くなる、ゴーリーにあるまじき「いい人」らしい)。
 で、セイバーズはとりあえず、シャターンとヴァラダが出ています。どちらもオタワ戦。あれはスイープだったんだよね。ヴァラダは今はオタワというのが皮肉。シャターンは、以前にも紹介した、OTゴールです。そのあと、はいつくばってるやつ。セイバーズ公式サイトで見たのとはアングルが違うから、放送局が違うのでしょう。このシーン、某セイバーズ・ファンのおかげで、私のパソコンにしっかり保存されております。
 ほかにも、アイザーマン、サンディン、フルーリーなどなどの映像が。やっぱ、ゴーリー特集よりすっきりしますな、スケーター特集は。

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ミシュラン騒動その後 05/6/24

 アメリカGPのミシュラン騒動のその後だが、人気ブログF1通信やその他のサイトでわかったことを。
 F1ファンなら誰でも知っていることだろうけど、ここに来る人はF1ファンでない場合が多いだろうから(てか、ほとんど誰も来てない?)。

 10チーム中、9チームがシケイン作ることに賛成したのに、フェラーリだけが反対したという件。実は、フェラーリはこの件については蚊帳の外だったのだとか。フェラーリだけ仲間はずれって、そんなこと、あるのか、と思ったが、どうやら、F1にはFIA&フェラーリ対その他チームという対立の構図があるらしい。
 結局、ミシュラン・タイヤのチームはすべてリタイア、ブリジストン・タイヤの3チームだけが走った件でも、ジョーダンとミナルディは最初、7チームと一緒にリタイアすると言ってたんだと。で、今季はFIA寄りのジョーダンがまず、フェラーリとともに走ることを決め、「ジョーダンが走るんなら」とミナルディも走ったとか、これについてもファンからいろいろ言われている。(ミナルディのボスは反FIAの急先鋒だそうで、このボスの言い分も上記F1通信に出ている。)
 んでもって、以前からFIAのやり方に不満を持っていたファンがいっせいにFIAを批判、同じように目の敵にされてたフェラーリをここぞとばかりに悪者にするような話も出てきたというわけ。
 もちろん、悪いのは欠陥タイヤを作ったミシュランで、だから、FIAやフェラーリが嫌いな人でも今回は「悪いのはミシュラン、FIAとフェラーリは悪くない」と言っている。
 で、そのミシュランはどうかというと、完全に開き直っているのだそうだ。NHLのシーズンがキャンセルされたとき、ベットマンはとりあえずファンに謝罪したのに、グッドナウは謝罪せず、開き直りの発言をしたという話を思い出してしまった。
 しかし、次のレースでもミシュランのタイヤが欠陥だったらどうするのだろう。今季はF1中止なんてことになるのか。そのときはミシュラン勢は別のレースを開催、なんていう予測まで出ている。

 ついでにF1界の弱小チーム、ジョーダンとミナルディについても調べてみた。
 ジョーダンは今年の1月、チームがロシア生まれのカナダ人、アレックス・シュネイダーに売却されて、名前はミッドランドに変わっているのだが、登録の関係で今年はジョーダン・トヨタになっている。来季からは当然、ミッドランドになり、ロシア人ドライバーの育成に力を入れる、とオーナーは言っているらしいが、モナコGPあたりからチーム売却の噂が出始め、そして、アーヴァインの名前があがってきたというわけ。オーナーは否定しているが、F1は商売にならないから、赤字がいやなら撤退ってことになるだろう。
 ミナルディは現オーナーが身銭を切ってチームを維持し続けているが、20年前にF1に参戦して以来、ずっと弱小のようで、まだ1度も表彰台がない。そんなわけで、逆に応援してやろうという人達が2ちゃんねるあたりでいろいろ話し合いをしている。ネット百科事典「ウィッキペディア」日本版でも、ジョーダンよりミナルディの方がずっと記載が多く、ミナルディへの愛が感じられる項目。興味のある人は一度、ご覧あれ。


ブルー・アンド・ゴールド復活 05/6/23

 6月21日、オンタリオ・プロヴィンシャル・ジュニア・ホッケーリーグに所属するバッファロー・ライトニングがバッファロー・ジュニア・セイバーズと改名、セイバーズの古いロゴマークとブルー・アンド・ゴールドのジャージをそのまま使用することになった。
 ジュニア・セイバーズはセイバーズと提携、来季はHSBCアリーナでも試合をする。
 このチームはもともと、1975年に創立したときはジュニア・セイバーズを名乗っていたのだそうだ。
 ファンの間では、以前からジャージをブルー・アンド・ゴールドに戻してほしいという声が強く、セイバーズでもサード・ジャージに採用できるかも、という話が出ていたのだが、この手があったか。HSBCアリーナのロッカールームがブルー・アンド・ゴールドに塗り替えられている、という噂もちょこっと出ていたのだった。

 ファンがブルー・アンド・ゴールドをなつかしむのは単にノスタルジアからではなく、現在のジャージには2代目オーナーでアデルフィアの創業者ジョン・リガスの悪しき思い出がつきまとうからだ(それに加えて、セイバーズに泥を塗るようなハシェックの言動がこの時代をさらに悪い思い出にしてしまった)。
 リガスはセイバーズだけでなく、バッファロー地域全体に多大な損害を与えたが、リガスの金がなければセイバーズは生き残れなかったかもしれず、ましてや99年にファイナルに出ることもなかっただろうことも事実。おまけにアデルフィアはペンシルヴェニア州に本部があるそうで、リガスはセイバーズの前にペンギンズを買おうとしていたのだと!
 6月20日、リガスは背任の罪で15年の刑を言い渡されたが、80歳という高齢でなければもっと長い刑期になったという(息子のティモシーは20年の刑が下った)。リガスは人間的には「いい人」だったようで、悪意というよりは経営者としての自覚のなさからこういう結果になったという見方もあるようだ。エンロン事件の被告の方がもっとひどいことをしているのに、リガスに対する刑がこんなに重いのは彼がスケープゴートにされたからだ、という意見もある。その一方で、リガス一族は一生、刑務所に入っていろ、という怒りの声もある。株主と従業員に多大な損害を与えたのは事実なので、同情はできないが、かといって、怒るには複雑すぎるのかもしれない。
 日本でも、ホッケーとプロ野球チームのオーナーだった人物がインサイダー取引で逮捕されたが、この人物も長野五輪はじめ、スポーツへの貢献は大きい。こういう人達は彼らなりにスポーツを愛していたのであり、そのために金をつぎ込んだりしていたのだろう。しかし、その背後にはもちろん、エゴもある。
 最近もチーム身売り話がいくつか出てきている。オーナーに名乗りをあげる人は救世主に見えるだろうが、チームの行く末にはさまざまな現実が待っていることも忘れてはならないだろう。

 ブルー・アンド・ゴールドを愛する人には、あの、アリーナにある「煙を吐く山羊の頭」も評判が悪い。もっとも、今のジャージになってからファンになった人は、古いジャージはダサイと言うし、あの「山羊の頭」も好きだと言っている。


前代未聞のアメリカGP 05/6/21

 サッカーのコンフェデ杯、日本対ギリシャを見終えてF1の中継にチャンネルを切り替えたら、なんだかわけわかめなことになっていた。
 しかも、まだスタート前だというのに、全然説明なし。サッカーからまわってくる時間だって、フジもわかってるだろうに。しかたがないから、2ちゃんねるの実況スレと北米ホッケー掲示板の「その他スポーツ」にあったF1スレを見て、なんとか理解した。

 前にも書いたように、F1見なくなって久しいから、ドライバーの名前もずいぶん知らない人が増えているのだけど、ルールもしょっちゅう変わるらしくて、ほんと、わけわかめ。ちょっと前は燃料補給しちゃいけないとか言ってなかったか? それが今は、タイヤ交換しちゃいけないの? ああ、わけわからん。
 でもって、しょっちゅうルール変更(それも、シーズン中にあるんだって?)する理由が、金持ちフェラーリばかり勝つからだというのだが、F1もNHLに負けず劣らず、金で順位が決まってしまうスポーツらしい。サラリーキャップならぬ費用キャップ導入ってわけにもいかんだろうが、金で勝敗が決まるスポーツは衰退するに決まってるのだ。
 ミシュランのタイヤがフリー走行中にパンク、原因不明のため、ミシュランをはいたマシンの7チーム14台が棄権、というのは正しい判断だったのでしょう。スピードを落とすためにシケインを作るという案があって、10チーム中9チームが賛成したのにフェラーリだけが反対、というニュースもあったけど、シケイン作っても事故るかもしれないし、ミシュランが具合が悪くなったからルール変更や配慮をするって、ブリヂストンの立場はどうなる???
 でも、これで、来年からはもうアメリカGPはない、という声がありますね。ミシュランはF1から撤退せよ、という声も。しかし、まあ、よりによって、訴訟天国アメリカで……。お客さん、どんどん帰ってしまったり、ペットボトルが投げ込まれたりしたそうだけど、集団訴訟とかにならないのだろうか。
 そんなわけで、広いサーキットをフェラーリ、ジョーダン、ミナルディの6台がゆうゆうと走っていたのだが、一瞬、シューマッハとバリチェロがクラッシュしそうになった。もしもフェラーリ2台がリタイアすれば、ジョーダン1、2フィニッシュ、ミナルディ3位だったのだが、残念。しかし、こういう展開になっても、フェラーリとジョーダンの差が1ラップ、ジョーダンとミナルディの差が1ラップと、金と実力の差はどうあっても縮まらないということなのか。
 NHLでも、優勝チームはすべて年俸総額が上位15位以内で、その内6割が上位5位以内なのだそうだ。年俸安いチームには最初からチャンスがないのである。それを改善すべく、NHLは1シーズン棒に振って、話し合いをしているのだけど。
 しかし、ジョーダンの話題を取り上げたら、こんなことになるとは。あと、結果的に、またまたフェラーリがホンダに意地悪したみたいになってしまいましたね(トヨタにもか?)。

 さて、さーべる倶楽部開始から半年がすぎましたが、これがこのブログの100番目の記事です。いつもでも、ときどきでも、たまにでも、読んでくださったすべての人にありがとう。


98年プレーオフ映像 05/6/20

 今週のNHLプレーオフ映像は98年のゴーリーたち。で、1位はクージョ(オイラーズ)なのだが、全体を見た感じでは、オズグッド(レッドウィングス)とベルフォア(スターズ)が前菜で、メインディッシュがコルズィグ(キャピトルズ)とハシェック(セイバーズ)、デザートがクージョという印象。そのくらい、コルズィグとハシェックでおなかいっぱいになる映像である。
 この年はセイバーズはカンファレンス・ファイナルまで行ったので、セイバーズの映像はたくさん見られるけど、キャピトルズにやられちまうのばっかりだね。ハブスをスイープした映像もありますが。
 インタビュー映像も満載なのが楽しいのだが、頭髪が後退しているクージョがインタビューの途中で帽子かぶったりするのだった。セイバーズのリンディ・ラフHCのインタビューもある。(司会のダン・ポラードは今回はメガネをかけているね。)
 とりあえず、リンク貼っておこう。
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 ついでにゴーリーの話題を2つ。
 NHLはゴーリーのパッドを1インチ小さくすることが決まり、工場では新しいサイズのパッドの製作に入ったという話。ゴールネットを大きくするとか、リンクを広くするとか、シュートアウトを導入するとかいった新しいことにはファンの間でも抵抗感が強いが、ゴーリーの装備は以前はもっと小さかったのだから、一番抵抗感が少ないようだ。誰かさんなんか、冷蔵庫とか言われているよ。
 AHLのプレーオフ、ファイナルはシカゴ・ウルヴズ対フィラデルフィア・ファントムズとなり、レトネンとニッティマキのフィンランド・ゴーリー対決となったが、ファントムズが優勝してニッティマキがプレーオフMVPに選ばれた。AHLはこのところずっとゴーリーがMVPだそうで、昨年はミルウォーキー・アドミラルズのウェイド・フラハーティ(アマークスは2年連続、彼にやられてるので、忘れられない)。しかも、2年連続、ファイナルはスイープだったんじゃなかろうか。ウルヴズはマニトバ・ムースをスイープしたあと、今度はスイープされてしまったのだった。


Blues for Sale 05/6/19

 ”ラブ・フォー・セール”(映画「五線譜のラブレター」にも登場したコール・ポーターの名曲)ならぬ”ブルース・フォー・セール”だが、ウォルマートみたいな大企業が親で、アリーナも新しくて、客の入りもよくて、20年以上もプレーオフに出場し続けているコンテンダーなのに、まさかまさかのニュースである。
 確かに、そんなに儲かってるわけでもないのに高い年俸の選手を集めまくり、年俸高騰の戦犯の1人(?)であることは間違いはないのだが、赤字の原因はそれだけでもないらしい。
 「セントルイス・ポスト・ディスパッチ」(ポスト・ディスパッチって、私が翻訳したピッツバーグが舞台の小説に出てくる新聞の名前なんだが)によると、ブルースは94年に建設された新アリーナについて、50年間のリース契約をしているのだそうだ。しかも、アリーナだけでなくガレージや駐車場も借りていて、だからそこでのイベントの収入はチームの収入になるが、その分、メンテナンスに金がかかる。その上、セントルイス市はブルースからべらぼうに高い税金を取っているのだそうだ。
 日本では自治体がハコモノ行政とかいって、維持費も考えずにホールなどを造って問題になっているが、アメリカの自治体はハコモノ造るかわりにチームに長くいてもらおうとするわけである(カナダは造ってくれない)。しかし、いくらなんでも50年は長すぎる、と思うのだが、前のアリーナは百年くらい使っていたから今度も50年はもつだろう、と、あちらの掲示板に書いてあった。
 問題は、チームの売却に伴い、このリース契約も買ってもらう必要があること。つまり、チームがセントルイスに残らないと、面倒なことになるのだ。というのも、リース契約の費用は株主が負担しているから、そこをクリアしないとリース契約を破棄できない。
 経済に疎い私がなんとか理解できたのはここまで。セントルイスにはファンがしっかり根付いているはずだし、グレン・ミラー楽団の名曲にちなんだチーム名も残してほしいから、なんとか地元でオーナーが見つかることを祈ります。


ニュースの裏を読む 05/6/18

 NHLもF1も、経営難のチームは大変、というお話。

 アナハイム・マイティダックスの新オーナーへの身売りが正式に承認され、ピッツバーグ・ペンギンズを買いたいというサンノゼの投資家が現れ、そして今度は、セントルイス・ブルースが売りに出されるというニュースが飛び込んできた。

 こういうのはいい話なのか悪い話なのか、にわかには判断しがたい。新しい労使交渉が締結されれば、NHLは健全な経営ができるだろうということで、新オーナーが現れやすいということもあるだろうが、オーナーが変わればすべてよくなるとは限らない。だからファンは心配になる。

 6月12日、モントリオールで開催されたF1レースで、ジョーダン・チームの黄色い車体に「Bring Back Hockey」の文字が書かれ、予選2日目の土曜日にマリオ・ルミューとタイ・ドミが招待されたというニュースがあった。集まった記者たちの興味は、もちろん、ペンギンズの将来とマリオのこと。このニュースでも、別のニュースでも、ペンギンズは身売りしても移転はしない、マリオはチームに残る、といった報道がされていた。
 しかし、ファンの掲示板をのぞくと、「結局は移転してしまうのではないか」「マリオは出ていってしまうのか」といった不安の声がある。そういうファンの心配があるから、「移転しない」「マリオは残る」という報道があるのではないかと思う。

 F1のジョーダン・チームも最近は経営難で(広告がつかないからああいう文字が書けるわけだ)、ついにエディ・ジョーダンがチームを手放し、今年からロシア生まれのカナダ人がオーナーになっているという(ドミはこのオーナーと事業をしているらしい)。しかし、チームは低迷。あるジョーダン・ファン(なぜかセイバーズ・ファンでもある)が掲示板に書いていた、「新オーナーがチームをめちゃめちゃにした。エディ・アーヴァインが別のロシア企業のバックアップを受けてオーナーになるという噂があるけれど、彼ならジョーダン・スピリットを取り戻してくれるだろう」しかし、ロシアの大金持ちはすごいね。
 何を隠そう、80年代後半から90年代前半にかけて、私はF1をよく見ていた。プロスト、セナ、マンセル、ピケといったドライバーの時代。中島がまだ走っていた時代。しかし、セナが亡くなり、これらのドライバーたちが引退した頃からほとんど見なくなってしまった。
 さっき、2ちゃんねるのF1をのぞいてみたら、この時代を愛する人達が盛んに昔話をしている。みんな、この時代が好きだったのだね。ヒゲのマンちゃんのスレッドまであったよ。


ウィリアム・インジ 05/6/17

 ウィリアム・インジは1950年代前後に活躍したアメリカの劇作家である。同時代のテネシー・ウィリアムズやアーサー・ミラーに比べると地味だが、私はとても好きだ。アメリカ中西部の普通の人々が生き生きと描かれていて、ユーモラスな会話も楽しい。登場人物は基本的にみな善人なのだが、そういうごく普通の人々の間に起こる葛藤がよく描かれている。
 特に好きなのは、「ピクニック」と「草原の輝き」である。

 英語の教師の仕事を始めた頃、よく、インジの劇や脚本をテキストに使った。生徒は女子短大の学生だったから、若い男女の恋愛ものはぴったりだった。インジの物語には親のすすめる結婚相手とはまったく違う男性を好きになる女性、誰もが認める理想のカップルだったのにうまくいかなくなってしまう男女、親子やきょうだいの確執などがリアルに描かれているから、当時の若い人達には身近に感じられる内容だった。

 1950年代のカンザスを舞台にした「ピクニック」では、美人だがほかに取り柄がなく、母親のすすめる金持ちの息子との結婚に悩む姉と、成績優秀だが美人ではないことにコンプレックスをもつ妹が登場する。そこへ現れたのが金持ちの息子の大学時代の親友で、今は無職の若者。ハンサムでたくましいが、大学は中退で将来性のない彼に、姉は本気で恋をしてしまう。娘を玉の輿に乗せたい母親、母子家庭の貧しい娘を嫁にしたくない金持ちの父親、親友に恋人を奪われる息子、若者に淡い恋心を抱く妹といった人物の葛藤が、他人事でない共感を呼ぶドラマだ。1956年に映画化され、現在はDVDが発売されている(写真)。

 1961年の映画「草原の輝き」はインジのオリジナル脚本によるもの。こちらは1920年代のカンザス州を舞台に、石油を掘り当てて一代で大金持ちになった男の一家と、彼の親友で雑貨店を営む男の一家が主人公。金持ちの家には親に反抗して不良になってしまった娘と優等生の息子がいる。息子は高校のアメフトのヒーローで、成績は優秀。恋人は雑貨店の一人娘。誰もがうらやむ美男美女のカップルである。少年の父親は表向きは二人のつきあいに反対していないが、本音は息子を東部の大企業の令嬢と結婚させたいと思っている。少女の母親は玉の輿に乗せることしか頭にない。若い二人は心から愛しあっているのだが、こうした親の要求と、そして性の問題に悩み、やがて悲劇が起こる。(DVDあり。)

 あの頃、私の授業を受けた女子短大生たちは、今では30代半ばくらいになっているはずである。その後、大学・短大では英語の授業に物語を使うのが好まれなくなり、こうした劇や脚本、小説を扱うことがむずかしくなってしまった。
 最近になって、映画の脚本が英会話に役立つという口実で、脚本や劇を使う授業を始めた。そこで久しぶりに「草原の輝き」を学生に読ませてみて、驚いた。親の期待や要求に悩む若い人達の心が痛いほどわかる、と学生に言われたのである。インジが活躍した時代からすでに半世紀がすぎているが、今も変わらないものがあるのだろう。


ダース・ヴェイダー 05/6/16

 ランディ・ジョンソンがヤンキースに入団したとき、あちらでは「悪の帝国はついにダース・ヴェイダーを手に入れた」というような言い方がされていた。背が高いからとか、たぶん、いろいろな意味があるのだろうけど、「スター・ウォーズ」シリーズのダース・ヴェイダーはジェダイの騎士としてか弱き者の救世主になるはずだったのに、悪の帝国に寝返ってしまった人物。そういうたとえにも使えそうな例があちこちにありそう。
 それはともかく、最初の「スター・ウォーズ」を初公開のときに見た世代としては、一番気になるのは、ヘイデン・クリステンセンのような美形の若者が、製作順では第3作の「ジェダイの帰還」でルークの前に顔を見せたあのダース・ヴェイダーになるのかなあ、ということ。顔も身長もちがいすぎません?
 最初の3作でダース・ヴェイダーを演じたのは、たしか、フランケンシュタインの怪物役をやったことのある背の高い俳優で、声は名優ジェームズ・アール・ジョーンズがやっていた。ほとんどあの扮装で、顔は「ジェダイの帰還」の最後になって初めて見せる。
 「スター・ウォーズ」第1作は私にとってはそれこそ青春の思い出の映画の1つだから、若い人とはまたちがった思い入れがあるのだけれど、第1作はとにかく楽しくて、夢中になった。それが「帝国の逆襲」、「ジェダイの帰還」と続くにつれて、話が妙に暗くなり、あげくの果てにはルークとレイア姫がきょうだいだとか、ルークとダース・ヴェイダーが親子だとかになって、なんじゃい、と思ったのも事実。それでも、ハリソン・フォードが大好きだったこともあって、最初の3作には愛着が強い。
 最近になって作られたダース・ヴェイダーことアナキンを主役とする「エピソード1」と「エピソード2」は、正直言ってがっかり。映画としての質がだいぶ落ちる。それでも、ここまで来たら見ないわけにはいかない。クリステンセンが「ジェダイの帰還」のダース・ヴェイダーにつながらないように、ユアン・マクレガーがアレック・ギネスにつながるはずもないのだが、まあいいじゃないの。
 ちなみに、「ジェダイの帰還」は初公開時には「ジェダイの復讐」だった。これは当初、あちらでも原題が「復讐」だったのだが、いざ公開のときになって、ジョージ・ルーカスが「ジェダイの騎士は復讐はしない」とかなんとか言って、「復讐」を「帰還」に変えてしまったのだ(「指輪物語」の「王の帰還」が頭にあったのだろう)。英語だと「リヴェンジ」が「リターン」になるだけだが、日本語だとだいぶちがってしまう。それまで「復讐」で宣伝していたのに急に「帰還」に変えるわけにもいかず、日本では「復讐」で公開されたのだ。
 「エピソード3」は「シスの復讐」。ルーカスも結局、リヴェンジ復活させたことになる。


ラッセル・クロウの新作 05/6/15

 ラッセル・クロウの新作「シンデレラマン」を見てきました。
 クロウといえば、昨年1月、「マスター・アンド・コマンダー」の宣伝でピーター・ウィアー監督とともに来日するというので、わざわざ出かけてみたのだが(場所は例の「ロスト・イン・トランスレーション」のホテル)、彼は来ていなかった。
 なんでも、ボクサーを演じる新作映画のためのトレーニング中に肩を脱臼したのだという。ウィアー監督の話がすこぶる面白かったので、行ったかいはあったが、ちょっと残念だった。それから5カ月たった昨年の6月、トロントで行なわれたNHLのアワード授賞式にラッセル・クロウが現れたというニュースが伝わってきた。例のボクサーを演じる映画「シンデレラマン」をトロントで撮っていたのである。
 監督は「ビューティフル・マインド」でもクロウと組んだロン・ハワード。1930年代の大恐慌時代に貧しい人々の希望の星となった実在のボクサーの話、と言えば、パッとしない競走馬が思いがけず大活躍する実話の映画化「シービスケット」を連想するが、不況時代の人々の貧しい生活はこの映画の方がリアルに描かれている。
 クロウ演じるボクサーは、今はすっかり落ちぶれて職もなく、大恐慌の中で3人の子供を養うのも大変な状況にある。ところが、ある日突然、ヘビー級第2位のボクサーと対戦するチャンスを与えられ、負けるに決まっていると誰もが思っていたのに勝ってしまう。その後も周囲の予想を覆して勝ち続け、ついにチャンピオンに挑戦という、おとぎ話のような実話である。人生とは危険をともなう戦いであり、勝ちたいと思うことが大切という、いかにもアメリカ的な精神論の物語ではあるが、勝ち組になれない大多数の人々に、心だけは負け犬になるなと訴えかける。だからこそ、人々はアンダードッグが勝つことに熱狂し、感動するのだ。
 今年の夏のメジャー映画はSF大作ばかりだが、SFは苦手という人にはぜひおすすめしたい。ただ、難を言えば、ボクシング・シーンの編集がちょっと……。


ホッケー最近のネタ 05/6/11

 TSNをチェックしている人はとっくにご存じと思うが、水曜日に「Globe and Mail」のサイトに出た記事のこと。キャップに関するわけわかめな記述のせいで、あっちこっちで大きな話題になり、北米掲示板ではさまざまな議論がかわされたが、その後、やっぱりガセ?てな感じになっている。ロイターが配信してしまったので、日本語の記事にもなっているのだろうか。
 NHLでは先週末から3日間、ルール変更などについての話し合いが行なわれ、例のセイバーズの提案したネットも議論の対象になった。このネット、バルーン・ネットとかマリリン・モンロー・ネットと呼ばれている。
 元ボストン・ブルーインズのキャム・ニーリーら3人のNHLの殿堂入りが決まった。以前、72年のサミット・シリーズのソ連チームの選手をもっと殿堂入りさせるべきだという記事を紹介したが、その元ソ連選手ヴァレリ・ハルラモフ(と読むのかな)が3人の内の1人に選ばれた。ハルラモフは33歳で交通事故死している。

 バッファロー地域では、7週にわたって放送されたセイバーズの試合に続き、6月10日から5週連続でさらに5試合を放送する。放送予定の中にはカップ・ファイナルに進出した75年のものもある。
 セイバーズのマキシム・アフィノゲノフ(写真)が来季はロシア・リーグでプレーするのではないかという噂が出ている。ロシア・リーグは来季も大盤振る舞いをする予定だそうで、NHLがあってもあちらでプレーする選手が出るかもしれない。


「チャイナタウン」とゴールドスミスのこと 05/6/10

 1970年代はもろ、私の青春時代なので、当時見た映画には人生の一部になっているような思い出の映画が多い。ロマン・ポランスキー監督の「チャイナタウン」もその1本。主演はジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、そして映画監督のジョン・ヒューストンが助演している。
 舞台は1930年代。冒頭のシーンでニコルソンが読んでいる新聞に競走馬シービスケットの記事があるが、まさにその時代。私立探偵ニコルソンが殺人事件に巻き込まれ、被害者の妻ダナウェイを疑いつつ、恋に落ちる。ヒューストンはダナウェイの父親で町の有力者だが、こういう複雑で奥が深く、なおかつ巨大な悪が最近のハリウッド映画には少ない。DVDには特典映像として、現在のポランスキーと脚本家ロバート・タウン、製作者ロバート・エヴァンズのインタビューが収められているが、当時のハリウッドでは芸術性の高い娯楽映画がヒットし、アカデミー賞の候補になるなど、今よりずっといい時代だったということが語られている。年寄りの懐古趣味ではない。本当に、あの頃のハリウッド映画は娯楽的に面白いだけでなく、芸術的にも優れた、深い作品が多かったのだ。
 「チャイナタウン」も、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説を思わせる内容で、人間の深い悲しみや社会の欺瞞が浮かび上がってくる。映像も美しく、何より、ジェリー・ゴールドスミスの音楽がすばらしい。
 ゴールドスミスは昨年、亡くなったが、彼が作曲したが、映画には使われなかった「タイムライン」の音楽のCDが発売されている。彼が降板に至った経緯については「キネマ旬報」6月上旬号に詳しいが、重厚な音楽を好まない最近のハリウッドの風潮のせいでゴールドスミスは曲の書き直しをさせられた上、それをキャンセルされたのだそうだ。彼は80年代にも「レジェンド/光と闇の伝説」の音楽を書きながら、アメリカ公開版では別の作曲家に変えられてしまったという過去をもつ。幸い、ゴールドスミスの音楽はヨーロッパ版ではそのまま使われ、日本ではこの版が公開されたので、私たちは彼の美しい曲の数々を聴くことができる。


Seventh at Seven 05/6/8

 本当は6月7日のうちに書くべきだったのだが、北米はまだ7日だからいいだろう。
 「Seventh at Seven」というのはジム・キャリーの映画「ブルース・オールマイティ」に出てくる台詞。人生に対して不満たらたらの主人公ブルースが神様に文句言ったら、神様から電話。古ぼけたビルの7階の7号室へ来いと言われ、ビルに入ると、清掃係の服装をした神様が掃除をしている。「掃除を手伝ってくれ」と言う神様(とはまだわからないのだが)に向かって、7階の7号室のしゃれで「7日の7時に」と言う。
 7階で神様から、そんなに文句があるなら神のかわりをしろ、と言われ、神の力をもらったブルースは、なんでもかんでも好き放題やってしまう。ライバルを追い落とし、欲しい仕事を手に入れ、負けてばかりのバッファロー・セイバーズを優勝させる。ところがやりすぎて何もかもがめちゃくちゃに。困り果てたブルースが神様に助けを求めて古ぼけたビルへ行くと、そのときが7日月曜日の午後7時なのだ。
 その日はセイバーズが優勝する日なので、NHLの優勝が決まるのは6月上旬だから、6月7日なのだろうと私は思った。奇妙なことに、昨年、タンパベイ・ライトニングが優勝したのが6月7日月曜日だった。
 映画では、セイバーズの優勝が午後6時直前に決まるのだが、ファイナルの試合が月曜のデーゲームって……。もっとも、この映画、前半、エリー湖のそばで事故るシーンから最後に目覚めるシーンまでが全部夢だったという、恐怖の夢落ち説がある。
 「ブルース・オールマイティ」はジム・キャリーとトム・シャドヤック監督のコンビ3作目。最初の「エース・ベンチュラ」はマイアミが舞台で、NFLのドルフィンズの優勝リングをめぐる話だった(ドルフィンズの選手が本人役で出演)。2作目の「ライアー、ライアー」はロサンゼルスが舞台なので、当時ドジャーズにいた野茂と、そしてカンセコの名前が出てくる(本人は出ません)。そして「ブルース・オールマイティ」がバッファローとセイバーズ。次はNBAで行くしかあるまい。


またまたノー・ゴール 05/6/6

 このところ、毎週日曜日のお楽しみはNHL公式サイトのプレーオフ映像集。今週はゴール・スコアラーの特集ということで、10位のジェレミー・ローニックから1位のブレット・ハルまで10人プラス・アルファが紹介されている。
 で、1位のハルの最後に出てくるのが例の99年カップ・ファイナルのノー・ゴール。まあ、NHLではあれは正式にゴールということになっているのだからこうなるのだろうが、外の世界ではセイバーズのファンでなくてもノー・ゴールと言っているのだが……。なお、その直前にあるもう1つのファイナルのゴールは正しいゴールです。
 このほか、なんでマリオ・ルミューが2位なんだよ、というご意見もあるでしょうね。しかし、ガキと言われてた頃のヤーガーは溌剌としてていいな。
 しかし、これがNHLのサイトに出るのがわかっていたのか、セイバーズ公式サイトでは、ニュースのページの2番目にノー・ゴールのシーンのビデオを含む紹介が出ている。
 そのかわりなのかどうかは知らないが、先日紹介したフライヤーズに8対0で勝った試合のビデオのリンクのある紹介記事が奥の方へ消えてしまった。このビデオ、なぜか音声が入っていないのだけれど、先週の金曜にあちらで放送された録画はABCの映像に地元のアナウンサーの実況がかぶさっていたのだそうだ。どうりで、画質がいつもよりいいと思ったのだが、それで音声が入っていなかったのだろうか。
 この映像、セイバーズ公式サイトの左サイドのマルチメディアをクリックしてビデオをクリックし、ビデオページが出たら、アーカイヴをクリックすると、ずらっとリストが出るので、そこから探せます。ノー・ゴールの映像は、トップページのOther Newsをクリックすれば、映像のリンクのあるニュースが出てきます。ただ、例によって、うちのパソコンはここのビデオを見ると必ず固まってしまうので、そこまでして見る物好きな人はご用心(固まるのは見終わってからなので、さほど問題はない)。


セイバーズ圧勝の試合 05/6/3

 何度も紹介しているバッファローでのセイバーズの試合の放送。いよいよ今週金曜が最後となり、それに合わせて公式サイトに映像がアップされた。
 2001年プレーオフ1回戦、セイバーズがフライヤーズに8対0で勝ち、2回戦進出を決めた試合だ。先だってのNHL公式サイトのセイバーズ対フライヤーズは90年代に限られていたので、この2001年の試合は入っていなかった。でも、ファンが一番見たかった対フライヤーズ戦はこれだろう(フィリーのファンはいやでしょうが)。
 で、見どころの1つは、デイヴ・アンドレイチャクのゴール・シーン。93年にリーフスにトレードされたあと、あちこちのチームを渡り歩いた末、このシーズンに戻ってきたのだった。以前に在籍していたときは25番をつけていたが、このビデオでは52番をつけている。
 アンドレイチャクは残留を望んだのに解雇されてしまったということもあって、昨年のカップ・ファイナルのときは公式サイトもなにげにアンドレイチャク応援のようであった。93年のトレードも最悪のトレードの1つと言われている。


リーアム・ニーソン 05/6/2

 バットマンの最新作「バットマン・ビギンズ」の宣伝でリーアム・ニーソンが来日していた。例によって六本木で他の共演者と一緒にあいさつしたらしい。12、3年前だったらきっと、ああ、行きたかったなあ、とか、インタビューしたかったなあ、とか思うところだが、今となってはそういう時代があったのがなつかしい思い出。
 リーアム・ニーソンに夢中になっていたのは80年代末から90年代の初め。もちろん、日本で彼に注目していた人などほとんどいなかった。最初に惹かれたのはニール・ジョーンダン監督の幽霊コメディ「プランケット城への招待状」を見たとき。準主役だったがけっこう儲け役で、ラストのダンスシーンはとってもロマンチック。お定まりのサービスショットである肉体派男優ぶりもしっかり見せてくれていた。
 それからサム・ライミ監督の「ダークマン」が来る。これで全米ナンバーワン・ヒット作の主役になった彼は、あちらではスター扱い。でも、日本では相変わらず無視されていた。「ダークマン」という映画自体、私は最初から傑作と信じて疑わなかったが、当時は愚作扱い。日本ではコケた。
 北アイルランドに生まれ、アイルランド演劇界で俳優としてのキャリアをスタートさせた彼は、マイナーなイギリス映画では早くから主演をしていたし、80年にはジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」でかなり重要な脇役を演じていた(この映画には同じくアイルランド演劇界出身のガブリエル・バーンも出演していた)。その後、メジャーなイギリス映画に何本か出演するも芽が出ず、ハリウッドに渡り、「情熱の代償」(日本未公開、ビデオあり)でダイアン・キートンの相手役に抜擢。これでハンサムな肉体派男優としてアメリカではブレイクしたのだった。
 日本で有名になったのはやはり「シンドラーのリスト」からだろう。そして、「スター・ウォーズ/エピソード1」で一気にファンが増える。しかし、90年代半ば以降の彼はもはや若くハンサムな肉体派男優ではなくなり、しだいに枯れた中年になっていった(年を取ったのだから当然だけど)。若い頃の、からだばかりデカくて演技は下手だけど、なんともかわいかった彼が好きだった私からすると、演技もできる枯れた中年の彼はもう別世界の人になっている。
 そんなわけで、私のリーアム・ニーソン・ベスト3は、今でも「情熱の代償」、「ダークマン」、「プランケット城の招待状」なのです。


セイバーズのビデオ 05/6/1

 ファンが編集した8分余りのビデオがネット上にアップされていて、ダウンロードして見た。これがなかなかおいしいビデオ。昨シーズンの一番新しい映像から、フレンチ・コネクション・ラインの古い映像までが上手に編集されている。特にフレンチ・コネクションの3人のプレーはこれまで見たことがなかったので、ぼやぼやでも何でもうれしい。しかし、この頃はヘルメットもかぶってなかったのだねえ。「スラップ・ショット」でもハンソン兄弟とか、かぶってなかったが。
 新しいところでは、90年代のプレーオフの名シーンがいくつか入っている。ナイアガラの滝をバックに選手だけを浮き上がらせたりと、けっこうプロっぽい。
 セイバーズのファン以外にはわざわざダウンロードして見るほどのものではないだろうし、アクセスできるのは一時的なので、リンクを貼ってもしかたないだろう。でも、探し当ててでも見たい、という人は、この掲示板へ行ってみてください。
 セイバーズの映像は北米でもほとんどDVDになっていない。あちらでDVDになっているものといったら、レッドウィングスとかフライヤーズとか、一握りの人気チームだけ。かろうじて、セイバーズがカップ・ファイナルに出た75年と99年の最後の試合はDVDになっているが、もちろん、どちらも負け試合だ。
 先だってのNHL公式サイトのセイバーズ対フライヤーズはありがたかったが、それでも、セイバーズの負け試合の方が多かった(涙)。でも、迫力ある試合の映像ばかりだったし、編集もいろいろな意味で面白くできていたと思う。